日本では歴史的な給与交渉に給与労働者たちが満足していない(RFI)

日本では歴史的な給与交渉に給与労働者たちが満足していない(RFI









(Au Japon, des négociations salariales historiques qui ne satisfont pas les salariés: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20240314-au-japon-des-n%C3%A9gociations-salariales-historiques-qui-ne-satisfont-pas-les-salari%C3%A9s





日本では歴史的な給与交渉に給与労働者たちが満足していない





日本では給与をめぐる主要な年次交渉が大詰めを迎えている。これらは歴史的な交渉になりそうだ。相当な数の企業で、給与が5%以上増加する可能性がある。これは30年間見られなかったことのようだ。そして、これはこの列島が1990年代から経済を蝕んできたデフレからようやく脱却しつつあることを意味するようだが、このような事実を除けば、多くの給与労働者はこのような気前の良さの恩恵を受けないだろう。





発表 2024 年3月14日 17:51







2024年3月14日、東京の銀座商店街を歩く人々。 © Philip Fong / AFP





記者 RFI





報告 RFI東京特約記者、ブルーノ・デュバル





日本では調査を受けた人の80%近くが、大詰めを迎えている給与交渉の結果について、政府・労組・経営者と熱意を共有していない。この認識の違いは、給与労働者の70%が中小企業で働いているという事実によるものだ。大企業と異なり、彼らには給与を大幅に増やす手段がない。東京都民たちは次のように証言する。



「私の増額ではインフレを補うことは出来ない。だから、結局のところ私は敗者になるだろう」と、彼らの1人は言う。「私は20年振りに給与を上げてもらうが、それでも僅か2%だ。そのため、私にとってこの瞬間は決して政府の言うような『歴史的』なもので無い」と、別の人は付け加えた。「雇用主はもっと気前の良さを示すべきだが、労働組合に入っている労働者は僅か16%なので圧力を感じていない」と、インタビューを受けた別の人は説明する。「たとえ給与が5%上がったとしても―恐らくそうは成らないだろうが―私は可能な限り出費を抑え続けるつもりだ。経済的にやって行けないからだ」と、日本の首都でマイクを向けた最後の住民が締め括った。





給与は全体的にかなり低い



日本では給与はそれほど高くない。平均月給は2,000 ユーロで、更に、不安定、ブラック、あるいは、非正規の雇用にある労働者の40%は僅か1,500ユーロだ。また、インフレを考慮した実質給与額[投稿者の和訳は22ヵ月間減少を続けている。



そのため、多くの日本国民は倹約をしている。家計消費はほぼ1年に亘り減少している。そして政府にとって、これは大きな落とし穴だ。





►これも聞く:日本:日経指数が好調なのは、この国の経済にとって良い兆候か?[投稿者の和訳





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(投稿者より)



"Les salaires ne sont pas très élevés au Japon : 2 000 euros par mois en moyenne, voire 1 500 euros à peine pour les 40% de salariés qui n'ont qu'un emploi précaire, sous-statutaire ou irrégulier."「日本では給与はそれほど高くない。平均月給は2,000 ユーロで、不安定、ブラック、あるいは、非正規の雇用にある労働者の40%は僅か1,500ユーロだ。」、"sous-statutaire"「法律に定められた要件に満たない」ですから、訳語としては余り良く無いですが「ブラック雇用」が現代日本語としては最も近いようです。因みに、投稿日におけるユーロ相場は1ユーロ=164円です。 



記事は13日に開かれた政労使会議のことを言っているのだと思いますが、要は政府・大企業・組織労働者の談合です。談合が悪いとは言いませんが、この枠組みから外れる大多数の国民(中小企業の労働者や個人事業主など)はこの恩恵を受けないでしょう。一部に恩恵を与え他を切り捨てることで、切り捨てられた残りの国民の怒りを集めるという、岸田氏の政治手法がここにも見られます。



その一方で物価の値上がりは進んでいます。置いて行かれる国民は増える一方です。彼らが今後どう動くかは注目できます。