【米大統領選2024】 ヘイリー氏が撤退表明、トランプ氏支持は明言せず 共和党指名争い(BBC NEWS JAPAN)

米大統領選2024】 ヘイリー氏が撤退表明、トランプ氏支持は明言せず 共和党指名争い(BBC NEWS JAPAN)









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米大統領選2024】 ヘイリー氏が撤退表明、トランプ氏支持は明言せず 共和党指名争い







Reuters

共和党の大統領選候補者指名争いから撤退を表明したニッキー・ヘイリー元国連大使(6日、チャールストン






2024年3月7日





アメリカの元国連大使のニッキー・ヘイリー氏は6日午前、今年11月の大統領選に向けた野党・共和党の候補者指名争いから撤退すると発表した。これまでの予備選や党員集会で、ヘイリー氏は2勝しかできなかった。





記者会見でヘイリー氏は、「選挙活動を中断する時がきた」と述べた。



これにより、共和党ではドナルド・トランプ前大統領が唯一の候補者となった。15州と1米領の選挙が集中した5日の「スーパーチューズデー」でも、前大統領がほとんどの州を制して大勝した



ヘイリー氏は、トランプ氏への支持は表明しなかった。それでも、祝いの言葉を送り、「幸運を祈る」と述べた。





「後悔はしていない」



ヘイリー氏は演説の中で、「アメリカ人の声を聞いてほしかった」から予備選に残っていたのであり、「私はそれをやり遂げた」と主張。「後悔はしていない」と述べた。



また、経済や社会主義の脅威、国際紛争など、選挙期間中にしばしば取り上げていた政策課題を再度、強調した。



アメリカの債務は、最終的には我々の経済を押しつぶすだろう」



アメリカの後退のせいで、世界は火の海だ。ウクライナイスラエル、台湾で同盟関係にある者たちに寄り添うのは、道徳的に必要なことだ」



ヘイリー氏はさらに、「トランプ氏を支持しなかった党内外の人々の票を獲得できるか」は本人次第だと述べた。



ヘイリー氏の選挙チームは5日夜、同氏が共和党の大統領予備選で2勝した最初の女性になったことを「光栄に思う」と述べていた。



声明で選挙チームは、「ドナルド・トランプに対して深い懸念を表明している共和党予備選有権者は依然として多い」、「それは我々の党が成功するために必要な団結ではない。こうした有権者の懸念に対処することが、共和党アメリカをより良くする」とした。





2勝しかできず地元州でも敗北



ヘイリー氏は選挙戦で、自分を国連大使に任命した元上司でもあるトランプ氏の「カオス」からアメリカが脱却するチャンスだとアピールしていた。



最後の数週間では、ヘイリー氏はトランプ氏への攻撃をますます強め、彼の年齢や精神力を標的にした。また、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領や北朝鮮金正恩キム・ジョンウン)総書記のような独裁者と「仲良くしている」と批判した。



ヘイリー氏は党の指名獲得にはまったく届かなかったものの、トランプ氏を拒否した有権者、特に高等教育を受けた有権者から大きな支持を得た。



そして今、州によっては共和党予備選有権者の4分の1を占めるヘイリー氏の支持者が、トランプ氏を支持するかどうかに注目が集まっている。



トランプ氏は6日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」で、ヘイリー氏は「昨夜、記録的な大敗」を喫したと述べた。



ヘイリー氏は自身を党の再出発の起点と位置づけ、トランプ氏を過去に置いていくチャンスだと売り込んできたが、予備選ではヴァーモント州とコロンビア特別区(首都ワシントン)で勝利しただけだった。



ヘイリー氏が知事を務めたこともある地元サウスカロライナ州でも、トランプ氏が大差で勝利していた



ヘイリー氏の離脱により、トランプ氏は今月中にも共和党候補の指名を事実上獲得し、11月にはジョー・バイデン大統領との再戦に臨むことになる。





バイデン氏もヘイリー氏支持者の獲得へ



共和党のミッチ・マコネル上院院内総務は、ヘイリー氏の撤退表明後、すぐにトランプ氏への支持を表明した。マコネル氏とトランプ氏は過去に意見を違えたこともあったが、マコネル氏はトランプ氏が党の支持を得ていることは「非常に明白だ」と述べた。



トランプ氏への支持を表明しなかったことについて、ヘイリー氏を批判する声も出ている。保守派政治団体アメリカを憂慮する女性(CWA)」のペニー・ナンス氏もその一人で、トランプ氏こそ与党・民主党を倒す最大の切り札だと述べた。



「もし(ヘイリー氏が)この機に乗らないのなら、彼女の動機は明らかだし、保守派の人々は決してそれを許したり忘れたりしないだろう」



一方、共和党全国委員会のロンナ・マクダニエル委員長は、ヘイリー氏は「選挙戦を精一杯、闘った」と称賛した。



バイデン大統領は、ヘイリー氏の撤退表明後、すぐにその支持者に対する説得を試みた。



「大統領選への出馬はとても勇気のいることだ。ドナルド・トランプについて真実を語る勇気のある人がほとんどいない今日の共和党では、特にそうだろう」



ドナルド・トランプは、ニッキー・ヘイリーの支持者を求めていないことを明らかにした。彼らの居場所は私の選挙戦にある」





(英語記事 Nikki Haley exits race but stops short of endorsing front-runner Donald Trump





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(投稿者より)



ヘイリー氏は共和党員でもDS側の方々を支持基盤にしていたようです。米国では民主党員でも共和党予備選挙に投票できるそうで、ある州ではそのような票が主体だったとも聞いています。氏が勝利したバーモント州とワシントンDCはいずれも民主党の牙城です。トランプ派が主流となった共和党内で最後まで降板しなかったのは、トランプ氏の暗殺を待っているのだとの酷評すら流れていましたが、氏の降板によりトランプ氏の次期大統領就任が確実性を増しました。



トランプ氏は、海外の戦地にいる米国人の若者を本土に返すことを大きな政策課題にしています。在日米軍の撤退も今後は視野に入るでしょう。米国は米国ファースト、他国は自国ファースト、それで良い、その上で互恵的な関係を模索するのがトランプ氏の基本的な外交スタンスです。日本側もそろそろ植民地根性を捨てないと置いて行かれそうです。