「米国の大学でガザ攻撃への抗議デモが広がる」(BBC NEWS JAPAN・Pars Today)

「米国の大学でガザ攻撃への抗議デモが広がる」(BBC NEWS JAPAN・Pars Today)









BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/articles/cd1dg2z9v11o





米大学でガザ攻撃への抗議デモ続く 各地に拡大







EPA-EFE

コロンビア大学に設置された、パレスチナの旗を掲げたテント





2024年4月24日






アメリカの大学で、パレスチナ自治区ガザ地区での戦争に抗議する行動が広がっている。当局はこれを鎮めようと対応を強化している。



抗議行動は東部のコロンビア大学やイェール大学で目立っていた。ニューヨーク市にあるコロンビア大では18日、学生ら100人以上が警察に逮捕された。



22日夜には、ニューヨーク大学の抗議行動にも警察が割って入り、多数を逮捕した。



イェール大(コネチカット州)でも同日、学生ら数十人が逮捕された。コロンビア大はこの日、教室での授業を中止した。



これらの大学で見られる、キャンパスにテントを張って野営場所を設営する動きは、西部のカリフォルニア大学バークリー校、東部のマサチューセッツ工科大学(MIT)など、各地の大学にも広がっている。



昨年10月7日にイスラム組織ハマスイスラエルを襲撃して以来、双方の間の戦争と言論の自由をめぐり、デモと激論がアメリカ中のキャンパスを揺るがしている。



ハマスの襲撃では、イスラエル人や外国人など約1200人が殺された。その大半が民間人だった。イスラエルによると、ハマスは253人を人質としてガザ地区に連れ去っている。



イスラエルはこの襲撃後、ハマス破壊と人質解放を目標に、これまでにない激しい戦争をガザ地区に仕掛けている。ハマスが運営する同地区の保健省によると、これまでにイスラエルの攻撃で、女性や子供を中心に3万4000人以上が殺されている。



アメリカでは、親イスラエル派と親パレスチナ派の両方の学生らが、反ユダヤ主義とイスラモフォビア(イスラム嫌悪)の事案が増えているとそれぞれ指摘している。



ジョー・バイデン大統領は22日、大学での抗議運動について、「反ユダヤ主義の抗議」と「パレスチナ人に何が起きているかを理解しない人々」を非難すると述べた。





キャンパス内にテントを張って抗議







Reuters

イェール大学で抗議する学生たち。プラカードには「私たちの世代で解放を」と書かれている






キャンパスでの抗議運動は先週、ニューヨーク市警察がコロンビア大学のキャンパスに出動し、多数のデモ参加者を逮捕したことで、世界的な注目を集めた。



コロンビア大学は22日、今学期のすべての授業をバーチャルで行うと発表。ミノウシュ・シャフィク学長は、「威圧的で嫌がらせのような行為」があったと述べた。



シャフィク学長は、キャンパス内の対立について、「コロンビア大学とは無関係の人物が、自分たちの目的を追求するためにキャンパスにやってきて、それを利用し、増幅させている」のだと話した。



ニューヨーク大学では、デモ参加者らが経営大学院(MBA)スターン・スクール・オブ・ビジネスの敷地の各地にテントを張った。



他のいくつかの大学と同様、抗議者らは同校に対し、「武器メーカーやイスラエル占領に利害関係のある企業との資金的つながりや投資」を開示し、投資を引き揚げるよう求めている。



22日夜には、警察がニューヨーク大学で抗議者の拘束を開始。133人ほどが逮捕された。



23日には、同大学近くのワシントン・スクエア・パークに数百人の抗議者たちが集まり、市警と大学の対応を非難した。



コネチカット州ニューヘイブンにあるイェール大学では22日、50人近いデモ参加者が逮捕された。



同大学によると、身柄を拘束された人々は、退去を求める「複数の要請」を無視したという。



このほか、カリフォルニア大学バークリー校、MIT、ミシガン大学、エマーソン大学、タフツ大学でも抗議のキャンプが設置された。







EPA

エマーソン大学での抗議の様子。壁には「パレスチナ解放」と書かれている






キャンパスでの抗議活動については、反ユダヤ主義だとの非難も出ている。



たとえば、コロンビア大学近郊でデモに参加していたの一部の人々が、イスラエルへのハマスの攻撃を支持する様子を映した動画が、インターネット上に投稿された。



22日にコロンビア大学を視察した民主党のキャシー・マニング下院議員は、そこでイスラエルの破壊を求めるデモ隊を見たと語った。



コロンビア大学ユダヤ教超正統派グループ「チャバド」によると、ユダヤ人学生が罵声や暴言を浴びたという。



コロンビア大学に所属するラビ(ユダヤ教指導者)が、300人のユダヤ系学生にメッセージを送り、「状況が劇的に改善」するまでキャンパスから離れているよう警告したとも報じられている。



抗議の参加者らは反ユダヤ主義を否定し、自分たちの批判はイスラエル国家とその支持者にのみ向けられたものだと主張している。



23日に発表された声明の中で、「パレスチナに正義を求めるコロンビア学生の会」は、「いかなる形の憎しみや偏見も断固拒否する」と述べ、「私たちを代表しない扇動的な個人」を批判した。





連邦議員らが懸念を表明



コロンビア大学のシャフィク学長は声明で、「この危機に解決をもたらす」作業部会を設置したと発表した。



シャフィク学長は先週、反ユダヤ主義に対する取り組みについて議会委員会で証言した。コロンビア大学は、この状況の解決を迫られている。



エリズ・ステファニク下院議員(ニューヨーク州選出、共和党)が率いる議員団は22日、「ユダヤ人学生に対するテロ行為を呼びかける学生や扇動者の暴徒に終止符を打てなかった」として、シャフィク学長に辞任を求める書簡を公表した。



一方、ニューヨーク大学の抗議運動については、キャシー・マニング議員、ジョシュ・ゴットハイマー議員など、民主党の下院議員たちが言及している。



ゴットハイマー議員はまた、コロンビア大学についても、ユダヤ人学生が大学に受け入れられ、安全だと感じられないならば、大学は「その代償を支払う」ことになると指摘した。



下院の教育委員会のヴァージニア・フォックス委員長(共和党)は、「コロンビア大学が秩序と安全の回復に失敗し続けている」ことは、連邦政府の援助が条件としていた義務を超えたものであり、「直ちに是正」されなければならないと、インターネットに投稿した。



コロンビア大学の卒業生で、現在はアメリカンフットボールのプロリーグNFLの「ニューイングランド・ペイトリオッツ」のオーナーもロバート・クラフト氏は、この抗議行動を受けて、「是正措置が取られるまで」大学への支援を停止すると警告した。







EPA

画像説明, マサチューセッツ工科大学のテントには「もしあなたが人間なら、気にしないといけない」と書かれている






しかし、大学の一部の教員は、コロンビア大学の抗議行動への対応や警察を呼んだことを非難している。



コロンビア大学の権利擁護団体「ナイト・ファースト・アメンドメント・インスティチュート」は、22日にBBCに宛てた声明で、「早急な軌道修正」が必要だと述べた。



同団体は大学の規則を引用し、外部当局が関与すべきなのは、「人や財産、あるいは大学の各部門の実質的な機能に対する明白かつ差し迫った危険」がある場合に限られると主張した。



「たとえ無許可であったとしても、野営や抗議行動がどのようにそのような危険をもたらしたかは、我々には明らかではない」



ガザ地区での戦争をめぐっては、アメリカ各地でも大規模なデモが起きている。



パレスチナの抗議デモは、米各地で主要道路を封鎖するなどの形で起きている。コロンビア大での抗議デモの数日前には、シカゴのオヘア国際空港、シアトル・タコマ国際空港、サンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジ、ニューヨークのブルックリン・ブリッジなどへのアクセスが制限された。





(英語記事 Israel Gaza: Top US colleges struggle with widening protests





関連トピックス 中東 宗教 イスラエルとパレスチナ イスラエル 人権 教育 アメリカ パレスチナ自治区 政治 イスラエル・ガザ戦争 デモ・抗議 軍隊 デモ















―参考―

























(Pars Today)

https://parstoday.ir/ja/news/middle_east-i124164





なぜイスラエルは、全米の大学運動を恐れるのか?





4月 28, 2024 14:29 Asia/Tokyo







なぜイスラエルは、全米の大学運動を恐れるのか?





英ロンドンに拠点を置くアラビア語ニュースサイト「ライ・アルヨウム」のアブドルバーリー・アトワーン編集長は、最近の論説記事で全米の大学に広がる反イスラエル運動を取り上げ、この運動を反ユダヤ主義だとしたイスラエルのネタニヤフ首相を指して「これまで生きてきた中で、これほど恥知らず人物を見たことがない」と批判しました。





ネタニヤフ氏の世論操作は崩壊



アトワーン氏はこの記事で、「ネタニヤフ氏はアメリカを熟知している。それゆえ、いま全米の大学で起きていることがイスラエルアパルトヘイト政権崩壊まで続きかねいと理解している。ちょうどベトナム戦争下のアメリカやアパルトヘイト時代の南アフリカで起きた出来事のように」と記しました。



アトワーン氏によると、ネタニヤフ氏は自身がブレア英元首相とともに資金を出して設立した「ハスバラ」を世論操作のための最大の功績と考えていたものの、現在全米各地の大学で表現の自由が脅かされている中で、急速にその功績を失いつつあります。アトワーン氏はそれがひとえに「ガザ市民の抵抗の賜物」であるとしています。



いま米国の学生たちが大学で起こしている「革命」は、パレスチナの公正な理念を米国内の問題・世代を超えた政治的テーマとして認知させ、正義、自由、ジェノサイド・アパルトヘイトの停止のための闘争に昇華させました。





イスラエルが全米の大学運動を恐れる理由



アトワーン氏は、ネタニヤフ氏をはじめとするシオニストらが、いまの全米の大学で起きている運動が欧州や西アジアにも波及することを懸念しているといいます。



ここで、シオニストらがそのような懸念を抱く理由をいくつか挙げることができます。



1つ目は、これまでシオニスト・ロビーの巣窟であった各大学でこのような運動が起きたことは、アメリカの若い世代がこれまでの世代とは違って、シオニストの嘘には騙されないことを意味するからです。ここで注意しなければならないのは、現在パレスチナ支持運動に参加して弾圧・逮捕されている学生は中流階層ではなく、政治家や富裕層の子供だということです。つまり、彼らが将来のアメリカを担っていくことになるのです。



2つ目は、この運動には大勢のユダヤ人学生も参加していることです。このことが、運動を「反ユダヤ主義」とするネタニヤフ氏らの嘘を暴いています。



3つ目は、今回の運動が、これまで続いてきたシオニストらによる米国メディア・世論の支配を崩壊させ、親イスラエルに向けた世論操作を困難にしていることです。



4つ目に、イスラエルへの軍事支援を続けることが米国の利益にならないことに多くの人々が気付いたことがあります。イスラエルへの支援を続けることで、米国が戦争に巻き込まれ、税金がイスラエルへの武器に使われることに、多くの市民が疑問を持つようになっています。



アトワーン氏は記事の中で、全米各地の大学で起きている運動に対する最大の侮辱は、イスラエルのベングビル治安相が、米国を含む各国にユダヤ人団体を保護するための民兵組織を設立することを要求したことだとしています。



ベングビル氏がこのような要求をしたことは、シオニストらが欧米諸国に対し、自らの利益を守る上でその能力に疑念を持っていることを示しています。1948年のイスラエル「建国」に役割を果たし、以降その存続に尽くしてきた欧米諸国は、このベングビル氏の要求を今まさに叶えているところなのです。



全米各地の大学で起きている運動は、シオニストらの本当の顔を暴き、イスラエル崩壊へのカウントダウンを開始させました。学生たちが起こした「革命」は世界を揺るがし、平和と安定を守り、虐げられる者たちを助ける新しい国家を生み出す原動力となります。そして、運動は欧州や西アジア新興国にも波及し、パレスチナにおける正義実現を支持してくでしょう。







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タグ シオニスト政権イスラエル イスラエル







―参考―











(投稿者より)



ベトナム反戦の時は、つまりは「自分が戦場に行くのは嫌だ」ということでした。今回、学生たちは純粋にガザの市民ために闘っていますが、米国とイスラエルの関係の深さを考えたとき、これは米国社会にとっても大きな意味を持つ出来事に思えます。



イスラエル国内でも反政権の抗議活動が広がっているようですが、イスラエルの孤立化が進む前に国民が自らの意思で手を引くことを願っています。