「日本世論を怒らせた米海軍兵の事件、日米の不平等な関係を浮き彫りに」(Pars Today・BBC NEWS JAPAN)

「日本世論を怒らせた米海軍兵の事件、日米の不平等な関係を浮き彫りに」(Pars Today・BBC NEWS JAPAN)









(Pars Today)

https://parstoday.ir/ja/news/japan-i122294





上院議員「日本は謝罪すべき」 日本で事故・3人死傷の米兵仮釈放で





1月 15, 2024 00:23 Asia/Tokyo





2021年に静岡県富士宮市で交通事故を起こして2人を死亡させ、米国に移送された米兵が仮釈放されました。これをうけ米上院のマイク・リー議員は、「日本は(米兵の)家族と米国に謝罪すべきだ」などとSNSに投稿しました。





この事故は2021年5月、静岡県富士宮市内の道路を運転していた米兵のリッジ・アルコニス受刑者が飲食店の駐車場に突っ込み、2人が死亡したものです。



アルコニス受刑者は日本の裁判所で禁固3年の実刑判決を受け、収容されましたが、昨年12月に米国に移送されました。



移送をめぐっては、米議会の議員らが働きかけ、ハリス副大統領やサリバン大統領補佐官らが関与したと米メディアは伝えています。



米側の当初の説明では、アルコニス受刑者は残りの刑期を米国内で過ごすとされていましたが、CNNは被告が今月12日に仮釈放されたと報じました。仮釈放は米仮釈放委員会の命令だということです。



こうした中、米上院のマイク・リー議員は13日、Xへの投稿で、家族と面会したアルコニス被告の写真や動画を掲載し、「日本は(アルコニス受刑者の)家族と米国に謝罪すべきだ)」と記しました。



リー議員はこの投稿で、「我々の軍人の家族には、海外での配属中に直面するリスクがある」「医療上の緊急事態により起きた不慮の交通事故で投獄されることは(そうしたリスクに)含まれるべきではない」などとしました。



これは、アルコニス受刑者が事故前に富士山を訪れ、運転中に高山病を発症し意識を失ったと主張していたことをうけたものと思われます。



日本の司法の決定が外圧により覆され、謝罪まで要求される。またしても日米関係の不平等性が浮き彫りになりました。







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タグ 軍事基地 駐日米軍 日米軍事関係 アメリカ兵



















(Pars Today)

https://parstoday.ir/ja/news/japan-i122360





日本人3人死傷の米兵仮釈放に、米国市民からも批判の声





1月 17, 2024 15:44 Asia/Tokyo







米海軍大尉のリッジ・アルコニス受刑者





2021年に日本国内で交通事故を起こして3人を死傷させた米兵が、刑期途中で本国に移送されて間もなく仮釈放されたことについて、米国市民からも批判の声が上がっています。







CNNのジェイク・タッパー氏の投稿





この米兵は米海軍大尉のリッジ・アルコニス受刑者で、横須賀基地に所属していた2021年5月、家族で静岡県富士宮市内の道路を運転中に飲食店の駐車場に突っ込み、2人が死亡、1人が重傷を負いました。



アルコニス受刑者は日本の裁判所で裁かれ、2022年7月の二審判決で禁固3年の実刑判決が確定しました。しかし、刑期途中の昨年12月、米国に移送され、今月12日には米仮釈放委員会の決定により仮釈放されました。







タッパー氏の投稿に米国市民から寄せられた批判の声.





このニュースは日本国内で強い反発を呼び、特に米上院のマイク・リー議員がアルコニス受刑者の収監を不当なものとして「日本は(アルコニス受刑者の)家族と米国に謝罪すべきだ」とSNS上に投稿すると、批判が殺到しました。



批判の声は米国市民からも上がっており、リー議員だけでなく、アルコニス受刑者の仮釈放を「素晴らしいニュース」としたCNNのジェイク・タッパー記者の投稿にも非難の声が数多く寄せられています。



このまま批判の声が高まり続ければ、日米関係に影響が出ることも予想されますが、今のところ日米両当局からはこの件に関するコメントは出されていません。







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BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/articles/c1d12mmn887o





日本世論を怒らせた米海軍兵の事件、日米の不平等な関係を浮き彫りに







SUPPLIED

米CNNの司会者ジェイク・タッパー氏がソーシャルメディアに投稿したアルコニス一家の写真






2024年2月20日





ニコラス・ヨン、イアン・タン、BBCニュース





リッジ・アルコニス受刑者(36)に関するニュースが最初に流れたのは2021年5月29日だった。当時、日本ではほとんど話題にならなかった。



アメリカ海軍大尉のアルコニス受刑者は、静岡県富士宮市で日本人の死者2人を出した交通事故を起こした。85歳の女性とその義理の息子(54)だった。



過失運転致死傷の罪で有罪を認めたアルコニス受刑者は、2021年10月に禁錮3年の実刑判決を受けた。裁判で弁護側の米海軍の医師は、アルコニス受刑者は事故当時、高山病をわずらっていたと述べていた。昨年12月になり、アルコニス受刑者はアメリカに移送された。



米海軍横須賀基地の所属だったアルコニス受刑者は、日本で司法トラブルの当事者となった米兵の1人に過ぎない。1960年に日米地位協定が結ばれて以降、日本に駐留する米軍の兵士が関わる刑事訴訟は何百件も起きている。



そして今年1月13日、米CNNの司会者ジェイク・タッパー氏がソーシャルメディアに投稿した「素晴らしいニュース速報」が、日本人を怒らせた。投稿には、笑顔のアルコニス受刑者が、妻と3人の子供たちと写っている写真が添えられていた。



タッパー氏は、「アメリカの仮釈放委員会は今朝、リッジ・アトキンス海軍大尉の全面的な仮釈放を認めた。大尉は即時に釈放され、保護観察も付かない」と説明した。







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アルコニス受刑者の妻と支援者たちは、彼の釈放を求める圧力キャンペーンをアメリカで展開し、成功を収めた






アルコニス受刑者の妻ブリタニーさんと支持者らが、釈放のためにアメリカ政府に圧力をかける活動を行い、それが成功したことを知る日本人は多くはない。ジョー・バイデン米大統領は、2022年の一般教書演説の際にブリタニーさんと面会し、抱きしめた。カマラ・ハリス副大統領は、日本の岸田文雄首相にこの件を問いただした。



ユタ州マイク・リー上院議員もアルコニス受刑者のために積極的に活動し、ソーシャルメディアでの投稿には岸田首相をタグ付けした。アルコニス受刑者が仮釈放された際には、「日本はこの家族とアメリカに謝罪すべきだ」とまで書いた。



これに対し、日本ではインターネット上で怒りの声があがった。あるユーザーは、「なぜあなたは祝っているのか」と書いた。



別のユーザーはリー議員への返信で、「そもそも、彼とその家族は日本の被害者家族に謝罪したのか?」と書いた。



いくつかの日本メディアもこの件を取り上げたが、日米政府はいずれも公式にコメントしていない。米テンプル大学のジェイムス・D・ブラウン教授はBBCの取材で、日本の政治家や主要メディアがこの事件を大きく取り上げる動機はほとんどないと語った。



「そのようなことをしたら、日米関係のダメージをさらに悪化させることになる。日米の同盟関係は不公正だが、それでも日本の安全保障にとって不可欠であるとの認識が、日本国内では広まっている」



その上でブラウン教授は、このようなケースは「疑いなく損害を与える」と付け加えた。



神田外語大学で講師を務めるジェフリー・ホール氏も、日本にはアルコニス受刑者に関して「明確ないらだち」があると前置きした上で、こう述べた。



「多くの日本人には、強力な同盟国であるアメリカが自分たちを対等に扱ってくれず、今後もそうすることはないだろうという諦めがある。アルコニス事件は、アメリカで与党や大統領が変わっても、この不平等感は根強く残ることを強調している」





不平等な関係







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米軍基地の撤退を求める抗議行動は、沖縄ではよく見られる






日本におけるアメリカ軍の存在に対する煮えたぎるような憤りは、第2次世界大戦後の日本の軍事占領までさかのぼる、長期にわたるテーマだ。戦後、アメリカの占領軍は日本の憲法を平和主義的なものに書き換え、天皇を象徴的な存在に引き下げた。



日本には現在、120カ所の基地に約5万4000人のアメリカ軍人が駐留している。基地のうち、32カ所が沖縄県に集中。同県は約3万人の米兵を抱えている。台湾への近さから、中国が台湾に侵攻した場合にアメリカが対応できるという点で、沖縄は重要視されている。



沖縄ほど、米軍の駐留に対する不満が明確な地域はない。同県では1972年まで、日本の他の地域より20年も長くアメリカの占領が続いた。1970年には、何千人もの沖縄県民が米軍憲兵らと衝突したコザ暴動が起きた。



安里孝史さん(70)は、子供のころに見た1960年代の沖縄の生活を鮮明に覚えているという。定期的に戦闘機が頭上を飛び、戦車や軍のトラックが道をふさいでいた。「美しい砂浜のほとんどは米軍専用で、地元の人は立ち入ることができませんでした。外国人住宅はフェンスに囲まれ、米軍人の家族のために広い芝生の庭がありました」。



バスの運転手として米兵を基地に送り届けることが多かったという安里さんは、「沖縄県民と米軍との間には、経済的にも文化的にも複雑な関係がたくさんありましたが、それは互恵的な関係でした」と付け加えた。





沖縄の怒り



昨年行われた世論調査では、沖縄県民の70%が、同県に米軍基地が集中していることを「不公平」だと感じていた。一方で、基地撤去を求める抗議行動につながることも多い反基地感情が存在するものの、多くの若者が米軍の駐留について諦めていることが分かった。



しかし、米軍による騒音や環境汚染に対しては多くの人が懸念している。米兵がからむ酒酔い事件は日常茶飯事で、女性への性的暴行も発生する。1995年に3人の米軍人が12歳の沖縄の少女をレイプした悪名高い事件を忘れている人はほとんどいないだろう。この事件では、数カ月に及ぶ抗議活動が起こった。



こうした事件が起きるたび、地元住民との接触を防ぐため、そして緊張をそれ以上悪化させないため、基地を一時閉鎖にすることはよくある。米軍幹部も、沖縄県知事に会って謝罪する。







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日本人の多くが、米軍基地は日本に必要なものだと諦めている






大学生の田村柚衣さん(24)は、アルコニス受刑者の事件について、タッパー氏の投稿に「非常にショックを受けた」とBBCに語った。しかし安里さん同様、米軍基地があることは「避けられない」と話した。



「それでも、戦闘機が空気が震えるほどのうるささで通るたび、そして大切な海が新しい基地のために開拓されるたび、沖縄県民が無視されていると感じます」





地政学的な必要性



北朝鮮という恒久的な脅威に加え、自己主張を強める中国、そしてロシアのウクライナ侵攻は、米軍基地がなくならないことを意味している。こうした状況は、かつては考えられなかったことも引き起こしている。日本はこのところ、戦後最大の軍備強化を進めており、2022年には防衛費を約2倍に拡大した。



2014年には、日本の存立と安全、または国民の安全が脅かされている状況において、自衛隊が外国の軍隊を支援することができると、平和的な憲法の再解釈がなされた。



多くの日本人が不満を抱いているにもかかわらず、アメリカは日本の中心的な同盟国として「かけがえのない」存在であり続けている、とテンプル大学のブラウン教授は言う。



神田外語大学のホール氏も、日米同盟はかつてないほど強固になっているとみている。



「日本を取り巻く安全保障情勢は非常に深刻なため、日本の指導者たちは(アルコニス受刑者のような問題を)無視し、アメリカや他の友好国との軍事協力を強化する計画を前進させ続けたいと考えている」



しかしブラウン教授は、このようなケースがいずれ犠牲を出すかもしれないと警告する。



北朝鮮や中国、ロシアといった日米同盟に反対する国々は、アメリカが同盟国の懸念に対してこのような傲慢(ごうまん)な無関心を示すたびに喜ぶに違いない。それは、アメリカと日本の敵対勢力への贈り物になる」





(英語記事 Ridge Alkonis: The sailor who stoked Japanese resentment against the US





関連トピックス 外交 アメリカ 軍隊 法律 日本









(投稿者より)



イランのメディアは先月にはこの問題を取り上げていました。そして、ひと月遅れてBBCが取り上げました。BBCが記事を出した直後から、日本メディアも立て続けにこの話題を取り上げています。ということは、この問題はこのままタダでは済まないということだと思います。



北朝鮮や中国、ロシアといった日米同盟に反対する国々は、アメリカが同盟国の懸念に対してこのような傲慢(ごうまん)な無関心を示すたびに喜ぶに違いない。それは、アメリカと日本の敵対勢力への贈り物になる」というコメントが言い得て妙です。



ある占星術師の方が「今年、日本の友人が米国からロシアに変わる」と言っていました。米国経済の衰退や米ドルの非基軸化、、また、ウクライナの劣勢やイスラエルの孤立化といった変化が水面下で進み、国際社会における米国の影響力の衰退や日米関係の激変すら予想される今の局面で、日本人を見下し差別する米国人の心的構造が露わになったことは非常に興味深いです。



他にも米国による日本経済の搾取、農薬まみれの米国産輸入食物など、米国が日本人の苦しみの上に胡座を掻くような現実は存在しており、これらの問題が変わっていくかどうかが注目されます。更には、日本車(他にもありますが)を米国市場に輸出するために米国に諂いその他の多くを歪めた日本が、何を反省しどう変わっていくかも注目点です。