「日本が予想外の景気後退入り、GDPもドイツに抜かれ第4位に」(BBC NEWS JAPAN・RFI・VOA)

「日本が予想外の景気後退入り、GDPもドイツに抜かれ第4位に」(BBC NEWS JAPAN・RFIVOA









BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/articles/clk8137y0yvo





日本、予想外の景気後退入り GDPが2期連続マイナス







EPA-EFE/REX/SHUTTERSTOCK





2024年2月15日





日本の内閣府は15日、2023年10~12月の国内総生産GDP)を発表した。2四半期連続でマイナス成長となり、日本は予想外の景気後退(リセッション)に入った。世界3位の経済大国の地位をドイツに奪われた可能性もある。





内閣府によると、2023年10~12月のGDPは前期(7~9月)比0.1%減だった。この状態が1年続く場合の年率換算は0.4%減となり、予想されていた以上に低下した。



7~9月期は前期比0.8%減、年率換算では3.3%減だった。



エコノミストらは2023年10~12月期について1%以上のプラス成長を見込んでいた。



今回の発表は速報値で、今後修正される可能性がある。



2期連続のGDPマイナス成長は、一般的に景気後退と定義されている。





ドイツに抜かれ世界4位に転落か



国際通貨基金IMF)は昨年10月、ドル換算でドイツが日本を抜いて世界3位の経済大国になる可能性が高いと予想していた。



IMFがランキングの変更を宣言するのは、両国の経済成長率の最終データが出た後になる。IMFは1980年から国別順位を発表している。



エコノミストのニール・ニューマン氏は、最新の統計によると2023年の日本の経済規模は約4.2兆ドル(約630兆円)、ドイツは4.4兆ドル(約660兆円)だとBBCに説明した。



これはドルに対する円安の影響を受けており、もし円が回復すれば日本がナンバー3の座を取り戻す可能性があると、ニューマン氏は付け加えた。



IMFのギータ・ゴピナート筆頭副専務理事は今月、東京での記者会見で、日本がランキングを下げるかもしれない大きな理由として、円が昨年、対ドルで約9%下落したことを挙げた。



一方で円安は、自動車など日本の輸出品の海外市場での価格を相対的に下げるため、日本の大手企業の株価を押し上げる要因となっている。



日本の株式市場では日経平均株価が今週、バブルが崩壊した1990年以降で初めて3万8000円の大台を超えた。日経平均の史上最高値は3万8915円87銭で、1989年12月29日に記録された。



今回のGDPのデータは、日本銀行が利上げ決定をさらに遅らせる可能性も示している。



日銀は国内の消費と投資を促そうと、2016年にマイナス金利を導入した。



マイナス金利は世界の投資家にとって円の魅力を低下させることになり、通貨価値を押し下げた。





(英語記事 Japan unexpectedly slips into a recession





関連トピックス ドイツ 日本経済 日本 経済













(L'Allemagne prend la place du Japon comme troisième économie mondiale en 2023: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/%C3%A9conomie/20240215-l-allemagne-prend-la-place-du-japon-comme-troisi%C3%A8me-%C3%A9conomie-mondiale-en-2023





ドイツは2023年に日本に代わって世界第3位の経済大国となる





木曜日に発表された日本の国内総生産GDP)に関する暫定データによると、日本は2023年、特に円安による影響のために世界第3位の経済大国という象徴的な称号を失い、これがドイツに有利に働いた。





発表 2024年2月15日 04:07







ドイツのフランクフルト証券取引所、2020年1月。REUTERS/Staff

La Bourse de Francfort, en Allemagne, en janvier 2020.





記者 RFI





2023年の日本の名目(インフレ調整前)GDPは約4兆2000億ドルに上ったが、ドイツの名目GDPは約4兆5000億ドルだった。ドイツの名目GDPは昨年も強いままだったインフレによって押し上げられた。しかし実質的には、つまりインフレのバイアスがなければ、昨年の日本のGDPは上昇を加速させていた(+1.9%。これに対して2022年は1%だった)。一方、ドイツ経済は1月に発表された公式データによると0.3%縮小した。



輸出大国であるドイツは外需の低迷や、自国の重要な製造業界のエネルギー費用、そして、インフレを克服するために欧州中央銀行(ECB)が引き上げた金利に苦しんでいる。ドイツの景況悪化により、国際通貨基金IMF)の予測によって昨年10月からドイツに約束されていた世界第3位の経済大国という新たな称号が、ライン川の向こうでは騙し絵だと認識されている。



これは特に、インドがやはりドル建ての名目GDPで数年以内に日本とドイツを同時に追い越す可能性があるからだ。AFPのインタビューに応じたフィッチ・レーティングスエコノミスト、ブライアン・コールトン氏によると、地球上で新たに最も人口の多い国となった同国で沸騰した経済は、早ければ2025年にも最高潮に達する可能性があるという。しかし、「インドの1人当たりGDPはドイツや日本よりもずっと低いままであることは明らかだ」と、同氏は述べた。



日本では、地元メディアが世界第3位の経済順位を失ったことについて大々的に論評し、円安の並外れた影響だけで無く、列島で加速する人口減少や慢性的な生産性の弱さなどの負のファンダメンタルズ要因が強力に働いていることに言及した。「2010年に米国に次ぐ第2位の座を中国に譲った後、日本は今や3位の座も明け渡しつつある」と日本の主要な日刊経済紙・日経は、先週の土曜日に掲載された社説で嘆いた。「日本は本来の潜在成長力を高める取り組みが進んでいない。この状況は、無視されてきた経済改革を加速するための警鐘となるだろう」と、日経は付け加えた。





不景気に突入した日本



ドイツと同様、日本は工業大国であり輸出大国だが、その地位は久しい以前から勢いを失っており、現在はインフレと円安によって国内消費が損なわれている。日本の通貨の下落は昨年1年間続いた(対ドルで-7%)。これは主に、2022年以降に米国と欧州で実施された大幅な金融引き締めと、日本銀行(BOJ)が維持した超緩和路線との間のギャップに起因する。



第4四半期の日本のGDPは更に縮小し (季節変動を調整した実質データで 前四半期比 -0.1%)、7月から9月に掛けての更に著しい減少(木曜日に下方修正された統計によると -0.8%)に続く2回連続の減少となった。このように、日本は定義上の不況に見舞われているが、ブルームバーグ通信社によるエコノミストのコンセンサスが第4四半期に0.2%の僅かな回復を予測していたので、これは少々意外だった。日本の家計消費はこの四半期に0.2%減少し、民間企業による非住宅投資は0.1%減少した。 唯一の明るい材料は財とサービスの輸出のGDPへの純寄与度が僅かにプラスだったことで、輸入が1.7%増加だったのに対し輸出が2.6%増加だった。



予想よりも厳しい日本の景況により、今年に超緩和的通貨政策の終了に着手するという日銀の任務は困難になる可能性がある。ただ、日銀は列島の経済と金融市場を不安定にしないように非常に慎重な姿勢を示していることから、この作業は非常に細かい段階を踏んで行われると予想されている。IMFは今年の日本の経済成長が緩やか (+0.9%) であると予測している。





(AFP)





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日本



















(Japan Unexpectedly Slips into Recession: VOA)

https://www.voanews.com/a/japan-unexpectedly-slips-into-recession-/7488468.html





日本が予期せぬ不況に陥る





2024年2月15日 0:52 AM





記者 ロイター








ファイル―2024年1月29日、東京の豊洲市場で盛り付けを行う寿司職人。





東京―





日本は昨年末に予想外の不況に陥り、世界第3位の経済大国の座をドイツに奪われ、中央銀行が10年に及ぶ超緩和通貨政策からいつ撤退を始めるかについて疑問が生じた。



中国の弱い需要・消費の低迷・トヨタ自動車の1部門による生産の停止などが全て景気回復への困難な道筋を示しているため、一部のアナリストは今四半期の更なる景気後退を警告している。



第一生命経済研究所のシニアエグゼクティブエコノミスト・新家義貴氏は「特に際だったことは内需の柱である消費と設備投資の低迷だ」と述べた。



「経済は成長の主要な原動力が無く、当面は勢いに欠けるだろう。」



政府統計が木曜日に示した日本の国内総生産GDP)は、前四半期の3.3%減の後、10~12月期は年率0.4%減となり、1.4%増という市場予想を混乱させた。



通常、2 四半期連続の景気後退はテクニカルな景気後退の定義と見なされる。



アナリストの多くは依然として、日銀が年内に大規模な通貨活性化政策を段階的に解除すると予想しているが、賃金上昇が消費を下支えしインフレ率を2%の目標付近に持続的に保つという日銀の見通しに対し、この弱い指標は疑問を投げ掛ける可能性がある。



ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ステファン・アングリック氏は「修正によって最終的な数値が多少変わる可能性があるとしても、国内総生産GDP)の2回連続の減少と内需の3回連続の減少は悪いニュースだ」と述べた。



「これにより、中央銀行にとって一連の利上げはおろか、一度の利上げにも大義名分を得ることが難しくなる。」



新藤義孝経財相は、物価上昇により消費が「勢いに欠けている」と述べ、消費を下支えするために確実な賃金の伸びを達成する必要性を強調した。



同氏はデータ発表後の記者会見で、日銀の政策が及ぼす影響についての質問に対し、「日銀は消費を含む様々なデータや通貨政策を進める上での経済へのリスクを包括的に検討していると私たちは理解している」と述べた。



日本円はデータ発表後も安定しており、直近では1ドル当たり150円22銭で、週初めに付けた 3 か月ぶりの安値付近に留まっている。



日経平均株価は0.8%上昇し、前日の取引での下落の一部を取り戻したが、これは恐らく日銀が予想より長く大規模緩和プログラムを継続するのではないかとの期待からだろう。



四半期ベースでは、GDPは予想中央値の0.3%増加に反して0.1%減少だった。これに対して前四半期は0.8%減少だった。





消費、設備投資が低迷



経済活動の半分以上を占める個人消費は、生活費の上昇と温暖な気候により家計が外食や冬物衣料の購入を控えたことから、0.2%減少と市場予想の0.1%増加を下回った。



民間部門のもう1つの主要な成長原動力である設備投資は、供給の抑制により建設事業に遅れが生じたため、予想の0.3%増加に対し0.1%減少だった。



データによると、輸出が前期比2.6%増加したため、外需、つまり輸出から輸入を差し引いたGDPへの寄与度は0.2%ポイントとなった。



日銀は4月までにマイナス金利を終了し、超緩和的な通貨政策の枠組みの他の部分を全面的に見直すための準備作業を行っているが、リスクが残る中でその後の政策引き締めは進行が遅れる可能性が高いと、関係者たちがロイターに語った。



日銀当局者たちはマイナス金利を解除する正確なタイミングについての手掛かりを明らかにしていないが、市場関係者の多くはマイナス金利が3月か4月に解除されると予想している。1月に実施されたロイターの調査によると、エコノミストの間ではマイナス金利政策の中止時期は4月がトップだった。



一部のアナリストは、日本は逼迫した労働市場と堅調な企業支出計画のために、超緩和政策からの早期離脱の可能性が保たれていると指摘している。



「第4四半期のGDPが2度連続で縮小したことは、日本経済が今や景気後退に入ったことを示唆しているが、企業調査や労働市場は別のことを物語っている。いずれにせよ、家計貯蓄率がマイナスに転じているため、今年の成長は引き続き鈍化するだろう」と、キャピタル・エコノミクスのアジア太平洋部門責任者マルセル・ティエリアント氏は述べた。



「(日銀は)個人消費は『緩やかな増加を続けている』と主張しており、次の3月の会合でも引き続き楽観的な姿勢を示すのではないかと考えている」とティエリアント氏は述べ、日銀が4月にマイナス政策金利を終了するとの見通しを堅持した。









(投稿者より)



株価にしても、一部業種(特に半導体)の一部大手銘柄に過剰な迄に資金が集中を続けているので、これが上位のカテゴリーにおける平均株価を吊り上げているのです。そこから溢れる企業は寧ろ増えています。数字は肩を並べましたが1989年のどの銘柄でも買えば上がった時代とは事情が全く違うように見えます。



賃金にしても、従業員の給与を上げられる一部企業には優遇措置を与える一方で、その資力の無い企業は放置しています。それどころか、収益力の小さな企業・個人事業者はインボイス制度の導入により半ば意図的に切り捨てられました。



少子化の最大の要因は適齢期の若者たちの経済力が弱く結婚に踏み切れない若者が多いことにありますが、既に子供のいる家庭への支援を拡大する一方で、若者たちの経済力を強めて家庭を持ち子供を作ることを促す施策は有りません。



この不況は、政府が豊かな一部を更に富ませて残りを切り捨てる政策を進めてきたことによる結果です。これが他の問題と重なり、国民の怒りが沸騰して政府を倒す日が来るかも知れません。事態はそこまで進んでいるように見えます。