「バイデン氏が東京の防衛費増大は自分の功績だと主張し、日本を憤慨させる」(Sputnik International・Sputnik日本)
(Japan Piqued as Biden Claims Credit For Tokyo's Ramped Up Defense Costs: Sputnik International)
https://sputnikglobe.com/20230623/japan-piqued-as-biden-claims-credit-for-tokyos-ramped-up-defense-costs-1111412557.html
バイデン氏が東京の防衛費増大は自分の功績だと主張し、日本を憤慨させる
© AFP 2023 / KIYOSHI OTA
ジョー・バイデン米大統領はカリフォルニアでの集会で6月20日、5月に広島で行われたG7首脳会議など3度に亘り岸田文雄首相と個人的に会談する迄、日本は「長い間」防衛予算を増額して来なかったと述べた。表向きには、東京にこの政策を再考するよう促したのはその時だった。
防衛費の増額という日本の決定に関するジョー・バイデン米大統領の最近の発言は、そのアジアの国の政府を不快にさせた。
バイデン氏がカリフォルニア州でのイベントに出席した際、東京にそのような動きを説得したのは自分の功績だと主張したことを受け、日本は米国に「自国の立場を知らせる」よう駆り立てられた。
「バイデン米大統領による斯かる発言の本当の意味が完全には明らかで無いのは事実だが、それでも私たちは防衛費増額の決定が日本の決定に基づいているという立場を明らかにしており、[バイデン氏による:編集部注]そのような発言は誤解を招く怖れがある」と、松野博一官房長官は6月23日の記者会見で、米大統領の言葉についてコメントを求めた記者の質問に答えて述べた。
日本の岸田文雄政権は、今後5年間に国の防衛費を倍増することを見込んだ一連の政策文書を承認した。そして、ジョー・バイデン氏は先日、何の躊躇いも無くそのことを自分の功績だと述べた。
「ご存知の通り、日本は長い間軍事予算を増額して来なかった。でも、どうだろう? 私は、議長を務めた日本の大統領…副…いや失礼、指導者と、広島を含めて確か3回、異なる機会に会った。そして…私は彼を説得し、彼も何か違うことを行う必要があると自分自身を納得させた。日本は軍事予算を飛躍的に増やした」と、バイデン氏は6月20日にカリフォルニアで行われた選挙集会で語った。
同じ集会でバイデン氏は次のようにも述べた。
「それでどうだろう?日本が戦争中の欧州中部で何が起こっているかに関心を持っていることや、ウクライナ国家への助力と支援に貢献していることを最後に聞いたのはいつだった?」
ウクライナで厄災が続く中、日本は現地に非致死物資を供給しているが、ワシントンがキエフ政権に武器を供与しようとする中、ウクライナにおけるロシアとの代理戦争でキエフ政権に武器を供与するためのワシントンの取り組みにおいて、バイデン政権は日本から米国製155mm砲弾用のTNTの提供を確保することに懸命に努力しているとの報道もある。
分析
米国は日本をロシアや中国との紛争に引きずり込もうとしているのか?
6月3日 13:27 GMT
日本はこの10年間、第2次世界大戦後の平和主義戦略を少しずつ見直して来た。この戦略は、国の防衛費をGDPの約1%に制限し攻撃力を引き下げるものだった。
2022年12月、日本の岸田文雄政権は今後5年間に国の防衛支出を倍増させることを見込んだ3つの政策文書―国家安全保障戦略(NSS)・国家防衛戦略・防衛力整備計画―を承認した。
そのため、日本の防衛費の増加額は2027年までに大筋でGDPの2%に増加し、約11兆円(810億ドル)になる。特に、新戦略には米国からのトマホーク巡航ミサイルの購入や日本独自の極超音速兵器の開発が含まれる。更に、日本はNATOとの関係を強化しており、岸田氏は2022年6月のNATO首脳会議に日本の指導者として初めて出席した。
東京は地域や世界全体の安全保障状況が悪化していると主張して、軍事化への回帰の必要性を正当化しようとしてきた。諸文書に記載されたように、日本は中国を「史上最大の戦略的挑戦」、DPRK(北朝鮮)を「以前よりも更に深刻な脅威」と認識している。
分析
アジア太平洋地域における米日の軍事力増強は地域の安定を揺るがす、学者らが警告
1月12日 17:54 GMT
世界 米国 日本 岸田文雄 ジョー・バイデン 国家安全保障戦略 NATO
(Sputnik日本)
https://sputniknews.jp/20230623/16347295.html
【まとめ】日本政府、防衛費めぐるバイデン氏発言に異論表明 「岸田は傀儡」と非難殺到
2023年6月23日, 14:58
© AP Photo / Mandel Ngan
日本の防衛費増額をめぐり米国のジョー・バイデン大統領は20日、「私が(岸田文雄首相を)説得した」と述べた。発言を受け、日本政府は23日までに「誤解を招く」として米側に申し入れた。インターネット上では「岸田政権は米国傀儡」などと非難が続出している。
「私が岸田を説得した」
ホワイトハウスによるとバイデン大統領は20日、カリフォルニア州で演説した際に次のように述べている。
「日本は長年にわたり防衛費を増額してこなかった。だが、どうだろう?私は議長、大統領、副…失礼、日本のリーダー(編注:岸田首相)に広島も含めて3回会った。そして、違うことをしなくてはと彼を説得し、彼も自分自身を説得した。日本は防衛費を飛躍的に増大させた」
ジョー・バイデン
第46代アメリカ合衆国大統領
日本の「大統領」とは何を意味するかは不明だが、バイデン大統領は岸田政権を自らが説得し防衛費増額に導いたと主張しているようだ。来年の大統領選挙を意識した演説だったため、自身の影響力をアピールする狙いもあったのかもしれない。
日本はNATOの加盟国、準加盟国になる計画はない=岸田首相
5月24日, 14:28
松野博一官房長官は23日午前の記者会見で、バイデン大統領の発言を受けて日本政府が米側に申し入れを行ったと明かした。「発言の真意は明らかでない」としたうえで、次のように述べている。
「我が国の防衛費増額は我が国自身の判断だという事実について、発言は誤解を招きうるものだったと日本の立場を説明した」
松野博一
官房長官
松野官房長官によると、米側からも防衛費増額は日本の判断であったと認識していると説明があったという。
ネット上の反応は
インターネット上では、発言が「炎上」状態となっている。
「まさに米国の傀儡政権」「属国扱いが公にされた感じ。屈辱的」と米国に従順な日本の姿勢を憂う声が多数上がっている。なかには「内政干渉を堂々とアピールするとは……」と怒りを通り越して呆れているユーザーもいる。
また、「『本当のことを言っちゃダメ!』ということですよね」「アメリカのポチでなければ日本の首相は務まらない」と自虐的なコメントさえみられた。
一方、前明石市長の泉房穂氏はツイッター上の自身のアカウントで次のように述べている。
「『国民への裏切り』とか『米国の傀儡』といった批判もあるようだが、要は『どっちを向いて政治をしているのか』の問題。日本の総理には、国民の方を向いて政治をしていただきたいと切に願う」
泉房穂
前兵庫県明石市長
【視点】時代遅れでも機能 吉田ドクトリンが日本の経済最優先主義をいかに支えているか
昨日, 07:00
止まらない妄言、失言
バイデン大統領の迷走っぷりには近頃拍車がかかっている。全ての事例を挙げればきりがないので、ここでは重大な失言、妄言を紹介する。
習近平主席は独裁者
防衛費増額発言があった20日、バイデン大統領は中国の習近平国家主席を「独裁者」と呼んだ。「偵察気球」問題をめぐる発言のなかで次のように述べている。
「習氏は気球がそこにあることを知らず、激怒した。独裁者にとって何が起こっているか分からないのは非常に恥ずかしいことだ」
ジョー・バイデン
第46代アメリカ合衆国大統領
アントニー・ブリンケン国務長官の訪中によって米中の関係改善に一縷の望みがみえた直後の発言で、部下の努力に水を差した形となった。中国外務省は「発言は極めて無責任で、事実に反し、外交マナーにも著しく違反している」と激しく抗議しているが、バイデン大統領自身は「対中関係に影響はない」とのこと。
モディ大統領
22日、米国を訪問したインドのナレンドラ・モディ首相に対し、バイデン大統領は次のように述べている。
「大統領閣下、大統領閣下…首相閣下。今やっとあなたの役職を下げました。お越しいただきありがとうございます。ようこそホワイトハウスへ」
ジョー・バイデン
第46代アメリカ合衆国大統領
インドは共和制国家で首相とは別に元首たる大統領がいるが、象徴的・形式的な役割にとどまっている。
女王陛下万歳!
16日、コネチカット州で演説を終えたバイデン大統領は壇上を去る際、「では、女王陛下万歳(God Save the Queen, Man)」と発言した。女王陛下万歳はエリザベス2世が死去するまで歌われていた英国歌の題名でもある。大統領が発した「女王」が何を意味するのかは神のみぞ知るところとなっている。
国内 岸田文雄 ジョー・バイデン 戦争・紛争・対立・外交 国際
(投稿者より)
元々、防衛費をGDPの2%に増やすことはトランプ政権が諸同盟国に要求していたことでした。同盟国の防衛費用を米国が負担するのは不当である、というのがその論拠でした。日本は先の戦争の反省から防衛費をGDPの1%に抑えていましたので、日本の場合は2倍増ということになります。
ただ、バイデン氏による今回のあからさまな発言と日本側の対応は、日本が実際に米国の属国ではないかという疑念を大きくするものでした。斯かる疑念は主にネットで情報を得る一部の国民の間では以前から共有されていましたが、発言が大手メディアにも取り上げられたことにより、この疑念は更に広がったかも知れません。
ところで、ロシアではこの作戦に傭兵を供給している民間軍事会社の指導者が作戦の拠点である南部の都市・ロストフで都市を封鎖して、政府に対する武装蜂起を呼び掛けたと伝えられています。
ただ、ネット上では同時に、兵士たちが街路に展開する有様を市民が物見遊山で見物する動画や、街路の清掃夫が仕事の邪魔だと兵士を追い払う動画も流布していました。
この動きに呼応して、大統領が反乱兵たちを厳しく非難すると共に市民に結束を呼び掛ける演説を行っていますが、双方で仕組んだ芝居のようにも見えます。敵を油断させ、内通者を炙り出するために分裂を演出したとの見方もあります。様子を見たいです。