「日印EPA」(RFI・PTI・読売の記事から):阿修羅♪









(Libre-échange et nucléaire civil au centre de la visite de Premier ministre indien à Tokyo: RFI)

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20101025-libre-echange-nucleaire-civil-centre-visite-premier-ministre-indien-tokyo





日本/インド

記事発表:2010年10月25日月曜日

最終更新:2010年10月25日月曜日






インド首相の東京訪問は、自由貿易と民生用原子力が中心





RFI











インド首相が東京を訪問する目的は、2国間の自由貿易協定を締結することだ。 インドは、特に、日本を説得して民生用原子力施設を供与してもらうことを望んでいる。しかし、日本はすでに、この件について保留を表明している。なぜなら、インドは核兵器保有し、核拡散防止条約の調印を拒否しているからだ。





RFI東京駐在記者フレデリック・シャルルの報告





日本は全速力でインドに接近している最中だ。日本は中国との間で、2006年以降もっとも深刻な外交の危機を経験している。日本は長年インドを無視していたが、たった1年で、インドとの自由貿易協定の交渉をまとめ上げた。 これは、時間をかけるのが慣例となっている日本の貿易交渉としては、異例の速さだ。



その上、日本は平和憲法の束縛を乗り越え、素知らぬ顔で、民生用原子力施設のインドへの供与という道に乗り出す。



この分野での2国間交渉は、この6月に始まった。インドはいかなる核実験も実施しないとを約束している。日本企業−ウエスティングハウスを救済合併した東芝と、ゼネラル・エレクトリックと合弁事業を行う日立−は、自社の原子力技術をインドに売ることを決めている。



もし米国が反対しなければ、態度保留どころか、2011年の初めにインドと調印する、この経済連携協定に、日本は原子力の項目を盛り込むだろう。











(PTI)(Yahoo! Indiaのニュースより転載)

http://in.news.yahoo.com/20/20101025/372/tbs-india-japan-conclude-talks-on-trade.html





インドと日本、自由貿易協定の協議をまとめる





10月25日月曜日午後10:38





アジャイ・カウル 東京、10月25日





PTI






両国の経済関係を新たな水準に引き上げるものとして、今日、インドと日本は、2国間の貿易・投資・専門家の移動を自由にする、野心的な協定の協議で合意したことを公表した。2国間の包括的経済連携協定(CEPA)の交渉結果は、マンモハン・シン首相と日本の菅直人首相の会談の後、共同声明として公表された。



「私たちは、インドと日本は、商取引・投資・サービス取引・自然人(法人でない、生きている人:投稿者注)の移動から、ビジネス環境の改善・2国間の協力などの、幅広い分野を含んだ、成功裏に真に包括的な2国間のCEPAをまとめ上げるのに成功したことに、満足している。」と、両国の指導者は共同声明で述べた。



インドの視点から見ると、CEPAは情報技術などのサービス産業に大きな後押しとなる。
専門家が日本に移動しやすくなることが見込まれるからだ。インドの医薬品も、厳しい日本の健康市場にアクセスしやすくなることが見込まれる。



景気後退に足を取られている日本には、8.5〜9%辺りまで経済が成長しているインドは、巨大な市場を提供できる。本年度上半期、インドの全世界からの輸入額は輸出額を630億米ドル上回った。これは国内の巨大な消費を示すもので、日本はこれを利用したがっている。



日印両国は、諸手続の完了後、すみやかにEPCAを発効させる「決意」を表明した。「EPCAは日印両国の戦略的・世界的パートナーシップを新たな水準に上昇させる。また同時に、国境を越えた商品・人・投資・サービスの流れを増大させることにより、相互補完が潜在的に見込める分野を開発し、経済発展を促進させる」と、声明は述べている。



シン氏と菅氏は、この貿易・投資の自由協定が調印されると、「アジア地域と世界の平和と繁栄に寄与できる」と確信している、と表明した。また、彼らは、CEPAによって、新たなビジネスの機会が育くまれ、両国の民間セクターの競争力が高められ、医用生体工学からインフラ関連の巨大企業に至る幅広い業種で、民間企業同士の緊密な協力関係が促進されることが期待されると語った。



この会談に先立ち、シン首相は、日本との2国間の貿易額は、輸出と輸入に不均衡があるものの、2012年までに200億米ドルを超えるだろうと語った。2009〜10年の日印間の貿易取引額は、103億9000米ドルだった。



CEPAは商取引を増やすだけではなく、投資も増大させる。インドはインフラ部門で巨大な投資が必要だし、日本もITなどの分野でインドの専門家を活用できる。











(YOMIURI ONLINE)

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20101026-OYT1T00055.htm





インドとEPA締結で合意、安保連携強化も確認





菅首相は25日夜、インドのシン首相と首相官邸で会談し、両国の「戦略的グローバル・パートナーシップ」を今後10年間で強化することをうたった共同声明に署名し、経済連携協定(EPA)の締結で合意した。



閣僚級の経済対話の新設でも一致し、両国間の人的交流を拡大するためビザの発給手続きを簡素化する覚書にも署名した。



日本のEPA妥結は、メキシコや東南アジア諸国連合(ASEAN)などに続いて12件目で、民主党政権発足後は初めて。発効は2011年中の見通しだ。これにより、日本の輸出品の90%、インドの輸出品の97%の物品の関税が、発効から10年以内に撤廃される。



また、中国が輸出を規制するレアアース(希土類)について、代替資源の研究・開発や再利用で協力していくことも打ち出した。



安全保障分野では、将来的な外務、防衛閣僚による「2プラス2」の新設をにらみ、連携強化を引き続き進めることを確認した。



日印2プラス2が浮上した背景には、インドが中国との間に未画定の国境を抱え、中国によるパキスタンスリランカの港湾整備援助や、インド洋進出の動きに警戒感を強めていることがある。日本も中国の軍事力増強を懸念しており、対中国で日印の利害が一致する面があるからだ。



菅首相は会談で、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に関してシン首相に説明した一方、「大局的な観点から戦略的互恵関係推進に取り組みたい」と語った。



一方、両首相は、6月に開始した日印原子力協定交渉の加速や、国連安保理改革の実現に向けた緊密な連携も確認した。



ただ、菅首相原子力協定交渉を巡って「日本人の核に対する強い思いを反映するようお願いしたい」と、インドが核実験を行った場合の協力停止を担保するよう求めたのに対し、シン首相は「インドは核実験のモラトリアムを宣言している」と述べるにとどめ、締結に向けた進展は見られなかった。



シン首相の来日は2008年10月以来。





(2010年10月26日00時44分 読売新聞)











(投稿者より)



昨日合意された、日印EPAの締結などについて、フランス・RFI(Radio France Internationale)のサイトに掲載された記事と、インド・PTI(Press Trust of India)が配信した記事を、日本語に直してみました。発言部分はそれぞれ原文を日本語に直しています。誤訳があるかもしれません。ご容赦下さい。



また、読売新聞の記事も転載しました。今回のパートナーシップ協定には安全保障面も含まれており、この点も見落とすことができないと思いました。この記事については、他の方からも投稿がありましたが、貿易・安全保障・原子力がバランス良く書かれていると思います。



フランスは日本と並ぶ原子力大国ですので、原子力協定のことが気がかりなようです。日印EPAでは鉄道建設の分野で日本がインドに協力することも合意されましたが、鉄道技術の分野でも、フランスは日本のライバルです。



RFIの記事は、日本と中国との微妙な関係、日本の意思決定には米国のお伺いが必要なことなどもちらっと触れています。いまの日本の国情がかいま見えます。



日印EPAがインドではどのように見られているかが気になったので、インドのEPA通信社が配信した記事も拾ってみました。インドもこれに相当期待していることが伺えます。



日印EPAの日本側のメリットなどは、ロイターの解説が詳しかったので、こちらはリンクを付しておきます。





(日本とインドがEPAで正式合意:ロイター)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-17822920101025





日印共同声明の全文は、首相官邸サイトから公表されています。





(次なる10年に向けた日印戦略的グローバル・パートナーシップのビジョン(仮訳):首相官邸

http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201010/25seimei_india.html





日印包括的経済連携協定締結に関する両首脳間共同宣言(仮訳):首相官邸

http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201010/25sengen_india.html