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通貨戦争って何ですか?(BBC)









(What's the currency war about?: BBC NEWS BUSINESS)

http://www.bbc.co.uk/news/business-11608719





通貨戦争って何ですか?





2010年10月23日





ローレンス・ナイト

BBCニュース経済記者







全てのカードを持ったまま取り残されるのはどの国か?





この10年、世界は「赤字」国と「黒字」国に分かれていた。



米国・英国などの赤字国は、世界の他の国々から借金しているので、輸出する以上に輸入ができる。



中国・日本・他の多くのアジア諸国などの黒字国は、正反対だ。彼らは、輸出品を買うお金を助けるために、他国にお金を貸している。



ユーロ圏は、だいたい輸出するだけ輸入し、均衡を保つという、代表例だ。



しかし、ユーロ圏の中では大きな不均衡がある。ドイツの大きな黒字だが、スペイン・ギリシャなどは赤字だ。





緊張が築かれる





金融危機と世界的な景気後退の間に、赤字国の輸入と黒字国の輸出が、あっという間につぶれた。



しかし、回復がはじまると、かつての不均衡が再び幅をきかせ始めたと、最近の貿易データは示している。











これが原因となり、緊張をもたらされるようになった。米国は輸出を増やし、経済回復の一助にしたいと考える。しかし黒字国は、自国の輸出業者の競争優位性を失わせたくないと考える。



競争優位性を得るいちばん早い方法は、通貨を弱くすることだ。



それでも、世界経済の回復はとても弱く、ほとんどすべての国が、自国の通貨は強すぎると不平を言っている。





車止めを外す





2008年の金融危機の間、大部分の通貨はドルに対して下落した。投資家はドルを買った。なぜなら、安全な資金の避難場所と考えられたからだ。



しかし、その時から、大部分の通貨はドルに対してゆっくり上昇した。米国の金利はゼロに近く、米国経済の回復はまだ弱いところで滞っていたので、ドルの魅力は下がった。



2007年には、中国は通貨・元をドルにペッグ(交換比率を一定にすることです、念のため:投稿者注)させていたが、金融危機の間もペッグをやめなかった。











中国人民銀行は、数兆ドルものお金を持ち出して、ドルに対して元を弱くし続けた。



そうすると、米国は不満になり、弱い元を続けることが、輸出品をわざと安くし続けることに役立っていると言った。



中国のアナリストたちは、中国は好景気なのに巨大な貿易黒字を抱えている。一方、世界の多くの国−特に米国−は、まだ経済が弱いのだ、と不平を言う。



今年6月、中国政府は、数ヶ月にわたる米国の圧力を受け、ついにペッグを−わずかに−ゆるめることに同意した。しかし、米国は、それでは不十分だと言う。



中国は、他の多くの輸出国と違い、金融危機の間、ドルに対して元を安くさせなかったと指摘する。







米国経済は低迷しているが、中国からの輸出品は到着を続けている





内心では、中国も、元をあまり急に上げると、多くの輸出業者が倒産し、中国経済に深刻な不安定をもたらすかも知れないと心配している。



さらに、中国だけが通貨を操作しているわけではない。韓国や他の国も、通貨の価値を低く保つために、介入を行ってきた。



でも、米国は中国を車止めと見ている−もし、中国政府に元を上げさせることができれば、他のより小さな輸出国も後を追うだろうと考えている。





円出づる国





さて、日本に話題を変えよう。







菅直人・日本首相は中国の介入に全く喜ばなかった





2008年の危機から、円は上がりに上がり、輸出業者を痛めつけ、国を景気後退の方に後戻りさせた。



何年もの間、円はずっと安かった。なぜなら、通貨で投機をする人たちが、円を借りて、その借りた円を売れるように、日本は金利をゼロにし、円を安くしたからだ。



でも、今では、米国・英国・EUも金利をほぼゼロにしているので、円の有利さがなくなってしまった。



9月に、日本は円を安くする介入を行った。



そして、中国がドルの代わりに円を買うかも知れないと言い出すと、日本は中国政府と怒りの言葉を交わした。



でも、息抜きの期間はすぐに終わり、それから、円はドルに対してずっと強くなっている。





何ができるのだろうか?





これらすべてのことから、一つ大きな疑問が浮かぶ−米国や英国のような国は、赤字を減らすために何ができるのだろうか?







ガイトナー氏はワシントンの同僚の多くよりもずっと経済制裁の脅威に警戒している





一つの選択肢は、緊縮財政だ。消費者や企業はすでに借入を減らし始めている。政府も同じことをすれば、国全体の借入が減り、赤字も減る。



問題は、赤字国が緊縮財政をとると、景気が後退する。特に、黒字国がお金を貸し続けている場合はそうなる。



もう一つの選択肢は、自由に使えるお金を増やすことだ。でも、金利がゼロのときは、中央銀行に残された手段は量的緩和だ−お金を刷って、それを使って債務を買い上げるか、通貨市場に直接介入する。



しかし、量的緩和の使い道は限定される−それは、日本が何年もかけて学んだとおりだ。



米国議会の多くの議員は、米国政府が別の選択肢を試すことを望んでいる−中国への経済制裁だ。



しかし、経済制裁は恐怖を増幅させて、G20会議に出没するだろう−米国が保護貿易主義を始め、そのために貿易がつぶれ、さらにそれが原因で大恐慌が起こった、1930年代の幽霊なのだ。











(投稿者より)



「通貨戦争」という言葉が最近聞かれますが、BBCサイトに掲載された解説がわかりやすかったので、日本語に直してみました。原文も、気の利いた高校生なら読める程度の簡単な文章ですが、誤訳はあるかもしれません。ご容赦下さい。



原文にはグラフが2枚、付されています。主要国の国際収支バランスの比較と、主要国通貨の対ドルレートの移り変わりです。通貨危機を挟んで、この2年で円だけが上昇を続けている様子がよくわかります。



量的緩和と言っても、確か日本の場合は、金融機関が保有する国債を日銀が買い上げ、その資金を、その金融機関が日銀に持っている当座預金の口座に入れることで、金融機関の貸出量を増やす政策だったと思います。日銀お金を刷ってばら撒いたわけではないのですが、細かいことはいいでしょう。



量的緩和の使い道はまだあります。紙とインクを使って、実際にお金を刷って、配るのです。自公政権時代に、地方・個人・零細業者から吸い上げ、外国人投資家や大企業に流しただけのお金を配れば、地方・個人・零細業者は息を吹き返します。 是非はあるでしょうが。