「ガザ市の病院で爆発、約500人死亡か。双方が非難の応酬」(BBC NEWS JAPAN・Pars Today)

「ガザ市の病院で爆発、約500人死亡か。双方が非難の応酬」(BBC NEWS JAPAN・Pars Today)









BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/67142149





ガザ市の病院で爆発、約500人死亡か イスラエル軍パレスチナ武装勢力を非難





2023年10月18日







Reuters

爆発があったパレスチナ自治区ガザ地区アル・アハリ病院で、負傷者を運ぶ人たち(17日)






パレスチナ自治区ガザ地区のガザ市にある病院で17日夜、大きな爆発が起きた。ガザ保健当局は、死者が約500人に上るとしている。ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスイスラエルによる攻撃だと非難しているが、イスラエル空爆を否定している。この事態を受け、アメリカのジョー・バイデン大統領はヨルダン訪問の予定を延期した。



爆発があったのは、ガザ市のアル・アハリ病院。現場の画像からは、暗闇の中で血まみれの負傷者らが担架で運び出される混乱状況がわかる。がれきが散乱する路上には、死体や破壊された車が見える。直前に大爆発があったことを示す動画も浮上している。



現地の人々によると、病院敷地内のホールには数百人が避難していたという。









ガザ市の病院に空爆か、多数の死傷者で混乱する現場 イスラエルは関与否定





この病院に勤めるロンドン出身のガッサン・アブ・シッタ医師は、爆発の直後、「病院の一部が燃えている。救急部だけなのかはわからない。手術室は確かに炎上している。(中略)天井の一部が落ちた」、「あちこちに割れたガラスがある。病院には避難してきた人がたくさんいる。人々は廊下に移動させられている」とBBCに話した。



爆発当時、ガザのアル・アハリ病院で働いていた医師は、爆発後の混乱した瞬間をこう語った。



匿名の医師は、院内には4000人が避難していたと説明。爆発で病院は壊滅的な被害を受けたと述べた。また、生存者を救助するため、病院は人が出払っているとした。



アル・アハリ病院に近いシファ病院には、多数の負傷者が運び込まれている。







Reuters

アル・アハリ病院の爆発で負傷した人々が、近くのシファ病院に次々と運ばれた(17日)






Reuters

アル・アハリ病院の爆発後、救急車で運ばれた子どもたち






パレスチナ側はイスラエルが攻撃と



この爆発を受け、ハマスは声明を発表。「戦争犯罪」だと非難し、「病院は病人や負傷者、(攻撃によって)強制的に家を追われた人を何百人も収容していた」とした。



そして、「何百人もの犠牲者がまだがれきの下敷きになっている」とした。



パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は、アル・アハリ病院での爆発を「おぞましい戦争の虐殺」だと糾弾。イスラエルが「すべてのレッドライン(越えてはならない一線)を越えた」と付け加えた。



ハマスのリーダーとされるイスマイル・ハニヤ氏は、病院が襲われた責任はアメリカにあると主張。アメリカがイスラエルに「侵略の口実」を与えているとした。



ハニヤ氏はテレビ演説で、「病院での大虐殺は、敵の残忍さと敗北感の大きさを示している」と発言。すべてのパレスチナ人が「外に出て、占領と入植者に立ち向かう」べきだと訴えた。また、すべてのアラブ人、イスラム教徒に告げるとして、イスラエルに対して抗議行動を取るよう呼びかけた。



イラン外務省も、爆発はイスラエル空爆によるものだとし、「武器をもたず身を守ることのできない人々」が死傷したとした。







Reuters

アル・アハリ病院の近くにあるシファ病院で治療を受ける人たち






イスラエルパレスチナを非難



一方、イスラエル軍は「X」(旧ツイッター)で関与を否定。病院で爆発があった時間帯には、ガザの「テロリスト」から多数のロケット弾が発射され、病院付近を通過していたとした。



その上で、、「複数の情報」から、ガザ地区武装勢力イスラム聖戦」(PIJ)が発射したロケット弾が病院に当たったとみられるとした。



イスラエルベンヤミン・ネタニヤフ首相は病院の爆発について、「野蛮なテロリスト」の仕業だと非難。イスラエル軍によるものだというハマスの主張を否定した。ロイター通信が伝えた。



ネタニヤフ首相の顧問を務めるマーク・レゲヴ氏は、情報を総合した結果、ハマスのロケット弾が病院に落下したとみられるとBBCに説明。「過去のガザのテロリストとの紛争から、向こうがこちらに発射するロケット弾の平均約33%が途中でガザに落下することがわかっている」と述べた。



ロイター通信によると、イスラエル軍から爆発を引き起こしたとして名指しされた「パレスチナイスラム聖戦(PIJ)」は、関与を否定した。







ガザ市の病院爆発、イスラエルハマスが非難の応酬 ヨルダン川西岸では抗議デモ





バイデン氏がヨルダン訪問を延期



この事態を受け、米ホワイトハウスは、バイデン大統領のヨルダン訪問を延期すると明らかにした。ヨルダンではアブドラ国王、パレスチナ自治政府アッバス議長、エジプトのアブドゥル・ファッターハ・アル・シーシ大統領と会談の予定だった。



ホワイトハウスは声明で、「大統領はガザの病院爆発で失われた罪のない命に深い哀悼の意を表し、負傷者の1日も早い回復を願った」とした。



また、「大統領は各指導者らと近いうちに直接話し合うことを楽しみにしている。今後数日間は、それぞれと定期的かつ直接的に関わり合うことで同意した」とした。



バイデン氏はイスラエル訪問の予定は変えておらず、17日に大統領専用機に乗り込んだ。18日に同国のネタニヤフ首相とは会談する予定。



ヨルダンのアイマン・サファディ外相は、「戦争を止めること以外、今は何を話しても無駄だ」と述べた。



国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、「何百人ものパレスチナ民間人が殺されたことを、恐ろしく思っている」として、病院への攻撃を非難するメッセージを「X」に投稿した。



グテーレス氏はまた、「診療所、医療関係者、国連施設は国際法で明確に保護されている」と強調した。





(英語記事 Live Reporting:Hundreds feared dead at Gaza hospital as Israel denies strike





関連トピックス 中東 イスラエルとパレスチナ イスラエル 人権 外交 アメリカ ジョー・バイデン 健康 医療 パレスチナ自治区 ハマス イスラエル・ガザ戦争 軍隊



















(Pars Today)

https://parstoday.ir/ja/news/middle_east-i119772





視点;エマーディー解説員





イスラエルによる本当のホロコースト





10月 18, 2023 20:20 Asia/Tokyo







イスラエルによる本当のホロコースト





シオニスト政権イスラエルは17日、パレスチナガザ地区にあるアル・ムアムダニ病院を爆撃し、これによりパレスチナ人約1100人が殉教、数百人が負傷しました。今回の空爆は、その死傷者数からして前例のないもので、その大半が女性や子供たちです。





シオニスト政権が行っている犯罪は本当のホロコーストであり、大量虐殺の実例です。米紙ウォールストリート・ジャーナルは、今回の病院空爆に使われた爆弾が米国製のMK-84だったと報じました。この爆弾は重量およそ1トンで、極めて強力な破壊力を持ちます。そのため、今回の空爆による犠牲者数は、1948年にパレスチナ人が虐殺されたデイル・ヤシーン事件の4倍以上となりました。











今回の事件で重要な点が4つあります。





1.シオニスト政権軍は、この病院に多くの患者・負傷者が入院していることを知りながら空爆しました。同政権は今月7日に始まったハマスによる攻撃で受けた打撃・敗北を取り返そうと今回の空爆を行いましたが、むしろ自らの非人間的・テロリストとしての側面を世界にむけてさらすことになりました。また、シオニスト政権がこれまでとってきた自らを被害者として演出する戦略が破綻し、世界で最も醜悪で凶悪な政権であることを証明しました。







2.今回の空爆により肉片となった子供たちの遺体を映した映像は、人権というものが西側諸国にとって何ら意味を持つものではないことを如実に物語っています。空爆が起きた17日は、ドイツのショルツ首相がテルアビブに滞在中で、バイデン米大統領訪問の前日というタイミングでした。言い換えれば、今回の空爆は西側の容認のもと行われたのです。





3.西側の見方では、テロリズムと同じように戦争にも善悪があるようです。例えば、ロシアによるウクライナ戦争は悪い戦争で、シオニスト政権によるガザに対する戦争は良い戦争という具合です。こうした論理は、西側基準による人権です。17日に開催された国連安保理の会合では、米英仏日の4カ国がロシアが提出した停戦決議案と9つの対イスラエル非難声明に反対票を投じました。





4.今回の空爆で、各国のイスラム教徒たちは怒りを表明し、自発的にパレスチナ支持のデモを各地で行っています。レバノンでは、今回の空爆アメリカが関与していたとして米国大使館前で市民が抗議活動を行いました。このほか、ヨルダンでも首都アンマンの米国大使館前でデモが行われたほか、カタールでも反米・反イスラエルデモが行われました。その他のイスラム諸国でも次々とデモが行われており、次はそれぞれの政府が行動する番です。そして今日18日は、サウジアラビアの首都ジッダでOIC・イスラム協力機構の会合が予定されており、シオニスト政権による犯罪に断固とした反応を示すまたとない機会です。





今回のアル・ムアムダニ病院への爆撃は、ガザ戦争における転換点であり、1000人以上の殉教者が流した血がシオニスト政権を追い詰めることになるのです。





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タグ シオニスト政権イスラエル イスラエル パレスチナ パレスチナ人 イスラエルの犯罪 ガザ





















(投稿者より)



国連安全保障理事会は16日、イスラエルパレスチナ武装勢力ハマスの衝突を巡りロシアが提出した決議の採決を行いましたが。決議案は賛成5票、反対4票、棄権6票で否決されました(記事)。決議にはハマスを非難する文言が盛り込まれて居らず、日本は米・英・仏と共に反対しました。



続いて病院爆撃後の18日、同理事会はイスラエルイスラム組織ハマスの衝突を巡り、パレスチナ自治区ガザへの援助提供を可能にするため、紛争の人道的な一時停止を求めるブラジルの決議案を否決しました。米国が拒否権を行使したものです(記事)。決議にはハマスを非難する文言が盛り込まれました。日本を含む12ヵ国が賛成し、ロシアとイギリスは棄権しました。



そもそもハマスはヤーセル・アラファートのパレスチナ解放運動を分断するためにイスラエルと米国が作った組織でした。ハマスパレスチナの飛び地・ガザを占領しそこに居座り、現在に続いています。一連の動きに不可解な部分が多いのも無理の無いことです。



ただ、イランと関係の深い軍事組織・ヒズボラレバノン国境でイスラエル軍と対峙しており、小競り合いが既に始まっています。ヨルダン川西岸はアラファート氏の後継者たちが構成する政府が現在支配していますが、病院の事件を切っ掛けに混乱が広がっているようです。イスラエルは3方面で同時に作戦行動を取る必要が出るかも知れません。



イスラエルはこの戦争が始まる前からガザにおいて住民を迫害・殺害しています。ガザにおけるイスラエルによる斯かる行為は半ば日常的なものでした。更に、イスラエル軍が今後ガザに地上軍を投入すれば国際社会から大きな非難を浴びるでしょう。その上、その隙を伺って北部国境から侵攻を受ける可能性が大きくなります。米軍の特殊部隊が既にイスラエル領内に入っているようですが、米軍が戦闘に参加するかは不透明です。



世界のユダヤ人社会は大きく2つの勢力に分かれています。1つは紀元70年代のユダヤ戦争の敗戦により王国が解体され、ローマ帝国の領域内に離散した人々の子孫。もう1つは、7世紀から10世紀に掛けてウクライナからロシア南部やカフカースの辺りに栄えたハザール王国の末裔です。彼らがユダヤ教に改宗したのは、イスラム帝国ビザンチン帝国の双方と渉り合うための知恵でした。中世以降、自分たちの国を持たないための厳しい差別の中で商業により財力を蓄え、現在の世界経済を支配するまでの実力を持つに至った金融ユダヤ人は主に後者の系統です。シオニズム運動を主導しイスラエル建国の原動力となったのも彼らです。



この戦争を契機にユダヤ教のラビたちは、ユダヤ教シオニズム運動は別のものだ。シオニズム運動によるユダヤ人たちの入植が始まる前までは、ユダヤ教徒イスラム教徒はパレスチナの地で仲良く生活していた。悪いのはユダヤ人でもユダヤ教でも無く、シオニズム主義でありイスラエル国家であると声を上げ始めました。意外に思えますが、世界各地でユダヤ教の伝統的な生活様式を守る人たちは、イスラエルに対抗しパレスチナに寄り添う姿勢を見せ始めています。今月に入ってからの争乱で、長年この2つの勢力の間に横たわっていた亀裂が一気に浮かび上がりました。



欧米の先進諸国の政府はイスラエル支持を打ち出していますが、一般国民のレベルではパレスチナ支持の抗議行動が各地で見られるなど、国論は纏まっていません。一方、イスラム圏はパレスチナ支持で一枚板です。私の目にはイスラエルの分が悪いように見えますが、負け方を間違えるとイスラエルは国ごと地中海に叩き落とされる運命が待っています。どうなるでしょうか?







※2023.10.23 コメントを一部訂正しました。