フクシマの水の海への放出の第1回目が月曜日に完了する(RFI)/福島の「核」の水は有毒だが、一般に考えられているものとは違う(RT)

フクシマの水の海への放出の第1回目が月曜日に完了する(RFI)・福島の「核」の水は有毒だが、一般に考えられているものとは違う(RT)











(La première tranche de rejet en mer des eaux de Fukushima achevée lundi: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20230908-la-premi%C3%A8re-tranche-de-rejet-en-mer-des-eaux-de-fukushima-achev%C3%A9e-lundi





フクシマの水の海への放出の第1回目が月曜日に完了する





損傷した福島原発からの水を海に放出する最初の期間は、予定通り9月11日月曜日に終了すると、運営を担当する企業が発表した。





発表 2023年9月8日 13:17







福島に保管されている汚染水、2023年8月22日。via REUTERS - KYODO





記者 RFI






排出した水の放射能を測定するために標本の採取と分析が毎日行われ、この濃度は一貫して上限として定められた1,500 Bq/L の範囲に納まっていたと、福島原発を運営する東電が木曜日発表のプレスリリースで表明した。今回の最高値は同じ類型の海への放出における日本の基準の40分の1で、世界保健機関(WHO)が設定した飲料水の制限値(10,000 Bq/L )のほぼ7分の1だ。



この海への放出については国際原子力機関IAEA)が検証済みだが、中国の怒りを招き、同国は8月末から日本の海産物の輸入を全て停止した



東京電力が8月24日から太平洋への排出を開始した水は、雨、地下水、そして、2011年の津波により溶融した福島第一原発の原子炉3基の炉心を冷却するために必要な注入水に由来している。





2024年までに更に3回の作業を実施



専門家らによると、この水は発電所敷地内の巨大タンクに長期間保管され、放射性物質を除去するための処理が施されている。トリチウムはその例外だが、これ高濃度の線量でなければ危険は無い。このため、東電は放射能レベルが目標上限の1,500 Bq/L を超えないように、海洋放出前にトリチウム水を海水で非常に大幅に希釈する。



水曜日、濾過水の送水管内にある漏水検知器から警報が鳴ったが、即時検査により誤警報であることが「確認された」と、東電はプレスリリースで述べた。



この第1段階の17日間で、合計約7,800㎥のトリチウム水が排出される予定だ。東電は2024年3月末までに同様の作業を更に3回行う予定だ。合計すると、日本は130万㎥―オリンピック・プール540杯分に相当―を超える福島のトリチウム水を太平洋に排出する予定だ。現行の予定表によれば、作業は2050年代初頭までは非常に段階的に行われる。





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(参考 AFP)





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('Nuclear' Fukushima water is toxic, but not the way you think: RT)

https://www.rt.com/news/582392-nuclear-fukushima-water-toxic/





2023年9月6日 13:04





福島の「核」の水は有毒だが、一般に考えられているものとは違う





この問題の周りでは政治化された言葉や誤情報が渦巻いているが、本当の論点は前に進むためにどの程度のリスクを受け入れられるかだ。





ブラッドリー・ブランケンシップ、米国人ジャーナリスト・コラムニスト・政治評論家

@BradBlank_







2023年7月5日、国際原子力機関のラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長が日本・福島の損傷した福島原発を訪れた際に、研究室の処理済み廃水を満たした水槽内のヒラメに餌を与えた後の空の瓶を見せる。© Hiro Komae - Pool/Getty Images





8月24日、福島第一原発から太平洋への放射性水の放出が始まり、人々が難解な科学レポートを読めないことや原子力産業に対して恐怖を抱いていることに付け入った、夥しい量の自己言及的な誤った情報がインターネット上に拡散した。



一方、この問題について強硬な意見を持つ人々の大部分は、国際原子力機関IAEA)は日本政府の陰謀に加担しているという一致した主張を持っているが、恐らく誠実な討論により恩恵を受ける人が出るかも知れないような主張には納得しない。



まず、放出される水の内容が通常の核廃水と実質的に同じであることに留意すべきだ。この事実は混乱を招くもので、人々は通常の核廃水と福島からの汚染水の違いを示す粗いMS ペイント図を共有している。この図が主に見逃しているのは、水はそのまま海洋に直接行くのではなく、多核種除去設備(ALPS)と呼ばれる工程を通じて処理され、その後に希釈されることだ。



詳細には触れないが、ALPS は基本的に処理を終え純粋な海水を希釈した水から重放射性元素を除去するのに役立つ。この工程は大部分が成功だったがトリチウムの大部分は残り、ALPSでは除去できず更に希釈する必要があった。多くの人は、現在の検査がトリチウムだけを調べていることに動揺している。彼らは、IAEAは更に多くの核種を調査すべきだと主張している。IAEAがそれを行わない理由は、ALPS工程が成功していることが既に検証済みのためだ。







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しかし、あたかもIAEA自体が透明性のある工程から外されているかのように、 全てのデータが日本政府と東京電力(TEPCO)によって提供されたことをIAEAが認めたと主張する人々がいる。例えば、反核を明確に掲げる団体フレンズ・オブ・アースFoE)の広く共有された報告書には正にこのことが書かれている。問題はこの主張が誤りであることだ。IAEAは、世界中の他の独立した研究所と協力して独自の試験を実施することで、試験の結果を検証した。



他にも、IAEA自身の報告書の中の数行を指摘し、この文書はいかなる政策も支持するものではなく、IAEAは提供された情報やリンクに対して責任を負わないと述べている人々がいる。まず第一に、特定の政策は国家が決定すべき政治的・予算上の重要事項であるため、多国間機関は基本的に政府に対して特定の政策を推奨しないことに留意する必要がある。



更に、この件におけるIAEAの役割は東京電力による作業の正確性を評価・監督・再検討することだ。この機関は現地に施設を保有し、そこで全ての工程と測定を観察し、独立した検査のために様々な研究所に標本を送る。



しかし、この全くつじつまの合わない主張は、IAEAがやろうとしていることを完全に無視している。IAEAの研究所の試験は同機関のこの報告書で見ることが出来るが、これは1 つの重要な質問に答えようとしている。それは、東京電力が行ったのと同じ方法で水を集め、東京電力が行ったのと同じことをテストした場合、同じ結果が得られるのかということだ。IAEAと独立した研究所の結果によれば、その質問に限って答えるならばそれは「yes」だ。ただし、IAEAの役割は調査と検証であり、承認では無いことを忘れてはいけない。



一部の人々は、試験はタンク群の3%しか対象としなかったと述べている。それは事実だが、特にK4-Bタンク群を対象にしたのは、それが現在放出中のタンク群だからだ。しかし、IAEAは自ら(この報告書の114ページ)、30年間の放出期間に亘りタンク群全ての1つずつについて東京電力の結果を検証すると述べている。







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ここで非難者たちにある程度の余地を与えるために、技術的および環境的決定については常に懸念が存在し、これらの懸念にはある程度のリスクが(どれだけ小さくとも)含まれているため、これらの懸念は正当であることに留意すべきだ。問題は、どの程度のリスクを受け入れる用意があるかということだ。科学界の大部分の人が考えているように、問題は、非難者たちによってリスクが誇張され、不適切に組み立てられていることだ。しかし、公平に見ると、それらはゼロには成らない。



例えば飛行機に乗る時、あるいはさらに悪いことに自動車を運転する時、私たちはある程度のリスクを受け入れる。たとえ僅かであっても遭難の可能性はある。しかし、原子力エネルギー全般に関わる問題は―これは注目を集めている原子力災害のためであることに間違いないが―、大衆がリスクの水準を非合理なまでに下げるよう要求していることだ。フクシマの水について本当に懸念されているのは、それが通常の核廃水より幾らかでも悪いということではなく、寧ろそれが事故によって生成され、一部の人々にとって終末論的なイメージを思い起こさせる福島から来たものであることだ。



また公平に見るならば、先ず第一に、日本政府は相当に酷い。私たちが話しているのは、自らの残虐行為を謝罪しないだけでなくその紛争中の活動を積極的に称賛している、第2次世界大戦の主要な戦争犯罪政権の1つのことだ。どれだけカワイイ画像や商品があったとしても、それを拭い去ることは出来ない。更に言えば、東京電力は安全性に関してほぼ全てのデータについて日常的に嘘をつき、フクシマに関する地震活動についての適切な警告に従わなかったとして法廷で責任があると認められた忌まわしい企業でもある。しかし、ここでIAEAが登場する。



この水が主張されている程度に安全であることを私たちが信じないためには、IAEA東京電力や日本と共に陰謀に関与していると信じる必要があるが、これは確かな証拠の無いまま行うのは馬鹿げた主張だ。IAEAによる不正の証拠を誰も提出できていないことを考えると、これはこの議論の重要な部分である筈が無い。その代わり、この議論は実際には、先程述べたように、許容されるリスクの量に関するものだ。







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最後に、日本にはこの問題について他の国では受けられない外交上の庇護が与えられているのも疑いない。例えば、大規模災害による汚染水を排出しているのが中国やロシアだとすれば、IAEAの結論が如何なる結論を出そうとも、西側諸国の政府が北京やモスクワに中止するよう圧力を掛けることはほぼ疑いない。これは1993年にロシアで実際に起こったもので、ロシアが最初に低レベル核廃棄物を日本海に投棄する計画を立てた際、特に日本と米国からの国際的な圧力を受けている。中国も、自国では毎年大量の核廃水を海洋に投棄しているにも係わらず、日本の排出に反対しているという二重基準のために非難されている。



いずれにせよ、これは間違いなく今日の中国やロシアに当てはまるもので、外交規範の適用における不平等を反映しているとはいえ、これは仮説上のシナリオだ。現在、中国とロシアは海洋に核をばら撒くとの非難を受けていない。実際には、この件で日本に対して向けられた批判は、その殆どが非常に誇張され、誤った情報に基づいており、科学の基本原則を遵守しておらず、同時に重要な多国間機関であるIAEAを弱体化させるものだ。



このトピックに関する信頼できる情報については、サウスチャイナ・モーニング・ポストに掲載された原子力技術者ジュリアン・ドゥ・トゥルリゥ・ドゥ・ランヴェルサン氏のコラムと、エネルギー・コンサルタントのデビッド・フィッシュマン氏によるIAEA報告書FoE投稿に関するX(旧Twitter)スレッドを強く推奨する。この記事は、これらの情報源を大いに参照し、更にこの2 人の専門家本人との遣り取りを踏まえて書かれた。





このコラムで表明された声明・見解・意見は著者独自のもので、必ずしも RT の意見を表すもので無い。





福島の大災害 核兵器









(投稿者より)



福島の汚染水の海洋投棄について、現状では世界の大方から支持されているようです。特にモスクワ発の記事は反原発派の方々には決して納得できる内容でないと思いますが、物事は多面的に知っておいた方が良いと思うので、今回御紹介しようと思った次第です。



「日本政府はロクデナシで東電は嘘つきだが、IAEAはまともな仕事をしているから信じてやろう」要はそのような主旨ですが、やはり論点がズレているように思えます。



放射能汚染水の海洋投棄は中止されるべきこと、その根拠として、1. 福島の核廃水は核燃料に直に接したものであるという点で、他施設の核廃水とは本質的に異なること、2. ALPSで処理できないトリチウム以外の放射性核種も多数存在し、その中には人体に危険の大きいものも存在しうること、3. 生体濃縮による生態系への影響を正しく評価すべきであり、それが出来ないうちは人体へのリスクも正しく評価できないことを、今後も引き続き訴える必要があると思います。