プーチン氏、ウクライナ東部の独立を承認 ロシア軍派遣と「平和維持」を命令 (BBC NEWS JAPAN)/ミンスク合意はもう存在しない プーチン大統領(Sputnik日本)

プーチン氏、ウクライナ東部の独立を承認 ロシア軍派遣と「平和維持」を命令 (BBC NEWS JAPAN)/ミンスク合意はもう存在しない プーチン大統領(Sputnik日本)









(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/60473353





プーチン氏、ウクライナ東部の独立を承認 ロシア軍派遣と「平和維持」を命令





2022年2月22日







Reuters

ドネツクウクライナ






ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は21日、ウクライナ東部の独立派の反政府勢力が掌握している地域を独立国家と承認した。また、ロシア軍に両地域で「平和維持活動」につくよう命じる文書に署名した。





ロシア軍による平和維持活動の範囲は不明。部隊が国境を越えれば、ロシア軍として初めて正式にウクライナ東部に入ることになる。



プーチン氏が独立を承認したのは、「ドネツク民共和国」と「ルガンスク人民共和国」。ロシアの支援を受けた反政府勢力の拠点地域で、名前は同勢力の自称。2014年以降、同勢力とウクライナ軍は戦闘を続けている。



プーチン氏はこの日、1時間近くにわたってテレビ演説をした。その中で、現代のウクライナソビエト連邦時代のロシアが「作り上げた」とし、「古くからのロシアの土地」だとした。



また、ロシアは1991年のソ連崩壊の際に「盗みに遭った」と主張。ウクライナは「アメリカの植民地」で、かいらい政権が動かしており、国民は現政権下で苦境にあるとした。さらに、2014年に親ロシア政権を退陣させた抗議行動をクーデターと呼んだ。







プーチン氏、ウクライナ2地域の独立を承認 軍派遣を命令





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ロシアのこうした動きは、ウクライナ東部の和平交渉を打ち切りにする可能性が高い。一帯では長年、停戦合意がほとんど守られていない状況が続いている。



ウクライナは現在、15万人を超えるロシア兵に囲まれた状態になっている。今回のロシアの動きにより、危機的な状況が一段と深刻化する。



ロシアは侵攻の計画はないとしている。一方、アメリカは、プーチン氏が攻撃の準備をしているとみている。







プーチン氏、ウクライナ東部2地域の「独立」承認 現代の皇帝のように





BBCのサラ・レインズフォード東欧特派員は、ロシアによる2地域の承認は、ロシア軍が堂々と、非常に近いうちに「平和維持活動者」としてウクライナに招かれる格好で入り込む可能性が出てきたことを意味すると説明した。





欧米が一斉に非難



西側諸国は今回の動きを、ロシアによるウクライナ東部への進軍の布石ではないかと懸念している。



イギリスのボリス・ジョンソン首相はロシアの動きを、「ウクライナの主権と完全性に対する重大な違反」であり、国際法違反だと批判。その上で、「非常に悪い予兆であり、非常に暗いサインだ」と述べた。



イギリスのリズ・トラス外相は、ロシアに対する新たな制裁を22日に発表すると述べた。











アメリカのジョー・バイデン大統領は、承認された2共和国に絡む投資や通商を米国民や企業に禁じる大統領令を、近く出すと述べた。また、追加措置も続くとした。大統領報道官はこれらの措置について、同盟国と準備している厳格な経済制裁とは別だとした。



欧州連合EU)は、「結束、断固さ、ウクライナとの連帯の決意をもって応じる」と宣言。ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相は、「ウクライナの領土の完全性と主権に対する新たな違反」だとし、同盟国と共に対応すると述べた。



ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアの動きを受け、国家安全保障会議を開催。フランス、スペイン、アメリカの首脳らと直接協議した。





「併合の話はしていない」



ロシアは近年、ドネツクとルガンスクの多数の住民に、ロシアのパスポートを発給してきた。それらの住民の保護を掲げてロシア軍が両地域に入るのではないかと、西側同盟国は懸念している。



北大西洋条約機構NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、「ロシアはウクライナ東部で分離派を金銭的、軍事的に支援することで、紛争をあおり続けている。さらに、ウクライナに再び侵攻する口実をでっち上げようとしている」と警告した。



プーチン氏による独立国家承認の発表の前には、ドイツのオラフ・ショルツ首相とフランスのエマニュエル・マクロン大統領が、プーチン氏と協議した。



西側諸国はウクライナを支持しており、侵攻があればロシアに厳しい制裁を科すと宣言している。ただ、制裁の内容は明らかではない。



プーチン氏はこの日の発表前に、安全保障会議を開催。その模様はテレビで放送された。その中で、当局者2人がウクライナ東部の「併合」の可能性に言及したように思われた。



プーチン氏は、「私たちはその話はしていない。それについて協議していない」とし、首を振った。そして、「独立を承認するかどうかを話し合っているのだ」と述べた。





(英語記事 Russia recognises Ukraine separatist regions





関連トピックス ウラジーミル・プーチン ウクライナ侵攻 外交 アメリカ ジョー・バイデン ウクライナ フランス ロシア 東欧 軍隊











(Sputnik日本)

https://jp.sputniknews.com/20220223/10231752.html





ミンスク合意はもう存在しない プーチン大統領





2022年2月23日, 01:46 (更新: 2022年2月23日, 02:12)







© Sputnik / Sergey Guneev





22日の記者会見でプーチン大統領は、「ロシアは終始ミンスク合意の実現に関心を払ってきた。なぜなら合意文書は譲り合いの結果だったからだ」と語った。プーチン大統領は、ミンスク合意はこの先は存在しないと補足した。





プーチン大統領は、ミンスク合意はロシアがドネツク民共和国とルガンスク人民共和国を承認するよりもはるかに前にウクライナによって「抹殺されていた」と指摘した。プーチン大統領は、合意を抹殺に追い込んだのは「我々ではない、これらの共和国の代表らではない。現行のウクライナ政権だ」と語った。



「もちろん、今やミンスク合意は存在しない。これら(編集注:ドネツクおよびルガンスク両人民共和国)の独立を我々が承認した以上、なんの合意を遂行するというのか」プーチン大統領はこう述べた。







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ロシア上院 ドンバス情勢で国外へのロシア軍派兵に同意

2月23日, 01:15






プーチン大統領はさらに、ロシアが承認したドネツク民共和国とルガンスク人民共和国とは、両共和国の各憲法が示す境界線におけるものであることを強調し、「その憲法には、(両共和国が)ウクライナの構成体であった当時の、ドネツク州、ルガンスク州の境界線が記載されている」と指摘した。



ロシアのプーチン大統領はモスクワ時間の21日22時半過ぎ(日本時間22日午前4時半過ぎ)、ドネツク民共和国およびルガンスク人民共和国を承認する必要性を明らかにした。





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2月21日, 20:46






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―参考―









※ 2022.3.17 リンクを追加しました。






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