ウクライナは挑発に応じない、しかし自衛の用意がある=ゼレンスキー大統領 (BBC NEWS JAPAN)/プーチン大統領 ドンバス対立の平和裏解決のためにロシアは最善を尽くした(Sputnik日本)

ウクライナは挑発に応じない、しかし自衛の用意がある=ゼレンスキー大統領 (BBC NEWS JAPAN)/プーチン大統領 ドンバス対立の平和裏解決のためにロシアは最善を尽くした(Sputnik日本)









(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/60450171





ウクライナは挑発に応じない、しかし自衛の用意がある=ゼレンスキー大統領





2022年2月20日







EPA

軍事教練に参加する「ウクライナ防衛軍」の予備兵(19日)






ウクライナ東部で国軍と親ロシア派武装勢力との衝突が相次ぎ、情勢が緊迫する中、同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領は19日、自分たちは挑発には応じないが、ロシアが侵攻するなら自衛する用意はあると述べた。ドイツ・ミュンヘンで開かれている安全保障会議で発言した。





ゼレンスキー大統領は、ウクライナ国民は「パニックしていない、自分たちの生活をそのまま続けたいだけだ」と述べた。その上で、西側諸国がロシアに対して「宥和(ゆうわ)政策」を進めていると批判し、ウクライナの安全について新しい保証を求めた。ゼレンスキー氏のミュンヘン訪問について、米政府は危険だと警告していた。



ウクライナ情勢についてジョー・バイデン米大統領は18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ侵攻を決断したと「確信している」と述べた。攻撃は数日中にも始まり、首都キーウ(キエフ)が標的になるとの見方を示した。ロシア政府はこれを否定している。



欧米諸国は、親ロシア派が実効支配するウクライナ東部のドンバス地域で、ロシアがいわゆる「偽旗作戦」(敵対勢力から武力攻撃を受けたかのように見せる偽装工作)を仕掛け、ウクライナ侵攻の口実にするだろうと批判している。





親ロシア派が住民に避難呼びかけ



こうした中、19日にはウクライナ東部で、ウクライナ軍と親ロシア派勢力の衝突が「劇的に増えた」と報告された。現地情勢を注視する専門家たちは、親ロシア派が一方的に独立を宣言したドネツクとルハンスクの両地域で19日だけで1400件以上の爆発があったとしている。







Reuters

親ロシア派に避難を指示されバスに乗るドネツク市民






ウクライナのデニス・モナスティルシキー内相は、前線視察の最中に砲撃に遭い、急ぎ防空壕に避難した。



ウクライナ東部で親ロシア派が一方的に独立を宣言した「ドネツク民共和国」と「ルガンスク人民共和国」では幹部らが、戦闘に参加できる年齢の男性全員に対して動員を命令。他の住民はロシアへ避難するよう促した。親ロシア派勢力は証拠提示のないまま、ウクライナが自分たちを攻撃するつもりだと主張した。



しかし、多くの住民は退避命令に従わず、自宅にとどまった。





ロシア・メディアは「攻撃」を報道



19日にはロシアのメディアが、親ロシア派の実効支配地域で起きたと主張する複数の攻撃や攻撃未遂について、相次ぎ報道した。



ロシア・メディアはさらに、ウクライナ国境から1キロほどロシア領内に入ったロストフ地域で砲弾の爆発があったと報道。ウクライナはこれを否定しているが、ロシアは事件捜査に着手するとしている。



こうした状況で、ドイツとフランス両政府は自国民にウクライナから退避するよう勧告した。これまでに西側の多くの政府が同様の勧告を出している。ドイツのルフトハンザ航空は21日から1週間、ウクライナへのフライトを中止すると明らかにした。











ロシアは極超音速ミサイル発射演習



この間、ロシアは19日、極超音速ミサイルや弾道ミサイルなどを発射する演習を各地で実施した。ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が直接指揮をとり、ミサイルの発射演習を行ったと発表した。ロシアは隣国ベラルーシで大規模軍事演習を続けている。



米政府は、ウクライナ東部を含め、「ウクライナ内とその近く」に、兵16万9000人~19万人規模のロシア軍部隊が集結していると推計している。



国防総省のロイド・オースティン国防長官は、それまで束ねられていたものがほどけるようにロシア軍部隊が「展開」し、ウクライナ国境へ「近づいている」と話した。



ミュンヘン安全保障会議に出席しているカマラ・ハリス米副大統領は、ロシア政府がウクライナ侵攻の口実をでっちあげようとしていると批判し、ロシアがウクライナを侵攻するなら「迅速かつ厳格」な対応をとると強調した。



同様に、ミュンヘンの会議に出席したボリス・ジョンソン英首相は、ロシアがウクライナに侵攻した場合、「我々はロシア国家にとって重要なロシア人とロシア企業に制裁を課す」と述べた。ジョンソン氏はさらに、英政府は特定のロシア企業について「マトリョーシカ人形のように開き」、ロンドンの金融街で資金集めができないようにすると話した。



ウクライナは、ロシアと歴史的につながりがあり、旧ソヴィエト連邦の一部だった。北大西洋条約機構NATO)や欧州連合EU)には加盟していないが、どちらとも緊密なつながりがある。



一方、ロシアのプーチン大統領は、NATOのこれ以上の東方拡大を止めるという法的拘束力のある約束を西側に要求している。ウクライナNATO加盟の実現を憲法に明記しているが、プーチン氏はNATOに、ウクライナの加盟を認めないと約束することも求めている。





(英語記事 Ukraine will not respond to provocations, Zelensky says / Ukraine: Shock of invasion would echo around the world, Boris Johnson says





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―参考―













(Sputnik日本)

https://jp.sputniknews.com/20220221/10224787.html





プーチン大統領 ドンバス対立の平和裏解決のためにロシアは最善を尽くした





2022年2月21日, 23:17 (更新: 2022年2月21日, 23:45)







© Sputnik / Sergey Ilyin





ロシアのプーチン大統領は、クレムリンでの安全保障会議の冒頭、ロシアはウクライナ当局とドンバスの間の対立を平和的に解決するため、当初から最善を尽くしてきた」と述べた。





プーチン大統領は、このほか、事態の進行から見ると、ウクライナの現政権はミンスク合意を履行しようとはしておらず、彼ら(ウクライナ政権)もそれについて何度も公の場で発言していると指摘した。



プーチン大統領は、ドンバス問題をこの先どうするかは出来上がった状況とロシア連邦の評価に基づいて決める必要があると語っている。







ウクライナをめぐる情勢悪化

ドネツク、ルガンスク両共和国の指導者 プーチン大統領に独立の承認を要請

2月21日, 22:40






プーチン大統領は、ロシアの安全保障の脅威はウクライナNATOに加盟した場合、何倍にも増大すると指摘する一方で、バイデン米大統領が、ウクライナを明日にもNATOに入れるつもりはないと請け合ったことを明らかにした。「この件についてはちょうど首脳らと話し合っている。米国の首脳は、ウクライナを明日にでも(NATOへ)入れるつもりはないと確証した。さらに、なんらかのモラトリアムがありうる」プーチン大統領はこう述べた。





ここ数日、ドンバスの衝突状況が本格的に激化している。ウクライナ政府はこれまでの合意を一切無視し、ドネツクおよびルガンスク共和国との境界線に軍の大半を集中。禁止兵器を使うなどして義勇兵への発砲を定期的に行っている。ドネツク共和国のプシーリン大統領は、近日中にウクライナのゼレンスキー大統領は軍にドンバス侵攻開始を命ずるだろうとしている。





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※2022.2.26 記事を追加しました。