東京2021:開幕まで1ヵ月、五輪大会はなおも分断する (RFI)/なぜ五輪は決行されるのか、BBC司会者が解説 (BBC NEWS JAPAN)

東京2021:開幕まで1ヵ月、五輪大会はなおも分断する (RFI)/なぜ五輪は決行されるのか、BBC司会者が解説 (BBC NEWS JAPAN)









(Tokyo 2021: les Jeux olympiques divisent toujours à un mois de l'ouverture: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/sports/20210623-tokyo-2021-les-jeux-olympiques-divisent-toujours-%C3%A0-un-mois-de-l-ouverture





東京2021:開幕まで1ヵ月、五輪大会はなおも分断する





発表 2021年6月23日 11:41







フェイスマスクを着用した人々が、東京・新橋駅近くの2021年東京五輪パラリンピックのカウントダウン時計の前を通り過ぎる。AP - Eugene Hoshiko





文 クレア・ブロードハースト






7月23日に開かれる東京五輪の開会式まで丁度1か月、コロナウイルスパンデミックの最中の既に歴史的となった今回の大会は、未だに日本国民を分断している。6月21日、主催者は地元観客の入場を認めたが、各会場の収容定員の50%かつ最大10,000人に制限される。疑問はまだ残る―大会は十分に安全か?それとも、やはり完全に中止されるべきだったか?





最近の世論調査では、日本国民は国内の五輪開催に不賛成と示された。彼らの心中は感染症の再流行に対する恐れで一杯だ。これまでにワクチン接種を2度受けた国民は僅か7%で、さらに、選手たちがコーチや記者団を伴い世界の隅々から間もなく到着するからだ。



サウサンプトン大学の国際保健学研究者マイケル・ヘッド氏は、「大会の長い期間を通して感染を抑え込むことは極めて困難だ」と説明する。「コロナウイルス症例数を可能な限り低く抑え、人々がウイルスをそれぞれの国に持ち帰らないようにすることは難しい。」



この研究者によると、大会は更に1年延期されるべきだった。「複数の心配な変異株が蔓延していることが分かっており、様々な国から来た人々が集まっても新たな変異株の危険が高まるだけかも知れず、これは世界のワクチン接種に影響を与えるかも知れない。私はスポーツを愛し五輪を熱愛するが、公衆衛生の観点から、今回の開催が良い考えだとは全然思わない。」





危険が少ないから開催を堅持



日本の当局側は、今年に大会を開催する危険は更に小さくなったと考えた。これは、コロナウイルスと戦うために日本が採った戦略により説明できる。「欧米諸国はワクチンの大規模接種という長期戦略を選んだが、東京は少しずつ蔓延を抑制したいと考えた」と、オースティンのテキサス大Covid-19コンソーシアム副所長の生物学者スペンサー・フォックス博士は考えを述べる。



「これは重要な指摘だが、コロナウイルスの新たな波に直面したばかりの日本でも、この諸数値を最近の波の時の米国のそれと比較すると、住民1人当たりの比率はピークの時でさえ、米国におけるパンデミックの最悪の時期よりも常に小さい」と、この生物学者は続ける。「現在の数字や更に波の衰退を考慮すると、10,000人―これは当局が認めた競技場の収容数だ―の日本国民が観戦に行った場合でも、私たちの推算によれば、群衆の中で感染する人は最大1人だろう。諸数値もこれと同じ程度に小さい。」



今年初めの決定により外国人観光客は日本に来ることができないため、日本人だけが大会を観戦できる。



スペンサー・フォックス氏は、米国の「スポーツ・バブル」の例を挙げる。「NBA(全米バスケットボール協会)やアメリカンフットボールの試合など、多くのスポーツイベントが、選手を危険に晒さずに開催される。検査を定期的に行い、選手がウイルスに感染するのを防ぐ。」彼によると、国際五輪委員会(IOC)が実施する衛生面の取り組みにより、選手や周囲の人々の安全が保証される。







2021年東京五輪の開催に反対する人々、6月20日。AP - Eugene Hoshiko





内外の圧力



大会開催の方針を堅持せよとの圧力が複数のレベルで行使されている。「中央政府にとってこれは名誉の問題だけでなく、経済的な裁定の問題があることは確かだ。中止すれば極めて高い費用が掛かる」と、ジュネーブ大学の地理・都市計画講師で日本専門家のラファエル・ランギヨン=オセル氏は説明する。「延期のために既に少なくとも10億ユーロもの費用が掛かった。更に、今回の大会は多くのインフラを再利用したために費用はそれほど掛からないと見なされていたが、ロンドン大会よりもずっと多額の費用が掛かっており、ソチ大会とほぼ同じだけ費用が掛かっている。」



東京大会の費用は150億から200億ユーロになるだろう。「そのため、大会の中止は極めて微妙だ」と、彼は続ける。「IOCレベルでは大会開催を堅持せよという大きな圧力が掛かった。結局のところ、競技場に観客を入れることについて、IOCは殆ど関心がないからだ。IOCが関心を持っているのはテレビ視聴者の存在であり、スポンサーシップ・テレビ放映権・派生的な権利が働くことだ。これらがなければ、IOCは敗者だ」IOCにとって、五輪大会は商標に相当するものだ。「そのため、IOCは経済効果を考慮しながら、大会をそのようなものとして運営する。



また、東京の地元当局は中止を迫られていたが、最終的には、パンデミック対策の支援を得るための国との交渉の梃子として大会を利用したと、この研究者は説明する。



また、スペンサー・フォックス氏は大会の「社会的意味」を強調する。「ウイルスとの世界的な戦いから1年半が経過したこの時期に、この大会を通じて全世界が祝う時が恐らく来たのだろう。」





五輪大会 2020年五輪大会 コロナウイルス Japon スポーツ











(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/video-57620257











なぜ五輪は決行されるのか、BBC司会者が解説





2021年6月26日





新型コロナウイルスパンデミック対策で世界中が様々な行動を制限している中、なぜ東京オリンピックは決行されるのか。



BBCのロス・アトキンス司会者が、複数の要因を分析した。



(プロデューサー:メアリー・フラー、トム・ブラダ、ベン・トバイアス)



















(投稿者より)



«bulles sportives»「スポーツ・バブル」、シャボン玉の泡の中に選手や関係者を包むように緩やかに空間を分け、防疫に配慮しながら安全に競技を行うという、「バブル方式」という開催手法があるようです。ただ、実効性には大きな疑問があるようです。