page contents

フランスは太平洋における中国の裏庭でインド・米国と手を組む (RFI English)[2021.4.16]

フランスは太平洋における中国の裏庭でインド・米国と手を組む (RFI English)[2021.4.16]









(France joins forces with India, US in China's Pacific backyard: RFI English)

https://www.rfi.fr/en/international/20210416-france-joins-forces-with-india-us-in-china-s-pacific-backyard





フランスは太平洋における中国の裏庭でインド・米国と手を組む





発表 2021年4月16日 13:29







南シナ海の牛軛礁に停泊する中国の海軍艦艇、2021年3月27日。via REUTERS - PHILIPPINE COAST GUARD





ヤン・ヴァン・デル・マーデ






フランスは、インドによるインド太平洋イニシアチブへの参加に同意した。紙の上では、このプロジェクトには気候変動と学術交流に関する協力が含まれるが、その主な目的は戦略面にあるようだ。そして、これは地域における中国の自己主張の高まりを抑えることを目的とした、民主主義国家間の連携を強めるという米国の計画に合致している。





セルゲイ・ラブロフ露外相がインドに対し、「アジア版NATO」の創設は逆効果になると警告した1週間後、ジャン=イヴ・ル・ドリアン仏外相は、デリーでスブラマニヤム・ジャイシャンカル印外相とマリーゼ・ペイン豪外相に会い、「海上と宇宙の領域において発生しつつある諸課題」に対処するための「3国間メカニズム」を検討した。



防衛協力の問題についてはフランス・インドの双方とも極めて慎重な姿勢を続けているが、インド太平洋地域でデリーやキャンベラと手を組みたいというパリの意欲は、2019年にナレンドラ・モディ印首相が始めた政策インド太平洋イニシアチブ(IPOI)に参加するという決定によって強化された。



ニューデリーのオブザーバー研究財団(ORF)のアソシエイト・フェローであるプレメシャ・サハ博士は、「IPOIはインド太平洋地域の志を同じくする国々との協力強化に目を向けている」とRFIに語った。





インドがその影響力を中国の裏庭である西太平洋と南シナ海にも広める可能性を示すことは、全く理に適うことだった。




IPOIは、「気候変動」や「海洋生態学」を含めたいくつかの悪意のない響きの「柱」により構成されているが、「海上安全保障」も含まれており、恐らくこれがその主要な焦点だ。



インド太平洋地域に焦点を当て、4月15日にル・ドリアン氏が出席した戦略地政学フォーラムであるライシナ対話発言者リストが明らかになった。



リストには、日本・豪州・インドの参謀長、EU軍事委員会委員長、元CIA長官のデビッド・ペトレイアス大将、イェンス・ストルテンベルグNATO長官など、軍事の世界の大物が名前を連ねる。リストには他にも、首相や外相(フランス・日本・豪州など)、欧州議会議員、シンクタンクのトップ(時にはロシア人も含まれる)、選ばれたジャーナリストなど、印象的な名前が連なる。



注目すべきは、中国からの発言者が1人もリストに載っていないことだ。







2021年のライシナ対話の発言者リストには、豪国防軍司令官のアンガス・キャンベル大将、印国防参謀長のビピン・ラワット大将、EU軍事委員会議長のクラウディオ・グラツィアーノ大将、元CIA長官のデビッド・ペトレイアス氏、日本の統合幕僚長・山崎幸二陸将、イェンス・ストルテンベルグNATO長官が含まれる。 © Screengrab ORF speakers list





昨年12月に発表されたインドのインド太平洋政策についてのORFの研究には、「中国は主権についての主張を強引に続けてきた」と述べられている。「同国は地域における主要なプレーヤーとしての地位を確立するために努力している」と述べ、デリーは「インド太平洋における中国の一方的かつ好戦的な行動」に対応する方法を見つけるために、「IPOIの下でのインドとの協力に関心を示す」国々を歓迎している。フランスがこれに加わっているのは明らかだ。





共同海軍演習



4月初め、2隻のフランス軍艦トネールとシュルクーフがインド・コーチ港に寄港した。その後、2隻の軍艦はベンガル湾まで航行し、フランス主導の合同海軍演習「ラ・ペルーズ」に参加した。同演習はインド・豪州・日本・米国からの艦艇が加わり、4月上旬に実施された。



2016年9月16日、エマニュエル・マクロン大統領はベテラン外交官クリストフ・ペノー氏を「インド太平洋特使」に任命し、ここにフランスの地域に寄せる関心の高まりが強調された。



前駐豪大使のペノー氏はパリを拠点としているが、フランスのパートナー各国と調整を行うとともに、2020年9月に始まったインド・豪州との3ヵ国対話などの新しいイニシアチブを構築するために、インド太平洋の各地を旅行している。







2020年11月17日火曜日、インド・米国・日本・豪州が参加する合同演習・マラバール海軍演習の第2フェーズ期間中に、複数のヘリコプターがアラビア海北部の空母に着艦する。火曜日、インド・米国・豪州・日本の海軍は、海軍演習の第2フェーズとしてアラビア海北部で演習を行った。この演習は、インド太平洋における中国の自己主張の高まりに対抗するための地域的イニシアチブの一部と見られる。AP





フランス外務省のウェブサイトによると、3ヵ国対話は「戦略地政学的諸課題」と「自由で開かれた包括的なインド太平洋のための諸戦略」に焦点を合わせている。



この用語は、南シナ海の広い範囲を「自由で開かれたルールに基づく秩序」の対象にするという米国の「約束」を要約する、米海軍・海兵隊沿岸警備隊の2021年共同政策声明などの諸文書で使用される米国の言葉にシームレスに適合している。





航行の自由



反中国連合は、一見無関係に見える一連の会議、海軍演習、そして、結果として米国・インド・豪州・日本の合同海軍演習を生んだ、3ヵ国対話や4ヵ国対話(「クアッド」)のような多国間協力により出現しつつあるようだ。



クアッドは2007年に始まり、その後10年間休眠状態だったが、習近平氏が2012年に政権を握り、この地域における立場を更に強引なものへと変えたように見えたことにより、新たな命が吹き込まれた。クアッド演習は、「合法的な商取引と米軍の世界的な移動を保護」し、「海上における行き過ぎた主権の主張」と戦うために1979年に開始された、米国の航行の自由プログラム(FON)に組み込まれた。







赤い点の中は中国が主権を主張する水域。青い線は、国連海洋法で認められた各国の排他的経済水域を示す。© Wikimedia Commons





国防総省が議会に提出した2020年FON報告には、国連海洋法条約によって定められた200海里(370km)の「排他的経済水域」(EEZ)の外側で領有権を主張している19ヵ国の名前が挙がっている。



報告によると、中国は大部分の違反行為について有罪だ。これには、管轄する防空識別圏の上空における『外国航空機の飛行制限』、事前承認なしの外国船による『測量および地図作成活動という犯罪行為』、北京からの事前許可なく『外国軍艦の無害通航』を禁じる行為を含む、7件の事象が記載されている。



さらに、米国はこの2年間における、中国による香港の民主主義への弾圧と台湾領空への侵犯頻度の増大を懸念して、「民主的」同盟諸国と共に地域への関与を強めることにより影響力を広げたいと考えているようだ。



インドは1967年に既に中国との短期間の国境戦争を経験しており、現在も両国が接する―係争中の―国境をめぐり北京と対立状態にあるため、この計画を動かす主要な立場になっている。「インドがその影響力を中国の裏庭である西太平洋と南シナ海にも広める可能性を示すことは、全く理に適うことだった」と、ORFのプレメシャ・サハ氏は述べる。



インドは中国の一帯一路構想にも特別な懸念を抱いている。その重大な要素である中国パキスタン経済回廊(CPEC)について、デリーは「インドの主権を攻撃するもの」と見なしているからだ。今やフランス―そしてEU―の参加により、幅広い同盟国の環が形成されつつあるようだ。





アメリカ帝国主義



一方、中国は、自国が「アメリカ帝国主義」の証拠と見なす同盟の拡大に不満を表明している。 4月14日に強硬派の環球時報が発表した怒りの論説記事で、解説者のXie Chao氏は「クワッドは限界に達し、内部矛盾の発生が予想される」と嘲笑し、「NATOのようなより大きなアジア太平洋同盟」は4加盟国が共通の脅威についての「コンセンサスを欠いている」ため、失敗する運命にあると付け加える。



同紙の別記事によると、クアッド海軍演習へのフランスの参加は「宣伝のための演技」であり「この緩いグループを強化することはないだろう」と述べ、「フランスがこの地域において長期的な軍事的存在を維持することは不可能」であり、パリはワシントンに口先だけの賛辞を送っているに過ぎないと馬鹿にしている。





フランス インド 中国 豪州 米国 日本 北京 一帯一路