「中国新疆:ウイグル族女性の組織的レイプ疑惑をめぐる攻防」(Sputnik日本・BBC NEWS JAPAN・人民網日本語版)

「中国新疆:ウイグル族女性の組織的レイプ疑惑をめぐる攻防」(Sputnik日本・BBC NEWS JAPAN・人民網日本語版)









(Sputnik日本)

https://jp.sputniknews.com/world/202102048126786/





国務省中国当局によるウイグル女性らの制度的レイプを批判







© AP Photo / J. Scott Applewhite, File





国際





2021年02月04日 10:46(アップデート 2021年02月04日 12:44)






中国の新疆ウイグル自治区では収監されているウイグル女性らの集団レイプが横行しているとの報道や証言を受けて、米国政府は中国政府を批判する声明を発表し、国際機関による独立した調査を早急に許可するよう要請している。





リアノーボスチ通信が入手した米国務省の声明には次のように記されている。





我々は新疆の収容所に収監されたウイグル人やほかのイスラム教徒が制度的なレイプや性的搾取にさらされているという報道(当事者の証言を含む)を受けて深い懸念を示すものである。中国共産党政府はこのショッキングな批判や、新疆におけるほかの野蛮行為について、外国の監視団体による独立した調査を許可するべきである。










また国務省中国当局ウイグル人や宗教的マイノリティの民族浄化に加担しているとして批判を強めている。





これらの野蛮行為は良心ある全ての人を震撼させるもので、こうした行為は深刻な結果を呼ぶであろう。




国務省は具体的に、どういった「結果」が生じえるかについては言及していない。そのうえで、国務省は拘束しているウイグル人を速やかに釈放し、弾圧行為を中止するよう要求した。











​これに対し、中国政府は米国による批判を退け、内政干渉にあたるとして反発している。





関連ニュース













(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/55945241





ウイグル女性、収容所での組織的レイプをBBCに証言 米英は中国を非難





2021年2月5日







Getty Images

中国は新疆ウイグル自治区に収容施設を次々と建設した






中国西部・新疆ウイグル自治区の収容施設に入れられたウイグル族の女性らが、組織的なレイプ被害を受けたとBBCに証言した。この報道を受け、米英などの政府は「深く憂慮している」などと懸念を表明している。



新疆ウイグル自治区の収容施設では、ウイグル族などの少数民族100万人以上が拘束されていると推測されている。



BBCは3日、収容施設で警官や警備員らから組織的にレイプや性的虐待をされたとする女性収容者たちの生の証言を報じた



これに対し中国外務省は、BBCの報道を「間違った報道」とし、告発内容は事実ではないと述べた。



同省の汪文斌報道官は、「女性に対する組織的な性暴力や性虐待はまったくない」と話し、中国国内のすべての施設は人権ガイドラインに沿って運営されていると説明した。



さらに、「中国は法治国家であり、人権は憲法で保障され守られている。そのことは法制度に盛り込まれており、政府はその法制度の下で機能している」と述べた。





女性たちの証言



収容施設から解放された後、アメリカに渡ったトゥルスネイ・ジアウドゥンさんは、収容施設では「毎晩」女性たちが連れ出され、覆面をした中国人の男にレイプされていたと話した。



彼女自身、拷問を受け、2~3人の男たちに集団レイプされたことが3度あったという。







トゥルスネイ・ジアウドゥンさんは2018年に9カ月間、収容施設に入っていた

BBC






カザフ族で新疆省出身のグルジラ・アウエルカーンさんは、収容施設に1年半入れられた。収容中、ウイグル族の女性たちの服を脱がせ、手錠をはめることを強いられた。女性たちは、中国人の男らがいる部屋に置き去りにされたという。



「(男たちは)かわいくて若い収容者を選ぶために金を払っていた」、「男たちは私に、彼女たちの服を脱がせて手を動かせないようにした後、部屋を出るよう命じた」



収容施設の1つで警備員として働いた人物は、匿名を条件に、拷問や食事を与えないなどの虐待があったと語った。





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中国政府の新疆政策に詳しいアドリアン・ゼンツ氏は、BBCが取材で得た証言について、「残虐行為が始まって以降に私が見た中で、最も恐ろしい証拠だ」と話した。



「私たちが想像していたよりも明らかに深刻なレベルで性的虐待と拷問が行われていたことを示す、信頼できる詳細な証拠だ」





米英が非難



BBC報道を受け、アメリカでは国務省の報道官が3日、「ウイグル族などのイスラム教徒を収容する新疆の施設において、女性に対して組織的なレイプや性的虐待があったという、直接的証言を含む報道を深く憂慮している」と述べた。



「こうした残虐行為は良心を揺さぶるものであり、重大な責任が問われなくてはならない」



イギリスでは4日、ヌス・ガーニ下院議員が議会の緊急質問で、「これらの恐ろしい話によって、中国当局が新疆で行った、集団虐殺にも相当し得る残虐行為に関する多数の証拠がさらに増えた」と訴えた。



ガーニ氏は、ナイジェル・アダムス外務閣外相(アジア担当)に「こうした犯罪に対する法的な調査が完全に実施されるまで、中国との関係を深めることは一切しないと今日約束する」ことを求めた。



これに対しアダムス氏は、政府が「中国の責任を問う国際的な取り組みをリードしている」と説明。



BBCの報道を目にした誰もが、明らかに邪悪な行為に動揺し、心を痛めたはずだ」とし、欧米各国と協調して中国に圧力をかけ続けていくと述べた。







中国の収容所、ウイグル族のモデルが内部を撮影





豪州も調査求める



オーストラリアのマリス・ペイン外相もBBCの報道に言及。国連の監視団が「直ちに」新疆ウイグル自治区に入ることが許可されるべきだと述べた。



「私たちは透明性が最も重要だと考えており、中国に対して引き続き、ミシェル・バチェレ国連人権高等弁務官ら国際監視団による、新疆への有効で無制限のアクセスを直ちに認めるよう強く求める」



人権団体は、中国政府がウイグル族から信仰などの自由を徐々に奪っていると主張。大規模な監視や拘束、思想教育、さらには強制不妊が行われているとしている。



国際刑事裁判所は昨年12月、集団虐殺や人道に対する犯罪について中国を捜査するよう求める、国外に逃れたウイグル族の人々から出された申請を退けた。中国は同裁判所の権限が及ばないというのが理由だった。



今年1月には、退陣間際のトランプ米政権が、中国はウイグル族に対して集団虐殺を行ったと認定。現在のバイデン政権も、同じ立場を取っている。



中国は一貫して新疆における人権侵害を否定。収容施設は拘束施設ではなく「職業教育と訓練のセンター」だとしている。





(英語記事 US and UK condemn reports of rape in Chinese camps











人民網日本語版)

http://j.people.com.cn/n3/2021/0205/c94474-9816643.html





国務省が再び新疆のイメージを毀損 外交部「虚偽情報の出所はほぼ同じ」





人民網日本語版 2021年02月05日14:02





国務省報道官は4日、「米国は新疆維吾爾(ウイグル自治区で行われている女性に対する『組織的な強姦と性的虐待』を深く憂慮している。中国政府は、国際監視団がこうしたショッキングな告発に対して直ちに独立した調査を行うことを許可するべきだ」と言明した。またBBCは、新疆で女性に対する組織的虐待が行われていることをはっきりと示す最新の「詳細な証言」を得たと報じた。



これについて、中国外交部(外務省)の汪文斌報道官は4日の定例記者会見で、「最近、新疆と中国に対する虚偽情報やイメージを毀損する主張が余りにも多く聞かれる。こうした虚偽情報の背後には、同じ名前が常連のように登場していることに気づくだろう」と指摘。



汪報道官は「例えばBBCだ」として、1枚の写真を取り出し、「BBCは2020年7月17日の記事で、Zumrat Dawutという名のウイグル族の女へのインタビューを掲載した。この女性はいわゆる証言をあれこれと口にしたが、事実は、彼女が多くの嘘をでっち上げたというものだった」とした。



汪報道官は、「Zumrat Dawutは以前『再教育キャンプ』に監禁されたと言っていたが、実際には職業訓練センターで訓練を受けたことはない。彼女は子宮摘出による不妊手術を強制されたと言ったが、実際には2013年3月にウルムチ市内の産婦人科病院で第3子を出産した際、分娩同意書に署名して帝王切開と卵管結紮に同意しており、その後病院で帝王切開と卵管結紮手術を行った。不妊手術をさせられたのでは全くないし、ましてや子宮を摘出されたのではない。彼女はまた、高齢の父親が新疆当局に数回拘束され、取り調べられ、少し前に死因不明のまま死んだと主張している。だが実際には、彼女の父親はずっと子供たちと普通に生活し、取り調べられたり拘束されたりしたことはなく、2019年10月12日に心臓病で死亡した。こうした状況は彼女の3番目と5番目の兄がきちんと説明している。このZumrat Dawutという者は、すでに反中勢力による新疆をめぐる非難と意図的誇張のための演技者であり、道具となっている」とした。



また汪報道官は、「ほかにもよく登場する名前がある。Adrian Zenzだ。もうおなじみの名前だと思う」と例を挙げ、「Adrian Zenzは1983年に米国で発足した極右組織『Victims of Communism Memorial Foundation』(VOC)のメンバーだ。この人物は新疆関連の嘘をでっち上げ、中国を誹謗することに熱中しており、その発表する報告や言論は虚偽情報であることが事実によってとうに証明されている」と指摘。さらに、「Adrian Zenzは報告の中で、違法出産者を職業訓練センターに送り込む、いわゆる『カラカシュ・リスト』を捏造した。だが実際には、このリスト上の圧倒的多数はカラカシュ県の現地住民で、普通の生活を送っている。法に基づいて職業技能教育訓練を受けるのは、宗教的過激思想に惑わされ、軽微な違法犯罪行為を働いたごく一部の者だけだ」とした。



汪報道官は、「こうした事実を知った後に、新疆に関するBBCの報道やAdrian Zenzの報告を見聞きすると、皆さんの脳裏には『これは新疆に関するまた新たな嘘か?』との大きな疑問符が浮かぶことと思う」とした。(編集NA)





人民網日本語版」2021年2月5日