米軍、ドイツ駐留の1万2000人削減へ 「戦略的」再配置 (BBC NEWS JAPAN)/ドイツ政府が在独米軍1万2000人の撤退決定を承認(Sputnik日本)

米軍、ドイツ駐留の1万2000人削減へ 「戦略的」再配置 (BBC NEWS JAPAN)/ドイツ政府が在独米軍1万2000人の撤退決定を承認(Sputnik日本)









(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/53590087





米軍、ドイツ駐留の1万2000人削減へ 「戦略的」再配置





2020年7月30日 11:44







Getty Images

ドイツは現在、ヨーロッパで最も多くの米兵を受け入れている






アメリカは29日、ドイツに駐留している米軍を約1万2000人削減する計画を発表した。ヨーロッパにおける「戦略的な」再配置としている。



削減する米兵のうち、約6400人はアメリカに帰国。その他は、イタリアやベルギーなど北大西洋条約機構NATO)加盟国に移される。



ドナルド・トランプ米大統領はこの動きについて、NATOの防衛支出目標をドイツが達成していないことを受けたものだと述べた。



しかし米議会では、ロシアを大胆化させるとして、反対が広がっている。



懸念の声は、ドイツ高官らからも出ている。





「義務果たさないから削減」



今回の計画が発表されて間もなく、トランプ大統領ホワイトハウスで記者団に、「我々はもうだまされない」と述べた。「向こうが支払い義務を果たさないから米軍を削減する。とても単純なことだ」。



トランプ氏は以前から、NATO加盟の欧州諸国に対し、アメリカにコスト面で大きく依存するのをやめ、防衛支出を増やすよう求めている。



加盟各国は防衛費について、2024年までに国内総生産GDP)の2%にすることで合意している。しかし、ドイツなど多くの国がこの目標をまだ達成していない。



マーク・エスパー国防長官はこの日の削減計画の発表にあたり、コストの問題は前面に出さず、ヨーロッパにおける米軍再編計画の一部だと強調した。



エスパー氏は、「大規模な戦略的、積極的な転換」により、「アメリカとNATOのロシアに対する抑止力の強化という基本原理を間違いなく達成する」と述べた。





戦闘機部隊はイタリアへ



この削減でドイツ駐留米兵は現在の4分の1以上が減ることになる。



エスパー氏によると、戦闘機の部隊はイタリアに移す。他の部隊の一部はポーランドに配置するという。







Getty Images

トランプ氏はNATO加盟国のコスト負担が不十分だと不満を表明してきた






ドイツからは批判の声が出ている。外交問題を扱う委員会のトップは、「NATOの同盟を弱める」と述べた。



バイエルン州マルクス・ゼーダー首相は記者団に、「ドイツとアメリカの関係において重荷となる」と述べ、削減の決定は残念だとした。



一方、米政界でも党派を問わず、議員らが批判している。民主党のジャック・リード上院議員は、「これはアメリカの国益に対する(中略)自傷行為だ」と発言。



共和党ミット・ロムニー上院議員は、「重大な間違い」、「友人である同盟国の顔に平手打ちを食らわせるようなもの」と表現した。





米軍駐留でもうけていると主張



ドイツ駐留米軍の削減計画は、トランプ氏が先月、発表していた。同氏はドイツについて、NATOに対する支払いの「不履行」状態にあると非難。アメリカを「貿易でひどく」扱っていると述べていた。



また、ドイツは米軍を駐留させることで、米兵の支出によって経済的利益をあげていると主張していた。



ドイツ駐留米軍は、第2次世界大戦後の連合国による占領を背景としている。ヨーロッパの駐留米兵はドイツが飛び抜けて多く、イタリア、イギリス、スペインと続く。



ヨーロッパ駐留米兵の一部はNATOとは別の任務に当たっている。米軍の規模は部隊のローテーションなどで増減している。





(英語記事 US to withdraw 12,000 troops from Germany











(Sputnik日本)

https://jp.sputniknews.com/world/202007307653990/





ドイツ政府が在独米軍1万2000人の撤退決定を承認







© Sputnik / Alexey Nikolski





国際





2020年07月30日 08:42(アップデート 2020年07月30日 13:36)






ドイツ連邦政府は在独米軍のうち1万2000人の撤退に関する米国政府の決定を承認し、部隊が配備されている国内の州政府、米国政府、および北大西洋条約機構NATO)との調整を進める。ドイツ連邦政府が29日に外務省、国防省連邦議会、各州首相と共同で発表した声明で明らかになった。





ドイツ連邦政府は声明の中で、米国政府が事前に提示した情報通り、ドイツに常駐する部隊を最大で2万5000人にまで削減する計画を予定しているとした。これについてドイツ連邦政府は米国政府の決定を承認し、部隊が配備されている州の首相、米国政府、およびNATOとの調整を進めてこの計画を実行に移すことを明らかにした。







© AP Photo / Andreas Gebert

独国防相が米国に反論 在独米軍は米国の安全保障も目的






声明によれば、米国政府の決定は最終的なものではなく、撤退計画の内容に変更が加えられる可能性があるという。部隊の撤退は間もなく開始される予定だが、撤退はいずれも段階的に実行される見通し。



先にトランプ大統領はドイツに駐留する米軍を2万5000人規模まで縮小する計画を明らかにした。



またトランプ大統領は「米国がロシアからドイツを守っているにもかかわらず、ドイツはロシアに対し数十億ドルものエネルギーを買うのだ」と憤りをあらわにしていた。



ロイター通信によれば、ドイツを離れる米兵はその多くがポーランドやその他の同盟国に派遣され、一部は本国へ帰還する模様。





関連ニュース





タグ 軍事, ドイツ, 米国