視点、新型肺炎による日本経済への悪影響 (Pars Today)
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視点、新型肺炎による日本経済への悪影響
2月 08, 2020 21:32 Asia/Tokyo
新型コロナウイルス感染拡大
2018~2019年にかけて低迷していた景気がようやく回復の兆しを見せてきた中、中国で新型コロナウイルス感染が拡大しました。
中国で昨年末に確認された新型コロナウイルスは、現在1日に数千人の新たな感染者が出てくるなど、その感染拡大が世界中を混乱に陥れています。
日本の経済ジャーナリスト岩崎博充氏は、新型コロナウイルス感染爆発がこのまま続いたとき、世界経済はどうなるのかという予測を明らかにしました:
未症状の人にも感染能力がある今回の新型コロナウイルスは、その感染爆発により、「世界的な感染拡大=パンデミック」に陥る可能性が指摘されています。
その場合、生命の危機や健康を損なうなどの医学的な問題だけでなく、新型コロナウイルス蔓延の出発点となった中国での大きな経済ダメージが予想され、さらに、そのダメージが全世界に与える影響は限りなく大きく、深刻なものになる可能性があると考えられます。
現在中国は世界第2位の経済大国であり、実質GDPは14.3兆ドル(2019年)、世界全体のシェアも16.3%(同)に成長しています。また、武漢市のある中国湖北省には、日本の「ホンダ」、「ダイキン工業」の他、自動車産業を中心に多くの企業が工場の拠点を置いています。
そのため、格付け会社のムーディーズ・アナリティックスは、今回の感染拡大が金融危機をもたらす想定外の事態になりうる可能性を警告しています。
伝染病の感染拡大がもたらす経済の影響には、簡単にまとめると次の3つの要因に集約されると考えられます。
① 消費の低迷による景気後退
② 株価下落がもたらす世界経済への影響
③ 流動性の縮小がもたらす債券、信用バブルの崩壊懸念
世界中で中国人観光客が減少したことで多大の損失が出るという直接の影響だけでなく、急激な相場変動によって活発に取引されているインデックス投信(=ETF)が一斉に売りに回ったときに、株式相場はパニックになりかねません。日本でも、ETFに中央銀行の莫大な資金が流れ込んでおり、日本の株価を支えている原動力にもなっていため、影響は免れません。
また、中国の急速な景気減速は、必然的に世界の製造業の供給不足を伴うことになります。感染拡大が収束するのは4月から5月と言われており、そこまで続けば株価は大きく下落し、金融市場のバブルが崩壊する可能性は低くありません。
そうなれば、政治の世界にも大きな影響を与えることになります。日本やアメリカに限らず、株価が高いからこそ政権を維持できている国は、世界中至る所にあります。株価暴落は、政治の世界にも大きなインパクトをもたらすはずです。
金融危機の到来は、その原因となるイベントよりも「遅く、そして増幅されて」やってきます。日本を含めた世界経済は、今後もこの動向を注視していく必要があります。
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