「イラン政府、ウクライナ航空機を『人的ミス』で撃墜と認める」(Pars Today・BBC NEWS JAPAN)

「イラン政府、ウクライナ航空機を『人的ミス』で撃墜と認める」(Pars Today・BBC NEWS JAPAN)









(Pars Today)

https://parstoday.com/ja/news/iran-i58149





イラン統合参謀本部、「ウクライナ機を誤って撃墜」





1月 11, 2020 16:36 Asia/Tokyo







墜落したウクライナ機の残骸





イラン統合参謀本部が、テヘラン近郊でのウクライナ旅客機墜落に関して公示を発表しました。





今月8日、ウクライナ国際航空のボーイング737型旅客機がテヘランイマーム・ホメイニー空港付近で墜落しました。



イラン統合参謀本部は11日土曜、公示を発表し、「イラン領内の多数の地点を攻撃するとした米大統領や軍事関係者の脅迫を受け、また、地域上空では過去に例のない規模で空路での挑発行為が増える中、イラン武装軍は敵側から予想される脅迫への報復に向けて、最高レベルで臨戦態勢を整えていた」と表明しました。



この声明ではまた、「イラク領内にある米軍基地へのミサイル作戦の実施から数時間後、イラン周辺の米軍戦闘機の飛行が増加し、レーダー画面上の一部に多数の物体が現れた。このためイラン対空防衛部隊は益々敏感になった」としています。



さらに、「このような緊迫した危機的な雰囲気の中、ウクライナ航空752便がテヘランイマーム・ホメイニー空港を離陸し、旋回中に、革命防衛隊の重要な軍事施設に完全に接近しつつあったところで、飛行高度から標的と識別された。このような状況において人為的なミスにより誤って撃墜された」としています。



最後に、今回の人為的なミスを謝罪し、事故の犠牲者の遺族に深い同情の意を示すとともに、「イラン全軍の作戦プロセスを抜本的に修正し、今回のようなミスの再発防止に努め、過失責任者を直ちに法的訴追する」と表明しました。







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タグ イラン アメリカ イラン アメリカ 航空機 墜落 ボーイング社 ウクライナ







-参考-(いずれも"Pars Today"の記事)











(Pars Today)

https://parstoday.com/ja/news/iran-i58168





イラン革命防衛隊が、ウクライナ旅客機墜落事故の詳細を説明





1月 11, 2020 21:53 Asia/Tokyo







イランイスラム革命防衛隊・航空宇宙部隊のハージーザーデ司令官





イランイスラム革命防衛隊・航空宇宙部隊のハージーザーデ司令官が、人的ミスによるウクライナ航空機墜落事故について、「今回の事件は、地域において米国が起こした悪行や扇動の代償だ」と述べました。







ウクライナ旅客機墜落事故の犠牲者





今月8日、ウクライナ国際航空のボーイング737型旅客機がテヘランイマーム・ホメイニー空港からウクライナの首都キエフに向かって離陸した直後に墜落し、乗客乗員176人全員が死亡しました。



ハージーザーデ司令官は11日土曜、事故の詳細に関して説明し、「米政府がイランを過度に脅迫し、またイラン周辺を飛行する敵の戦闘機の数が増えていた。そのため、イラン武装軍は最高レベルの厳戒態勢をとっていた。そうした中で遺憾なことに1人が性急な判断をし、今回の事件が発生した」と述べました。



また、「米国は、わが国の52カ所を攻撃すると脅迫しており、当然の結果として、テヘラン配備の防空システムや対空防衛部隊は完全な臨戦態勢にあった」と続けました。



さらに、今回の事故原因の調査はイランの司法機関や上級組織本部によって行われるとして、「イラン航空機関は、ミサイルが航空機に命中する事例に経験がなく、ミサイルが命中すれば航空機は空中で破壊されると考えていた。今回の事故機は地面に落下時に爆発した」と説明しました。



そして、「イラン武装軍は事実を隠蔽する意図はなかった」と強調し、犠牲者の遺族に深い同情の念を示しました。



イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は11日、メッセージを発表し、イラン軍統合参謀本部に対し今回のウクライナ旅客機墜落事件で考えうる怠慢、過失を調査し、責任の所在を明らかにするよう厳命しました。







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タグ イラン イラン アメリカ イスラム革命防衛隊 事件 墜落 ウクライナ











(BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/51075614





イラン政府、ウクライナ航空機を「人的ミス」で撃墜と認める





2020年01月11日







ミサイルがウクライナ航空機を撃墜した様子と思われる動画(米紙ニューヨーク・タイムズが入手)





イラン政府は11日午前、首都テヘランで8日に墜落したウクライナ航空PS752便について、「人的ミス」によって「意図せず」して撃墜したことを認めた。墜落では乗客乗員176人全員が死亡した。8日未明にはイラン革命防衛隊が司令官殺害の報復としてイラク国内2カ所の米軍基地に多数の弾道ミサイルを発射していた。



イラン国営テレビはイラン軍の声明を読み上げ、ウクライナ航空機を誤ってミサイルで撃墜したと明らかにした。革命防衛隊の「機密上重要な軍施設」の近くを旅客機が飛行したため、「敵性標的」と誤認したという。



米軍との緊張関係が高まる中でイラン軍は「最高レベルの臨戦態勢」にあり、「そのような状況で、人的ミスのため、そして意図しない形で、旅客機を撃墜してしまった」と説明した。



軍は旅客機撃墜について謝罪し、将来的にこのような「ミス」を防ぐために防衛システムを刷新すると述べた。さらに、責任の所在を明確にし、責任者を訴追する方針を示した。



イランのハッサン・ロウハニ大統領はツイッターで、「軍の内部調査の結果、残念ながら、人的ミスによるミサイル射撃がウクライナ機の恐ろしい墜落と176人の罪のない人たちの死亡の原因となってしまった。このひどい悲劇と許されない過ちについて、(責任者を)特定し訴追するため、調査を継続する」と書いた。











イランのジャヴァド・ザリフ外相はツイッターで、被害者の遺族に謝罪し弔意を示しつつ、責任の一端はアメリカにあると批判。「アメリカの冒険主義が引き起こした危機の時に、人的ミスが起きて、この悲惨な事態につながった」と書いた。







テヘラン撮影の別の動画は、爆発音の後に光る物体が地面に落下し燃え上がる様子を捉えていた





ウクライナ航空機は8日午前6時12分(日本時間午前11時42分)、テヘランイマーム・ホメイニ空港からウクライナの首都キーウ(キエフ)に向かって出発した直後に墜落した。



多数のイラン人やカナダ人、ウクライナ人、スウェーデン人、アフガニスタン人、ドイツ人、イギリス人が犠牲になった。15人が子どもだったという。



米紙ニューヨーク・タイムズが入手した動画には、テヘラン上空の夜空をミサイルが横切り、飛行機と接触して爆発する様子と思われる映像が映っていた。接触から約10秒後に大きな爆音が地上からも聞こえ、燃える機体はしばらく飛び続けた。



イランは当初、テヘランの国際空港を離陸した直後のウクライナ航空機が墜落したのは、自軍のミサイルが原因だという西側諸国の主張を退けていた。







イラン旅客機墜落、現場の様子





しかし、西側各国の情報機関が、イラン関与の疑いを相次ぎ指摘。57人の犠牲者が出たカナダのジャスティン・トルドー首相は9日に記者会見し、イランが発射した地対空ミサイルが原因との見解を示した。イギリスのボリス・ジョンソン首相も「具体的な情報」があると同調し、徹底的な調査が必要だと述べていた。





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9日には、シャベル機が墜落現場の残骸を取り除くテレビ映像が放送されたため、事故原因の重要な証拠が撤去されたのではと懸念が高まった。イランは完全な事故原因調査を約束し、ウクライナやカナダ、アメリカの航空当局の参加を要請した。



10日にはカナダのフランソワ=フィリップ・シャンパーニュ外相がイランに、「世界が注目している」と警告し、乗客乗員の遺族は「真実を求めている」と強調していた。







Getty Images

墜落現場の様子






イランの謝罪に反応は





カナダのトルドー首相は、「国民的な悲劇」だと声明を発表。「被害者の遺族や大切な人たちのため、透明性と正義」を要求した。



ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「イラン政府が責任者を裁判にかけるよう期待する」と述べた。



ウクライナ国際航空の幹部は、優秀な乗務員や航空機が原因であるはずなど最初からなかったとコメントした。







ウクライナ航空PS752便の予定航路(上)と、フライトデータによる実際の飛行ルート





なぜカナダ人が大勢乗っていたのか





カナダには、イラン移民が大勢住んでいる。最新の連邦国勢調査では、イラン系の市民が約21万人いた。



そのほか、カナダはイランの大学院生や博士号取得後の研究生にとって人気の留学先だ。冬休みで帰省していた学生が多く、撃墜されたウクライナ航空機に乗っていたのは、そのためだ。



加えて、カナダとイランの間には直行便がない。そして、テヘラン発キーウ(キエフ)経由トロント行きの乗り継ぎは、最も安いルートのひとつのため、特に人気だった。












<解説> 事態沈静化のための動き――リーズ・ドゥセットBBC国際報道主任特派員





イランにとってきわめて重要なタイミングで、イランは重要な内容を認めた。



これほどの悲劇的な間違いについて責任を認めるのはきわめて異例なことだが、イランがいま直面する危機もきわめて異例だ。



イランは西側との新たな舌戦を防ぐため、そして相次ぐ悲劇に見舞われる自国民の怒りや悲しみの増大を防ぐため、この大惨事の責任を認めることにした。



イラン政府が事態の沈静化を図ったのは間違いない。



国内での反響や影響がどうなるかは、間もなく明らかになるかもしれない。イランの外相はすでに、「アメリカの冒険主義が引き起こした危機」が原因だと、責任の一端をアメリカに着せようとしている。



しかし、いったい誰があの時に、民間旅客機のテヘラン出発を許可したのだろう。それが何より疑問だ。イラン領空があれほどの非常事態にあった、あの時に。





(英語記事 Iran plane crash: Ukrainian jet was 'unintentionally' shot down





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