カルロス・ゴーン氏は「合法的に」レバノンに入国した (RFI)

カルロス・ゴーン氏は「合法的に」レバノンに入国した (RFI)











(Carlos Ghosn est entré «légalement» au Liban: RFI)

http://www.rfi.fr/economie/20191231-liban-evasion-rocambolesque-carlos-ghosn-tokyo-beryrouth-justice-economie





レバノン日本司法汚職





カルロス・ゴーン氏は「合法的に」レバノンに入国した





記者 RFI





発表 2019年12月31日・更新 2020年1月1日09:23








レバノン首都・ベイルートの高級住宅街、カルロス・ゴーン氏の自宅の前でメディアが待機している、2019年12月31日。

ANWAR AMRO / AFP






12月31日火曜日、ルノー日産のカルロス・ゴーン元会長は「合法的にレバノンに入国した」と、ベイルートの外務省が明らかにした。財務上の不正のために日本で起訴されたこの実業家が到着した翌日のことだ。





RFIベイルート特約記者、ポール・カーリフェー







カルロス・ゴーン氏のベイルート到着に対するレバノンの最初の公式の反応は、出入国を担当する保安当局のものだ。当局は数行の声明の中で、ルノー日産を追放された元会長は「合法的に」レバノンに入国したと述べ、「法的訴追に係わることは何もなかった」と説明した。



その後、外務省が更に長い声明を発表し、日本に対する引き渡し要求について全てを打ち切ると述べた。レバノン外務省の文書は、日本との間には司法協力や引き渡しに関する協定がないことに触れている。同省は付け加える。「両国は国際連合腐敗防止条約の署名国だ。」そして、レバノンは同条約に基づきカルロス・ゴーン氏に関する何通かの公式書簡を日本政府に送った。しかし、これに対する回答は未だにないままだと。



外務省は、カルロス・ゴーン氏が日本を出国した状況について何も知らないと強調する。政界人たちは沈黙を保っている。しかし、レバノンではカルロス・ゴーン氏は世界中に離散したレバノン人の成功の生きた象徴として考えられており、彼の新たな武勇談は全ての言語で記されている。ドゥルーズ派の指導者ワリード・ジュンブラート氏だけが、レバノンと日本の間の「歴史的関係」に影響が及ばないよう、カルロス・ゴーン氏の逃亡については明確さが求められると主張した。



ベイルートカルロス・ゴーン氏の自宅周辺には警備当局により多数のセキュリティ機器が配置されており、記者たちがそこで立って待っている。ルノー日産のこの元経営者はイスタンブールからプライベートジェットに乗り、フランスのパスポートを使ってレバノンに入国した。レバノンの報道によると、彼は木箱の中に隠れてトルコに到着したが、警察小説さながらの彼の脱出劇は民間の警備会社によって準備された。





皮肉を言う日本のネットユーザーたち





大多数の人々が休暇中の日本では大メディアが海外の情報を伝えている。しかしSNS、では多くの人が当局者たちと住居監視システムを批判していると、RFI東京特約記者フレデリック・シャルルは指摘する。



日本のウェブ上では、カルロス・ゴーン氏のレバノン逃亡により世界で最も有名な人でさえ誰にも気付かれずに日本を出国できることが証明されたとの声が上がっている。



日本の入国管理局にはカルロス・ゴーン氏出国の情報データやビデオが1件もない。東京のある元検察官は、カルロス・ゴーン氏の保釈条件が全く厳格でなかったため、外国人に対しては保釈制度がかなり厳しくなるだろうと考える。



カルロス・ゴーン氏は避難先のレバノンからメディア産業を独占し、通信分野の専門家を使って日本やその司法制度を攻撃し、これは政界と産業界による陰謀だと非難すると、日本のネットユーザーたちは指摘する。



また、日本には彼についての4件の告発を思い出す人はいない。2件は証券取引当局に対する所得の隠蔽、他の2件は背任だ。そして、カルロス・ゴーン氏が逃げたのは、日本の検察が他の重大な不正により彼を告発する準備をしていたからであり、彼はそれを恐れたのだ。