レバノン:カルロス・ゴーン氏は日本で自宅軟禁中なのにベイルートにいる(RFI)

レバノンカルロス・ゴーン氏は日本で自宅軟禁中なのにベイルートにいる(RFI)











(Liban: Carlos Ghosn est à Beyrouth malgré son assignation à résidence au Japon: RFI)

http://www.rfi.fr/economie/20191230-liban-carlos-ghosn-beyrouth-malgre-son-assignation-residence-japon





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レバノンカルロス・ゴーン氏は日本で自宅軟禁中なのにベイルートにいる





記者 RFI





発表 2019年12月30日・更新 2019年12月31日10:06








保釈後のカルロス・ゴーン氏、2019年3月6日東京にて。

Reuters






ルノー日産自動車グループのこの元経営者はプライベート飛行機でベイルートに到着し、レバノンにいる。汚職により日本の司法から告発され、東京で自宅軟禁中のこの元実業家が日本を去った状況はまだ判然としない。彼の弁護士はニュースに「唖然とした」と言っている。





「私は正義から逃げたのではない―私は不正と政治的迫害から逃れたのだ。」 ルノー日産のこの元経営者は声明の中で自分がレバノンにいることを認めた。カルロス・ゴーン氏は、「推定有罪が支配的な日本の不公正な司法制度の人質になりたくない」と説明しており、来週メディアと連絡を取る予定だ。



カルロス・ゴーン氏が声明を出す数時間前、フィナンシャル・タイムズ紙は、このルノー日産の元経営者の協力者の発言として、この元実業家が12月29日日曜日の夜遅くにプライベート飛行機でトルコを出発してベイルートに到着したと伝えた。



その直後にレバノン公安筋が確認した情報として、カルロス・ゴーン氏は「日曜日にベイルート空港に到着した」とAFPは伝えた。そして別のレバノン当局者は、「彼が日本を去った方法は明らかでない」と付け加えた。



ここ数か月、カルロス・ゴーン氏は弁護士たちと裁判準備に時間を使っていた。そのため、彼らは顧客が逃げたと分かり驚いている。弘中惇一郎氏はメディアに対し「これには全く驚いた。私は唖然としている」と表明し、ゴーン氏と連絡を取らなかったことや、ルノー日産のこの元経営者が日本を逃げたことを「テレビで」知ったと述べた。彼によれば、かかる行動は「許せない」。



日本の検察官たちは日本の公共テレビ局NHKから質問を受けた時、カルロス・ゴーン氏出国の事実については分からないと述べ、彼がどこにいるかを確認中だった。



カルロス・ゴーン氏がレバノンに帰国した状況は判然としない。フランス人でありレバノン人でもありブラジル人でもあるこの経営者は、自宅監視下にあったのにどうやって日本を離れることが出来たのか? ルノー日産グループのこの元ナンバーワンに財務上の4件の不正容疑を掛けた国から出るのを、誰が助けたのか?





2018年11月に日本で逮捕された





この元経営者が日本で逮捕されてから1年余りが経った。昨年10月、彼の弁護士たちは検察官たちと日本メーカーの代表者たちに共同謀議があったと非難し、司法に対し訴訟の取り消しを求めた。逮捕の目的は?弁護士たちによると、ルノーとの連合の強化を邪魔するためにカルロス・ゴーン氏を追放する、というものだった。



数週間拘置所にいた後カルロス・ゴーン氏は保釈金を支払い、その後自宅軟禁に置かれた。日本の司法は、妻との接触の禁止など、保釈条件の緩和を目的とした全ての要求を完全に拒否した。



ルノー-日産の元CEOの保釈条件には、弁護士たちが彼のパスポートを保管するとともに、彼について裁判所が課した諸規則の遵守を保証することが示されていた。彼は東京での自宅軟禁中でも日本国内を旅行する自由は残されたが、自宅を不在にする期間は制限されていた。





レバノンでの支援





いずれにせよ、カルロス・ゴーン氏は最初の逮捕1年後に避難所を見つけた。その国では、彼は支援委員会の恩恵を得られる。また、連帯キャンペーンが組織されてベイルートの街頭にポスターが貼られたと、レバノン首都のRFI特約記者ロール・ステファンは述べる。



彼を支援する人々は、彼が財務上の不正により告発され、また、突如として転落したことについて常に陰謀を見ていた。多くのレバノン人は長年に亘り、彼の華やかな成功を強調してきた。また、彼の支持者たちは彼が多様な事業に、特に教育分野に提供した資金援助を取り上げる。



転落する前、カルロス・ゴーン氏は両親の国であり、そのため自分も国籍を持つレバノンに定期的に行っていた。政界などに密接な関係を持ち、この1年の間に様々な高官たちが彼のために仲裁を試みた。国で最も権威のある学校で教育を受けたその人物は、ベイルートの東の街区に家を保有する。



これまでのところ、彼がレバノンに到着したというニュースに反応した高官はいない。そして、これを確認した彼に近しい人々は、彼の日本から出国した状況について一切明らかにしなかった。現在、カルロス・ゴーン氏がトルコを経由してレバノンに到着したことを日刊紙数紙が報じている。