「プーチン大統領、連邦議会教書演説」(ロシアの声):阿修羅♪

プーチン大統領連邦議会教書演説」(ロシアの声):阿修羅♪

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http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_04/280858396/





12月 4 , 12:19





プーチン大統領連邦議会教書演説(内容は時間の経過に沿って発表)





© Photo: RIA Novosti/Grigorij Sysoev






クレムリンプーチン大統領連邦議会教書演説が開始。













12:07 ロシア憲法の定めるところによって、ロシア大統領は毎年連邦議会に対する教書演説を行い、国の状況、内政、外交政策の主たる方向性を示す。



12:09 プーチン大統領は「ロシアは同胞を守れることを証明した」と教書演説で語った。



12:13 「ロシアにとってクリミアは、エルサレムにおける『神殿の丘』と同じように、宗教儀式的かつ文明の上でも多大な意味を持つ。」



12:14 ウクライナについてプーチン大統領、「ロシアはこの兄弟民族とその主権に対し、常に敬意をもって接する。」



12:16 ウクライナについて、「武力による政権奪取とオデッサの殺人は支持することができない。」



12:18 プーチン大統領、「現在、ウクライナ南部東部で起きていることは、2月の事件を国家クーデターと解釈するロシアの見解を裏付けている。」



12:20 ウクライナ問題についてのEU協議の交渉について、「いかなる交渉もなかった。簡単に言えば、我々は遠くに追いやられただけだった。」



12:21 「ロシアはウクライナ情勢において無意識的に西側の圧力に従うことはない。」



12:22 「今は、無節操な政治屋的に振舞うのではなく、ウクライナ経済を支援せねばならない。ところが西側にはこうした支援に邁進する姿勢は今のところ見受けられない。」



12:24 「何者かのための景気の関心にあわせて国際法を調整するなどもってのほかだ。」



12:25 「欧州の一連の国にとって主権と民族の尊厳は忘れ去られた概念で贅沢品であったとしても、ロシアにはこれは絶対に必要な条件なのだ。」



12:27 「対露制裁は単なる米国の神経質な反応ではなく、クリミアの春とも関係ない。いかなる口実もロシア連邦の影響を抑止するために使われうる。」



12:29 「かつて、ロシアをユーゴスラビアの国家崩壊のシナリオに仕掛けようという試みがあった。外国からの分離主義の支援があったことは間違いない。」



12:31 「ロシアに対し、軍事的優位を獲得することは何者も出来ない。」



12:31 「ロシアは軍拡競争に引き込まれるつもりはない。だが、国防能力は保障される。」



12:32 「戦略MDを創設を続ける米国はロシアのみならず、米国自身にも脅威をもたらしている。なぜなら難攻不落の危険な幻想を生み出しているからだ。」



12:33 「ロシアは可能性を有しており、国防能力の保障のため、標準的ではないソリューションを用いることができる。」



12:40 「ロシアは欧米との関係をたたむつもりはないが、そういったなかでアフリカ、中東諸国との協力を続ける。」



「われわれの目的は、西側においても東側においても出来るだけ多くの対等なパートナーを獲得することだ。政治や経済を混同しない統一プロセスが力をつけているのは今に始まった話ではない。ロシアはこうした地域でのアピアランスを拡大していく。」



12:42 「数カ国の政府はロシアの周辺にほぼ鉄のカーテンに近いものを築こうとしている。」



12:42 「過去数十年でアジア太平洋地域がいかに邁進的な進歩を遂げているかを我々は目にしている。ロシアは太平洋地域の大国として、あらゆる方向でこの巨大なポテンシャルを利用していく。」



12:43 「我々は自分から鎖国、外国人恐怖症、疑心、敵探しの道を選ぶことはない。これはすべて弱さから生じている。だが我々は強く、自分に自信を持っているのだ。」



12:44 「ロシアは世界に、外国投資、合同プロジェクトに開かれた国になる。」



12:46 プーチン大統領は、決定や紙の上のプロジェクトを「棚上げする」癖は、今の条件下ではロシアの安全保障の脅威となると語った。



12:47 「ロシアの目前には複雑で緊張に満ちた時代が待ち受けている。だが制裁や対外からの制限は、発展を急速化させる上であまりに大きな刺激だ。」



12:48 「今年、ロシア人は『試練』を潜り抜けた。こういった試練は成熟し、団結した民族だけが、本当の意味で強い主権国家だけが引き受けられるものだ。」



12:49 「実業界と国家の関係はパートナーどうしの対等な対話の上に築かれねばならない。」



12:52 「監督、管理、治安維持を行う機関の作業において新たなアプローチの必要性を訴えたのは今回が初めてではない。だが変化は非常に緩慢にしか進んでいない。個々の違反を阻止するかわりに、道を閉ざし、法を遵守する、イニシアチブに富んだ市民に対して問題を起こし、非難を浴びせる傾向が依然として圧倒的に見られる。」



プーチン大統領はこう語った上で、実業界が「法と義務」を遵守する必要性を強調した。



12:53 プーチン大統領は、ロシアは実業活動に対する全面的なコントロールという原則は退けなければならないと語った。



12:56 ロシア連邦に返還された資本について1度きりの完全な恩赦を行う必要がある。



12:58 「司法権は資本の安全の最たる保証にならねばならない。」プーチン大統領は、ロシアは国の歴史のなかでオフショアというページを覆し、閉じなければならないと語った。



12:59 ロシアは経済成長0%のわなから脱却せねばならない。



13:01 ロシアはインフレ率を4%まで下げねばならない。



13:02 プーチン大統領はロシア中央銀行および政府に対し、協調行動をとって、ルーブルのレートへの投機行為を厳格に取り締まるよう要請した。



13:04 政権は食料品、医薬品の価格管理を行わねばならない。



13:06 「我々の国は外国の技術へのあまりにも高い依存率を引き下げねばならない。」



13:08 「健康な家庭、国民の健康、祖先から伝えられた伝統の価値を将来への志向と組み合わせていくこと、発展、進歩の条件としての安定、ロシアの安全を保障し、その国益主張が保証された上で他民族、他国へ尊敬の念を抱くこと、これが我々が最優先とすることだ。」



13:18 「ロシアの国内貯蓄額は大きい。これは効果的な投資となるはずだ。外国からの制限があろうとも、2018年までに年間投資レベルをGDPの25%に引き上げる必要がある。」



13:19 経済の自由な成長、これぞ、外国からの制限に対する回答。



「我々には大きな国内市場があり、天然資源、資本、学術的ストックがある。才能ある、優秀で勤勉であり、新たなものを迅速に習得できる人々がいる。今大事なことは、市民に自己の可能性を広げるチャンスを与えることだ。経済、社会面、市民のイニシアチブにおける発展に自由を与えること、これが外国からの制限に対する、そして我々の国内問題に対する最良の回答だ。」





国内, プーチン, 政治













http://japanese.ruvr.ru/news/2014_12_05/280920234/

http://japanese.ruvr.ru/2014_12_05/280921593/





12月 5 , 15:04・15:35





プーチン大統領教書演説、石郷岡 建氏の見解「国内発展に視点を集中」





© Photo: RIA Novosti/Grigorij Sysoev





有名なロシア学者でヴァルダイ・クラブのメンバーでもある、元毎日新聞社モスクワ支局長石郷岡 建氏は、プーチン大統領の教書演説に対する印象を次のように語っている。





プーチンさんは非常に内向きな演説をした



私が一番強く感じたのは、プーチンさんはこのなかでイリインのことを出していることです。



わたしの印象ではプーチンさんは最近になって3つの人物を大統領教書で紹介するんですけど、ひとつがダニレフスキーで、次がイリインで、3つめがグミリョフなんですよね。順番でいうとダニレフスキーのロシア主義、イリインの国家主義、それからグミリョフのユーラシア主義なんですよ。今回の教書演説ではイリインの国家主義に焦点をあてていて、ロシア主義とユーラシア主義についてはあまり語っていません。



プーチンさんは非常に内向きな演説をして、ロシア国家の統一、もしくはロシアの国家性の強化を訴えたと私は思います。



その一方でロシアが正面している大きな問題についてはプーチンさんは故意にそれを語らなかった。何を語らなかったかというと、石油価格が下落し、非常な財政危機になろうとしていることについては一切語らなかった。2番目は軍事面について全く語っていない。3番目は外交面について全く語っていない。語ったのはすべて国内問題であって、大きなプロジェクトについても全く語らなかった。つまり大きなプロジェクトを作って、大きなお金を出して、華々しくやるという年ではない。来年は非常に苦しいということは言わなかったわけですけど、教書を読みますと、私はそれを感じました。





© Photo: RIA Novosti/Mihail Klimentiev





来年2015年は大きな変化の年になる



2012年の教書ではロシアのベクトルは東だということをはっきり言っていましたが、今回はそのことはあまり出していない。プーチンさんが言ったのは極東の発展、自由港の話だけで、自由港はクリミアには作るとはいっているけど、日本とか中国の話は一切していないし、今年非常に話題になった東の中国とのガスパイプランと西のアルタイとのパイプラインについても一切触れていない。外国との大きなプロジェクトについては話をせず、また国内の発展の必要性については語っていても、その財政が大きく変わることは一切言及していなかった。ある意味では石油価格が1バレルあたり60ドルになればそういうプロジェクトは全部吹っ飛ぶわけで、それには触れず、非常に地道でかたい話をしたという印象です。



国外逃亡資本を戻そうという話は分かるんですが、それはロシアに入っていた外国資本が逃げているからなのです。これは資本流出を補填するために言っているんですが、言っても仕方ないのですけど、本来は資本というのは自由に出入り、交流ができないといけないんですが、欧米先進国の制裁があるためにうまくいかない。華々しく国外に出て行くよりも国内を固めるという守りの姿勢を示したように感じます。



来年2015年は大きな変化の年になると思われますから、地道な姿勢を示したことは良かったと私は思います。来年大きな変化が起きるのはロシアだけではありません。ロシアの成長がマイナス0.8とでていますが、どんどん下がるとこれはロシアの周辺地域にも及びます。最大の問題はウクライナで、ウクライナ経済がおかしくなるとこれはヨーロッパに及びます。ヨーロッパがおかしくなるとこれは全世界に波及します。国際経済をダイナミックに発展させるというように夢のようなことを言っているよりも、自分の国をきちっと整備して立て直すというほうが、私は正解ではないかと思います。







Канако Мано



国内, 日本関連, プーチン, アンドレイ イワノフ, 政治











http://japanese.ruvr.ru/2014_12_05/280920889/

http://japanese.ruvr.ru/2014_12_05/280924375/

http://japanese.ruvr.ru/2014_12_05/280925375/





12月 5 , 15:11・16:03・16:14





プーチン大統領教書演説、全世界の注目を集める





© Photo: RIA Novosti/Mihail Klimentiev





青山学院大学名誉教授で現在新潟県立大学で教鞭をとる袴田茂樹氏は、プーチン大統領連邦議会の教書演説に対し、ご自身の見解を次のように語っている。





ロシアは騙されているという強い被害者意識をロシアはもっていますね



今、ウクライナ問題を中心にロシアと欧米諸国が厳しい緊張関係に陥っているので、プーチン大統領がこの問題に対するどのような解決策を提案するだろうかと世界中が注目していました。率直にいいますと、期待されたロシアからの提案、問題をいかに解決するかというプーチンの政策がほとんど無かったことをちょっと残念に思っています。



ウクライナに関しまして、ロシアは力の政策ではなく、国際法を守るべきだという提案をプーチン大統領はしています。米国が東欧諸国に配備したようなミサイル防衛システムのような力の政策ではなく、国際法を重視すべきだということを大統領は述べていますが、国際的には全く逆の見方がされており、ロシアによるクリミアの併合が国際に対する真っ向からの侵犯とみなされ、ロシアが厳しく批判されているわけです。



ただ私はロシアの専門家として、ロシアの見方、心理は理解しております。冷戦が終了したあと、東西対立はなくなり、東側陣営はワルシャワ条約機構を解消したのに、NATOはロシアを敵視する政策を止めないどころか、ますます拡大して、旧東欧諸国、バルト諸国、それからグルジアウクライナにまでNATOを拡大しようとしている。あるいはミサイル防衛システムをかつての東欧諸国に配備しようとしていると。これは到底認めることのできないことである。あるいはロシアは騙されているという強い被害者意識をロシアはもっていますね。それは私は良く理解しておりますが、それでもロシアのクリミア併合は国際法上では到底許されないものではないかと思うのです。私も、多くの西側の専門家もそう考えていると思います。」





© Photo: RIA Novosti/Taras Litvinenko





他の国は警戒心を強める



ひとつ述べたいことはクリミアの併合に関し、プーチン大統領は『あそこには我々の人間が住んでいる』、つまり、ロシア人が住んでいるんだということと、さらに『ロシアは祖国を同じくする人々を守る構えだ』という言い方をしております。これはつまり、ロシア国民ではなくエスニックのロシア民族の、もともとソ連時代には旧ソ連諸国にはロシア人はたくさん住んでいたわけですから、それを理由にクリミアの併合を正当化するのだとすれば、カザフスタンとかCIS諸国にこのプーチンの言葉によって『われわれは祖国を同じくする人々を守ることができる』ことを示したことになるのです。ロシア人が住んでいるんだから、我々はクリミアを併合したんだと、歴史的にこれは正しいんだ、だから国際法的にも正しいんだというこの姿勢には、西側諸国だけでなくCIS諸国も大きな警戒心を抱くと私は思うんです。



そうしますとプーチン大統領の目指しているユーラシア経済共同体、さらにはユーラシア共同体、ないしはユーラシア連合の実現が私はかえって難しくなるのではないかと思うんです。『あそこには我々の人間が住んでいる』、だから『併合したんだ』という言うふうに響きますから。バルト諸国を含め、多くの国にロシア人が住んでいるわけですから、他の国は警戒心を強めるのではないかと、そういう風に思いました。



私はクリミア問題だけでなく、ウクライナ東部についてプーチン大統領がどのような解決策を提案するのかと関心をもっておりましたが、クリミア問題、あるいはウクライナ東部の問題について、なんらの問題解決、緊張緩和策が出されていません。プーチン大統領はこれまでウクライナの連邦制を提案してきましたが、いわゆるドネツク、ルガンスクの人民共和国指導部は単なる連邦制ではなく、独立を、あるいは将来的にはロシアへの併合を要求するかもしれません。それに対してプーチン大統領がどう対応するかに世界は注目していたわけですが、それに対しても一切プーチンは今回述べなかったので、今世界が一番関心を向けている問題に対し、プーチンは事実上何も述べなかったという印象があります。もう少し内容のある教書演説がほしかったと思っています。





© Photo: RIA Novosti/ Alexey Filippov





ロシアには独自の見解がある



袴田茂樹氏の見解はかなり典型的なものだ。日本人、そして西側の専門家らの多くはロシアと西側の関係が緊張化した原因が、正当化しようのないNATOの東方拡大にあることを認めながらも、ウクライナに対する立場を理由にロシアを批判する。だが、これについてはロシアには独自の見解があり、プーチン大統領の教書演説にもこれは部分的に示されていた。



まず、キエフ違憲的な国家転覆はカオスと戦争を引き起こしたが、これはロシアが画策したことではない。クーデターを起こしたのはウクライナ人自身であり、これには欧米の友人らが積極的に手を貸した。



第2にクリミアのロシア連邦への編入だが、これはクリミアの合法的な議会がキエフでの事件の影響を受けて採択した決定である。キエフではクーデターに反対する者らを追い回し、ロシア語禁止の要請を出し、ロシア人は木に吊るせと呼びかけ、「クリミアはウクライナ領になるか、無人地帯になるかのいずれかだ」というスローガンが横行しはじめた。



この決定は全住民を対象とし、民主主義の原則に基づいた住民投票の結果、クリミア市民の90%以上の支持を得て採択されたものだ。西側の偽政治家や買収されやすいマスコミが、住民投票はロシアが機関銃で脅して行われたのだと叫んだところで、実際は自由に実施されている。クリミアにいたロシア軍は完全に合法的に駐屯していたのであり、単に投票の安全を確保しただけのことだ。ロシア軍はウクライナ人軍人が兵舎の外に出ることを許さず、テロや大量殺人を画策するウクライナ武装ナショナリストクリミア半島への侵入を阻止していた。



クリミア市民がロシアへの編入の結果、何を間逃れたかは、今、ドンバスとルガンスクの悲しい例を見れば明らかである。ドンバスとルガンスクでは一般市民、住居、病院、産業施設がウクライナ軍の重砲、ミサイル、一斉攻撃、クラスター爆弾白リン弾などの使用禁止兵器によって破壊されている。



これはなぜか西側の人権擁護家、民主主義者、国際法の擁護者の憤慨を全く呼ばない。こうした人々と日本の同じカテゴリーにいる人たちがキエフ体制の犯罪のすべてを見つめ、それに客観的な評価を与える勇気を奮い起こさない限り、ロシアと西側の関係改善のチャンスは現れない。





アンドレイ・イヴァノフ、ロシア外務省モスクワ国際関係大学国際調査研究所、上級学術研究員





Канако Мано



国内, 日本関連, プーチン, アンドレイ イワノフ, 政治











(投稿者より)



ロシアの声サイトに掲載された記事です。若干の編集を加えています。



ロシア連邦大統領サイトに、この演説のロシア語原稿とその英語訳があります。













2014.12.18 補足



http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/658.html









ロシア連邦・連邦会議に対するV.プーチン・ロシア大統領の年次教書演説より(在日ロシア連邦大使館










http://www.russia-emb.jp/japanese/embassy/news/2014/12/v.html





12.04.2014





ロシア連邦・連邦会議に対するV.プーチン・ロシア大統領の年次教書演説より









今年、私たちは成熟して一致団結した国民でなければ、力強い真の主権国家でなければ耐えることのできない試練を共に乗り越えました。ロシアは同胞を擁護し、真実と公正を立派に貫く能力があることを態度で証明したのです。



クリミアとセヴァストポリがロシアへの歴史的復帰を果たしたことは、私たちの国と国民にとって特別な意味を持っています。それは、クリミアに暮らしているのが私たちの同胞であり、その領土そのものが戦略的に重要だからです。また、多様でありながらも一枚岩のロシア民族と中央集権国家ロシアの精神的根源がここにあるからです。というのも、ここクリミアで、古代ケルソネスで、あるいはロシア年代記作者がコルスンとよんだ土地で、ウラジーミル公は洗礼を受け、その後、ルーシ全土を洗礼したのです。



だからこそ、クリミア、古代コルスン、ケルソネス、セヴァストポリはロシアにとって大きな文明的意味があり、神聖な意味があると言えるのです。イスラム教徒やユダヤ教徒にとってのエルサレムの神殿の丘と同じです。



ウクライナでの出来事に対する私たちの評価にも言及しないわけにはいきません。たしかに、私たちは2月にキエフで起こったクーデター、武力による政権奪取を非難しました。そして、今ウクライナで起こっていること、南東地域の悲劇は、私たちの考え方が正しかったことを明白に証明しています。



いったい何が始まりだったのでしょうか?今日はこのことを皆さんにお話ししなくてはなりません。何が始まりだったのか、にわかには信じがたいことでしょう。ウクライナとEUの連合協定締結を延期したヤヌコヴィッチ大統領の技術的決定が始まりだったように思われます。しかし、強調しておきますが、これは文書を棄却するという話ではなく、内容を詰めるために締結を延期するという話だったのです。そして、この決定は完全な正当性を有し、国際的に認められた大統領が憲法の定める権限に従って行ったことでした。



それなのに、どうして武力による政権奪取を、暴力を、殺人を支持することができるのでしょうか?生きたまま人々を焼き殺したオデッサでの惨事だけでも十分です。なのに、それに続いて、その無法行為に賛成しない南東地域住民を武力で弾圧しようとした試みをどうして支持できるのでしょうか?繰り返しますが、どうしてそんなことが支持できるのでしょうか?それも、国際法と人権の擁護という偽善的な言い回しを使って支持するのです。ウクライナ国民自身がこうした出来事に公正な評価を下すときが来ると確信しています。



アメリカの私たちの友人は常にロシアと隣国の関係に対して直接あるいは裏から影響を及ぼしてきます。ときには、当該国政府と話をすればいいのか、アメリカの後援者やスポンサーと直接話をすればいいのか分からないことがあるくらいです。ウクライナとEUの連合協定のケースでは、まったく何の対話もありませんでした。これはすでに述べたとおりです。私たちは、あなたたちには関係ないと言われたのです。ロシアとウクライナがCIS自由貿易圏のメンバーであるという論拠も、両国には産業分野と農業分野において歴史的に形成された深い協力関係があり、事実上インフラを共有しているという論拠も、誰も検討はおろか、聞く耳さえも持ちませんでした。



今必要なのは策動することではなく、空虚な約束を大々的に発表することでもなく、ウクライナ経済を支援することです。当然、改革のための支援です。しかし、どういうわけか、私たちの西側の同僚がこれを熱望しているようには見えませんし、キエフ政権が自国民の問題を解決しようと熱意を燃やしているようにも見えません。



ちなみに、ロシアはウクライナへの支援に膨大な貢献をしています。ここでもう一度言いましょう。ロシアの銀行はウクライナに約250億ドルの投資を行いました。ロシア財務省は昨年さらに30億ドルの融資をしています。「ガスプロム」はウクライナ経済にさらに55億ドル、誰も約束することのなかった割引さえして、45億ドルを融資しました。総額がいくらになるか計算してみてください。最近だけで325億から335億ドルです。



欧州諸国にとって国民の誇りは忘却の彼方に追いやられた概念で、主権は大きすぎる贅沢品だとすれば、ロシアにとっての国家主権は、国が存在するための必須条件です。



制裁は、ウクライナでの出来事とクーデターに対する私たちの態度にアメリカとその同盟国が単に神経質な反応をしたのでもなければ、いわゆる「クリミアの春」に対する反応でもありません。たとえこれがなかったとしても、ロシアが可能性を伸ばすのを抑制し、ロシアに影響を及ぼし、あわよくば自分たちに都合の良いように利用するために、別の口実を考え出したはずだと確信しています。



抑制政策は今日に始まったことではありません。私たちの国に対する抑制政策は長年にわたって行われているものであり、数百年でないとすれば、数十年は常に行われているものです。一言で言えば、ロシアがあまりにも強く独立した国になったと誰かが考えるたびに、すぐにこのツールのスイッチが入れられるのです。



しかし、ロシアと、力を背景に話をしようとしても無駄です。



1990年代と2000年代初め、ロシアの分離主義に対して情報面、政治面、資金面で、また諜報機関を通じて「外国から」の支援があったことは明白であり、ユーゴスラビアと同じ崩壊と分裂のシナリオに私たちを喜んで追い込んだであろうことに疑念の余地はありません。そうなっていれば、ロシア国民にとっては悲劇的な結果となったことでしょう。



しかし、そうはいきませんでした。私たちがそれを許さなかったのです。



それは、人間憎悪の思想でロシアを破壊し、私たちをウラルの向こうに追いやろうとしたヒトラーが失敗したのと同じです。これがどういう結末を迎えることになるのか、誰もが覚えておくべきでしょう。



最もデリケートで深刻な問題、国際安全保障について。国際安全保障と戦略的パワーバランスと安定の絶対的基盤であるABM条約からアメリカが一方的に脱退した2002年以降、アメリカは欧州への配備を含め、世界的なミサイル防衛システムを構築するために粘り強い作業を続けています。これはロシアの安全保障だけでなく、全世界にとっての脅威です。なぜなら、戦略的パワーバランスそのものが崩れる可能性があるからです。



また、当のアメリカにとっても有害だと思います。なぜなら、アメリカが完全無欠だという危険な幻想が生まれ、往々にして私たちの目には中途半端に映る一方的な決定やさらなるリスクを目指す傾向が強まることになるからです。



このことについてはたくさん語ってきました。ですから今、細かい話をするつもりはありません。言っておきたいのはひとつだけです。もしかすると繰り返しになるかもしれませんが、私たちは高額な軍拡競争に参加するつもりはありません。しかし、新たな条件の下で着実かつ確実に自国の防衛力を確保します。



ロシアに対する軍事的優位性を達成することは誰にもできません。ロシア軍は近代的で、高い戦闘能力を有しています。よく言うところの、「丁寧だが怖い」です。自分たちの自由を守るためなら、力も意思も勇気も十分にあります。



私たちは世界の多様性を守ります。歪曲された虚偽のロシア像ではなく、本物の真実のロシア像を誰もが目にすることができるよう、外国の人々に真実を届けます。ビジネスや人道分野でのつながりを、学術、教育、文化面での関係を推し進めます。たとえどこかの国の政府がロシアの周囲に新たな鉄のカーテンを構築しようとしていても、私たちはこれを行います。



私たちが自ら孤立、外国嫌悪、懐疑、敵探しの道を進むことは決してありません。



こうしたものはすべて弱さの表れです。しかし、私たちは強く、自分に自信を持っています。



私たちの目的はできるだけ多くの対等なパートナーを西側にも、東側にも獲得することです。



私たちはいかなる状況にあっても、欧州との、アメリカとの関係を断絶するつもりはありません。そして、南アメリカとの従来の関係を復活させ、拡大させていきます。アフリカ、中東諸国との協力を継続します。



この数十年、アジア太平洋地域が大きく前進しているのを私たちは目にしています。ロシアは太平洋地域の大国として、この莫大な潜在力を全面的に利用していきます。



ロシア極東が成長するためには、先進的発展地域が重要な役割を果たさなければなりません。



ウラジオストクに対して魅力的な優遇関税制度を持つ自由港の地位を与えることも提案します。同様の可能性をセヴァストポリとクリミアの各港についても考えています。



また、北極海航路を最新の競争力ある航路に発展させる総合プロジェクトも必要です。北極海航路は有効なトランジットルートとして機能するだけでなく、ロシアの太平洋沿岸地域の経済活性化と北極圏開発を推進しなくてはなりません。







http://kremlin.ru/news/47173