フクシマから1年半(DW English):阿修羅♪

フクシマから1年半(DW English):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/12/genpatu27/msg/313.html



(A year and a half after Fukushima: DW English)

http://www.dw.de/dw/article/0,,16232736,00.html





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原子力



フクシマから1年半






日本・福島の原発の大災害から1年半、国のエネルギー政策の核心は変化が進行中だ−少なくとも部分的には。



「原子炉の外では放射能はまだ見つかっていません。今のところ、環境への危険はありません。落ち着きを保ち、市町村・警察・消防が提供する情報に従ってください。」



2011年3月11日の夕方、当時の日本政府のスポークスマンは、まだ公衆をなだめようと試みていた。程なくして、高いレベルの放射能のために、大きな半円状の区域内に住む人々が避難命令を受けた。



原子炉1号機は既にメルトダウンが始まり、2・3号機も十分な冷却ができなくなっていた。合計で3つの調査委員会が、損壊した福島第1原発の事故を調査した。それで分かったことだが、事故のきっかけとしては、地震津波に原因がある。しかし、責任は、この問題についてのいかなる対話をも最初から拒んできた、発電所を運営する東電や政治家たちにある−数十年以上、政治家・科学者・官僚は一種の原子力カルテルを作り上げており、そのため、全ての疑問をはねのけることが可能だった。





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福島原発の大事故により、大勢の人々が避難を強いられた





「原子炉の冷却に用いた水をどのように処理するかという問題の中に、最大の危険があった。これは今でも非常に難しい課題だ。」



2011年4月9日、当時、日本の原子力安全・保安院のスポークスマンだった西山英彦氏は、事態をこのように述べた。同氏が語る水の問題の解決策は、1年半経った今もまだ見つかっていない。約200,000トンの高レベル放射能水が、福島第1発電所のタンクに置かれている。今後3年以内に、東電はさらに、47万トンの水を格納できるタンクを建設する計画だ。現在設置されている除染装置を以てしても、高レベル放射能水は毎日400トンずつ貯まっている。





展開は不透明



水の問題がまだ解決されていない、ということは、何が起こり得るだろうか?高レベル放射能廃棄物をどこに置くか、という問題も、決着がつかないままだ。暫定的な解決策として、市町村の近辺に廃棄場が設置されることになっている。そこの放射線は非常に高いため、住民は数年間そこに帰ることができない。



それでも、1〜3号機の原子炉建屋の放射能レベルはあまりに高く−3,000ミリシーベルト毎時−人がそこで作業することはできないため、作業員たちが燃料棒の廃棄に着手できるまで、やはり何年もかかるだろう。



現在ある2台のロボットに加え、7月、1台が福島に仕様を合わせて新たに組み上げられた。そのロボットは、圧力容器の周囲の環境を評価することになっている−圧力容器については、損傷がどれだけ酷いかさえまだ分かっていないのだ。



日本の首相が冷却停止に言及した−多くの専門家によれば、この宣言は余りにも早すぎた−去年12月以降、少なくとも、温度の顕著な上昇は見られない。





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日本の反原発抗議活動は衰えていない





発電所の状況について、信頼できる情報を集めることがどれだけ難しいかを示す別の例として、原子炉2号機にある41台の温度計のうち、機能しているのはたった16個だ。



ついこの前、東電は原子炉4号機から未使用燃料棒を2本取り出した。この作業は、2013年末に取り出すことになっている、使用済み燃料棒取り出しのためのテストとして実施された。一方、発電所の解体が全て終わるのに、40年以上かかると予想されている。





核心に変化



大事故の直後、原発の段階的廃止は日本の政治課題になかった。1年半たった今、これが変わった−日本の人々が原子力に抱く印象は、いまやかなり違っている。いま、50%を超える日本国民が、2030年までの段階的廃止を求めている。これを実施するために、与党は選挙運動での方針をすでに打ち出しているが、保守政治家たちはまだ、いかなる譲歩もかなり嫌がっている。









執筆:Peter Kujath, Tokyo / sb

編集:Shamil Shams



2012年9月11日










(投稿者より)



ドイチェ・ヴェレの英語サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



ドイツ各州の公共放送の連合体であるARDの東京駐在記者が執筆した、この1年半の概観です。ドイツの放送事業者の頑張りは、ここでも数多く紹介されています。



「蝶に奇形が…」ほどのインパクトはありませんが、福一の状況、原発をめぐる国民感情について、うまくまとまっていると思いました。