「野田内閣不信任の否決と消費税増税法案の可決」(フランス24サイトに掲載された、AFPの記事):阿修羅♪

「野田内閣不信任の否決と消費税増税法案の可決」(フランス24サイトに掲載された、AFPの記事):阿修羅♪









(Japon: le Premier ministre survit à une motion de censure : AFP - France24)

http://www.france24.com/fr/20120809-japon-le-premier-ministre-survit-a-une-motion-censure





2012年8月9日 13:28



日本:首相は不信任動議を生き延びる







野田佳彦・日本首相は、木曜日、不信任動議を生き延びた。

これで、消費税引き上げのために重要な法案の国会承認が

可能となる。








AFP - 野田佳彦・日本首相は、木曜日、不信任動議を生き延びた。これで、消費税引き上げのために重要な法案の国会承認が可能となる。



この動議は、衆議院議員の総数480人のうち、賛成86・反対246の圧倒的大差で否決された。もし、これが可決されていれば、野田氏は辞任するか、衆議院を解散しなければならなかった。



この動議は、かつて首相の仲間だった中道派や左派政党からなど成る、小党連合から提出された。



注目すべきことは、主要野党・自由民主党(LPD、中道右派)所属議員の大部分が採決に出席しなかった。公明党(仏教の影響を受けた中道政党)所属議員も同様だった。



野田氏の民主党(DPJ、中道左派)に断固反対の立場をとる、自民党公明党から殆ど採決に出席しなかったのは、現在5%の消費税を2014年4月に8%、2015年10月に10%へと引き上げる計画を盛り込んだ法案を可決するために、民主党と先日妥協した成果のようだ。



この法案が6月に可決された衆議院(下院に相当)では、民主党が多数派を形成するが、参議院(上院に相当)は野党が主導権を握っており、この法案を成立させるためには、両党の支持が必要だった。



野田氏はこの法案を最重要の政治課題とした。高齢化が進む日本国民の年金を確保し、また、ギリシャの債務を上回り、国民総生産の2倍と、既に巨大となっている日本の政府債務を削減するために、法案はやむを得ないステップであると、野田氏は考えている。



この法案の支持と見返りに、自民党解散総選挙を強く求めた。野田氏は「近い将来に」投票を実施するかも知れないと公に認めたが、詳細な日時の約束は明言を避けた。











(Japan lawmakers vote to double sales tax : AFP - France24 English)

http://www.france24.com/en/20120810-japan-lawmakers-vote-double-sales-tax





2012年8月10日 12:16



日本の国会議員が消費税倍増を可決する







2010年、東京・新宿の商店街で、特売を宣伝するブティックの前を歩行者が歩いている。日本の

消費税を2倍にし、債務の大きな穴の一部を埋める法案は、国会での最終ハードルをクリアし、

首相が勝利したが、最終的に、首相はこれが職と引き替えになるかもしれない。







日本のGDPと債務の比率について、いくつかの国との比較グラフ。日本の消費税を2倍にし、債務の

大きな穴の一部を埋める法案は、国会での最終ハードルをクリアし、首相が勝利したが、最終的に、

首相はこれが職と引き替えになるかもしれない。







野田佳彦・日本首相(左)と岡田克也副首相は、東京・国会での参議院特別委員会に出席した。

日本の消費税を2倍にし、債務の大きな穴の一部を埋める法案は、国会での最終ハードルをクリ

アし、首相が勝利したが、最終的に、首相はこれが職と引き替えになるかもしれない。








AFP - 日本の消費税を2倍にし、債務の大きな穴の一部を埋める法案は、金曜日、国会での最終ハードルをクリアし、首相が勝利したが、最終的に、首相はこれが職と引き替えになるかもしれない。



この法案は、同時に、不安定な国の社会保障制度の刷新を準備するものだが、11カ月の任期中ずっと、野田佳彦氏の主要な焦点はこれだった。



回転ドアのような日本の指導者たちの世界で、この法案の成立は、稀に見る形ある成果だ。この数年で、6人の人物が次々とこの役目を果たしてきた。



金曜日、参議院は政府提出の法案を、数週間の駆け引きで主要野党の支持を取り付け、188対49の賛成多数で可決した。



野田氏の党は、強力な衆議院で十分な多数派を享受しているが、参議院では数が足りず、法案成立の見返りに、総選挙というエサを野党に与えなければならなかった。



ウォッチャーたちは、野田氏の民主党は分裂状態にあるが、3年間の生彩に欠いた政権に失望した有権者たちに苦しめられているようで、9月の代表選では、野田氏は罰を与えられるかも知れない。



採決に先立ち、野田内閣の安住淳財務相は、予想される結果を歓迎した。



日経サイトによれば、「これは歴史的な成果だ」と同氏は記者たちに語り、これは「財政構造改革に向けた、最初の大きな一歩だ」と付け加えた。



「とりわけ、財政再建は日本に必要だ」と安住氏は語り、GDPの約2倍と先進国でも高い水準にある、日本の政府債務に言及した。



「世界経済が不安定な今、財政再建を日本が手堅く処理することで、リスクの一つは除去され、世界は安定へと向かっていく。」



複数の国際機関、日本の各新聞、国内のコメンテーターの多くは、消費税を10%の段階まで引き上げるのはいい考えであると、賛同している。



しかし、世論調査の結果では、この計画に賛成する有権者は半数よりも少ない。ポピュリストの政治家たちも、力ない状態が数年間も続く経済で、より多額の税を払うことを嫌がる人々に乗じている。



木曜日、小党連合−民主党の造反者だった議員たちなどから成る−から首相不信任動議が提出されたが、自由民主党(LDP)はこの動議に賛成せず、野田氏はこれを乗り切った。



しかし、「近い将来」に選挙を行うとした、野田氏の曖昧な約束に、野田氏自身の党の議員が嫌気している。議員の多くは、有権者たちの民意が問われる次の機会に、議席を失うことになりそうだ。



増税に際して民主党に協力したにも係わらず、自民党は、野田氏退陣のためにいかなる機会をも利用しようとしているように見え、自党からの首相不信任案提出の可能性を否定していない。



「野田氏を首相職から排除する動きが始まるかも知れず、9月の党代表選での野田氏の再選はいまや疑わしい」と、一橋大学加藤哲郎政治学教授は語った。



「勿論、欧州が政府債務危機に苦しんでいるという、世界経済の文脈では、増税は重要な課題なので、野田氏は歴史に名を残すことになるだろう。」



「しかし、野党との取り決めで政治危機を先送りしているだけなので、前任者たちと同様、野田政権も短命となる運命だ」と、加藤氏は語った。









(投稿者より)



AFP通信が配信し、フランス24サイトに掲載された記事です。上の記事はフランス語サイト、下の記事は英語サイトに掲載されました。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



散漫に読めば、消費増税を歓迎しているようにも読めますが、私には、記者が斜め上から事態を冷ややかに見ているように読めました。



「…法案はやむを得ないステップであると、野田氏は考えている」"M. Noda ... voyant une étape obligée ..."、あくまでも野田氏の考えでしょう。「採決に先立ち…予想される結果を歓迎した」"Ahead of the vote ... hailed the expected outcome"安住氏とは、結果が出る前に、予想に基づいて歓迎声明を出すような人物です。しかも、それを自社サイトに掲載したのは、日経でした。



「ポピュリスト」"populist"、例えば、日本では小泉氏の政治手法が「ポピュリズム」と評されましたが、米国では一昨年からの「ティーパーティ」を支えた思想が"populism"でした。意味合いはまるで違います。



野田氏がやったことは、まずは、主権者である国民への全面的な裏切りです。次には、自分たちのために国民生活を食い物にするという、既得権益層の意思表示です。さらには、日本の国富をさらに収奪して、海外に流す動きの一つです。



次の選挙で3党を少数に追い込み、これを廃案に追い込む。主権者は、私たちです。



ちなみに、"dans un avenir proche ""in the near future"、"avenir""future"を重視すれば「近い将来」です。"dans""in"を重視すれば「近いうち」です。いずれにしても、くだらない話です。