「線量計の細工」(DW EnglishとRFIの記事より):阿修羅♪

線量計の細工」(DW EnglishとRFIの記事より):阿修羅♪







(Japan to investigate radiation cover-up claims: DW English)

http://www.dw.de/dw/article/0,,16116948,00.html





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原子力



日本は放射線隠蔽の申し立てを調査へ






福島での原発の大事故の後に雇われた下請け業者が、危険な放射線量を感知するための器具に覆いをするよう指示していたと報じられた。日本の厚生労働省が、この問題を調査している。



日本の厚生労働省は、福島原発の下請け業者が、安全を確保するための放射線探知器に細工をするよう、作業者に指導していたとの報告について、調査を実施すると語っている。



朝日新聞は土曜日(7月21日:投稿者補足)の版で、建設会社ビルドアップの役員が、現地の放射線量が高いと知られている区域で作業する間は、鉛のカバーで線量計を覆うよう、作業員たちに指示していたと報じた。



その方法によって、作業員たちが期間を延長して働き続けることができるよう、線量計で計測された放射線量を低く保たせたようだ。その報告では、命令を出したとの疑いが持たれるビルドアップ役員との話し合いを、作業員の一人が録音した内容が引用されている。



線量計を鉛で覆わなければ、被曝は上限を超え、働けなくなる」と、録音の中で役員は語ったと報じられてている。



作業員の一部は、要求に応じることを拒否して退職したと、朝日新聞に書かれた。



共同通信によれば、留まった作業員たちは、現地で4カ月働いて過ごした。



リヒター・スケールで9.0を計測した地震が、2011年3月11日、北日本を襲い、そのために津波が発生し、福島原発施設内の冷却装置に深刻な損害を与えた。これが元で、原子炉がメルトダウンを起こすとともに、高い線量の放射能発電所から漏れ、数万人の地元住民が避難を強いられた。1年以上経っても、発電所周囲の広い区域が、危険な放射線量のために、一般人の立入が禁止されたままだ。



福島の大事故は、ドイツの政治にも衝撃を与えた。これが元となり、アンゲラ・メルケル連邦首相の中道右派政権は、国内の原子力発電所を2022年までに全て閉鎖する法案を成立させた。






pfd/tj (AFP, Reuters)



7月21日










(Fukushima : ouverture d’une enquête au Japon sur des compteurs de radiation truqués : RFI)

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20120724-fukushima-ouverture-une-enquete-japon-compteurs-radiation-truques-tepco





日本/原子力−記事発表:2012年7月24日火曜日−最終更新:2012年7月7月24日火曜日



フクシマ:線量計の細工について、日本で調査を開始



記者 RFI





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福島第一発電所で核廃棄物の撤去作業を行う東電の作業員、2012年7月18日。

Reuters/Tokyo Electric Power Co






福島発電所の雇用労働者の放射線被曝について、日本で公式な調査が始まることになった。報道陣から非難を受けた、厚生労働省の決定だ。東京電力の下請け会社が、放射線計測器の計測結果に細工するよう、労働者たちに求めていたことを、複数の新聞が確認している。





報告 RFI東京駐在記者、フレデリック・シャルル



日本の報道によれば、福島原発を運営する東電の協力企業である建設会社・ビルドアップは、10人ほどの作業員に、より長期間働いてもらうために、福島発電所内で被曝する放射線量の数値を下げるよう、線量計に鉛カバーを付けることを求めた。



原子炉が冷却停止して以降、福島発電所の作業員が受ける被曝量は50ミリシーベルト以上にならないよう、法律で定められている。放射線の被曝が最も大量な場所で働く作業員は、すぐこの量に達する。また、東電の下請け会社は、新たな期間作業員の採用がますます困難になっている。



事故発生時、年間法定被曝量は250ミリシーベルトとされた。当時、発電所は、膨大な量の放射性微粒子を放出していた。



事故発生時から、18,000人以上の期間作業員が発電所に来て、去っている。その大部分は、健康に危険な線量が蓄積しないよう、数カ月しか留まらない。











(投稿者より)



ドイチェ・ヴェレの英語サイトとRFIサイトに掲載された記事です。ちょっと古い記事になります。誤訳があるかもしれません。ご容赦下さい。



原発で現場作業員が線量を低く見せるよう、線量計に細工することは、3.11以前から常態的に行われていたと聞きますが、大新聞などがこれを伝えたのは、今回が初めてだと思います。政府も「調査する」と語ったようですが、「阿修羅♪」に出入りする程の方なら、「何を今更?」という感触をお持ちになるかも知れません。



ただ、基本的に、海外メディアが小さな問題を扱うことはないので、本当は大きな問題なのだと捉えるべきでしょう。



「隠蔽は悪い」というのがドイツの見方、「じゃあ、それで働く人がいなくなったらどうするんだ」というのがフランスの見方、でしょうか。



この問題は、「阿修羅♪」でも既に何本かの投稿があります。



線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装 (朝日新聞)

鉛板、原発構内に投棄させる 役員が指示 被曝隠し問題 (朝日新聞) 

線量低い作業員を調査=福島原発の鉛カバー問題―厚労省(時事通信社)





日本では、原発問題とは、大部分が差別の問題です。強者が物質的な豊かさを享受するために、弱者の生命を食い物にする、という構図がここにも見えます。



この構図が見える投稿は、最近だけでもこれだけあります。



原発収束作業の現場から 〜ある運動家の報告〜

原発収束作業の現場から 〜ある運動家の報告〜 (その2) 

原発収束作業の現場から 〜ある運動家の報告〜 (その3)

緊急考察・・・大飯原発はなぜ再開されるのか?(1)  武田邦彦 

学校給食のパンの原料をなぜか「コストが高い」国産小麦に切り替える (低気温のエクスタシーbyはなゆー)

「気が狂いそう」な原発作業現場 冷たい水を飲めるのは東電社員だけ(週刊朝日)

原発収束作業で「ピンハネ」横行 (TBS)

《核心》 「『使い捨て』にされる作業員 被曝線量は死活問題」 2012/07/28(東京新聞)





都市住民は無自覚ながらも、今まで強者の側にいました。日々の生活に追われ、原発の地域に住む人や原発で働く人々のことは見えませんでした。しかし、福島の大事故によって自分や自分の子どもの生命が脅かされる事態に至り、多くの人が初めてその本質に気づきました。



ネットで「なんちゃって☆原発ハザードマップ」という地図を見つけました。大飯から大阪まで100km、名古屋まで120km。大飯で何かあれば、阪神・中京の工業地帯は一発でアウトです。やはり、まずは全機即時廃炉にすべきだと思います。