「『支援はするが、救済ではない』と政府は言っている」(RFI・BBCの記事より):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/779.html











(L’Etat japonais va soutenir financièrement Tepco: RFI)

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20110513-etat-japonais-va-soutenir-financierement-tepco





日本/原子力の大事故

記事発表:2011年5月13日金曜日

最終更新:2011年5月13日金曜日






日本政府は東京電力の金融支援を行う





RFI











政府も銀行業界も、福島原発を所有する会社に倒産されるのは得策ではない。そのため、東京電力は、被害者への補償、用地の除染、それだけでなく、東京への電力供給の継続といった責務を果たすために、金融支援を受ける。





RFI東京駐在記者フレデリック・シャルルの報告





日本政府は、東京電力に倒産されるのを望んでいない。この福島原発の運営会社は、東京地域に電力を供給している。この地域には日本の人口の3分の1以上が集まり、国内総生産(GDP)の40%がこの地域で占められる。



そのため、政府は支援のために公的・民間双方の枠組を作り、東京電力に数百億ユーロの資金を供給する。



今回の融資における「獅子の分け前」は、政府によって保証される。しかし、銀行業界も負担を免れないだろう。それというのは、東京電力は日本における、主要な社債発行企業でもあるのだ。東京電力だけで、日本の社債市場の8%が占められる。



特に、複数の年金基金東京電力社債を購入している。ところが、東京電力が倒産すれば、多くの高齢者がもう年金をもらえなくなる。



さらに、東京電力労働組合菅直人首相の中道左派政党に資金を供給している。そのため、菅政権には、東京電力の救済を保障するのが得策なのだ。













(Japan's government approves Tepco compensation scheme: BBC NEWS BUSINESS)

http://www.bbc.co.uk/news/business-13385512





2011年5月13日 最終更新10:07GMT





日本政府は東京電力の補償枠組みを承認する







福島の原子炉ではメルトダウンの恐怖が高まっている





日本政府は、津波による損壊を受けた原発の危機で、東京電力による被害者補償を支援する計画を承認した。



福島原発の損壊をめぐり、支払額は数百億ドルに達する見通しだ。



この支援が一助となり、東京電力は倒産を回避できるかも知れないが、今回の措置は東京電力の救済を意味しないと、政府は強調している。



一方、今年の夏、東京電力は3月の地震以降停止していた、火力発電所を再開することも計画している。





石油が動力





この動きは、需要が最大となる季節の間、電力不足の可能性を回避することに寄与する。



東京電力は、福島原発の約20km(12マイル)南に位置する、ともに石油を動力とする、広野火力発電所の2号機(600メガワット)と4号機(1000メガワット)を再開する計画だ。



東京の北に位置する、茨城・常陸那珂の石炭を動力とする発電機(1000メガワット)も運転を行う。



この危機により、アジア最大の電力会社である東京電力は倒産の淵に立たされ、この会社が巨額な補償金の請求書にどのように支払うかが懸念されていた。



いま、日本政府は支援のため、納税者のお金を使うことに合意している−報道によると、その額は600億ドル以上になる。





厳しい諸条件





計画によれば、政府の支援を受けた機関が設立され、東京電力はその機関から資金を引き出し、請求に対する支払いを行う。



その見返りに、東京電力は政府の厳格な監督を受ける。東京電力は株式の上場を続けるが、一定年間のあいだ、その利益は資金の返却に使われる。



東京電力−日本経済の33%を稼ぎ出す地域に電力を供給している−は、政府支援の見返りに抜本的なリストラを実施することを、早期に約束している。







福島原発の近くに位置する家から持ち出された物は放射線被曝の検査を受けなければならない





東京電力が同意した条件には、巨額な経費削減、補償の支払いに上限を設けないこと、経営陣に対する捜査を受け入れることが含まれる。



原発保有する他の電力会社も、これに出資する見通しだと、東京駐在のBBC記者、ローランド・バークは語る。



政府は、これらの電力会社が債務超過に陥ることを防ぐために、必要とされる限りの十分な支援を行う見通しであり、この枠組みの資金を調達するために、特別債が発行される見通しだ。



この枠組みが決まったことにより、東京電力の問題が日本の金融市場を不安定にさせるという怖れが和らげられる。



しかし、これが株主と経営陣に対して余りに寛大だと見なされると、国会内で反対に直面するかも知れないと、バーク記者は語る。



補償金支払いの一助にするために、東京電力は電気料金を値上げしなければならないかも知れないと、日本メディアは報道してきた。



金曜日、東京電力の株式は値下がりし、6%安の452円で取引されていた。



銀行株も値下がりした。東京電力との融資の契約を見直さなければならないかも知れないという怖れからだ。





発電所の停止





一方、東京の南西に位置する、老朽化した浜岡原発の運営会社は、運転中だった最後の2原子炉のうちの1基の停止作業を始めたと語っている。



浜岡原発は東海地方に位置しているが、地殻変動運動の断層が近くにあり、東京から200kmしか離れていない。



地震学者たちは長年、この地域で、いつ大地震が起きてもおかしくないと警告してきた。



先週、菅直人首相は、福島原発の惨状を鑑み、浜岡原発の停止を求めた。



木曜日、東京電力は、福島原発の原子炉の損傷が当初の考えより悪いと語った。



1号機を取り囲む圧力容器に水漏れがある−おそらく、燃料棒の被覆が剥がれ、溶融したことによる損傷のためだと、スポークスマンは語った。



原子炉の冷却装置が津波のために機能を停止し、そのため、燃料棒が過熱した。その結果、4基の原子炉建屋で爆発が起こった。地震が発生した時、この4基のうち3基が運転中だった。



技術者たちは、原子炉を冷却するために水を放水する一方で、損傷した冷却装置の復旧に取り組んでいる。



東京電力の話では、発電所が冷温安定に達するまで9カ月を要するかも知れない。











(投稿者より)



政府が東電支援の枠組を決めたことを伝えた、フランスRFI・イギリスBBCの各サイトに掲載された記事です。誤訳があるかもしれません。ご容赦下さい。



RFIの記者は、東京電力が金融業界に及ぼす影響力の大きさに着目し、「大きすぎて潰せないので、強者を守る措置をとった」という見方のようです。一方、BBCの記者は、今回の事故とその巨額な補償の問題を、東京への電力の安定供給や日本の金融市場の安定を脅かす要因として捉え、今回はこの面での危機を回避するための措置と考えているようです。



「獅子の分け前」(la part du lion)についてのイソップ寓話は存じ上げませんでした。ウィキペディアに解説がありましたので、下に付しておきます。



東京電力は、今回の事故の後、いち早く「計画停電」を実施しています。自己の責任を認識し、社会的な責務を誠実に果たそうと考えていたなら、「計画停電」という居直りにも似た安易な措置をとらなかったはずです。



「『計画停電』は、原発がなければ社会が困ることを思い知らせるために、東電が故意にとった措置だ」と言ってしまえば、いかにも東電が悪辣な企業のように聞こえますが、私は、その説を支持しています。



その東電が、賠償原資が足りないと言っているのなら、会社更生法を適用し、破綻処理をするのが筋に思えます。社会の正義を守るためにも、そのような悪辣な集団を助けてはいけません。東電破綻によって困る人が出るなら、その救済は別に行えばいいのです。



そのような企業に、今後どのような運命が待ち受けるのか、その推移を見守りたいと思いますが、首都圏の電力が本当に大切なら、これを機会に東電の大掃除をして、どこかの真面目な会社から人材を引っ張ってきて、そっくり別の会社にしてしまえばいいようにも思えます。













(「獅子の分け前」:ウィキペディア

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8D%85%E5%AD%90%E3%81%AE%E5%88%86%E3%81%91%E5%89%8D





獅子の分け前





獅子の分け前(ししのわけまえ)はイソップ寓話の一つ。





あらすじ





ライオン(獅子)とロバとキツネが狩りに出かけた。たくさん獲物が取れたので分配する事になり、ロバが3匹に平等に分けたところ、ライオンはこれに怒ってロバを食べてしまった。



そしてキツネに再度分配を命じた。キツネは心得て、大部分をライオンのものとして、自分はわずかな物を取っただけだった。今度は満足したライオンが、なぜこのように分けたのかと聞くと、キツネは答えた。「ロバの運命が、私にこの分けかたを教えてくれました。」





教訓





身近な者の不運や災難は、人に分別(或いは処世の知恵)を与える。



またこの話は、強い者、権力のある者が利益を独り占めするという、古今東西不変の真理の表現でもある。英語の熟語Lion's Shareの語源。