「浜岡原発の停止」(RFI・リベラシオン紙の記事より):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/11/senkyo113/msg/309.html











(Arrêt de la centrale japonaise de Hamaoka: FRI)

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20110514-arret-centrale-japonaise-hamaoka





日本/原子力

記事発表:2011年5月14日土曜日

最終更新:2011年5月14日土曜日






日本・浜岡原発の停止





RFI







2011年5月14日土曜日、浜岡原発の運営事業者は地震が非常に活発な中部日本に位置するこの施設による生産を中止した。 Bloomberg via Getty Images





日本の主要な島である本州の南に位置する、浜岡原子力発電所の運営会社は、2011年5月14日土曜日、その設備の停止を発表した。現地時間の土曜日13時に、最後まで運転を続けていた原子炉5号機が、最終的に停止した。今回の決定は、福島の大事故から2カ月以上を経た、政府の要求に従ったものだ。さらに、浜岡原発は、地震の強い危険がある区域に位置している。





RFI東京駐在記者フレデリック・シャルルの報告





浜岡原発は、沿岸の大きな断層の上に位置している。同原発は、リヒター・スケール6.5の強さの地震に耐えられるよう建設されている。しかし、福島原発を襲った衝撃は、リヒター・スケール9の強さだった。



地震学者によれば、今後30年間に、リヒター・スケール8以上の強さの地震が、浜岡原発付近の地域を襲う可能性は87%だ。同原発は東京の200km南、名古屋から100kmに位置している。



浜岡原発中部電力が運営し、名古屋を中心とし、特に、トヨタが生産を行う工業地域に電力を供給している。津波を防ぐためのさらに高い防潮堤を建設し、耐震構造を強化するまでの2〜3年の間、同原発は停止せざるを得ない。



財界は、浜岡原発の停止が名古屋地域の電力供給に及ぼす影響を検討しないまま、このような決定をした菅直人首相を批判している。このようにして生じた不安により、名古屋に拠点を置くいくつかの企業は、生産の海外移転をさらに進める可能性がある。











(Japon: arrêt de la centrale nucléaire de Hamaoka: La Liberation)

http://www.liberation.fr/terre/01012337403-japon-arret-de-la-centrale-nucleaire-de-hamaoka





地球 2011年5月14日09:06 (更新 17:52)





日本:浜岡原発の停止





浜岡原発の運営会社は、土曜日、日本の中央部の地震活動が活発な地域に位置する、この施設での電力生産を中止した。これは、政府からの要求を受けたものであると、会社側は発表している。



原子炉5号機は、土曜日の13:00(04:00 GMT)に停止したと、中部電力のスポークスマン、オオバヤシ・ヒロアキ氏は発表した。原子炉4号機は金曜日に停止している。



原子炉3号機は検査のためにすでに停止している。また、5基の原子炉を有する浜岡原発の1号機・2号機は、2009年に最終停止している。



「午前中には電力の生産が終わる見通しだ」と、原子炉4号機について、発電所の責任者である、エノオ・カズヒデ氏は説明した。



「現在まで、手順は問題なく行われている」と同氏は明言し、「早ければ1日のうちに」原子炉が冷温停止状態に達するはずだと付け加えた。



原子力5号機の停止作業は、土曜日に始まった。



マグニチュード9の地震と大津波に続いて、福島(東北)の原発事故が発生して2カ月が経ち、日本の菅直人首相は、周辺住民の安全確保という名目で、浜岡原発の機能を停止するよう、中部電力に求めていた。



地震学者たちによれば、菅氏は、名古屋の工業地域から100km、東京から200km離れた、この浜岡原発のある地域は、今後30年の間にマグニチュード8の地震に襲われる可能性が87%あることを強調した。





「甚大な影響」





菅首相は、浜岡原発で大事故が発生すれば、「日本社会全体に甚大な影響」を及ぼす可能性があると、付け加えていた。



浜岡原発は、日本経済の2大中心地である、東京大都市圏(中日本東部)と、阪神大都市圏を抱える関西(中日本西部)を結ぶ、戦略的な主要交通路の付近に位置している。



公式には、原子炉3・4・5号機の停止は最終的なものでない。最少2年の停止期間に、特に防潮堤の建設と、津波から発電所を守るための安全対策面での改善のために、中部電力は一連の投資を行うことになる。



日本の他の原発と同様、浜岡原発も海に面している。浜岡は太平洋沿岸だ。



浜岡原発は、中部電力が有する唯一の原発で、日本の中央部に電力を供給している同社の、生産能力全体の約15%を占めている。同社は火力発電所の稼働を引き上げ、水力発電も補助的に導入しながら、夏の消費ピークに対処できるようにする。



政府は、中部電力が原子炉停止によって被る損失の補償について、支援を約束している。



世界第3位の経済大国である日本は、電力の25〜30%を、54基の原子炉で生産している。



福島の事故が発生する以前の計画によれば、日本当局は、今から2030年までに、さらに15基の原子炉を建設し、原子力の割合を消費電力の50%に引き上げることを目指していた。



しかし、今回の福島の事故を考慮し、今後は再生エネルギーを使用し、電力のより節度ある使用を促進するよう、日本のエネルギー政策を抜本的に見直す必要があると、菅首相は考えている。





福島で作業員が1人死亡





事故が発生した福島原発の場所で働いていた作業員が1人、体調不良を起こした後、死亡したと、同原発を運営する東京電力が土曜日に明らかにした。



「彼(死亡した作業員)は」、放射性物質に「被曝していなかったことを確認している」と、東京電力のスポークスマン、モリ・ヨシノリ氏は明らかにしている。



60歳代のその作業員は、作業場所で意識を失った。直ちに病院に運ばれたが、彼は死亡した。



名前が発表されなかったその男性は、体調不良を起こしたとき、発電所の構内で他の作業員と一緒に物資を運搬中だった。



「彼は作業中、0.17ミリシーベルト放射能を浴びていた。しかし、彼は防護服を着用しており、いかなる放射性物質も体内から検出されていない」と、モリ氏は説明した。東京電力は安全のための上限を5ミリシーベルトに定めている。





(情報源:AFP)











(投稿者より)



浜岡原発の停止を伝えた、RFIサイトの記事、AFP通信社が配信したリベラシオン紙サイトの記事と、フランスメディアの記事を拾ってみました。フランスは日本に並ぶ原発大国で、今後も原発推進の立場を明確に表明しています。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



RFIの記者は、問題の全体像を一言で説明し、日本の政治力学の中でこの問題を解釈しようと試みています。一方、リベラシオン紙はその抑えたトーンの中に、「浜岡で事故が起きれば日本の物流が止まる」という、浜岡停止の意味をほのめかしています。また「最終停止ではない」としながらも、日本のエネルギー政策の転換方向によっては、浜岡の全面閉鎖があり得るという含みも残しています。



いずれのメディアも伝えていませんが、今回の措置は米国の指示によるものだという情報があります。浜岡が事故を起こすと横須賀基地が使えなくなり、米国の安全保障政策に影響を及ぼすということです。



しかし、卑屈と言われるかも知れませんが、米国政府が日本政府に浜岡原発の停止を指示し、菅首相がそれに従い、その結果、東京や名古屋の安全が確保されるのなら、私たちは米国政府に感謝すべきでしょう。日本政府が守ろうとしない東京と名古屋の安全を、結果として、米国が守ってくれたのです。情けないことですが、これが現実です。仕方ありません。



今回の大惨事を前にして、日本政府が無力であり、菅政権が無能であることは、誰もが知っています。文部省に至っては、福島県の子供たちの被曝上限量を1mSv/年から20mSv/年に引き上げています。政府機関に国民の命を守る気はない、と思われても仕方ないでしょう。



個人的な経験ですが、かつて浜松市の近くに住んでいたことがあります。バスを乗り換えれば浜岡原発まで行ける場所です。近所のスーパーには、舞阪(浜松市)産、福田(「ふくで」と読みます。磐田市)産、御前崎御前崎市)産と、遠州灘を西から20〜30kmおきの漁港で水揚げされたちりめんじゃこが売られています。福田産は舞阪産の8割の価格、御前崎産は福田産のやはり8割の価格で売られていました。



舞阪港・福田港は浜岡原発の西にあります。御前崎港は東にあります。 福田港と御前崎港をはさむ形で浜岡原発は存在します。海流は、遠州灘を西から東へ流れます。したがって、浜岡原発で排出された温排水も、海流に乗って東に流れます。申し訳ないこととは思いますが、その地理的な事情を知っていた私は、舞阪産や福田産のちりめんじゃこには手が伸びるのですが、御前崎産はどうしても買う気になれなかったことを覚えています。



原子力発電所で作られる放射性物質について、それを最終的に無害化する処理技術は確立されていません。原発を使うということは、いま豊かな生活を送るために、子孫に毒を押しつけることを意味すると、個人的には考えています。



いかなる事情があれ、今回の措置を私は支持したいと思います。日本が抱える潜在的危機がこれで一つ消えました。「他の原発はどうする?」という問題は残りますが、それはそれです。