ドイツの学校は、世界リーグの順位表でわずかに成績を上げる(DW-WORLD.DE):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/10/kokusai5/msg/207.html





(Germany's schools improve their grades modestly in global league tables: DW-WORLD.DE)

http://www.dw-world.de/dw/article/0,,6302086,00.html?maca





2010年12月7日





ドイツの学校は、世界リーグの順位表でわずかに成績を上げる





世界の教育で、ドイツは「1部リーグ」に復帰した。しかし、チャンピョンズ・リーグの参加を確実にするには、得点力を向上させる必要があると、PISA調査報告の事務局側は語る。






読み書き能力はいまなおドイツのアキレス腱となっている





15歳の生徒の学力についてのある国際的な研究報告によると、この数年、ドイツの子供は地道に進歩している。しかし、火曜日に発表された、4回目のOECD生徒の学力到達度調査(Program for International Student Assesment:: PISA)もまた、優秀とはほど遠い結果だった。



ドイツが先進国としては壊滅的な得点だった、2000年の第1回研究報告と同様に、今回の2009年の調査も、生徒の読解力に焦点が当てられた。ドイツの得点は13ポイント上がり、497ポイントとなり、先進国では平均的な得点となった。それでも、ドイツの15歳は、フィンランド(536ポイント)や韓国(539ポイント) のような、成績表の上位にある国々の15歳より、ほぼ1学年遅れている。



「ドイツは2部から1部に昇格した」と、OECDベルリンセンター長のヘイノ・フォン・マイアー氏は、火曜日の記者会見で語った。「しかし、ドイツがチャンピョンズ・リーグに参加できるまでの道のりはまだ遠い。」



OECDは65カ国でPISAの研究を実施し、その過程で、約50万人の10代の子供たちの学力を検査する。ドイツでは、230校から無作為に選ばれた約5,000人の生徒が研究に参加した。



ドイツはまた、数学・科学両分野の小規模な調査でも改善されており、いまや、比較が可能な他の国々に対して、平均点以上の成果を誇れるようになった。







生徒の優秀さは教師の優秀さに相応すると、調査結果は示す





「ドイツの地位は『受け入れがたい』から『平均的』に改善され、少なくとも、私たちは上昇傾向にあることに満足している」と、政府の教育委員会のウーラ・ブルハート委員長は語った。「しかし、これを理由にお祝いをするのではなく、検証を続けたいと考えている。読解力の分野では、私たちの努力はまだ続いている。読解力は、学校を出た若い人たちが社会の中で職と居場所を見つけるために、最も重要な能力なのだ。」



PISAの結果が発表される少し前、アネット・シャーバン教育大臣は、若い人たちが自由な時間に読書することを奨励する、新しい計画を実施することを公約した。





優秀な教師=高得点





PISA研究報告では、質の高い教師を教室に配置することの重要性が強調された。



「学校ができる限り優秀な頭脳を確保するよう試みることが、非常に重要だ」と、PISA研究報告コーディネーターのアンドレアス・シュライヒャー氏は、南ドイツ新聞のインタビューで語った。「フィンランドのような国々は、この点では、すばらしい仕事をしている。」



同氏は、また、現代の教師を生産ライン労働者になぞらえ、欧米諸国で一般的となっている、授業計画に縛られた指導システムを批判した。



「誰かが授業計画を発表すると、教師は教室でいすに腰掛けて、計画通りのことをするよう求められる。」



2000年の最初のPISA研究報告では、ドイツの15歳の22.6%が、読解力と計算力の平均水準に対して、少なくとも2年遅れていたが、今回までの期間に、その数値は18.5%にしか低下しなかった。









ドイツではPISAという言葉に生徒・教師・政治家が同じように頭を抱える





「私たちは、読み・書き・計算の能力が小学校レベルの、15歳の集団の規模を小さくしなければならない。」ミュンスター大学の教育研究者エヴァルド・テルハート教授は語った。



「問題となる分野の指導方法を変えることによってのみ、これが可能となる。そして、そのために、教師に付加的な訓練を課す必要がある。時間とお金はかかるが、指導の質に有意な変化をもたらすには、この方法しかない。」





社会的地位はいまだに重要な要因





ドイツでは、得点の低い生徒の圧倒的多数は、貧困家庭・移民の経歴をもつ家庭のいずれかの出身か、その両方だ。こういった集団とドイツの平均的な生徒の学力差は、依然、大部分のPISA参加者よりも大きい。それでも、この不一致は10年の間でかなり縮小されたと、研究報告は述べている。



伝統的に、ドイツの高校は3つの層に分かれているが、OECD担当者は、その下位の2層を融合させる、いくつかの州での取り組みを賞賛している。将来、子供たちを社会から脱落させないことに寄与すると言うのだ。



PISA担当者は、また、ドイツに対して、学校制度で定められた教室の規模の改革を検討するよう奨めている。現在、平均的な教室の規模は、学年が大きくなるにつれてだんだんと小さくなる傾向にあるが、研究報告では、小さな子供は小規模教室の方がメリットが大きく、一方、10代は大きな集団で対応するのがより効果的だ、と述べている。



2003年のPISA研究報告は数学に焦点が当てられ、2006年は科学が主要な調査分野だった。





執筆:マーク・ハラム(apn, dpa)

編集:ロブ・ターナー











(投稿者より)



7日に、OECDが行った国際的な学力調査の結果が発表されましたが、ドイツの結果について分析した、ドイチェ・ヴェレのサイトに掲載された記事です。



フランスの結果についての記事もネットから拾えましたので、一部ですが、こちらも紹介します。



「フランスも中程度の成績におさまった。読解力18位、数学応用力16位、科学応用力21位と全てにおいて真ん中で、泣くに泣けない成績だ。今回の調査で、成績以外にも問題が浮上している。フランスは他国よりエリートが多いのと同様に、学力に問題のある生徒が多いという報告だ。読解力や数学応用力の低い生徒は2000年以降5〜6%づつ増加しているという。さらに、フランスでは成績が悪い生徒を留年させているが、この制度自体が問題視されている。



ドイツやフランスが中程度の成績に落ち着いた背景には、移民を受け入れていることも挙げられる。所得の低い移民家庭出身の生徒の成績は低いため、全体の数値を下げてしまうからだ。しかし逆を言えば、ドイツでは、この移民系生徒への教育に力を入れることで、順位を上げることも可能と考えている。」





(フランスは世界の学力で中位:アンテンヌフランス)

http://www.antennefrance.com/humains/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%81%AF%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%AD%A6%E5%8A%9B%E3%81%A7%E4%B8%AD%E4%BD%8D/







※付記(2017.6.8 編集)





OECD東京センター・サイトより)

http://www.oecdtokyo.org/theme/edu/2010/20101207pisa.html





最新PISA調査のトップは韓国とフィンランド





2010/12/07





15歳児を対象にしたOECDの最新PISA(生徒の学習到達度調査)によると、読解力のトップは韓国とフィンランドでした。最新のPISAでは生徒の電子情報の管理力が初めてテストされました。



PISAは、70以上の国・地域の50万人の生徒に対して行われた2時間のテストに基づいており、数学と科学のテストも行われました。本日発表されるのは、65の国・地域の調査結果です。



続いて好成績を収めたのは、香港(中国)、シンガポール、カナダ、ニュージーランド、日本でした。



PISA調査に今回初めて参加した上海市は読解力でどの国よりも良い成績を収めました。上海の生徒は数学と科学でもトップでした。複雑な問題を解く高い数学的思考力を示した15歳児の比率は、OECD平均ではわずか3%でしたが、上海では25%以上に達しました。



「教育成果の向上は将来の経済成長を強く予告するものである」と OECDアンヘル・グリア事務総長は述べています。「国民所得と教育到達度は依然として関連しているが、PISAによれば、繁栄の程度が同じ2つの国でも成績は全く異なり得る。これは、世界は豊かな高学歴国と貧しい低学歴国にはっきりと分裂しているというイメージが今や時代遅れになっていることを示している。」



読解力で成績を大きく伸ばしたのはチリ、イスラエルポーランドなどですが、ポルトガル、韓国、ハンガリー、ドイツも成績を伸ばしました。数学では、メキシコ、トルコ、ギリシャポルトガル、イタリア、ドイツが大きく成績を伸ばしました。科学では、トルコ、ポルトガル、韓国、イタリア、ノルウェー、米国、ポーランドが最も成績を伸ばしました。



OECDは、男女間の成績差や学級規模、教員給与、資源配分についての学校の自治の程度などの影響についても調査しました。主な知見は以下のとおりです。



*全ての国で読解力は女子が男子を上回っており、男女間の得点差は平均で学校教育1年分に相当する39点であった。男女間の得点差が2000年以降改善している国はひとつもなく、フランス、イスラエル、韓国、ポルトガルスウェーデンでは拡大している。これは、読書を楽しみ、余暇に読書をする男子が減少していることを反映している。



*最優秀の学校制度は最も公平な学校制度(社会経済的背景と関係なく、生徒が好成績を収めている)であった。早い段階で能力に基づいて生徒を選抜する学校では社会経済的背景による成績差が極めて大きい。



*好成績を収めた学校制度は、学級規模を小さくすることよりも、教員給与を高くする方を優先する傾向がある。



*生徒の留年率が高い国は往々にして全体の成績が悪く、貧困家庭の生徒と富裕家庭の生徒間の成績差も大きい。生徒の留年率が最も高いのはベルギー、フランス、ルクセンブルグポルトガル、スペインである。



*好成績を収めた学校制度は学校にカリキュラムの設計や評価方針の構築については認めているが、必ずしも入学競争は認めていない。



*規律が正しく、生徒と教師の関係も良好な学校ほど、生徒の読解力は高い。



*生徒の家庭環境を考慮に入れると、公立学校と私立学校の間に成績差はない。



*自治と効果的なアカウンタビリティを兼ね備えていることが最優秀の成績をもたらしているように思われる。



*趣味として読書すると回答した生徒の比率は、2000年の69%から2009年には64%へと低下した。



PISAは各国の学校制度が、質、平等、効率の点で世界的に適合しているかを見る上で役立つことを目指しています。最良の成績を収めた学校制度は、他の諸国も目指している生徒がより良く学び、教授がより良く教え、学校システムがより効率的になるための支援や各国の取り組みに影響を与えることが示されています。



OECDは創立50周年記念の一環として2011年に、各国の国民が将来役立つ技能を構築、維持、改善するのに役立つ2つの新しいプログラムを開始します。国際成人力調査(PIAAC)の第一回調査結果とOECD技能戦略は2013年に発表されます。









文部科学省サイトより)

http://www.mext.go.jp/b_menu/daijin/detail/1299985.htm





OECD生徒の学習到達度調査(PISA2009)について[郄木文部科学大臣コメント]





平成22年12月7日





本日、OECD経済協力開発機構)が2009年に実施したPISA調査(ピザ調査:生徒の学習到達度調査)の調査結果が公表されました。



今回の調査結果によると、(1)我が国の読解力は前回調査(2006年)と比べて平均得点が統計的に有意に上昇し2000年調査と同水準(上位グループ)まで回復したこと、(2)数学的リテラシーは前回同様OECD平均より高得点グループに位置したこと、(3)科学的リテラシーも前回同様上位グループを維持していることが分かりました。



リテラシーとも前回調査から下位層が減少し上位層が増加しており、読解力を中心に我が国の生徒の学力は改善傾向にあると考えます。



また、生徒に対する質問紙調査からは、2000年調査時点との比較で読書活動が活発化し、読書に対して積極的に取り組む傾向などがみられています。



平成22年6月に閣議決定した「新成長戦略」において、「国際的な学習到達度調査において日本が世界トップレベルの順位となることを目指す。」としているところですが、今回の調査結果から、我が国はその目標に向けて順調に歩みを進めていると考えます。



これは、まず、何よりも生徒本人、家庭、各学校、地方公共団体が一体となって学力向上に取り組まれた成果のあらわれであると考えています。また、全国学力・学習状況調査の実施(平成19年4月から)とそれを踏まえた取組のほか、「学びのすすめ」(平成14年2月)、学習指導要領の「基準性」の明確化による発展的内容の指導の充実(平成15年12月)、読解力向上プログラム(平成17年12月)などの文部科学省のこれまでの各種政策が一定の効果を挙げたものと認識しています。



一方で、(1)世界トップレベルの国々と比較すると依然として下位層が多いこと、(2)読解力は、必要な情報を見つけ出し取り出すことは得意だが、それらの関係性を理解して解釈したり、自らの知識や経験と結び付けたりすることがやや苦手であること、(3)数学的リテラシーは、OECD平均は上回っているがトップレベルの国々とは差があること、(4)読書活動も進展したとはいえ諸外国と比べると依然として本を読まない生徒が多いことなどの課題も明らかになっています。



これらの課題に対応するため、文部科学省としては、来年度以降全面実施される新学習指導要領により思考力・判断力・表現力の育成に努めるとともに、35人以下学級実現のため、教職員定数を改善するなど教育条件を整備し、「個に応じた指導」の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。