強い円は、日本経済を弱体化させる(RFI):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/592.html







(Le yen fort pénalise l’économie japonaise: RFI)

http://www.rfi.fr/economie/20100824-le-yen-fort-penalise-economie-japonaise





日本

記事の発表:2010年8月24日火曜日

最終更新:2010年8月24日火曜日






強い円は、日本経済を弱体化させる





アルタン・ラザイ











日本の通貨・円は、2010年8月24日火曜日、ドルに対して15年ぶりの高値を更新した。東京株式市場の終了前には、ドルは84円50銭で取引された。一方、ユーロは下落し、107円のラインを切った。ユーロが円に対し、この9年間、つけたことのない為替レートだ。





いくつかの説により、ドルやユーロに対する円の高騰が説明できる。欧米の経済成長見通しに懸念があり、中国経済の減速も予想されることから、資金の逃避先として、投資家たちに円買い圧力がかかった。それに加えて、円の高騰に賭けて、マーケットの投機家たちがマネー・ゲームを行った。しかし、円の急騰は、財務大臣野田佳彦が公の場で発言したことに伴い加速されたものでもある。発言では、「私達は最大限の警戒をもって、市場の推移を見守る」と2週間前の話が繰り返されたが、円相場を下げるための具体的な対策は、何も示されなかった。



別の要因として、ユーロ圏と米国の通貨政策がある。複数のアナリストによれば、これらの国々は輸出の活性化のために、自国通貨を安いままで放置している。世界第二位の経済大国・日本には、円を引き下げるための単独介入が難しいのにである。おまけに、低成長・デフレ・債務に苦しむ、不健全な日本経済の体質から考えると、日本がとれる対策はあまり多くない。債務だけでも、日本は国内総生産の200%に達する、世界の先進国で最大の債務を抱える。それでも、まだ解決策が一つある。日本の中央銀行がドルを大量に買い、円を売るのだ。そうすれば、ドル相場は再び上昇に転じ、円は弱くなるかもしれない。しかし、専門家の話では、日本の金利が米国を上回らない限り、円は高い水準に留まるだろう。





経済への影響





円の急騰は日本経済にとって非常に悪い。強い円は、輸出で収益を上げる、伝統的な日本企業を弱体化させるのだ。というのは、円相場の値動きは、日本の輸出企業の東京株式市場での株価と反対の動きを示す。円の急騰により8月24日火曜日、東京株式市場の終値は、9,000円を切り、2009年5月の水準を割り込んだ。おまけに、円高は、そういった企業が生産拠点を海外に移す誘因となっている。 円高のメカニズムにより製品の値段は下がるが、これは日本を現実に苦しめているデフレを増幅させるリスクを伴う。











(投稿者より)



今週初めの円の高騰を伝える、RFI(フランス国際ラジオ)サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



「欧米諸国の通貨政策と日本の通貨無策に、野田発言が引き金を引いた」、ラザイ氏はきちんと見ています。



ただ、長期的に見て、ドルもユーロも上昇に転じることは難しいと思います。



日本経済は外需依存が2割を切っています。消費の刺激によって内需を拡大し、輸出企業の体質を変えることはできるはずです。また、為替リスクのない、円建ての貿易をアジア諸国とすすめるなど、長期的な視野に立った政策が求められます。



日本経済のために、ドルやユーロが抜けるであろう穴を、日本円が埋める形が望ましいのですが、新しい首相の方は、やって下さるでしょうか?