「日本の自衛艦が初めて台湾海峡を通過する」(BBC NEWS JAPAN・FRANCE 24・フォーカス台湾・人民網日本語版)
(BBC NEWS JAPAN)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cpv2kkk08r2o
海上自衛隊の護衛艦、台湾海峡を初めて通過 日本報道
Getty Images
海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」
2024年9月26日
ケリー・アン(シンガポール)、ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ(台北)
海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」は25日、中国大陸と台湾島の間の台湾海峡を初めて通過した。複数の日本メディアが、政府関係者への取材をもとに報じた。
さざなみはこの日、台湾海峡を北から南へと抜けた。政府筋によると、南シナ海での多国間訓練に参加する途中だったという。
また、この訓練に参加するオーストラリアとニュージーランドの海軍艦も、さざなみと共に海峡を通過した。
台湾海峡では2週間前にも、ドイツ海軍の艦艇が航行の自由を示すために通過した。中国はこの動きに反発していた。
日本の防衛省と台湾の国防部(国防省)は、この件についてコメントしていない。
一方、中国国営紙「環球時報」は匿名情報筋の話を引用し、中国軍は「(艦船の)全航路にわたって追跡と監視を行い、事態は制御下にあった」と伝えた。
幅約180キロの台湾海峡は、世界のコンテナ船の約半数が通過する重要な海運・貿易ルート。アメリカと台湾は、この海峡は国際水域の一部であり、すべての艦船に開かれているとしている。
しかし、台湾を自国の領土だと主張する中国は、海峡の主権と管轄権を主張している。
豪ラ・トローブ大学のベック・ストラッティング教授(国際関係学)はAFP通信の取材で、「中国による海での勢力拡大を懸念するアジアおよびそれ以外の諸国が、自分たちの海軍力をいっそう示そうとしており、(海自艦の通過も)その一環」だと述べた。
「特に日本は、東シナ海における中国の『グレーゾーン』戦術に対処してきた」と、教授は話した。
中国の「グレーゾーン戦術」は、敵の力を長期間かけて弱体化させることを目的としたものだと、アナリストらは説明している。
アメリカとその同盟国は、国際水路としての台湾海峡の地位を強化するため、より頻繁に台湾海峡を通過している。
中国軍は、9月13日にドイツがこの海峡を航行したことで安全保障上のリスクが高まったと非難したが、ドイツは国際基準に従って行動したと述べた。ドイツ海軍の艦艇が台湾海峡を通過したのは22年ぶりのことだった。
ドイツと日本のほかにも、カナダ、オーストラリア、イギリスも近年、この海峡に軍艦を航行させている。
日本政府は、ここ数カ月で日本付近や台湾周辺で中国の軍事活動が活発化していると報告している。
中国は18日、初めて空母を日本の接続水域に侵入させ、台湾にも近い沖縄県の与那国島と西表島の間を通過した。8月には中国軍の情報収集機1機が、やはり同県沖で初めて日本の領空を侵犯。日本政府は「全く受け入れられない」、「主権の重大な侵害」と非難した。
日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4カ国からなる「クアッド」の首脳は先週、南シナ海で主張を強める中国に対抗するため、海洋安全保障に関する協力を拡大すると発表した。
(英語記事 Japan sails warship in Taiwan Strait for first time: reports)
関連トピックス インド 日中関係 オーストラリア ドイツ 台湾 アメリカ 南シナ海紛争 中国 ニュージーランド 軍隊 日本 アジア
(Nouvelles tensions autour de Taiwan, avec la presence d'appareils chinois et de navires occidentaux; France 24)
https://www.france24.com/fr/asie-pacifique/20240926-taiwan-nouvelles-tensions-presence-avions-appreils-chinois-navires-occidentaux-japon
中国の航空機と西側の船舶の存在により、台湾周辺で新たな緊張が高まる
台湾国防省は木曜日、台湾周辺でこの約30時間の内に中国の航空機72機と軍艦8隻が探知されたと述べた。北京によるこの武力の誇示は、水曜日に西側と日本の軍艦が数回に亘り海峡を通過したことを受けて行われた。
発表 2024年9月26日 10:38
記者 フランス24
台湾国防省は9月26日木曜日、西側の軍艦が台湾海峡を通過したことを背景に、約30時間に合計72機の中国の航空機と8隻の同国の軍艦が台湾周辺で探知されたと発表した。
同省は当初、航空機43機と船舶8隻が「台湾の防空識別圏(ADIZ)」に進入したと報告し、これらの動きが木曜日午前6時(グリニッジ標準時水曜日午後10時)までの24時間に起きたことを明らかにした。
43 PLA aircraft and 8 PLAN vessels operating around Taiwan were detected up until 6 a.m. (UTC+8) today. 34 of the aircraft crossed the median line and entered Taiwan’s southwestern and eastern ADIZ. We have monitored the situation and responded accordingly. pic.twitter.com/bTiG8uHvqi
— 國防部 Ministry of National Defense, ROC(Taiwan) ???? (@MoNDefense) September 26, 2024
午後1時(グリニッジ標準時午前5時)頃、木曜の午前中に更に29機の航空機が見つかったと発表した。このうち「21機が台湾海峡の中間線を越えた」と台湾国防省は強調した。
この侵入の再発は、水曜日に西側の軍艦が数回に亘り海峡を通過したことを受けた緊張を背景にして起こった。
日本メディアは木曜日、日本の軍艦が水曜日に初めて台湾海峡を通過したと報じたが、日本政府はこの情報に関するコメントを拒否した。日本はこの地域における米国の重要な同盟国であり、インドと豪州も加わり中国に対する防波堤と見なされているクアッド同盟の一員だ。
数時間後、ニュージーランドは軍艦1隻が水曜日に豪州の艦艇1隻と並んで海峡を通過したことを明らかにした。最近では米国・カナダ・ドイツの艦艇も海峡を通過している。
北京からの軍事的・政治的圧力
この民主の島を自国の領土の一部だと主張している中国政府は台湾海峡を自国の領海と考えており、定期的に戦闘機・無人機・艦艇を台湾周辺に派遣している。
?これも読む:中国の脅威に直面し、台湾は息を詰める
しかし、これほど多数の航空機は、台北が24時間以内に過去最大となる66機の中国軍機を報告した7月11日以来探知されていない。
中国は台湾を制圧するために必要であれば武力行使も排除しないと発表しており、近年台湾に対する軍事的・政治的圧力を強化している。
参考 AFP
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(フォーカス台湾)
https://japan.focustaiwan.tw/politics/202409270006
政治
日豪NZの艦艇が台湾海峡通過 専門家「岸田氏は次期首相への手本示した」
2024/09/27 16:17
海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」(facebook.com/JMSDF.PAO.fpから)
(台北中央社)日本とオーストラリア、ニュージーランドの艦艇が25日、台湾海峡を通過した。日本の海上自衛隊の護衛艦が台湾海峡を初めて台湾海峡を通過したことについて、専門家は、岸田文雄首相が退任前に意図的に行った動きであり、次期首相に手本を示す狙いがあるとの見解を示した。
ニュージーランド海軍は26日、補給艦「アオテアロア」が25日にオーストラリア海軍の駆逐艦「シドニー」と共に台湾海峡を通過したと発表した。日本メディアも複数の政府関係者の話として、海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が25日、台湾海峡を通過したと報じた。
中山大学中国・アジア太平洋地域研究所の郭育仁教授兼所長は、海上自衛隊の護衛艦が豪、NZの軍艦とそろって台湾海峡を通過したのかは現時点では不確かだと言及。だが、日本がこのタイミングを狙って艦艇を派遣したのは「計画的な行動」だとの見方を示す。
郭氏は、菅義偉前首相が2021年4月にバイデン米大統領と日米首脳会談を行った際、共同声明で「台湾海峡の平和と安定の重要性」に言及したことを指摘し、現首相の岸田氏が今、艦船を台湾海峡に派遣したのは当時の共同声明を実践する意味合いがあると分析した。
その上で、岸田氏の退任前かつ中国と日本の軍事関係が悪化している今のタイミングで艦艇を通過させたのは、次期首相に道筋を示し、手本とする狙いがあるとした。中国は大きな反応を示すことはできないものの、新首相に日本の艦艇の台湾海峡通過を常態化させないよう、外交ルートを通じて全力で働きかけるだろうとの見解を示した。
日本は東アジア地域で初めて艦艇を台湾海峡に派遣し、通過させた国となったことから、韓国やフィリピンなどに模範を示す作用があると郭氏は指摘。また、先進7カ国のうち、台湾海峡に艦艇を派遣していない国は残すところイタリアのみとなったことから、この部分でも模範を示す効果があると付け加えた。
政府系シンクタンク、国防安全研究院国防戦略・資源研究所の蘇紫雲所長によれば、近年、これまでに米国、カナダ、英国、フランス、オランダ、ドイツ、トルコの7カ国の軍艦が台湾海峡を通過していた。蘇氏は、今回の日、豪、ニュージーランドを加えて軍艦を通過させた国が計10カ国になったのは前代未聞だとし、戦略的意味が象徴するのは、中国に台湾海峡の平和のメッセージを発信し、現状の変更に反対する姿勢だと語った。
(呉書緯/編集:名切千絵)
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(人民網日本語版)
http://j.people.com.cn/n3/2024/0927/c94474-20224483.html
日本の自衛隊艦艇が台湾海峡進入 中国は日本に厳正な申し入れ
人民網日本語版 2024年09月27日15:30
外交部(外務省)の26日の定例記者会見で、林剣報道官が日本の自衛隊艦艇の台湾海峡進入について質問に答えた。
【記者】日本の海上自衛隊の艦艇が25日、初めて台湾海峡を通過した。今回の行動について日本メディアは、日本周辺での中国の軍事活動に対処し、「航行の自由」を主張するものであるとしている。これに対する中国の立場は。
【林報道官】台湾問題は中国の主権と領土的一体性に関わり、中日関係の政治的な基礎に関わるものであり、越えてはならないレッドラインだ。日本の自衛隊艦艇による台湾海峡への進入活動に対して、中国軍はすでに法規に則り処置した。中国は日本側のこの行為の政治的意図に対して強く警戒し、すでに日本側に厳正な申し入れを行った。
1972年の中日共同声明で、「日本国政府は中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府であると承認する。中華人民共和国政府は、台湾地区が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明した。日本国政府は、中国政府のこの立場を十分に理解し、尊重するとともに、『ポツダム宣言』第8項の立場に従うことを堅持する」ことを日本は明確に約束した。我々は日本側に対して、台湾問題において約束を必ず守り、言動を慎むよう促す。中日関係及び台湾海峡の平和と安定を妨げてはならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年9月27日
(投稿者より)
戦争屋勢力が海側と陸側に分かれてマッチポンプを演じています。双方とも経済が大変ですから、色々と知恵を使って戦争を画策しているようです。
「レッドライン」、中国政府は30年の長きに亘り自国民に日本人を憎悪するよう教育を続け、その成果が2024年9月に現地人が日本人居留民を殺害するという形で現れました。これこそが「レッドライン」でしょう。
日本は政府の動きが鈍いです。企業もお金と従業員の生命とを天秤に掛けて苦慮しています。困ったことです。
新首相は8月に台湾を訪問したりアジア版NATOを提唱したりと中国に対して強い姿勢で臨んでいるようです。施政方針演説でも深圳の事件に触れていました。これまでの弱腰な態度も困りますが、極端に走らないよう願いたいです。