「中国・深圳で中国人男性が日本人児童を刺殺する」(Sputnik日本・BBC NEWS JAPAN・RFI・VOA)
https://sputniknews.jp/20240918/19103664.html
中国・深圳で日本人学校の児童が襲われ負傷 容疑者を拘束
2024年9月18日, 16:24
© AFP 2023 / Philippe Lopez
中国南部の広東省・深センで18日午前、日本人学校に通う男子児童が男に襲われ、負傷する出来事があった。日本政府によると、現在、児童は病院で手当てを受けており、容疑者は当局によって身柄を確保されているという。
児童のけがの程度は明らかになっていない。容疑者は当局による取り調べを受けている。
児童が通う深圳日本人学校には現在273人が在籍。18日は休校の措置がとられたほか、深圳に近い広州の日本人学校でも、登下校の際に保護者が付き添うよう要請しているという。
在広州日本総領事館は、邦人保護の観点から現地当局に再発防止策の強化を申し入れ、事実関係の確認などのため職員を現地に派遣した。
中国では今年6月にも、東部の江蘇省で日本人親子らが刃物で襲われる事件があった。
中国 災害・事故・事件
https://sputniknews.jp/20240919/19104479.html
中国・深センで襲撃された日本人学校の男子児童死亡=日本総領事
2024年9月19日, 08:56
© Fotolia / Leonid Shtandel
中国南部広東省の深センで18日、日本人学校に通う10歳の男子児童が刃物を持った男に襲われた事件で、現地の日本総領事館は児童の容体について「予断を許さない深刻な状態」としていたが、死亡したことを明らかにした。
地元警察によると、容疑者は44歳の男で、その場で当局に身柄を拘束され取り調べを受けている。動機などは明らかになっていない。
広州に駐在する貴島善子総領事は18日夜、深セン市政府の幹部と面会し、真相の解明や丁寧な説明、それに再発防止策などを求めた。
アジア 災害・事故・事件 中国
https://sputniknews.jp/20240919/19105344.html
中国で起きた日本人男児の襲撃事件は柳条湖事件勃発の日……日本は安全対策を中国側に要請していた=上川外相
2024年9月19日, 11:45
© AP Photo / Philip Fong
中国南部深セン市で日本人学校の男子児童が襲撃された9月18日は奇しくも関東軍が中国東北部で南満州鉄道の線路を爆破(柳条湖事件)し、中華民国に対する軍事作戦を満州で開始した日にあたる。
記者団の取材に応じた上川外相はこの背景を踏まえ、「14日に中国外務省に対して日本人学校の安全対策について、万全の対応を行うよう申し入れを行ったところだった。そうした中で事件が起きてしまったことを大変、残念に思っている」と述べた。
その上で、「改めて中国側に対して日本人の安全確保を求めていくとともに、日本人の安全対策を含め、再発防止に向けて、どのような追加的な措置が可能か事務方に検討を指示した」ことを明らかにした。
そして外相は、「深い悲しみを禁じ得ない。心からのお悔やみを申し上げる」と述べ、「登校中の児童に対して卑劣な行為が行われたことは誠に遺憾。親御さんのご心痛も考えると胸がつぶれる思いでいっぱいだ」と語った。
中国 国際 アジア 災害・事故・事件
―参考―
- 日系企業に広がる不安 「早く離れたい」の声も―中国・邦人襲撃(時事ドットコム)[2024.9.19]
(Sputnik日本)
https://sputniknews.jp/20240919/19106824.html
中国は有効な措置を講じて外国人の安全を保障する=中国外務省
2024年9月19日, 21:03
© Sputnik / Anna Ratkoglo
中国外務省の林剣報道官は19日の記者会見で、広東省深セン市で登校中に刃物で刺された日本人学校の男子児童が死亡したことを受け、遺憾と哀悼の意を表明した。
報道官によると、男子児童は襲撃後すぐに病院に搬送され、医師らが直ちに治療に当たった。同氏は、中国は葬儀に必要な支援を提供すると強調した。
報道官は「似たような事件はいかなる国でも起こる可能性がある」と述べ、中国は引き続き有効な措置を講じて外国人の安全を保障すると主張した。 犯行動機などについては「現在、調査中」とし、「中国の関連部門が法に従って処理する」と述べるにとどめた。
災害・事故・事件 中国 国際
(BBC NEWS JAPAN)
https://www.bbc.com/japanese/articles/cy78kxvzvv4o
中国で日本人学校の男児刺され死亡 広東省深圳市
Getty Images
学校の教室(イメージ画像)
2024年9月19日・更新 2024年9月20日
中国南部・広東省深圳市で18日朝、深圳日本人学校に通う日本人男児(10)が刃物で刺された。在広州日本総領事館は19日、同日未明に男児が死亡したと明らかにした。
現地警察によると、男性容疑者(44)がその場で逮捕された。
岸田文雄首相は襲撃を「極めて卑劣な犯行」とし、「中国側に対し、事実関係の説明を強く求めていきます」とした。
中国外務省の林剣報道官は18日の記者会見で、事件の捜査を進めていると説明。中国と日本が「連絡を取り合っている」とした。
また、「このような不幸な事件が起きたことに、中国は遺憾の意と悲しみを表明する」と述べた。被害に遭った男児については、父親が日本人、母親が中国人の日本国籍保有者だと明らかにした。
襲撃の動機は、まだ明らかになっていない。ただし、国際関係の専門家の間では、中国の民族主義的感情が、外国人への暴力増加に波及しているのではないかとの懸念の声も出ている。
中国では6月にも東部・蘇州市で、日本人の母子を狙った同様の刃物による襲撃事件が起きた。この事件も日本人学校の近くで発生し、母子を守ろうとした中国人女性が死亡した。
同じ6月には、北東部・吉林省の公園でアメリカ人の大学講師4人が刃物で刺され負傷する事件があった。
中国政府は18日の事件を含め、これらの事件は単発的なものだと位置づけている。中国外務省の林報道官は、「国内にいるすべての外国人の安全を守るために、中国は効果ある措置を取り続ける」と記者会見で述べた。
北京の日本大使館は19日、中国政府に対し、こうした事件が二度と起こらないよう対処を求める声明を発表した。
今回の事件が起きた18日は、日本による満州侵攻の発端になった悪名高い柳条湖事件の日だったことを指摘する声もある。1931年9月18日の同事件で日本は、満州侵略を正当化するため線路爆破を偽装。これが、中国との14年にわたる戦争の引き金となった。
日本と中国の関係は、長い間こじれた状態が続く。歴史的な不満から領土問題まで、両国は数十年にわたりさまざまな問題で衝突してきた。
日本の元駐オーストラリア大使の山上信吾氏は、今回の事件について、中国の学校における長年の「反日教育」の結果だとし、「ひとりの日本人児童の貴重な命を奪った」とXに書き込んだ。
今回の事件を受け、中国のいくつかの日本人学校は保護者に連絡を取り、厳重警戒を呼びかけている。
広州日本人学校は一部の活動を中止するとともに、公の場で大きな声で日本語を話さないよう呼びかけた。
日本の外務省は今月、中国での日本人学校のスクールバスの警備のため、3億5000万円を来年度予算案の概算要求で計上した。
(英語記事 Ten-year-old Japanese boy dies after stabbing in China)
関連トピックス 殺人 中国 日本 アジア 子供
(人民網日本語版)
外交部「中国政府はいかなる違法な暴力行為も断じて許さない」
人民網日本語版 2024年09月20日14:15
外交部(外務省)の林剣報道官は19日の定例記者会見で、「中国政府はいかなる違法な暴力行為も断じて許さない。中国はこれまでずっと実効性ある措置を講じて全ての在中外国人の安全を保証してきたし、今後も引き続き保証していく」と表明した。
【記者】在広州日本総領事館が19日に発表した情報によると、18日に深センで刺された男子児童が亡くなった。このことについてコメントは。
【林報道官】中国側はこのような不幸な事件が起きたことに胸を痛めており、遺憾の意を表する。男子児童の死去を悼み、御家族の方々にお悔やみ申し上げる。
男子児童は日本国籍で、父親は日本国民、母親は中国国民だった。男子児童は襲われた後、直ちに病院へ搬送され、広東省当局が医学の専門家を手配して全力で救命に当たった。中国側は御家族の方々の後事の処理に必要な助力を行う。
事件は現在も調査中であり、中国側の関係当局が法にのっとり処理する。現時点で把握している状況によると、これは個別の事案だ。中国は法治国家であり、中国政府はいかなる違法な暴力行為も断じて許さない。法にのっとり事件を調査し、犯罪者を処罰する。
中日双方は現在この事件について意思疎通を継続している。我々は日本を含む各国の人々が観光、留学、ビジネス、生活のために中国を訪れることを常に歓迎している。個別の事案が中日両国間の交流や協力に影響を与えることはないものと我々は信じる。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年9月20日
中国・王毅外相「政治化は避けるべき」 男児刺殺めぐり日本側に注文
— Sputnik 日本 (@sputnik_jp) September 24, 2024
🔎 中国・深センで日本人学校の男児が登校中に襲われ死亡した事件をめぐり、中国の王毅外相は日本の上川陽子外相との会談で、日本側の「冷静な対処」を求めた。中国外務省が明らかにした。… https://t.co/UwXHiD8LFe pic.twitter.com/UE24B6wzlS
(Le Japon demande à la Chine d'assurer la sécurité de la communauté japonaise après le meurtre d'un écolier: RFI)
https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20240920-le-japon-demande-a-la-chine-d-assurer-la-s%C3%A9curit%C3%A9-de-la-communaut%C3%A9-japonaise-apr%C3%A8s-le-meurtre-d-un-%C3%A9colier
男子児童殺害を受け、日本は中国に日本人コミュニティの安全確保を要請する
9月18日水曜日、中国南部で日本人男子児童が殺害された事件は、日本企業の間で非常に激しい懸念を引き起こした。一部の企業は日本人幹部とその家族に一時帰国するよう申し出た。日本は中国に対し、自国民の保護を確保し、全国の日本人学校周辺の警備を強化するよう求めている。中国における外国人に対する身体的攻撃は稀だが、日本の経済界はここ数ヵ月の間に駐在員に対する数件の攻撃を指摘している。
発表 2024 年 9 月 20 日 13:30・更新 2024 年 9 月 20 日 13:32
記者 RFI
報告 RFI東京特約記者、フレデリック・シャルル
中国での日本人児童殺害事件を受け、北京の日本大使館は緊急に日本商工会議所の責任者たちを集め、10万人の駐在員の安全を呼び掛けた。この日本人男子生徒は中国人の母親と一緒だったが、深圳市内の学校の近くで刺された。この6月には、既に別の都市の学校の前で日本人女性とその子供がナイフで刺され負傷する事件が起きていた。
東京では、複数の日系多国籍企業が深く心配する従業員たちに対し、家族と共に日本に一時帰国できるか考えるよう申し出たと、経済新聞が報じた。中国の日系企業のある幹部はロイターに対して「それは本当だ」と認め、「多くの企業が従業員に一時帰国の選択肢を提供するだろう。何が起こったのかを知る必要がある。そうでなければ中国に住み続けるのは無理だ。」
日本企業は従業員に中国で働くよう説得する[投稿者の和訳]ことがますます困難に成っていると感じている。アジア市場に焦点を当てたオンライン・プラットフォーム「スマートカルマ」では、アナリストたちが現地の日本企業が直面する困難について言及している。何人ものビジネスマンが不明瞭な理由で既に逮捕されている。製薬会社アステラスの責任者がスパイ容疑で起訴された。
日本の岸田文雄首相は中国に対し、44歳の男性が10歳の子供を刺殺した動機について説明するよう求めている。日本政府は、この悲劇を外国人排斥的な動機の所為にすることを差し控えている。
「個別の事案」
片や中国政府は、動機は未だ不明なこの犯罪に対して「悲しみ」を表明しつつも、何処でも起こり得た「個別の事件」と述べた。日本メディアは暗殺当日の9月18日について、この日は1931年に東京が満州に侵攻する口実となった日本による鉄道線路への攻撃であり、長い中日戦争への序曲にも成った「奉天事件」から93周年の記念日でもあったと指摘した。
この日は中華人民共和国では「屈辱の日」と呼ばれており、水曜日には全国の複数の都市で航空警報のサイレンが鳴らされたと、複数の国営メディアが報じた。中国外務省は、殺人事件と記念日との関連の可能性について何もコメントしなかった。同省報道官は、「個別の事案が中日間の交流や協力に影響を与えることは無いと考えている」と述べた。
中国と日本の関係は、競合相手としての地政学的な野心、東シナ海における領土紛争[投稿者の和訳]、そして歴史的な激しい恨みにより、定期的に緊張の時期を経験している。昨年、損傷した福島原発の敷地から太平洋に処理水が放出された後、中国のいくつかの都市で日本人学校や日本領事館に煉瓦や卵が投げ込まれた。複数の日本企業にも中国からの悪質な電話が殺到していた。
►これも読む:日本:「中国と力の均衡を保つ必要がある」
同じテーマについて続けて読む
日本 中国
(BBC NEWS JAPAN)
https://www.bbc.com/japanese/articles/c1m95ggj28yo
中国の日本人コミュニティーで不安広がる 日本人学校の男児刺殺
Getty Images
中国では、日本人学校や日本の政府機関の建物で警備が強化された
2024年9月21日
ニック・マーシュ記者(BBCニュース)、シャイマア・ハリル日本特派員(東京)
中国広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男児が刃物で刺され死亡した事件を受け、日本人駐在員の間に懸念が広がっている。日本の大手企業は、従業員に用心を呼びかけている。
東芝やトヨタ自動車は、暴力の可能性に警戒するよう関係者に呼びかけた。パナソニックは、帰国時の飛行機代を負担すると発表している。
日本当局は、男児殺害に対する非難を繰り返し、中国政府に自国民の安全を確保するよう求めている。
10歳の男児が刺された18日の事件を含め、中国ではここ数カ月の間に外国人を狙った襲撃事件が3件起きている。
BBCの取材に対する回答でパナソニックは、今回の事件を受け、中国に滞在する「従業員の安全と健康を最優先する」と述べた。
パナソニックは、駐在員とその家族に会社負担での日本への一時帰国を認めるとともに、カウンセリングサービスを提供するとしている。
中国に従業員が約100人いる東芝は、従業員に対して「安全に注意するように」と呼びかけている。
世界最大の自動車メーカー、トヨタはBBCに対し、「日本人駐在員を支援」し、彼らが必要とする情報を提供していると述べた。
日本の金杉憲治駐中国大使は中国政府に対し、日本人の安全を確保するために「最大限の努力をする」よう求めた。
岸田文雄首相は19日の時点で、襲撃を「極めて卑劣な犯行」と呼び、「中国側に対し、事実関係の説明を強く求めていきます」と述べている。
中国のいくつかの日本人学校では保護者に連絡を取り、事件を受けて厳戒態勢を敷いた。
広州日本人学校は一部の活動を中止し、公共の場で大きな声で日本語を話すことを控えるよう警告した。
中国に住む日本人駐在員コミュニティーからは、子供たちの安全を心配する声が上がっている。
深圳に10年近く住む53歳の男性ビジネスマンは、娘をいつもより早く国外の大学に帰すつもりだとBBCに語った。
「深圳は外国人に対して比較的オープンなので、安全な場所だと思っていた。けれども今は誰もが、安全に対して前より慎重になっている」と、この男性は語った。
「大勢の日本人がとても心配していて、たくさんの親類や友人が私の安否を確認するために連絡を取ってきた」
Getty Images
中国の日本人コミュニティーは事件を受けて追悼している
深圳当局はこの事件を「深く悲しんでいる」と述べ、19日の朝までに、事件のあった学校周辺に監視カメラを設置し始めたという。
地元メディア「深圳区報」は、当局者が「我々は、外国人を含む深圳のすべての人命、財産、安全、法的権利を保護するために効果的な措置を取り続ける」と述べたと報じた。
中国国営紙も社説で「この暴力的な行動は、一般の中国人の性質を表していない」と、容疑者を非難した。
深圳では20日、地元の市民が日本人学校の校門に花を供え始めた。
市民の一人は、「本当に悲しい。このようなことはあってはならない」と、シンガポールのニュースサイト「ストレーツ・タイムズ」に語った。
元教師だという別の市民は、「この子はどちらの国の子だろうと、家族の希望であり、国の希望だ」と話した。
「個別の事件」
事件による影響が広がるなか、さまざまな報道や公式ソースから、事件詳細が明らかになってきた。
事件は現地時間18日午前8時、男児が通う深圳日本人学校の外で起きた。
この男児は腹部を刺され、19日早朝に負傷がもとで死亡した。警察はこの男児について、「シェン」という名前のみ公表している。
一方、現場で逮捕された加害者は44歳男性の「鐘」容疑者と、名字のみ公表されている。
深圳の国営メディアによると、鐘容疑者は2015年に「公共インフラの破損」の疑いで、2019年には「公序良俗妨害」の疑いで、それぞれ逮捕された前科がある。
目撃者によると、容疑者は今回の犯行の際、顔を隠そうとしなかったという。
NHKの取材に応じた目撃者は、「逃げようともせずその場に立ち尽くして、学校を警備していた地元の警察に取り押さえられていた」と述べた。
中国当局は正確な動機を明らかにしていないが、今年に入り過去に2件発生した事件と同様、この刺殺事件を「個別の事件」と繰り返し呼んでいる。
中国では6月にも東部・蘇州市で、日本人の母子を刃物で狙った襲撃事件が起きた。この事件も日本人学校の近くで発生し、母子を守ろうとした中国人女性が死亡した。
これを受けて日本政府は、中国でスクールバスの警備員を雇うために約250万ドル(約3億6000万円)を要求した。
同じ6月には、北東部・吉林省の公園でアメリカ人の大学講師4人が刃物で刺され負傷する事件があった。
中国中央電視台
胡友平さんは6月、日本人女性とその息子を襲った男を制止しようとして亡くなった
険悪な関係
こうした中で中国当局は、これが大きな外交危機に発展しないようにしつつ、中国にいる日本人社会の安全をどのように保証するかに注目している。
日中両国は長い間、険悪な関係にあった。何十年もの間、両国は歴史的な不満から領土問題に至るまで、多くの問題で衝突してきた。
9月18日は日本が1931年9月、満州侵略を正当化するために線路爆破を偽装した「柳条湖事件」の起きた日でもあると指摘する声もある。同事件は、14年にわたる日中戦争の引き金となった。
一人の元日本外交官は、深圳での襲撃事件は、中国の学校における「長年の反日教育の結果」だと述べた。
BBCの取材に応じた複数の日本人外交官は、日中の外交関係は緊張することがしばしばあるものの、中国との経済協力は常にそれと平行して、安定的に進んできたと話した。
しかし、今回の襲撃が国際的なハイテク産業の中心地、深圳で起きたという事実は、日中双方を神経質にさせるかもしれない。
追加取材:中山千佳(東京)、ケリー・アン(シンガポール)
(英語記事 Schoolboy's killing in China sparks Japanese fears)
関連トピックス 殺人 日中関係 外交 中国 日本 アジア 子供
(Japanese boy's death sparks worry, debate: VOA NEWS)
https://www.voanews.com/a/japanese-boy-s-death-sparks-worry-debate-/7793024.html
中国ニュース
日本人少年の死が懸念と議論を呼ぶ
2024年9月21日 7:20 PM
記者 Bo Gu
2024年9月19日、中国広東省深圳の日本人学校の外に人々が集まり、登校途中に刺されて死亡した10歳の少年を偲んで花を捧げる。
ワシントン —
中国南部で日本人少年が殺害された事件は、中国に住む日本人駐在員の間で懸念を呼んでいる一方、中国人からのオンラインコメントには、衝撃から冷笑まで様々な反応が見られる。
中国外務省によると、このシェンという苗字の10歳の少年は9月18日朝、南部・深圳市の日本人学校の近くで登校途中に44歳の男に刺された。
外務省によると、この少年は父親が日本人、母親が中国人で自身は日本国籍だった。少年は病院に運ばれ、その後、傷が元で死亡した。
少年は深圳日本人学校に通っていた。この学校はインターナショナルスクールであり、この地域に住む日本人駐在員の子供たちのために建てられた。この地域は産業の中心地の1つであり、多くの日本企業、特に自動車会社が数十年前にここに工場を構えた。日本国籍を持つ者だけがこの学校に通う資格を持つ。
深圳の地元紙によると、「鐘」(Zhong)という苗字の容疑者は単独で犯行に及び現場で警察に逮捕された。
この同じ報道によると、鍾氏は少年を刺したことを認めている。報道によると鍾氏には前科があり、2015年に「公共通信施設を損壊した」容疑で地元警察に保釈され、2019年に「事実を捏造し公序を乱した」容疑で拘留された。
岸田文雄・日本首相はXのツイートでこれを「極めて卑劣な犯罪」と呼んで哀悼の意を表し、中国に「状況についての事実関係を説明すること」を強く求めた。
この刺殺事件は、ここ数ヵ月で中国で起きた外国人への3件目の注目度の高い襲撃事件だ。
6月には東部・蘇州市で、スクールバスの前で中国人男性が日本人女性とその子供を刺しし負傷させた。男は間に入ろうとした中国人バス係員も刺し、係員は後に傷が元で死亡した。
同じく6月に、東北部・吉林市で教える米国人大学講師4人が公園を訪れていたところで刺された。米国人講師たちは軽傷を負い、その後米国に帰った。
中国外務省は、これらの攻撃は「個別の事件」であり、自分たちは中国に滞在する外国人の安全を守ると述べた。
しかし、中国政府は犯罪捜査について秘密主義であることで悪名が高い。6月の2件の攻撃については、容疑者の姓と雇用状況以外、殆ど情報が公開されていない。
中国駐箚米国大使のニコラス・バーンズ氏は、北京が詳細を限られた情報しか公開していないことを批判し、更に詳細な情報を積極的に探していると述べた。
日本企業、特に中国に拠点を置く自動車会社は、従業員に警戒を怠らないよう警告している。
東芝とトヨタは従業員に対し、起こり得る暴力を予測した行動を取るよう指示した。パナソニックは従業員に無料の帰国便を提供している。三菱と日産は、中国にいる日本人従業員の不安を和らげ彼らにカウンセリングサービスを提供するために、連絡を取っている。
外国人嫌悪プロパガンダの結果
一方、中国人は最近の刺殺事件についてオンライン・コメントで対照的な反応を示している。
一部の人々はショック・悲しみ・怒りを表明した。何人かの深圳の地元住民が日本人学校の外に花束と亡くなった子供に向けた謝罪のメモを置いた。
「サラ・ジョン」というユーザーはXに「少年の母親の泣き声を聞いて胸が張り裂けないか?これはテロ攻撃だ。ハマスだ」とコメントした。「ジャミー・フェランド」という別のXユーザーは「可哀想な子。彼が今安らかに過ごしていることを、そして、悪魔が地獄に落ちてくれることを願う」とコメントした。
中国のXに似ているが検閲されているソーシャルプラットフォーム・微博(Weibo)では、多くの人が皮肉と無関心を表明し、80年前の日本による中国侵略中に行われた残虐行為に照らしてこの攻撃を捉えている。
「日本軍のブーメランがついに自国民の手に返ってきた」と、微博のユーザー "yaxuefensitangtaijia" は書いた。「もし日本軍が中国を侵略して中国人を虐殺していなければ、今日ほど極端な反日感情は無かったかも知れない」
別の人物も同意した。「日本軍が中国を侵略した時、何人の子供が中国で亡くなったのか?」
多くの中国人が「国辱の日」と見なす9月18日に犯罪を犯すことを、鍾氏が故意に選んだかどうかは明らかではない。日本軍は1931年9月18日に正式に中国侵略を開始し、14年間の戦争と推定1000万人の軍人と民間人の犠牲者を齎した。
一部の中国人は、中国政府による長年に及ぶ反日プロパガンダが日本人への暴力に繋がったと主張している。「still typhoon」というユーザーは、微博上でこのプロパガンダを毒に例え、「毒が裏目に出た。今や外国人嫌悪と極端なナショナリズムがネット上で蔓延している」と述べた。
金曜日、中国外務省は福島原発の放射性の水の放出について「中国と日本は合意に達した」と発表し、2年以上も続いた外交紛争に終止符を打った。
北京は、2023年8月に東京が放射性処理水の放出を開始した際、「国境を越えた影響を伴う重大な原子力安全問題」を引き起こしたとして東京を非難していた。
また、北京は日本産水産物の全面輸入禁止も発表した。反日感情は、中国の公式報道機関が執拗に日本を非難した8月に最高潮に達した。
(投稿者より)
日本人が中国で襲撃を受けたのは今年これで3度目です。1度目は4月に発生しました。蘇州で駐在員が中国人に首を切りつけられ負傷したことが6月になって公表されています。2度目は6月です。やはり蘇州で日本人の母子が負傷しながらも中国の方が自ら盾と成られました。そして今回が3度目です。6月に蘇州で、そして今回深圳で、それぞれ命を落とされた方々の御冥福をお祈りいたします。
中国を知る日本人たちは、今回の事件は起こるべくして起こったと考えているようです。要因は2つ有ります。1つは30年に及ぶ反日教育の結果です。自由主義経済の導入による格差の広がりと共に、共産党政権は経済発展に取り残された人々の不満のはけ口として国民が日本への憎悪や敵愾心を抱くよう、学校での教育を進めると共にメディアなどを通じた宣伝活動を行ってきました。
6月の蘇州の事件も今回の深圳の事件も日本人学校が舞台となりましたが、各地の日本人学校は日本人しか入れない排外的な場所であり、また、日本はそこを拠点に諜報活動を行っている(事実は兎も角)からそこを攻撃するのは正しいと考える中国人は少なく無いようです。
もう1つは中国の厳しい経済状況が経済的弱者を追い詰めた、ということです。不動産バブルなどの崩壊により企業経営や家計が立ち行かなくなった多くの国民の遣り場の無い憤りがここに象徴的に現れたということが言えます。今回の犯人は事業に失敗して定職も無かったようです。社会の危機が弱者に更に厳しく襲い掛かるのは何処の国も同じようです。
それでも、中国政府が今回の事案に対して、「何処の国にもあること」と応じたのは別の意味です。「これは個別の事案だから、両国の関係に影響を与えるような真似をするな」という主旨の発言も行っています。日本はメディアも企業も中国の影響力が深く浸透していますので批判の声こそ上がりませんでしたが、このコメントに何らかの感情を通り越して諦めの心境を抱いたのは私だけでは無いでしょう。
「何を言っている?被害者はこちらだ」と中国側は言いそうです。確かに、日本が1931年9月18日の柳条湖事件を契機とした「15年戦争」の責任と罪から逃げることは出来ません。しかし、1992年の天皇・皇后両陛下の訪中以降、日本が贖罪の意識から中国の復興と発展を一貫して支え続けて来たことも事実です。中日両国は「一衣帯水の関係」だから「歴史を鑑に」永遠に謝罪を続け何処までも譲歩し貢ぎ続けるのが当然だ、と言わんばかりの中国と今後も関係を続けることについて、一部の保守層からはその是非を問う声が既に上がっています。
米国も国論はデカップリングで、次の選挙でどちらが勝っても米国は中国を見放すでしょう。米国の記事から窺える中国世論は激しいものを恣意的に選んで掲載したとさえ思えますが、実際にネットの声を拾ってみると、常識ある中国人からはやはり悲しみと憂いの声が聞かれます。そこには人として持ち合わせている当然の感情もありますが、今回の事件から国の将来を予見した悲観もあるようです。
今では日本企業(そして、他の外国企業)が中国に係わるのは多くは利益のためですが、経済危機により利益の確保が難しくなり、更に今回の事件のために駐在員の安全が確保できないとなると、彼らは続々と撤退していくでしょう。特に、中国の若い方々は海外からは投資を引き入れ国内では欲望を煽り需要を喚起して経済を回す米国型の経済モデルしか知らない筈ですので、海外からの投資と企業と人が去る事態は相当な不安かも知れません。
その中国経済もいずれは成長のペースこそ遅いが現物の裏付けがある安定したロシア型の経済モデルに切り替わるのでしょうが、拝金主義の唯物論者の集まりである中国で、経済危機を原因とする社会不安の中で人々に安心を与え、社会に安定を齎す仕事は簡単では無いでしょう。監視カメラをどれだけ街中に設置しても犯罪者の姿を記録する以上のことは出来ないのです。
最後に、家族の生活を作るために日本で日々厳しい労働に従事なさっている中国人の方々や、中国の厳しい政治から逃れて日本で静かに生活することを選ばれた方々が、今回の件により危害を受けることの無いよう願っております。