「不法移民と国境警備の問題:テキサスに連帯する共和党諸州、混乱するワシントン」(Sputnik International・VOA)

「不法移民と国境警備の問題:テキサスに連帯する共和党諸州、混乱するワシントン」(Sputnik International・VOA









(Border Standoff Escalates Into Constitutional Crisis After Biden Messes With Texas: Sputnik International)

https://sputnikglobe.com/20240126/border-standoff-escalates-into-constitutional-crisis-after-biden-messes-with-texas-1116406788.html





バイデン氏がテキサスに干渉したために国境をめぐる対立が憲法の危機に激化する





2024年1月26日 13:34 GMT







© Photo : X / @TexasTribune / Joe Timmerman





イリヤ・ツカノフ





テキサス州のグレッグ・アボット知事が、州当局が国境に設置したカミソリワイヤーの障壁を撤去することを連邦職員に許可する最高裁判所の判決について、同州の自衛権は「これに反するいかなる連邦法」にも取って代わると述べたことを受け、25州の共和党知事がテキサス州知事の支持に結集した。この対立が重要な理由は次の通りだ。





ホワイトハウスが移民政策についてのワシントンと各州の「契約を破った」とグレッグ・アボット知事が主張する中、民主党ジョー・バイデン大統領にテキサス州兵を掌握するよう求めている。





「グレッグ・アボット知事はテキサス州兵を使い、国境を塞ぎ混乱を引き起こしている。アボット氏が昨日の最高裁判所の判決に従わないならば、大統領は連邦だけがテキサス州兵を管理する体制を直ちに確立する必要がある」と、ホアキンカストロ下院議員(テキサス州民主党)は今週、ソーシャルメディアに激情的な投稿文を書いた




月曜日、最高裁判所は5対4の僅差の判決で、テキサス州当局がアボット氏の指示で設置したカミソリワイヤーの柵を連邦国境警備隊に撤去する権限を与えた。州兵部隊はこれに先立ち、メキシコからの不法移民の主要拠点となっているリオグランデ川沿いの自治体・テキサス州イーグルパスのシェルビー公園に配備され、国境警備隊の公園への立入を阻止した。州兵は声明で、同部隊は今後も「州の主権を守り」、「テキサス州への不法侵入を抑止し阻止するためにシェルビー・パークで前線を維持する」と述べた



物議を醸しているこの裁判所の判決は、米国における憲法上の重大な危機に対する懸念を引き起こしており、アボット氏は「テキサス州憲法上の自衛権に関する声明」を発表し、不法移民の「侵略」から国を守る州の権利を強調した。そして、バイデン大統領が移民法に違反しその執行を拒否したと非難した。





侵略から身を守る権限は「この州の最高法規であり、これに反するいかなる連邦法にも取って代わる」と、アボット氏は書いた。知事によると、「テキサスの州兵・州公安局・その他の州職員は、その権限と州法に基づいてテキサス国境を警備する。」












24を上回る州から集まったアボット氏の仲間の共和党知事は、テキサス州の「憲法上の自衛権」を支持するために結集し、中には国境警備の支援要請があれば州兵部隊を同州に派遣すると約束した知事もいた。前大統領で共和党最有力候補のドナルド・トランプ氏は「全ての意欲ある州」に対し、「不法入国者の入国を阻止し国境の外に追い出すために」州兵部隊をテキサス州に派遣するよう呼び掛けた。





木曜日、トランプ氏は声明を発表し、「この国家安全保障上・公共安全上・公衆衛生上の大惨事に直面して、テキサス州憲法の侵略条項を正当に発動した。そのため、侵略を撃退するための全面的な支援が与えられる必要がある」と述べ、「全ての米国人」はローン・スター・ステートが取る「良識ある措置を支持」すべきだと付け加えた。








米州

米下院議長:「国境情勢はバイデン氏が引き起こした『紛れもない災害』の一部」

1月3日 21:43 GMT






他の共和党議員もバイデン大統領とワシントンが火遊びをしていると非難した。クレイ・ヒギンズ下院議員(ルイジアナ州共和党)は月曜日の裁判所の判決に反応して、「連邦政府は内戦を演出しており、テキサス州は自身の立場を守るべきだ」と述べた。



チップ・ロイ下院議員(テキサス州共和党)は火曜日、ソーシャルメディア上に「この意見は不当であり、テキサス州はその意見やバイデン政権の政策により更に悪い立場に置かれる[国境警備隊]隊員たちのためにこの意見を無視すべきだ」と書いた



国境の危機について一連の独立調査を行ってきたロバート・F・ケネディ・ジュニア大統領候補(民主党から無所属に変更)も、連邦政府との闘いにおけるテキサス当局を称賛した。「テキサスは正しい。バイデン氏が国境警備に失敗したことで、各州は問題を自らの手で解決する以外に選択肢が無くなった」と、同候補者はソーシャルメディアへの投稿で書いた。



ホワイトハウステキサス州当局に金曜日まで撤回の期間を与えているが、ケン・パクストン州司法長官は、州政府にこれに応じる考えは無いと述べた。





何が国境をめぐる対立を引き起こしたか?



バイデン大統領が、彼の前任者が制定した移民に関連する10件余りの強硬な大統領令を廃止する決定を2021年1月に行って以来、メキシコとの抜け道だらけの国境を通った米国への不法移民者数は過去3年間連続して過去最大の数字を記録している。2023年度に全国で国境警備隊が遭遇した不法な外国人は約320万人で、2022年の270万人、2021年の160万人から増加した。バイデン氏が就任する前の2020年には400,650人だった。



メキシコとの1,954マイル(3,145km)の国境の約半分を占めるテキサス州は、人身・麻薬・武器の密輸の最前線となっており流入に伴う経済的・社会的問題の矢面に立たされており、アボット知事は2021年にローン・スター作戦として知られる国境を警備する州兵の任務を発表した。年間20億ドル規模の資金が投入されるこの作戦は、テキサス州を経由して米国に流入する不法移民の流入を遅らせ、国境の安全を守るための一連の措置を取ることを目的としている。



アボット氏は先月、不法移民を州レベルの犯罪とする法案に署名し、州法執行機関が外国人を逮捕し、裁判所が彼ら米国から追放してメキシコに送還する命令を出せるようにした。







米州

不法入国した移民の逮捕を警察に許可する法律をめぐり、司法省がテキサス州を提訴する

1月4日 01:57 GMT






テキサスの経済力と軍事力はどれだけ重要か?



テキサス州連邦政府との間の対立の急速な激化は、米国の社会と政治体制が直面する深い分断の中で危険な前例を作った。その上、テキサス州は規模・経済力・軍事力の上で連邦で最も大きな州の1つであり、約3,000万人近くの人口と名目で世界第8位の経済大国に相当する約2兆4,000億ドルの年間GDPを有する。



テキサス州兵は、米国の海外戦争で百戦錬磨の退役軍人を含む最大2万3000人の兵士を擁し、州の各地で117か所の武器庫を運営し、小火器からMRAP装甲車・高機動多用途装輪車・装甲兵員輸送車・戦車に至るまで有らゆるものを保管している。テキサス州空軍州兵は4,400人の人員で構成され、C-130ハーキュリーズ輸送機、ブラックホーク・ヘリコプター、MQ-9リーパー無人機、F-16 戦闘機などの航空機を運用している。





州兵に対する最終的な権限を持っているのは誰か?



州兵部隊は各州と連邦政府の2重管理下にあり、アボット知事は自然災害やその他の緊急事態に対応するため、あるいは安全保障上の危機の際に部隊を展開する権限を持っている。



議会は大統領に対し、州政府に対する反乱を鎮圧したり、連邦法を妨害する脅威に対抗したり、公民権を保護する措置を講じるために州兵を指揮・使用する権限を与えることが出来る。また、連邦軍に同様の任務を遂行させる権限を与えることも出来る。







米州

バイデン氏の国境のジレンマ:メキシコが米国の移民戦略に命綱を投げる

2023年12月30日 17:58 GMT






テキサス州に独立支持の気風はあるか?



1836 年にメキシコから分離してテキサス共和国を形成し、その後1846 年に米国に加盟したこのローン・スター・ステートの住民は、強力な独立精神を持つ。独立支持に関する世論調査は明らかな理由から定期的には行われていないが、2012年のラスムッセン世論調査によると、テキサス人の31%が同州には脱退の権利があると答え、18%が脱退するなら支持すると答えた。2020年のテキサス大学とテキサス・トリビューンが別個に実施した世論調査によると、共和党員の間ではこの数字は39%に上昇し、民主党員の16%がこの考えを支持している。



連邦政府は他の問題に気を取られているようなので、テキサス州では国境を守るために基本的に独自の措置を講じている」と、テキサスを拠点とする国際地政学コンサルタントで作家のデビッド・ウアラールー博士は、州政府と連邦政府の間で激化する危機について、今週初めに次のようにスプートニクに語った





「テキサスに住んでいる私は、南部国境の混乱を毎日目の当たりにしている。私たちの国の国境が危険なまでに開かれたままなのに、私たちの政府は外国の領土に執着しているのを見て、私は当惑している」と同氏は付け加え、「バイデン政権がウクライナの領土の一体性を強調していることは、私たちの国の国境が無視されている状態と全く対照的だ」と強調した。








米州

国境危機とウクライナ資金援助の最中に、バイデン氏の対外重視が国内の不満に火を付ける

1月21日 18:45 GMT






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(House Speaker Suggests Border Bill May Be 'Dead on Arrival': VOA)

https://www.voanews.com/a/senators-reach-deal-on-border-policy-bill-that-faces-uphill-road-to-passage-/7468975.html





下院議長が国境法案について、「到着次第無効」になる可能性を仄めかす





2024年1月27日 1:06 AM





AP通信








ファイル―共和党議員たちがテキサスとメキシコの国境を視察している。カミソリワイヤーが見られる。2024年1月3日、テキサス州イーグルパスで。





ワシントン —



ジョー・バイデン米大統領は金曜日、国境の警備措置とウクライナ支援とを組み合わせる超党派の上院合意を受け入れるよう議会に圧力をかけたが、マイク・ジョンソン下院議長は、国境・移民政策についての妥協は下院議場で「即死」するかも知れないと仄めかした。



民主党大統領は金曜日遅くの声明で、提案されている政策は「私たちの国でこれまでに国境を警備するための最も厳しく、最も公正な改革」になると述べた。また、同氏は法律に署名でき次第、新たな緊急権限を行使して「国境封鎖」を行うと約束した。



バイデン氏の合意受け入れと共和党の抵抗は、選挙の年に移民政策を大きく変える可能性がある。しかし、これが議会を通過する見通しは小さく、世界中の米国の同盟国、特にウクライナに広範囲な影響を与える可能性がある。



上院共和党は当初、ウクライナイスラエル・移民に対する法執行・その他の国家安全保障上のニーズに対する資金のためのバイデン氏の1100億ドルの緊急資金要請に国境政策の変更が含まれるよう主張していた。しかし、上院の合意は今週、大統領候補となる可能性の高いドナルド・トランプ氏―同氏は、この合意は民主党への政治的な「贈り物」だとしてこれを骨抜きにした―を含む共和党からの激しい批判に晒され、崩壊の危機に瀕していた。



金曜日、ジョンソン議長(ルイジアナ州共和党)はこの妥協を廃案にする決意を固めた保守強硬主義者たちと共に彼に歩調を合わせる同僚たちに書簡を送った。議長は、もしそれに関するリーク報道が本当であれば、この法案は「下院に到着した時点で無効になる」だろうと述べた。







ファイル―ジョー・バイデン米大統領は米墨国境沿いのエルパソ通関事務所を訪問した際に、アメリカ橋の向こうの「メキシコへようこそ」と書かれた大きな表示に目を向けている。2023年1月8日、テキサス州エルパソにて。





この合意についての交渉の中核となる上院議員グループは来週初めに文書を発表したいと考えていたが、保守派は既にこの措置に移民を食い止める程の効果は無いと主張している。この提案は、難民申請を求める移民に対して更に厳しい基準を制定するとともに、1日当たりに遭遇する移民が当局にとって管理不能な数に達した場合、国境での難民申請を拒否するものだ。



上院の合意については、週末にはミッチ・マコーネル共和党上院院内総務が同僚たちに、トランプ氏の厳しい反対に直面しているためウクライナ支援には別の方法を追求せざるを得なくなる可能性があることを認めたが、議長のメッセージはこの法案が直面する逆風を更に強めた。その後、マコーネル氏は国境の措置とウクライナ支援を組み合わせることに今でも賛成だと明言した。



合意が決裂すれば、議会指導者たちはウクライナ向けの数百億ドルの承認に向けた明確な道筋を見失う可能性がある。バイデン氏はロシアに対するキエフの防衛を強化することを最優先課題としているが、同政権には弾薬やミサイルを送るための資金が無くなった。ウクライナ支持者らは、議会の行き詰まりが戦場でも感じられ、ウクライナ軍兵士が劣勢に陥っていると警告している。



共和党で国境問題の交渉を主導するジェームズ・ランクフォード上院議員オクラホマ州)は議員たちに対し、法案の文書を受け取るまでこれに対する最終判断を下さないようにと繰り返し要請しており、保守系メディアにおける法案の内容に関する一部の報道は法案を正確に叙述していないと述べた。



共和党下院議長は国境政策についての超党派の妥協には非常に懐疑的だった。同氏は金曜日に、下院が昨年可決した一連の包括的な移民対策が国境問題への答えであると改めて指摘した。しかし、この法案はその時の民主党の票を1票も獲得できず、現時点では実質的に上院での通過に必要な民主党の支持を集める可能性は無い。



選挙の年を迎えるに当たり、共和党はバイデン大統領の任期中に歴史的な数の移民が米国にやって来たという事実を国民に理解させようとしている。同政権は世界的な不安が移民を促進していると反論し、国境での法執行について人道的な政策を導入しようとしている。



バイデン氏は声明で「こうした交渉を通じて国境の安全を保つことは米国の勝利だ」と述べた。「国境管理の強化を求める全ての人にとって、これがそれを実現する方法だ。」











(DeSantis Says Florida Sending State, National Guard Troops to Assist Texas Border Defense: Sputnik International)

https://sputnikglobe.com/20240201/desantis-says-florida-sending-state-national-guard-troops-to-assist-texas-border-defense-1116539356.html





デサンティス氏が、フロリダはテキサスの国境防衛を支援するために州防衛隊と州兵の部隊を派遣すると述べる





2024年2月1日 17:03 GMT







© AP Photo / CHRIS O'MEARA





ワシントン(スプートニク)-フロリダ州のロン・デサンティス知事は木曜日、米墨国境で増加する不法移民の流れに対する州の取り組みを支援するため、フロリダ州防衛隊と同州兵の部隊をテキサス州に派遣すると発表した。





デサンティス氏は声明で、「各州には主権を守る有らゆる権利があり、ローン・スター・ステートによる国境を越えた侵略の阻止への取り組みについて、私たちは喜んでテキサスへの支援を強化する」と述べた。「私たちの増援は、テキサスが国境沿いにカミソリワイヤーを含む障壁を更に追加するのに役立つ。国境無くして国無しだ。」



声明によると、フロリダはテキサスに最大で約1000人の州兵大隊の派遣を申し出ている。部隊はテキサス州の要望に基づいて派遣される予定だ。



部隊は既に国境に配備された90人を超えるフロリダ州法執行官に加わる予定だと、声明は述べている。追加の法執行要員が待機中で、テキサス州の要請に応じて派遣する用意があると、声明は述べている。







米州アメリカ大陸

「極めて危険」:テキサス国境の闘いは米国の機能不全拡大や内戦の前兆か?

1月26日 23:08 GMT






フロリダ州防衛隊のマーク・ティーム長官は声明で、同隊は迅速な緊急対応・治安維持活動・人道支援を提供する用意があると述べた。



この動きは、連邦政府の国境警備の扱いをめぐるテキサス州当局とバイデン政権の間の論争の中で発生した。



先月、米連邦最高裁判所は連邦国境警備隊員に対し、テキサス州が設置したカミソリワイヤーによる障壁の撤去を認める暫定命令を出した。しかし、テキサス州のグレッグ・アボット知事は連邦政府が国境警備に失敗していると指摘して、米墨国境の内で同州が接する部分を州が守る権利を主張した。



デサンティス氏を含む24人を超える米国各地の州当局者が、この論争でアボット氏を支持している。





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(投稿者より)





「州防衛隊と州兵の部隊」"State, National Guard Troops" 両者はそれぞれ別個のもので、前者は常に各州の知事が指揮権を持ちます。後者は平時は各州知事の指揮権に入り、有事には連邦軍編入されます。そのため、大統領と知事が対立した際、大統領の指揮下に入る命令を受けた州兵が知事の側に付いて大統領に反抗した場合には、州兵に反逆罪が適用される可能性が発生しますが、今回はその意味を考える必要があります。



民主党が国境に穴を空ける政策を続けるのは、不法入国者に市民権を与えて同党の票田にして、民主党の支配を永続化するためだそうです。ただ、抑もその政策が合憲かどうか、適法かどうかが先ず問われます。



米国は自由な州の連合体です。米国の各州は自らの意思を持ち、連邦と対等な立場を持ちます。連邦からの離脱権すら有しており、2020年の不正選挙の際にはテキサス州では実際にこれが議論されました。



今回の件は憲法を擁護するテキサス州とDS勢力に乗っ取られた連邦政府の争いです。同じく憲法を擁護する過半数の州がテキサスに賛同し、その一部がテキサスに州兵を送っています。



一方、国境警備隊連邦政府部内のFEMA国土安全保障省)の管轄下にありますが、彼らは既に州兵との連帯を表明していると聞きました。また、連邦軍の主流は護憲派で現在でもトランプ氏を最高司令官として奉じており、一部の部隊がテキサス州と連帯するために現地に入っています。



という訳で、実は結果は見えています。この動きを契機にして、今後ワシントンやバイデン政権が『合州国』から浮き上がる有様が見られるかも知れません。