「仏、NATOの東京連絡事務所計画を阻止」(Sputnik日本・RFI English)

「仏、NATOの東京連絡事務所計画を阻止」(Sputnik日本・RFI English)









(Sputnik日本)

https://sputniknews.jp/20230712/nato-16511936.html





【解説】中国のほうが大事 日本のNATO事務所開設はなぜ延期?





2023年7月12日, 08:00







© Sputnik / Alexey Vitvitsky





タチヤナ フロニ






リトアニアビリニュスでの北大西洋条約機構NATO)首脳会議を前に西側の軍事陣営は東京での事務所開設計画を今秋まで、あるいはその後まで延期する構えであることが明らかになった。「スプートニク」は、NATOに影響力のある国の中でどこが日本のNATO事務所開設に「ブレーキをかけ」ており、その動機がなぜ、アジアにおける非公式的な同盟国として、明らかにNATOにじりじりと統合されつつある日本の現在の願望と一致しないのはなぜかを検証した。





NATOの東京事務所開設を押し出したのはストルテンベルグNATO事務総長であったことはよく知られている。だが、マクロン仏大統領は4月の時点ですでに、中国からの否定的な反応を恐れ、この構想に反対していた。



政治学修士ロシア科学アカデミー、世界経済国際関係大学、欧州政治研究部、地域問題紛争セクターを率いるパーヴェル・チモフェーエフ氏は、この数カ月、マクロン大統領が立場を変えていないことは、仏当局が日本の反応よりも中国との関係をはるかに重視していることを物語っているとして、次のように語っている。





「仏は、中国が西ヨーロッパを米国のジュニアパートナーとしてしか見ていないことを重々認識しており、中国との関係を悪化させたくない。一方で仏は中国には、EUがこの地域の独立したプレーヤーであり、常に米国の政策に追従しているわけではないところを示したいと思っている。こうした一方で、仏は台湾問題や北朝鮮問題ではホワイトハウスの立場と連帯しており、中国を人権侵害では批判している。



それでも中国は経済パートナーとしてはあまりに魅力が高すぎる。そのため、仏はすでに数年前から、米国からは離れ、インド太平洋地域で積極的なアピアランスを示すことができる欧州諸国のグループを作ろうとしている。目的は『第三の道』として、またアジア太平洋地域における権力の中心として自らを提供することだが、実際は仏はこれをうまく実現できていない。とはいえ、マクロン大統領は仏がこれを望み、試みることを止めれば、中仏間に良好な対話は絶対に生まれないことを認識している。だからこそ、仏は米国とは異なり、より抑制した対中路線を維持しようとしている」






【視点】NATO東京事務所 マクロン大統領、同盟の過ちを警告

6月8日, 19:04






チモフェーエフ氏は、仏にとって中国は経済的に重要である以上、東京にNATO事務所を開設するために対中関係を悪化させるつもりはないと見ている。



これに先立ち、マクロン大統領は仏の実業界のリーダーらを大勢を伴って中国を訪問し、習近平国家主席と会談している。異例なほどの手厚い歓迎を受け、仏のエアバス・ヨーロッパへの大型受注など、ビジネス取引が前進した。



NATOの東京事務所開設に「ブレーキがかかった」ことへの日本の反応については、仏は政治的な問題で日本と重なる部分が多い。



ただし、チモフェーエフ氏は、仏の経済プロジェクトが今、より優先的に重視しているのは対中関係であって、日本との関係ではないとして、次のように語っている。





「米の敵対国としての中国の地位は高まっており、このことは仏中関係にとってますます重要になっている。日本との関係にはそのような要素はないため、仏は日本の反応をさほど心配していない。もちろん、日本は『気分を害』してもおかしくはないが、仏の(NATO東京事務所開設への)反対には波風を立てない可能性の方が高い。なぜなら、中国の経済のあまりに大きな重要性と、今、EUにとっては日本よりも中国の方がはるかに重要だという事実は日本人自身がよく知っているからだ」








日本とNATO、AIを搭載した兵器のルール構築へ=メディア

7月6日, 23:49




仏大統領府に近い情報筋は、NATOにとってはインド太平洋地域に事務所を開設するのは現実的ではないため、おそらくNATO東京事務所を開設するか否かの最終決定は年内いっぱい引き延ばされると語っている。



開設の決定にはNATO理事会の全メンバーの賛同が必要だ。このため、仏は実際的にこれを阻止する可能性がある。





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(France blocks NATO plan for a liaison office in Tokyo: RFI English)

https://www.rfi.fr/en/international/20230713-france-blocks-nato-plan-for-a-liaison-office-in-tokyo





仏、NATOの東京連絡事務所計画を阻止





エマニュエル・マクロン仏大統領は水曜日、北大西洋条約機構NATO)が日本に連絡事務所を開くことについて、これを推し進めることに反対した。この同盟のトップは、地域で増大する中国の影響力に対抗するために関係を強化したいと述べていた。





発表 2023年7月13日 15:11・更新 2023年7月13日 15:09







2023年7月12日水曜日、エマニュエル・マクロン仏大統領がリトアニアビリニュスで開催されたNATO首脳会議での記者会見で演説する。 © AP Photo/Pavel Golovkin





RFI






フランスは、NATOはユーロ大西洋地域を守る責任に集中すべきだと主張し、この動きを阻止した。



ビリニュスでのNATO首脳会議後の記者会見で、マクロン大統領は「人々が何と言おうと、地理的条件は動かし難い」と述べた。



米国が主導するこの西側軍事同盟は、中国の力の増大にますます警戒の目を向けながら、アジア太平洋の民主主義諸国との協力を強化しようとしている。



そのため、2年連続で豪州・日本・ニュージーランド・韓国の首脳がNATO首脳会議に出席した。



NATOは日本との協力強化を促すために、東京に連絡事務所を開くことを計画していた。



マクロン大統領は「インド太平洋は北大西洋ではない。だから、NATOが何らかの形で他の地域で正当性や地理的に確立された存在感を築こうとしているという印象を与えてはならない」と主張した。







NATOは親密なパートナー国である豪州・日本・ニュージーランド・韓国と良好な会合を持てた。安全保障は地域規模のものでなく、世界規模のものだから、私たちは今後も協力を深めていく決意だ。]





マクロン氏がNATOの事務所計画を却下したことに同盟国の外交官たちは激怒している。



NATOイェンス・ストルテンベルグ事務総長は日本の首相との会談後、連絡事務所の開設が「検討中」であることに変わりないと主張した。



同氏は、この同盟はサイバーや海上の安全保障などの分野で東京との協力を深めることを目指していると述べた。



ストルテンベルグ氏は、NATOとアジア太平洋パートナー諸国との会合は、「安全保障は地域のものではなく、地球規模のものであり、そのため、私たちは実際に団結しなければならない」というメッセージを送ったと述べた。



「中国の新たな軍事力への多額の投資がそれを示している」と、同氏は述べた。



「私たちは、中国が2035年までに北米と欧州全体、つまり、NATOの領域に到達できるミサイルに1,500発の核弾頭を搭載すると予想している。」



同盟のトップは、「これはNATOが世界的な軍事同盟に成るということではなく、この地域が世界的な課題に直面しており、中国の台頭もその一部だと認識しているということだ」と述べた。



米国は長年、北大西洋条約機構NATO)の欧州側の同盟国に、米国が主要な世界的ライバルと見なす中国に対して更に強硬な姿勢を取るよう圧力を掛けてきた。



NATOの指導者たちは火曜日の声明で、ロシアと中国の「戦略的パートナーシップの深化」に懸念を表明した。



更に、彼らは北京に対し、モスクワがウクライナでの戦争を止めるよう影響力を行使することを求めた。





(参考 ニュースワイヤー)





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(投稿者より)



フランスは数ヵ月前からアフリカ系移民を主体とした市民の暴動に悩まされています。これについては、収奪的な植民地支配のツケが回ったという見方がありますが、欧米側から「足抜け」して露中側への「鞍替え」を目論んでいると疑われていることに対する牽制との見方もあります。



「足抜け」「鞍替え」については、4月に大統領が財界の大使節団を率いて訪中しました。また、8月に南アフリカで開催されるBRICS首脳会議に参加したいとの意向を表明しています。



事務所開設の動きは中国に対する欧米側の牽制ですが、フランスの反対は上述の流れの1つと説明されています。NATOの意思決定は全会一致が原則ですから、フランスの反対により計画は立ち消えということになります。



いずれにせよ、ウクライナで戦争を進める戦争屋の勢力がこの地域に近づかなければ地域から戦争が遠のきますので、それはそれで良いことです。