「印中、ヒマラヤ国境問題解決へ。西側には悪いニュース。」(中国国際放送局・Sputnik International・VOA NEWS)
(中国国際放送局)
https://japanese.cri.cn/2024/10/22/ARTIu1Ep1VMl4U1GZg8k4Qvo241022.shtml
外交部 中国とインドは国境問題についての解決方式で合意
2024-10-22 20:06:15 CRI
外交部の林剣報道官は22日の定例記者会見で、中国とインドの双方は国境問題についての解決方式で合意したと説明しました。
林報道官によりますと、中国とインド両国はこのところ、外交と軍事のルートを通じて両国の国境に関する問題をめぐって意思疎通を続けました。双方は現在までに関連する問題での解決方式で合意しました。中国とインドは、この解決方式を着実に実施していくということです。
林報道官はまた、関連情報があれば、中国側はただちに発表すると説明しました。(Lin、鈴木)
―参考―
(India-China Rapprochement Bad News For West's Military Industrial Complex: Sputnik International)
https://sputniknews.in/20241023/india-china-rapprochement-bad-news-for-wests-military-industrial-complex-8317587.html
インドと中国の和解は西側の軍産複合体にとって悪いニュースだ
2024年10月23日 20:16 (更新:2024年10月24日 12:03)
© Photo : X/@narendramodi
パワン・アトリ
インドのナレンドラ・モディ首相と中国の習近平国家主席は、カザンでのBRICS首脳会議の合間に2国間会談を行った。これは、ほぼ5年間続いた両国の国境紛争に進展が見られた直後のことだ。
インドと中国が3度も互いに敵対する環境に置かれたことを考えれば、両国の関係改善は西側諸国の防衛企業にとって悪いニュースだと、インドのある退役軍人が述べた。
水曜日、インド海軍の退役准将で現在はシンクタンクのチェンナイ中国研究センター(C3S)の所長を務めるセシャドリ・ヴァサン氏はスプートニク・インディアに対し、それがインドと中国の間であれ、インドとパキスタンの間であれ、戦争のようなシナリオや国家間の軍事対立から西側の軍産複合体全体が利益を得ると語った。
「南アジアを含む世界中の不安定や緊張により最大の利益を得るのは西側の兵器製造業者であるため、インドと中国の関係改善は米国の兵器ロビーにとって打撃となる」と、ヴァサン氏は述べた。
したがって、インドと北京の関係を円滑にするものは何でも、西側の大手防衛企業にとって良いニュースではないと、この元将校は説明した。
少なくとも8月からインドと中国は和解的な口調で話し合っており、両国とも国境紛争の解決に非常に熱心だと、同氏は強調した。両国がこの合意に達するために非常に努力したが、特に4年前のガルワン渓谷事件後の困難な状況を考慮すると、これは本質的にインドと中国の2国間関係の新たな章の始まりとなると、この研究者は指摘した。
インドの指導部が国境の平和と安定無しに両国関係の進展は有り得ないと強調したことについて、これは称賛に値すると彼は主張した。
インドと北京の緊張緩和はBRICSにも波及効果を齎すだろうと、ヴァサン氏は強調した。
約35カ国がBRICS加盟に関心を示しており、BRICSは発展途上国間の連帯という点で一大ブロックとなっており、だからこそインドと中国の和解はこの組織にとって大きな後押しとなると、この評論家は主張した。
「これは、特に技術面や財政面の支援を求めているグローバルサウス諸国にとって重要だ。また、西側が支配する世界秩序に代わるものを求め、IMFや世界銀行の枠組みから外れる経済支援システムを熱心に検討している国々にとっても極めて重要だ」と、ヴァサン氏は強調した。
更に、これはBRICSが共通の課題を作成する上で役立つだろう。この課題は、現在の全加盟国や今後数年以内にBRICSに加わる可能性のある国々に役立つだろうと、同氏は纏めた。
インドと中国の間の進展は、仲介者ではないにしても促進者の役割を果たしたと目されるロシアにとって歓迎すべき展開だと、デリーを拠点とする中国専門家で、マノハール・パリカル防衛研究分析研究所(MP-IDSA)の上級研究員を務めたルプ・ナラヤン・ダス博士は示唆した。
「ロシア・中国・インドはBRICSにとって3本の大きな柱であり、このグループにおけるロシア・中国・インドの3者間の協力関係は西側諸国、特に米国にとって不安材料だ。ロシアは今後もインドにとって試練を乗り越えた信頼できる友人だが、中国との信頼関係は欠如しており、米国はそこに付け入った」と、ダス氏はスプートニク・インディアとの遣り取りの中で述べた。
しかし、モディ氏と習氏の仲間意識や国境の平和と静けさは、特に経済面でインドと中国の協力関係の拡大を齎す可能性があると、同氏は主張した。更に、中国はインドの国連安全保障理事会(UNSC)の常任理事国入りへの取り組みを含め、インドの利益に配慮すべきだ。他にも、クアッドに対するインドの微妙なアプローチは中国にとって安心材料となるはずだと、同氏は強調した。
一方、デリーの名門ジャワハルラール・ネルー大学(JNU)国際学部長のスリカント・コンダパリ博士は、両隣国間の最近の動向を考えると、モディ首相と習近平国家主席の2者会談は意義深いものだとの見解を示した。
インドのヴィクラム・ミスリ外務次官は、インド軍部隊が2020年5月の対立以前に巡回していた国境地帯の巡回を再開すると発表したが、S・ジャイシャンカール外相は、両国の間で現状が取り戻されるだろうと発言した。
更に、2国間関係の緊張にも係わらず、この2つのアジアの大国は、上海協力機構(SCO)・BRICS・世界貿易機関(WTO)紛争解決メカニズムなどの多国間の舞台で、気候変動問題・国際通貨基金(IMF)と世界銀行の再編・現地通貨での貿易について協調してきたとコンダパリ氏は述べた。
「インドと中国の協力はこれらの問題についてのことなので、西側諸国に心配は不要だが、船から下りてインドと中国の関係改善が協力強化に繋がるかどうか様子を見る国が出ても良さそうだ」と、同氏は結論付けた。
世界ニュース
モディ首相はBRICSが世界的な課題に取り組むと確信している
10月23日、17:04
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(India-China deal raises questions about US Indo-Pacific strategy: VOA NEWS)
https://www.voanews.com/a/india-china-deal-raises-questions-about-us-indo-pacific-strategy-/7838623.html
インドと中国の合意は米国のインド太平洋戦略に疑問を投げ掛ける
2024年10月24日午後11時38分
記者 サイバル・ダスグプタ
中国の習近平国家主席とインドのナレンドラ・モディ首相は、2024年10月23日、ロシアのカザンで行われたBRICS首脳会議の合間に会談した。
ニューデリー —
今週の中国とインドの指導者の間の和解に向けた動きは、インド太平洋における中国の影響力に対抗するための米国主導の試みと広く見られている、緩やかな4カ国同盟・クアッドへのニューデリーの関与に疑問を投げ掛けている。
日本と豪州も参加し、正式には4カ国戦略対話として知られるこのグループへのインドの参加は、少なくとも部分的には、ヒマラヤ国境沿いで中国とインドの軍部隊が繰り返し衝突している厄介な国境紛争によって推進されてきた。
水曜日、インドのナレンドラ・モディ首相と中国の習近平主席はロシアで開かれたBRICS首脳会議の合間に会談を行い、双方の意見の相違を減らし国境警備の計画を共同で策定することで合意した。この合意により、両国の政治・経済関係が更に緊密になると期待されている。
「インドと中国の関係改善は両国にとって有益だ。これは中国にとって特に重要だ。なぜなら、インドはクアッドの一員として北京と対決する意欲が今後は薄れるかも知れないからだ」と、バックネル大学の政治学・国際問題教授、ジークン・チュー氏はVOAに語った。「この意味で、インドの熱意が小さくなればクアッドの有効性は薄れるだろう」。
インドと中国は、最大の2つの発展途上国として一定の共通な利益を持っている。昨年、中国はインドの最大の貿易相手国だったが、今年は米国がその座を奪う兆しがある。
「これは、米国がインドの支援に過度に依存せずにインド太平洋戦略を推進したいと考えている可能性を示唆している」と、チュー氏は述べた。
クアッドは、台湾海峡と南シナ海における攻撃的な行動に象徴される、中国の台頭する経済力と軍事力に対抗するための同盟とパートナーシップのネットワークを確立しようとする米国の取り組みにおいて、重要な要素として機能してきた。
「比較的非公式なままでいることで、クアッドはNATOが果たしている機能の多くを密かに達成することが可能となり、軍事的緊急事態計画もその一部だ」と、安全保障問題の専門家であるジェームズ・ジェイ・カラファノ氏は、リヒテンシュタインに拠点を置くシンクタンク、地政学情報サービスAGのウェブサイトに記している。
中国の国営紙・環球時報は、中国とインドの関係改善は、米国と西欧諸国による中国への経済的依存を減らす取り組みで、時に「デカップリング」と表現される処置への対応だと述べた。
「米国の『デカップリング』戦略の文脈において、中国とインドの協力強化は更に大きな意味を持つ」と、同紙は木曜日に発表した社説で述べた。 「米国の『デカップリング』戦略と技術に関する諸制限による圧力は、地域的な緊張を高め、両国にとって地政学的リスクを増大させている。」
論説では、この潜在的な地政学的変化が既に市場の楽観論を生み出していると述べている。「これは、両国の補完的な強みと、製造・インフラ・持続可能な開発を含むた多様な業界に及ぶ協力の大きな機会への認識に基づいている。」
それでも、この世界で最も人口の多い2つの国の間で数十年に及ぶ相違に直面して、国境協定が維持されるかどうかは不透明だ。
両国は1962年に戦争を行い、2020年には国境での衝突でインド軍20人と中国軍4人が死亡した。インドでは、中国が実際に紛争中の国境地域から軍隊を撤退させ、合意を現地で実施するかどうかについて懸念が広がっている。
インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相は木曜日、「一度合意に達したら、それは厳格に尊重される必要がある」とし、「紛争や相違は対話と外交によって解決される必要がある」と述べた。
(投稿者より)
ひとまずは世界にとって大きな火種が1つ消えそうです。BRICS陣営の結束にとっても大きな勝利でしょう。
ただ、戦争屋勢力は「これで中国は台湾との戦争準備に集中できる」と読むでしょう。引き続き警戒が必要です。