「新しい入国管理法は難民申請者の国外追放を促す怖れがある」(RFI)

「新しい入国者管理法は難民申請者の国外追放を促す怖れがある」(RFI









(Japon: une nouvelle loi risque de mener à des centaines d'expulsions de réfugiés: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/podcasts/reportage-international/20230606-japon-une-nouvelle-loi-risque-de-mener-%C3%A0-des-centaines-d-expulsions-de-r%C3%A9fugi%C3%A9s





日本:新法は数百人の難民追放を招く怖れがある





発表 2023年6月7日 00:33





日本では、これは切迫した問題だ。国会が最終的に承認の準備を進めている法案が極めて大きな物議を醸している。それが、政治難民の地位を認める手続きを厳格化するものだからだ。したがって、この改正法が施行されると、難民申請者の状況は更に複雑になるだろう。何千件もの国外退去命令が出されるだろう。そして、政府は全件の決定が執行されるよう細心の注意を払うと既に予告している。







日本の国会。難民申請者に対する受理の件数はごく僅かで、申請の90%超が拒否される。© Eugene Hoshiko / AP





RFI東京特約記者より、



新法は、1回目と2回目の2度に亘り申請が却下された難民申請者の即時国外追放を定めている。以前は、難民申請を却下された人は3回目の申請を提出することが認められていた。そのため、大部分の人が再び運を試すのだった。その方法として、彼らが出身国に送還された場合に危険に晒される証拠となる新たな証言や、自由への攻撃や反対派への弾圧に関する最新の報告書を作成した。



サイ・ムセンブラ氏が行ったこと。彼は2010年にコンゴ民主共和国から逃亡し、日本に住み着いた。彼はそこで13年間、政治難民の地位を得ようと努力したが無駄だった。彼の申請は3回却下されており、そのため、数週間後に国外に追放される4,000~5,000人の難民申請者の1人になった。「私は政府に懇願したが、彼らは何も聞きたがらなかった。彼らは難民申請者を支援が必要な人間としてではなく、射殺される対象として見ているという印象を私に与えた。私にはここで生まれた子供が3人いる。彼らの母親は日本人なので、恐らく国外に追放されることはないだろう。しかし、それでは、彼らは父親が永遠に居なくなり、私たちの家族は壊れてしまうのか?そう考えると胸が裂ける思いだ。私が求めるのはただ1つ、少しの人間性だ。」





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家族は残酷に引き離される



この改正法により、200人を超える未成年者が親から引き離されることになると考えられている。これらの子どもたちは、申請が2度却下されたために国外に追放される難民申請者の元に日本で生まれた。



世論調査の結果だが、この改正法は日本人を分断している。東京都民にはこの女性のように、政府を信頼したいと考えている人がいる。政府の考えは、「より多くの移民や難民を受け入れれば、日本は治安や纏まりが悪くなる。だから、更に熟考すべきだ。」もっと懐疑的な人もいる。この男性は政府の側に過剰な熱意があるのを見る。「『世界の悲惨さの全てを受け入れることは出来ない』と彼らが言うのは理解できる。しかし、そうするとシリアやミャンマーからの亡命希望者を自国に送り返すことになる…それは、危険にある人を助けるなということだと私には思える。」それでも、別の女性はこのように考える。「『移民は災いだ』という主張はナンセンスだ。人口が1億2500万人の日本に外国人は200万~300万人しか居ない。それだけだ。日本はもっと受け入れることが出来るし、そうすべきだ。」





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国際的なイメージを懸念



しかし、政府の最優先事項は、収容状態の酷さで悪名高い収容施設における詰め込みを止めることだ。過去15年間だけでも約20人の外国人がそこで亡くなっている。ハンガーストライキを行ったり自殺を企てたりした後で適切な医療を受けられなかった場合、そうなる。



日本の収容施設のこの地獄のような状況は、東京が国連や人権擁護諸団体から定期的に命令を受けるだけの酷さだ。列島は国際的なイメージを懸念し、難民申請を却下した人たちを閉じ込め続けるよりも国外追放する方が良いと判断したのだ。





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記者 ブルーノ・デュバル





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(Japon: adoption d'une loi controversée facilitant l'expulsion des demandeurs d'asile: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20230609-japon-adoption-d-une-loi-controvers%C3%A9e-facilitant-l-expulsion-des-demandeurs-d-asile





日本:難民申請者の国外追放を促す物議を醸す法律の可決





日本は、申請が繰り返し却下された難民申請者を政府が国外追放することを可能にする、物議を醸す入国管理法案を可決した。法務省は、危険や迫害から逃れて来た訳で無い人が、国外追放を回避するために申請制度を悪用する事例が多いと考えている。国会では、この法改正は命を危険に晒する国に人々を国外追放することは容認できないと考える議員たちからの強い反対を受けている。高齢化と人口減少にも係わらず、日本は依然として移民に対して門戸を閉ざしている。





発表 2023年6月9日 14:09







日本の法務省は、危険や迫害から逃れて来た訳で無い人が、国外追放を回避するために申請制度を悪用する事例が多いと考えている。(写真:AFP)





RFI






報告 RFI東京特約記者、フレデリック・シャルル



日本は、医療や宿泊施設へのアクセス改善など難民申請者の条件改善を名目に、1951年に制定された出入国管理法を改正した。実際には、この法律は彼らの国外追放を促すのに役立っている。



これまで、難民申請者は申請の審査中は申請回数に関係なく日本に滞在することが出来た。彼らの大部分は何度も申請を行い、場合によっては20年間も在留許可を持たずに日本に滞在した。今後はこの制度の悪用の問題は無くなり、申請者は3回拒否されると国外に追放される可能性がある。





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日本は安住の地ではない



不法状態にある移民の収容状況は国の内外で批判されている。2021年、日本の入国者収容施設でスリランカ人女性が治療を受けられずに死亡した。名古屋入国管理局は事件を隠蔽しようとした。



人権擁護NGOヒューマン・ライツ・ウォッチは、日本の収容施設における「人間の尊厳を損なう」扱いを非難した。日本は安住の地ではない。昨年、1万2000人を超える申請者のうち202人しか難民として受け入れなかった。





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(投稿者より)



"Le Japon n'est pas une terre d'asile"「日本は安住の地ではない。」フランスには"France terre d'asile"という、難民申請者の支援と権利擁護を行う非営利団体が在るようですが、日本はそのような国で無い、と記者は言いたいようです。



"Soucieux de son image internationale, l'archipel en a déduit qu'il valait mieux expulser les demandeurs d'asile déboutés plutôt que de continuer à les enfermer."「列島は国際的なイメージを懸念し、難民申請を却下した人たちを閉じ込め続けるよりも国外追放する方が良いと判断したのだ。」このようにして、日本が追放した人の一部は出身国に送還されて処刑されます。別の一部は別の国に難民として受け入れられ、幸福に暮らします。結果として、日本のイメージは更に悪くなるでしょう。



委員会採決の場には、ウィシュマさんの御遺族の方々が傍聴して居られました。同居人の暴力のために在留資格の更新が出来ずに、やっと警察に保護を求めた所を入管側は救済せずに逆に施設に収容しました。更に収容中に発病したことに対して施設側が適切な治療を施さなかったために、彼女は最終的に命を落としました。「日本政府が彼女を殺した」と思う人は多い筈です。施設の中では他にも少なからぬ方々が自殺や病死をされています。



ウィシュマさんの件では大臣が謝罪し、この法案にはこの件の改善策という意味合いもあります。それでも、法案に対しては政府が自らの不作為を誤魔化すために国会まで動かして屁理屈を正当化していると、見る人は見るでしょう。それほど、日本の入国管理行政は可笑しなものでした。



採決では言葉通りに身体を張って抵抗なさった議員の方が居られました。頭が下がる思いです。それでも、母集団に対する犯罪者の比率において外国人が日本人を大きく上回ることは事実であり、犯罪者が強制送還から逃れるためにこの制度が悪用されている事例が幾つも見受けられるのも事実です。関係する方々の怒りは良く分かるのですが、日本の国民が日本の国で安心・安全に暮らせることが最も重要だと考えます。私には、法律が施行されて実際にどのように運用されるかを見守るしか無いように思えます。