「米軍嘉手納基地のF15常駐機が退役、当面F22の巡回で対応。地元と米国の反応。」(Pars Today・Sputnik日本)
(Pars Today)
https://parstoday.com/ja/news/japan-i106570
米軍嘉手納基地のF15常駐機が退役、当面F22の巡回で対応
10月 29, 2022 20:37 Asia/Tokyo
米軍嘉手納基地のF15常駐機
米空軍嘉手納基地のF15戦闘機計48機が老朽化に伴い常駐が見直され、11月初旬から2年かけて順次退役することが分かりました。
沖縄タイムが同基地に取材したところによりますと、米空軍は、米国内のF22戦闘機を常駐ではなく半年単位の巡回配備で対応する方針であり、専門家からは台湾有事や尖閣諸島を巡る不測の事態が危ぶまれる中、中国に対する抑止力の低下に懸念の声も出ています。
F22の一部はロシアのウクライナ侵攻でポーランドに展開しており、長期的な見通しは確定していません。
米空軍は昨年5月に連邦議会に提出した予算要求書で、「F15は構造上の問題があり、2023年から27年にかけて安全に飛行できる時間を使い果たす」と報告し、48機の退役を承認するよう要請しており、これを受け、米議会は昨年12月に成立した22会計年度(21年10月~22年9月)国防権限法で承認していましたが、退役対象機の所属基地名などは明らかにされていませんでした。
空軍は、最新型のF15EXとの入れ替えを希望していますが、長期計画は確定していないということです。関係者によれば、米国防総省は20~24年度にF15EXを80機調達する予定で、この中から嘉手納基地に配備する可能性もあります。
上院軍事委員会は28日、本紙に対し、空軍側から嘉手納所属機の機体整備面の問題に関する報告を受けていたことなどを明らかにしました。
嘉手納基地の21年度離着陸回数は外来機も含め計4万1997回で、このうち所属するF15戦闘機が全体の3割を占める1万2952回となっています。
巡回配備で常駐機の離着陸が減ることが見込まれる一方、外来機の飛来が増えることや、騒音が激しいF22の訓練による住民生活への影響が懸念されています。
タグ 軍事基地 戦闘機 沖縄県 在沖米軍 アメリカ軍
(Pars Today)
https://parstoday.com/ja/news/japan-i106624
嘉手納基地でのF15退役とF22巡回配備案、周辺住民の新たな懸念呼ぶ
10月 30, 2022 20:45 Asia/Tokyo
F15戦闘機
米空軍が沖縄県の嘉手納基地のF15戦闘機を退役させ、F22ステルス戦闘機を巡回配備させる可能性が浮上したことに対し、基地周辺の住民からは不安の声が相次いでいます。
沖縄タイムスによりますと、激しい騒音が問題になっているF22について周辺住民からは「新たな負担につながるのでは」「基地が永久に使われてしまう」と声が聞かれました。
嘉手納基地への米軍機の離着陸で、高い騒音値を観測する北谷町砂辺区では、照屋博一自治会長(59)が「騒音が大きい戦闘機が巡回配備されることで、町民にどんな影響があるのか。不安しかない」と嘆きました。
また、早朝や夜間も激しい騒音にさらされる生活や、基地の運用が米軍の裁量で決まることに「米軍側で計画が決まっているのであれば、地元が反対できるのか。新たな基地被害は生まれてほしくない」と希望を述べました。
第4次嘉手納爆音訴訟の新川秀清原告団長は「米軍にとって嘉手納基地は使い勝手が良く、永久に使おうとしているのだろう」と指摘し、「F15が退役といっても、結局F22が巡回駐留するのであれば、住民にとっては全く基地負担の軽減にはならない」と強く批判しました。
そして、米軍が同基地内の住宅地に近い場所に「防錆整備格納庫」を移設する計画についても言及し、「F15の退役理由と同様、老朽化を理由に挙げるが、断じて許されない」とくぎを刺しました。
ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。
Instagram Twitter urmediem
タグ 軍事基地 戦闘機 沖縄県 在沖米軍 アメリカ軍
(Sputnik日本)
https://sputniknews.jp/20221102/f-15-13625783.html
「中国や同盟国に誤ったシグナル」 「F-15」の沖縄からの退役、米共和党員が反対
2022年11月2日, 22:15
© AP Photo / Greg Erwin
沖縄に常駐する在日米軍の戦闘機「F-15」を退役させ、非常駐の次世代機による「ローテーション」運用に切り替える計画について、米野党・共和党の議員4人が懸念を示し、状況を説明するよう求めて国防総省に書簡を送った。英紙「フィナンシャル・タイムズ」などが伝えている。
同紙は10月末、「現代化プログラム」に伴う部隊刷新のため、米国が沖縄に常駐する「F-15」を2023年1月までに順次退役させると報じていた。また、朝日新聞などによると、米国防総省のライダー報道官は1日、「F-15」の退役後はアラスカに駐留するより新型の戦闘機「F-22」を常駐しないローテーション方式で配備する考えを明らかにしていた。
ローテーション方式の配備に異論を唱えたのはマイク・ギャラガー下院議員ら共和党の4人。「インド太平洋地域での米軍の前衛戦力の顕著な低下を招く」と指摘し、ジョー・バイデン政権が掲げている「地域での米国の責務を果たす」という発言と一致しないと批判している。
ギャラガー下院議員は次のように述べている。
「国防総省の決定は、中国共産党だけでなく、インド太平洋地域の同盟国やパートナー国への誤ったシグナルを送ることになるのではないかと懸念している」
【解説】F-35戦闘機の調達:米企業のために自国民に大きな負担を課す日本の防衛省
昨日, 17:00
4議員らはロイド・オースティン国防長官に対し書簡を送り、在日米軍基地の戦闘機部隊の更新について説明するよう求めた。また、「中国の攻撃に対抗し、台湾侵攻を抑止できる力がある地域における軍の配備」を定めた計画をつくるべきだという考えも示した。
岸田政権はこれまでに今後5年間で防衛力の抜本的強化を目指すとしており、8月に明らかになった防衛省の2023年度予算概算要求は過去最大の約5兆6000億円となっている。日本政府がこうした動きを進めるのは、台湾や中国と海を挟んで接する沖縄が、対中有事におけるもっとも重要かつ最前線の戦略的拠点になるからにほかならない。
これまでに浜田靖一防衛相も、有事の際に敵の通信やレーダーを妨害する電子戦部隊を来年度にも与那国島に配備するとし、石垣島にも今年度中に陸自のミサイル部隊を置く方針を示している。また、対中有事を念頭に備蓄・補給面を強化するため、奄美大島(鹿児島県)に燃料タンクや火薬庫を増設する考えも明らかにするなど、沖縄を含む南西諸島の防衛強化に動いている。
関連ニュース
米国 沖縄 戦闘機 米国防総省・ペンタゴン 国内 軍事
(Sputnik日本)
https://sputniknews.jp/20221103/f15-13639517.html
【解説】米軍、嘉手納基地のF15を退役 これは軍事力にとって、また沖縄の住民にとっても良い変化となるだろうか?
2022年11月3日, 18:56
© AFP 2022 / Kazuhiro Nogi
リュドミラ サーキャン
米空軍司令部は、老朽化したF15C/D戦闘機の嘉手納基地からの段階的に退役を開始する。対象となるのはすでに30年以上にわたり運用され、安全に飛行できる時間を使い果たした48機。これに代わって、より近代的なF22戦闘機が配備されることになっており、最初の数機はアラスカの基地から送られる予定となっている。
嘉手納基地に配備されているF15の平均運用年数は38年近くになりつつある。長年にわたり運用されてきた航空機は、どんなものでも多くの問題を引き起こす。戦闘機の構造が損傷し、機体にはひびが入ったり、腐食したりする。電子機器も老朽化し、エンジンも摩耗し、全力で機能しなくなることもある。さらに配線も脆くなり、コネクタにも支障が出てくる。米空軍はこれらの戦闘機の耐用期限の延長を検討していたが、合目的的でないとして、このプログラムを却下した。フィナンシャルタイムズ紙は、現在、嘉手納基地のF15は運用期間よりはるかに長い時間を飛行していると伝えている。
嘉手納基地は、最大規模の基地の一つであるだけでなく、この地域における米軍の防衛上の戦略的な軸であり、基地の主な課題は中国による台湾または日本への攻撃を防ぐことである。嘉手納基地は台湾から比較的近くに位置しており、今年8月に米国のペロシ下院議長が台湾を訪問した際、基地周辺で外来の航空機が確認されたことにも意味がある。嘉手納基地の戦略上の重要性を考えれば、基地に米国の戦闘機が常駐しなくなることで中国が脅しを強める可能性がある。
【視点】北朝鮮は核攻撃の用意があるが、日本は防衛することができるのか?
10月19日, 09:32
日経新聞は、米国防総省元職員のクリストファー・ジョンストン戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問兼日本部長が、台湾海峡をめぐる緊張状態が続いていることから、これは「残念なタイミングだ」であると指摘したと伝えている。より近代的な戦闘機を常時ローテーション派遣すること自体によりネガティブな影響が引き起こされることはないとみられるが、重要なのは、より長期間にわたり、継続的に配備することである。
一方、米空軍のアン・ステファネク報道官は、嘉手納基地の戦闘機をより強力なものへと移行することは、日米両国が、日米同盟の堅固な基礎の強化と発展に常に忠実であることを示す例であると言明している。しかしいずれにせよ、ステファネク報道官は「提案には、F15 C/Dを上回るより斬新な可能性が含まれる」という。
「決定がなされるまでは、国防総省は地域の抑止力を維持し、日本に対する合意上の義務を遂行する能力を強化する予備的な決定を保証し、世界における米軍部隊の運用を続けていく」
2022年7月、日米の戦闘機は太平洋上で、「戦略的技量の向上と共同の即応体制を確認する」目的で合同演習を実施した。演習には、米空軍のF22ステルス戦闘機10機、F35戦闘機4機、F15戦闘機13機、偵察機3機が参加した。また日本側からは、F15・F2戦闘機合わせて20機が参加した。
【解説】F-35戦闘機の調達:米企業のために自国民に大きな負担を課す日本の防衛省
11月1日, 17:00
嘉手納基地の戦闘機がより近代的な第五世代戦闘機に転換されることで、この地域のパワーバランスは変化するのだろうか。軍事専門家のミハイル・ティモシェンコ氏は、「スプートニク」からのインタビューに対し、このことは中国に大きな印象を与えるものではなく、力の分配図に何ら影響はないだろうとの考えを示し、次のような見解を明らかにしている。
「F22は第五世代戦闘機と考えられてはいますが、絶対的な評価を受けているとは言えません。事故も数回起きており、パイロットが死亡しています。F22の利点は、レーダーに映りにくく、また構造もパイロットにとって、バーチャルな現実のヘルメットのようなものになっていることです。事実、米空軍はシリアでの戦闘、またアフガニスタンにおける麻薬ルート撲滅作戦で使用しました。しかし、製造だけでなく、導入にも、かなり高額な費用がかかることから、米政府はその調達を断念し、F35に重点を置くことにしたのです。今回、NATO加盟国で統一された爆撃機を開発し、費用を分割するとの決定が下されました。
欧州にはF35が供給されることになり、そこで製造したF22をどこかに納入する必要が出てきたのです。おそらく、それで、F22を日本に派遣することが決定したのでしょう。これは合理的な武器利用である一方、中国に対し、米国が注意深さを失うことなく、この地域での中国の台頭に対する遮蔽物を設けるつもりであることを中国に見せつけるものでもあるのです。これは、パイロットたちがより近代的な戦闘機で飛行することを意味するものでありますが、台湾をめぐって長引く緊張を背景に、パワーバランスを変え、中国を抑止するというものではありません」
航空自衛隊 今年度上半期の緊急発進回数が過去最高 主に中国機、ロシアも
10月14日, 20:50
一方、ロシア経済高等学院、世界経済国際政治学部のオレグ・パラモノフ助教授はこれとはやや異なる見解を示している。
「公式的に、これは米空軍の長期的な計画を実現するものです。米国自身、これはF15が自らの資源を使い果たしたことによる計画的な配置換えであり、何らかの脅威を受けてのものではないと説明しています。また米国でも、2025年にはF15の運用を停止する計画です。理論的にF22は、欠点はあるものの、F15の性能を上回るものです。たとえば、飛行距離です。燃料備蓄量が十分でなければ、空中で燃料補給する必要があります。ちなみに、F22は前に日本に配備されていたことがあるのです。2019年に、F15とF22が参加した上空の模擬戦闘が行われました。このときF15は墜落し、国内で大きな反響を呼びました。嘉手納基地で戦闘機の転換が行われたあと、基地の軍事力はもちろん増大します。
しかし、短期的なリスクがあります。数ヶ月におよぶ戦闘機の転換のプロセスで、台湾をめぐって何か起こったとき、基地の軍備は弱まっているということです。このリスクは、輸送の問題、そして老朽化した戦闘機と新たな戦闘機が混在している時期の新技術獲得の難しさなどによって生じるものです」
なお、ローテーション派遣による戦闘機の配置換えは、戦闘機の発着回数を減少させるものの、地元の人々は、新たな戦闘機の訓練により、逆に飛行回数が増え、騒音に悩まされるのではないかとの不安を感じている。
米国 日米関係 軍事 オピニオン
(投稿者より)
沖縄の方々は高級機の配備による基地機能の強化を危惧しておられるようですが、私は逆のことを考えました。
F22は性能が高級なので機密保持の観点から日本に売ることは出来ないとされた機体だったと記憶しています。そのため、F15の後継機として嘉手納には入れても現地で保守は行わない。だから、ローテーションで、と拝察しました。
長期的には沖縄から部隊を撤退させる意図が米国側にあるのかも知れません。備える必要があると思います。