「ボストーク2022:中印など13ヵ国がロシアと合同演習を実施」(Pars Today・RFI)

「ボストーク2022:中印など13ヵ国がロシアと合同演習を実施」(Pars Today・RFI









(Pars Today)

https://parstoday.com/ja/news/asia-i103808





視点





中露印ほか11カ国による極東大軍事演習、ロシア孤立化に失敗した欧米





9月 04, 2022 00:32 Asia/Tokyo











ウクライナ戦争を理由に他国にロシアの孤立化を迫るアメリカの工作をよそに、ロシアが他13カ国が参加する大規模な陸海空の軍事演習を実施しています。





極東軍事演習「ボストーク2022」は、ロシア、中国、インド、およびその他11か国の軍隊がプリモルスキー地域(日本海に面したロシア極東の最南端であり、ロシアの海岸沿海地域)に参集することにより開始されました。この演習は今月1日から7日まで開催され、140機の航空機と60隻の船舶を含む5000の装備と、5万人超の兵士が参加します。



ロシアのユヌス=ベク・エヴクロフ国防次官 は、「ボストーク2022」軍事演習の開会式で「各国連合の合同演習は、部隊訓練の組織、管理、および作戦および戦術レベルでのそれらの相互作用に関する共通の理解を深めるのに役立つとともに、また、軍関係者間の仲間・友好意識を強化するものである」と述べています。



米国を筆頭とする西側諸国が、ロシアの孤立化や、中国やインドをはじめとした他国とロシアの関係遮断に熱を上げている中でのこの大規模な演習の開催は、ロシアの国際的地位の失墜や格下げを狙った米国とその同盟国の大規模かつ前例のない喧伝に対するロシアの勝利とみなされています。



アメリカが、ロシアにとっての貿易・経済・政治上の2大パートナーである中国とインドに対し、西側の対ロシア制裁への参加や、ロシアとの経済、安全保障、軍事関係の停止を繰り返し要請したことは注目に値するものです。しかし、中国とインドはいずれも、アメリカのこうした非論理的な要求には耳を貸さず、これまでどおり自らの国益を優先し、自らとロシアの経済、貿易、エネルギー、安全保障、軍事面での関係を継続しています。



アメリカ・ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、大軍事演習「ボストーク2022」へのインドの参加に関する記者団の質疑に回答し、アメリカは、ロシアとの軍事演習への、いずれの国の参加をも懸念している」と語りました。



インドと中国がアメリカの要求を無視したことは、両国がBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国)とSCO・上海協力機構のメンバーであり、ロシアと広範な軍事関係を保っていることからして意味があるものです。



政治評論家のAlexander Gabuyev氏は、「中国にとって、アメリカとその世界的利益を圧迫する力を持つことを示すことは非常に重要である」と述べています。



一方、ロシアは友好国、特に中国やインドとの関係の強化により、西側の対ロシア制裁を克服しようとしています。経済、貿易、金融、銀行のほぼすべてを網羅する西側諸国の包括的な制裁により、ロシアはアジア諸国、特に世界の2台経済国とされる中国およびインドとの関係拡大に向けた幅広い努力を開始しました。



西側の新たな連携的制裁措置は、ロシアとその経済の完全な粉砕を狙いとして実施されています。中国とインドは西側陣営とは異なり、ウクライナ戦争に関する国連安保理と国連総会の決議採択でを棄権票を投じ、この問題で中立的な立場を取る意思を示しました。現在、西側からの圧力にもかかわらず、インドと中国は、経済、貿易、エネルギー、軍事、武器分野での対ロシア関係の継続を追求しています。



この点で、西側当局は繰り返し、中国とインドに対し、対露制裁への参加を促し繰り返し要求しましたが、両国は否定的な反応を示しました。実際、西側の意向に反して、中国とインドは特にエネルギー分野での対ロシア関係を大きく発展させています。



両国はまた、米国から対ロシア貿易に制限を課すよう迫られていることをうけ、中国元、インド・ルピー、ロシア・ルーブルなどの自国通貨の使用を含む、二国間の経済・貿易さらには軍事面での交流に向けて他の方法を模索しているのです。



現在、「ボストーク2022」軍事演習に中国とインド、および他11 か国が参加していることは、ロシアへの圧力と同国の孤立化を強めるための西側の全面的な取り組みに対する新たな打撃であると同時に、新興世界大国とロシアとの協力関係の拡大という、別の兆候でもあるといえるでしょう。







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タグ アメリカ 中国 ロシアインド ウクライナ危機 合同軍事演習













(Russie: à Sakhaline, la Russie affiche son unité avec la Chine lors de manœuvres militaires: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20220904-russie-%C3%A0-sakhaline-la-russie-affiche-son-unit%C3%A9-avec-la-chine-lors-de-man%C5%93uvres-militaires





ロシアはサハリンの軍事演習で中国との結束を見せ付ける





発表 2022年9月5日 00:33







2022年9月4日、サハリン島「ボストーク2022」演習の報道陣への公開初日に戦車を撮影。© Anissa El Jabri, RFI





アニッサ・エル・ジャブリ






ロシアは4年に1度の「ボストーク 2022」演習を極東で開始した。ロシアはウクライナ攻撃から7か月目に、中国を含むいくつかの同盟国と一緒に実演で力を示すことを狙っている。9月4日日曜日は報道陣への公開初日で、モスクワはサハリン島を選んだ。





報告 RFIサハリン特派員



ロシアの年次演習は西・中央・南・東のローテーションで行われる。ロシアと中国の接近が懸念を招いているのは、正にこの区域においてだ。



街の中心部を出ると直ぐに、板張りの小さな2階建ての家々が立ち並ぶ平坦な通り。大抵の屋根は鉄板葺きだ。そして、いくつかの小さな商業施設。サハリンはいまなお世界の果ての行先だ。最も近い大陸の都市・ウラジオストクのロシア人たちでさえ、運賃が高く滅多に行かない土地だ。



この島では春と夏が平均3カ月続く。そのため、9 月初旬はここで演習を行うのに理想的な時期だ。今年は陸上・海上・空中で50,000人の兵士が見られる。これは、中国とモンゴルの派遣部隊の支援を得たロシア軍が300,000人参加した2018年の演習の6分の1だ。



それでも、今回の「ボストーク2022」演習では中国・インドを含めて14 ヵ国の同盟を見せ付けた。尤も、インドは今回は居心地が悪そうだ。結果として、西部戦線と制裁にも係わらず、ロシアはそれほど孤立していないことを示せた。モスクワにはこれが重要なことだ。





日本へのメッセージ



これらの演習によって送られた第1のメッセージは、何よりも日本を狙ったものだ。西側の制裁に参加した日本は、この地区における軍事活動の活発化を見込んでおく必要性を理解していた。実際に、それは春から絶えることが無い。



日曜日には国境でも演習が展開される。サハリンは日本から数10kmの海峡で隔てられている。そのためか否か、ロシア軍によるとロシアはそこで防衛訓練を公開する。日曜日の日程は、上陸攻撃への対応訓練・戦闘機訓練・砲撃訓練だ。



ニコライ・イワノビッチ隊司令官は、「敵は後方部隊の攪乱を目的とした海軍部隊の海岸上陸には成功しなかったが、空中を進むことに成功した」と発言した。「この区域では、主要な合流点で空挺部隊の進路を塞ぐことを目的として、我が軍部隊が前方で再編成された。」



高さ数10mの煙幕で泥の中の戦車の軌跡を隠したり、ドンバスで良く使われている「ウラガン」多連装ロケット砲などの大砲を配置したりと、全てが暑さの中で行われた。









2022年9月4日、サハリン島「ボストーク2022」演習の報道陣への公開初日に煙幕を撮影。© Anissa El Jabri / RFI





「島のこの部分は、海に挟まれた山合いの森林に覆われた谷の中にある。湿度が高い。そのため、呼吸を整えて皆さんに話すことが難しい」と、この軍人は説明する。



週末には、ロシアと中国は一緒に海軍の実演航海を行う。日曜日、中国のナンバー3は来週ロシアに行くと発表した。彼は2月24日以来この国を訪問する共産党の政治家で最も序列が高く、水曜日にウラジオストク経済フォーラムを手始めに10日間の訪問を行う。





ロシア ウクライナ 日本 中国







―参考―











(投稿者より)



ウクライナがハルキウ(ハリコフ)州の反攻を進めたことにより、西部戦線は越年がほぼ決まりです。ただ、これは欧州の市民にとって暖房の無い冬を意味します。来年の春に欧州はどのような姿になっているでしょうか?



一方、ロシアの安全保障にとって千島列島は東の防波堤です。欧米側が東西2方面で戦線を作る可能性をロシアが予測し、これに対抗するメッセージを出すことを意図した演習を行ったと考えられます。



ただ、今回は演習の規模や内容よりも、13ヵ国が参加という「数」を前面に出したように見えます。ロシアは孤立していない、というアピールです。一方、ロシアが敵と認定した非友好国46ヵ国は殆どが経済的に成熟し切った国々です。低成長で結構と腹を括り「コモディティ本位制」に移行したロシアには、ウォール街やロンドン・シティが今後どうなろうと関係ありません。



日本は平和主義が国是で専守防衛を基本としています。ロシアは今でも日本の技術(、そして、中古車)を望んでいますので、こちらから攻撃しない限り先方から来ることは無いはずです。それでも、米国と同盟する選択をした以上、対峙することの圧力には耐える必要があるでしょう。



インドは「ボストーク2022」に参加しましたが、これに並行して米国とは北部国境近くで合同演習を、日本とはやはり合同の戦闘機演習を計画しています。飛行機がヒマラヤを越えて来る可能性を考えていると以前どこかで読みましたが、いずれにせよ強かな人たちです。