台湾周辺で中国が演習、圧力を受ける日本 (RFI)

台湾周辺で中国が演習、圧力を受ける日本 (RFI)









(Manœuvres chinoises autour de Taïwan: le Japon sous pression: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20220805-man%C5%93uvres-chinoises-autour-de-ta%C3%AFwan-le-japon-sous-pression





台湾周辺で中国が演習、圧力を受ける日本





発表 2022年8月5日 07:44







日本首相(2022年7月撮影)は、日本と米国が「台湾海峡の平和と安定を維持するために緊密に協力していく」ことを確認した。AP - Rodrigo Reyes Marin





RFI






ナンシー・ペロシ米代議院議長は、アジア歴訪の最後の訪問先・東京にいる。彼女は歴訪中に珍しく台湾も訪問している。中国は、北京が反抗的な中国の一省と見なす台湾の周辺で史上最大の軍事演習を実施することで、これに対応した。岸田文雄・日本首相はナンシー・ペロシ氏との会談の最後に、日本と米国が「台湾海峡の平和と安定を維持するために緊密に協力していく」ことを確認した。



台湾海峡の安定を維持するための日米間の緊密な協力に関する岸田文雄首相の声明は明確だ。中国とロシアに直面して「中国による軍事演習の即時停止」を求める日本は、同盟国であり保護者でもある米国と完全に同じ側に立っていると、RFI東京特約記者フレデリック・シャルルは報告する。



日本の最果ての島・与那国は沖縄諸島の最南端にあり、台湾から約100km離れている。中国の複数の弾道ミサイルが台湾上空を通過したと伝えられており、その一部は日本の排他的経済水域に初めて落下した。岸信夫・日本防衛相は「日本は外交ルートを通じて中国に抗議した」と明言し、中国が発射したミサイルの本数は9発でそのうち5発が日本の波照間島の南西に落下したと思われると、数を挙げて説明した。中国からすれば、これは東京を威嚇する手段だ。これらの中国のミサイル発射は、「わが国の安全保障に影響を与える深刻な問題」だと、日本首相は明言した。



中国の台頭に押されて、日本は自国の軍隊が海外での集団防衛作戦に参加できるよう平和主義憲法の解釈変更を行った。中国が台湾を攻撃した場合には、日本軍は太平洋の米第7艦隊兵站支援を提供する。



日本は既に、台湾への侵略は国の「存立に対する脅威」をもたらすと主張していた。かかる侵略により、インド太平洋貿易の大部分が往来する台湾海峡が封鎖されるからだ。



日本国民は台湾の将来を身近に感じ心配している。彼らの大部分が軍事支出をGDP の1%から2%に倍増することを支持しているが、これは新しいことだ。右派政権は平和主義憲法の改正を促すために、この不安を利用している。





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ウクライナで戦争、そして恐らく、間もなく台湾でも。明日は広島の原爆記念日なのに…怖い。そして、戦争に狂った人類が、大切にすべきことは平和だといつ理解するのだろうか…」

報告:日本は不安を抱えながら新たな緊張の中を過ごしている

ブルーノ・デュバル




元記事から音声をお聴きになれます。]








中国の放送局 CCTV のビデオ映像から取得した静止画像:2022年8月4日木曜日、発射体が中国の不特定の場所から発射された。中国は軍事演習の一環として、木曜日に台湾海峡で「精密ミサイル攻撃」を実施したと述べる。このため、地域の緊張は数十年で最高レベルにまで高まった。AP





♦ 台湾人はこの試練にどのように対処しているか?



中国軍がどれだけの艦艇を台湾海峡に配備し、どれだけのヘリコプターを空に展開しても、全くの無駄だ。台湾人がパニックに屈するにはまだ程遠い。「彼らは何年、いや何十年もの間、私たちを怖がらせようとしてきた」と、若い女性がRFIのマイクに語る。「私たちはもうこれに慣れており、新たな脅威が現れる度に再び危険に晒されたとは思うが、ここでは誰も心配しないし、最悪の事態に備えることも無い。」



しかし、弾道ミサイルが島の上空を飛行するなど、中国は前例のない規模で作戦を開始した。これらは全て、地域の緊張の高まりを背景にしている。 台湾の歴史家・李筱峰(Li Xiao Feng)氏によると、これは精神の変化をもたらす可能性のある爆発的なカクテルだ。「台湾近辺における中国機の活動は頻度を増す一方だ。そして、これは一部の台湾人から更に大きな不信感を招いている。同様に、国民のための救護訓練を準備する政府からもだ。」



中国の軍事演習は、台湾周辺で日曜日まで続く予定だ。





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台湾周辺における中国軍の作戦行動。© Studio graphique FMM





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―参考―