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ドイツの軍艦が20年ぶりに日本を訪問する (DW English)

ドイツの軍艦が20年ぶりに日本を訪問する (DW English)











(German warship visits Japan for first time in 20 years: DW English)

https://www.dw.com/en/german-warship-visits-japan-for-first-time-in-20-years/a-59732267





アジア





ドイツの軍艦が20年ぶりに日本を訪問する





フリゲートバイエルンの訪問は、この地域において力による「現状を変える」試みに対する国際的な同盟の重要性を強調していると、日本の防衛大臣は述べた。







ベルリンはインド太平洋への関与を強化するとともに、この地域への新たな戦略的アプローチを発表している





金曜日、ドイツ海軍のフリゲートバイエルンが東京に寄港した。岸信夫防衛相はこれに伴い、ドイツ軍艦の20年ぶりの訪問は両国を結ぶ安全保障関係を実証する重要なものだと明言した。



8月にドイツを出発し7ヵ月間の展開中バイエルンは、木曜日に日本・海上自衛隊の艦艇・航空機と共に東京沖で訓練を実施した。同艦は11月​​12日まで東京に留まる予定だ。



金曜日の朝、岸氏はエーベルハルト・ツォルン大将と会談した。このドイツ軍の最高司令官は会談中に、バイエルンの展開は「私たちのインド太平洋ガイドラインを実地に示す一環だ」と述べた。





インド太平洋へのドイツの関与



ベルリンは、2020年9月にインド太平洋地域への新しい戦略的アプローチを公表したことを受け、この数ヵ月間に同地域への関与を強化している。







バイエルンは8月にドイツを出発し7ヵ月間の展開中だ





この戦略の変更は、この地域、特に、南シナ海における中国の影響力と自己主張の高まりに対する国際的な懸念の拡大を反映している。この海では、フィリピンやベトナムなど他の国々が領有権を主張する島々を、北京が一方的に占領・要塞化した



また、この地域における人権と法の支配に対する北京の姿勢にも懸念が存在する。



岸氏は、この4,400トンの軍艦が東京に到着したことを歓迎し、「東シナ海南シナ海において力に基づいて現状を変える一方的な試みが見られ、このような問題はアジアだけでなく、欧州を含む世界の他地域にも共通する懸念だ」と述べた。





安全保障諸同盟を深化しつつある東京



北京がこの地域の他政府に対する攻撃性を弱める兆候を示さない中、東京は既存の安全保障諸同盟を深化することや、新たな友人づくりに懸命に取り組んでいる。



ストックホルム国際平和研究所によると、日本は近年防衛支出の増額を続けており、現在では世界の軍事力上位10ヵ国に入っている。



しかし、東京は公式にはいまなおこれを自国の防衛に限定しており、第2次世界大戦後の平和主義憲法の下で今迄1度の攻撃も許可していない。







岸防衛相は、この船の訪問は「自由で開かれたインド太平洋」を達成する上での「重要な転換点」だと述べた





「これはこの数ヵ月間に他のパートナー諸国との間で私たちが見てきたことの続きだ。その中で、フランス・オランダ・イギリスからの軍艦が、いずれも米国との既存の同盟にこれらパートナー諸国に加えて関係を強化する日本の取り組みの一環としてこの地域に招かれた」と、テンプル大学東京校のジェームズ・ブラウン国際関係論准教授は述べた。



「東京の視点からすると、欧州諸国や他のパートナー民主国からこの地域に来る軍艦が多ければ多いほど良い。日本は単独ではなく、孤立しておらず、乱暴に扱えないというメッセージを中国に送ることになるからだ」と、彼はDWに語った。





上海訪問は中止に



9月、中国政府は、バイエルンがこの地域への訪問の一環として上海を訪問するという当初の計画を覆した



政府報道官は、南シナ海―現在その大部分について、北京は自国の水域であると主張している―を航行する諸艦艇が「事件を引き起こし」「矛盾を生み出している」と述べた。

バイエルンの行程にはベトナムへの寄港が含まれており、同艦はこのために南シナ海を横断する必要があった。



その一方で、上海訪問は両国間の緊張緩和を目的としていた―そして、ベルリンはこの方針から、同艦が台湾海峡を横断しないようにすると請け合っていた。そこは中国本土と、北京がいまなお反体制的な1省と見なしている島を隔てる非常に敏感な海峡だ―中国政府はこの島に対してあからさまな攻撃を行っている。



東京外国語大学のパトリック・ハイン政治学講師は、バイエルンのこの地域への訪問は「概して象徴的」だと述べた。



「日本・米国・豪州・その他の多くの国にとって、これはほんの小さな1度の演習だ。このよう軍艦1隻では単独の戦闘は不可能で、これはドイツが過去にそうだったように、この地域において宗主国のような役割を果たしたい願望を示していると考えるならば、分かりやすいだろう」と、彼は述べた。



バイエルンが上海に寄港する許可を与えなかったことは、同艦が東アジアへの展開の初期に取った行程に対して北京が不満を持っていたことの「明確な意思表示」だ。しかし、双方は緊密な経済関係を保護することに熱心であり、1隻の軍艦が東京を短時間訪問する程度のことを中国が「大きな挑発」と見なす可能性は低いと、ハイン氏は付け加えた。





『ドイツは遥かに慎重だ』



インド太平洋地域に焦点を当てた最近の全ての安全保障同盟と経済同盟には、中国と一定の距離を置く意図が要素の1つに含まれていると、アナリストたちは述べてきた。



それにも係わらず、今回のバイエルンの訪問は、キャンベラによる最新の原子力潜水艦の購入を含む、米国・豪州・イギリスによる最近のAUKUS安全保障協定や、日本・米国、豪州・インドをまとめるクアッド安全保障取り決めのような問題ではないと、彼らは強調した。



ブラウン氏によると、ドイツが将来この地域に更に多くの艦艇を送る可能性はあるが、ベルリンが数年後に頻繁かつ強力な訪問者になる可能性は非常に低い。



「ここに軍艦を送ることについて、ドイツは歴史的な理由と国内政治のために、フランスやイギリスよりも遥かに慎重だ」と彼は言い、ベルリンは「何であれ中国を敵に回しかねないことには遥かに消極的だ」と強調した。





発表 2021年11月5日

記者 ジュリアン・ライオール(東京)

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