日本が中国の『一帯一路』構想に関与する(DW English):阿修羅♪

日本が中国の『一帯一路』構想に関与する(DW English):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/17/hasan122/msg/659.html







(Japan commits to China's 'One Belt, One Road' initiative: DW English)

http://www.dw.com/en/japan-commits-to-chinas-one-belt-one-road-initiative/a-39686569





アジア





日本が中国の『一帯一路』構想に関与する





安倍晋三首相はこの野心的な経済開発計画が日本企業に格好の機会をもたらすと考えているが、彼はまた、これに参加しなければ日本が富と影響力を増しつつある中国の脇に追い遣られるかも知れないと強い不安を抱いている。











先日のハンブルクG20サミットの傍らで行われた習近平・中国主席との会談で、安倍晋三・日本首相は中国の野心的な『一帯一路』経済計画に参加したいとの日本の意向を表明した。政府はそれまで経済・発展のための中国の諸構想から距離を置いていたので、これはかなりの譲歩だ。



その日本の指導者は国内企業に偶発的な利益がもたらされることを願っているが、その一方で、彼は誰に言われなくても日本の将来の方向性について国際的事業の増大に取り残されては経済的に立ち行かなくなることをも認識していると、アナリストたちは語る。それでも、もう一つの動機はトランプ政権に対して、中国が主導権を握るのを許すのではなく、このアジア太平洋地域における長年の同盟国と改めて関わりを持つよう圧力を掛けることだ。



この壮大な一帯一路事業シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードを結合したものであり、陸と海を経由してユーラシア諸国間の接続と協力を促すよう計画されている。この事業は中国が地球規模の問題で更に大きな役割を果たすことや、地域全体を製造業を統合することを追い求めていることを示している。





陸と海の回廊





2013年9月に初めて公表されたこの計画では、中国西部とロシア西部を結ぶランドブリッジや中央アジアの諸共和国を通って中国と中東を結ぶルートを含めた、6本の陸の回廊が構想されている。海上シルクロードは陸の諸ルートを補い、中国の諸港とシンガポール・インド・パキスタン・中東、そして、最終的に地中海東部の諸港を結ぶことになる。



東アフリカやオセアニア諸国を含めて約60ヵ国がこれに係わっており、累積投資額の概算は8兆ドルに上る。



この計画の設計者たちはこれが参加各国の「インフラ格差」を埋め、それにより経済成長を加速させる方法と考えている。鉄道路線・道路・港湾施設の建設が凝集性のある経済圏の形成を促し、さらに、その経済圏が貿易や文化交流の増加によって利益を得ることになる。



日本はこれまで、この計画に加わることを嫌がっていた。日本は何年もの間、中国の帯計画の署名国の多くに開発援助の供与を続けており、今や自国の支援が光を遮られることに強い不安を抱いている。



また日本は、中国が2015年に発展途上国を支援するために設立したアジアインフラ開発銀行(AIIB)創設を不愉快に思っていた。この新しい存在が、日本と米国が1966年に共同で設立し同様の機能を果たすアジア開発銀行の活動を侵害していると日本は考えている。





銀行の参加は拒否





日本はAIIBの創設メンバーになることを拒否し、イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・豪州が全て直ちに参加手続きを執ったことに失望した。



「『一帯一路』構想はいくつかのレベルで日本に不安を引き起こしている」東京・国際基督教大学のスティーブン・ナギ国際関係学上級准教授は語った。



「日本はこれに参加しなければインフラ開発事業から締め出されて、その後は中国企業に独占されるだろう」と、彼はDWに語った。「加盟する一部の大国が投資の観点から提案を受けているので、日本企業はその仕事の僅か5%を得るだけでも大きなボーナスとなるだろう。」



「また、日本は内部にいる方が組織の透明度向上を保証でき、さらに、加盟することにより構想の進め方について意思決定に参加できると考えている。一方、外部にいることは日本が意思決定から除外され他者の決定に反応する立場になることを意味する。」



近年の地域の不安定さを考えると、日本にとって最も重要な動機は間違いなく、米国に再び地域の重要なプレーヤになるよう圧力を掛けることだ。





米国へのシグナル





「日本は地域における自国の関係を多角化する意思と能力を持っており、もはや米国だけに頼る存在でないとのシグナルをワシントンに送っている」と、ナギ氏は語った。



中国と北朝鮮が米国の撤退を歓迎するのはほぼ確実だが、米国が地域における自国の役割と関与を格下げすることは米国にもアジア太平洋地域の大部分にも利益を与えていないと、彼は指摘した。



「経済や安全保障上の理由から、この米国のアジアからの撤退は日本にとって切実な問題だ」と、テンプル大学東京キャンパス現代アジア研究所のロバート・デュジャリック所長は語った。



「日本は米国が環太平洋自由貿易パートナーシップから撤退したことに背中を刺されたような感覚を持っている」と、彼は語った。「しかし、地域の他の国々の大部分は日本と中国が良好な関係を持つ方をずっと強く願っている。これ以上の混沌は誰も望まないからだ。」



「日本は常に貿易国であり投資国だった。そして、『一帯一路』の提案は日本企業に良い機会をもたらしている」と彼は語った。







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発表 2017年7月14日

記者 Julian Ryall (Tokyo)

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