日本−裕福な国に子どもの貧困(DW English):阿修羅♪

日本−裕福な国に子どもの貧困(DW English):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/257.html











(Japan - a wealthy nation with poor children: DW English)

http://www.dw.com/en/japan-a-wealthy-nation-with-poor-children/a-36875397





アジア





日本−裕福な国に子どもの貧困





日本では貧困線より低い生活を送る若者の数が増加しつつあり、政府はこの問題に取り組むために社会を大きく巻き込んでもっと多くのことをしていなければならないと、NGO諸団体やボランティアたちが語る。ジュリアン・ライオールが報告する。











世界で最も裕福な国の1つという地位、そして、子育てや福祉が充実した社会という評判から考えると、通常では日本と貧困は結びつかない。しかし、これは国内で大きな問題となりつつあり、また、子供たちに影響を及ぼしていることからこの問題は特別な懸念を引き起こしている。



4月、国連児童基金 (UNICEF) は報告書を公表した。同基金はその中で日本の子どもの貧困について悲観的としか表現できないような展望を示した。報告書では、日本の最貧困家庭の子供たちは他の大部分の先進国の最貧困世帯の子どもたちよりも著しく恵まれない状況に置かれていると述べた。



この調査では最低所得層の子供たちと中所得層の子供たちの相対的な差異が検証されたが、日本の不平等格差は調査対象41ヵ国のうち8番目の大きさだった。





子供たち6人に1人





日本はまた、所得の中央値の半分未満で生活する人々の比率である相対的貧困率が平均をかなり下回る。この尺度によれば日本の子どもの6人に1人が貧困にある。



経済の不振な沖縄県など日本の一部地域ではこの問題はずっと厳しい。今年に入って県当局が公表した統計では、29.9%の子供たちが貧困層を下回る生活と示されている。この数字は全国平均よりも80%高い。



政府はこの問題に取り組む措置を取り始めた。子どもの貧困と闘う目的の法律が2014年に施行され、安倍晋三首相も複数の機会に自分が責任を持ってこの問題を解決すると表明している。



しかし、前線で奮闘しているNGO諸法人やボランティアたちは、これまでの措置は多くの子供たちにとって規模が小さすぎ概して遅すぎると語る。



「現在私たちが見る貧困率は、この25年間で日本の子供たちがどれだけ生きにくくなったかを明確に示している」と、全国子どもの貧困・教育支援団体協議会の青砥恭理事長は語った。







通常では日本と貧困は結びつかない





教育と失業





「日本の経済バブルが弾けてからの期間に貧困率が増加した背景には、2つの主な要因が存在してきた」と彼はDWに語った。「1つは教育で、もう1つは失業だ。」



青砥氏の団体の推計では、年間の家計収入が300万円(24,423ユーロ)未満という貧困の中で17歳未満の子ども350万人−今のところ−が生活している。それでも政府統計によれば福祉支援を申請している家庭の子供は僅か200,000人で、支援受給率がここまで低い原因は複雑だとNGO諸団体は語る。彼らの話では、最大の障害の1つは働かずにただ施しを受けることが日本社会では恥と意識されることだ。



また、近年大学の授業料が高騰している。つまり、余り裕福でない家庭の子供たちに進学の機会が殆どなくなっている。数千人は家庭の悲惨な経済状況のために高校教育を完了することすら出来ない。このような子供たちは将来貧困から自力で脱することが極めて難しいことに気づくだろうと、青砥氏は語った。





殆ど信じていない





そして、彼は安倍氏や安倍政権の約束を殆ど信じていない。



「簡単に言えば、安倍氏が子どもの貧困や貧困問題一般に全く関心を持っていないと私は思う。そして、保守諸政党の全てにこの姿勢が共通していると私は思う。なぜならこの問題は票を生まないからだ」と、青砥氏は語った。



「自分が直接認識できる現実が政治家たちの生きる世界で、子供たちが今日のどのように生活しているかや、40歳や50歳になった時にどのような人物になっているかを考える能力が彼らにないと、私は思う。」と彼は語った。



「現在このような人々を支援するために実施中の制度は事実上何もないので、私たちの団体はボランティアの立場からこの溝を埋めようとしている」と、彼は付け加えた。







活動家たちは安倍氏や安倍政権の約束を殆ど信じていない





栗林知絵子氏は非営利団体・豊島こどもWakuWakuネットワークの理事長で、地域の恵まれない子供たちのための豊島区初の「こども食堂」構想を思いついた。それ以来この構想は日本各地で再現され、現在このようなセンターが300ヵ所ある。



「私は教師でも専門家でもなく、母として地区で自分の子どもを育てた」と彼女は語った。「私は、空腹でその日1日中何も食べていなかった子供たちに度々会った。私は高校に上がることが出来ないと怖れている子供たちの学習を支援する活動を始めた。」





生き延びる日々





「子供たちの1人の女の子は自分では勉強が良くできないが、母親から弁当代に毎日500円(4.07ユーロ)貰っている−そうして彼女は日々生き延びていると私に言った。」



地元の子供たちが集まり、栄養のある食事を一緒に取り、心地よい雰囲気の中で団欒を過ごすことの出来る場を提供しながら、高校生や大学生たちが子どもの勉強を助けるために自発的に時間を提供している。



しかし、一部では基本的な問題への取り組みが為されていないと批評者たちは語る。なぜなら、政府は貧困線を下回る生活を行う人々を世話する責任をNGO諸団体に投げているからだ。



「政府はもっと多くのことをしていなければならず、貧困軽減のための現在の政策は不十分だと私は考える」と、栗林氏は語った。「それでも、全国の市民はこの問題の存在を知りつつあり、こども食堂やボランティア活動を提供するなどの必要な措置を私たちは一緒に考え始めることが出来る。これは、私たちが子供たちの将来について考えるための1つの機会だ。」







発表 2016年12月22日

記者 Julian Ryall (Tokyo)

関連テーマ 国連児童基金(UNICEF)アジア日本

キーワード アジア日本子ども子どもの貧困貧困線開発NGO諸団体経済安倍晋三東京ユニセフ