「伊勢志摩サミット:それでも成果はあった」(DW English):阿修羅♪

「伊勢志摩サミット:それでも成果はあった」(DW English):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/116.html











(Opinion: G7 in Japan - a tale of lame ducks and elephants (missing) from the room: DW English)

http://www.dw.com/en/opinion-g7-in-japan-a-tale-of-lame-ducks-and-elephants-missing-from-the-room/a-19283587





G7サミット





意見:日本のG7−レームダックたちと部屋を出た(部屋からどこかへ行った)象たちの物語





日本のG7サミットで討論すべきことは沢山ある。世界規模の危機が山積し、ロシアや中国との緊張は高まっている。首脳たちはただカメラに向かって微笑むよりも更にやるべきことがあるとDWのミヒャエラ・ケフナーは述べる。











間違いはない。バラク・オバマ大統領が今年のG7会議の紛れもないスターだ。彼が広島を訪ねるとの発表は、高まりつつあったG7への関心を攫い取ってしまった。水曜日、オバマ氏は日本に到着したが、自分が広島の記念碑の前に歩み出るだけのことにより歴史を作りつつあることを十分承知している−この行為により、彼は1945年に米国が投下した初の原子爆弾によって壊滅したこの都市に来る初の現職大統領となる。謝罪はしないと彼は明言しているが、彼が何を言おうとそれが米国と日本で新たな歴史として残ることは確実だ。これはレームダックの大統領にとって悪いことではない。



しかし、オバマ氏が自らの遺産を築くことにどれだけしっかりと目を据えていようとも、彼は自国の聴衆を慌てさせないよう言葉を慎重に選ばなければならない。国内ではヒラリー・クリントン氏が聞き耳を立てている。民主党の最有力指名候補−最近人気が落ちつつあるが−にとって今現在いちばん避けたいことは、第2次大戦での米国の罪となり得ることについての歴史的な議論だ。





先進国首脳って、誰のこと?





ここ日本では、良く演出されたオバマ氏の歴史的な芝居のために、G7会合が金曜日に行われるオバマ氏広島訪問の前座に引きずり降ろされた。外国人記者たちは慌ただしく移動した。しかし、世界最大級の7ヵ国首脳に人気のない家の前で演技をするつもりはない−特に、いま彼らは現代の最も切迫するいくつかの問題を提起しているのだ。世界経済の低迷、自由貿易協定の締結、テロとの戦い、シリア・ウクライナリビア北朝鮮の危機、東・南シナ海での領土をめぐる中国との恒常的な緊張、さらに、世界的な薬剤耐性問題のような将来のトップニュースとなる危機といったことだ。このように、G7首脳たちはこうした問題に取り組んでいないわけではないが、何一つ解決しているようには全く思えない。



この先進工業国陣営は、ブレトンウッズ固定為替相場カニズムの崩壊をめぐる緊急会合を始めて以来、長い道のりを歩んできた。問題の解決策を見出すためにG7は役に立ったと歴史家たちは証言するだろう。



今年の会合は、熱い紛争や冷たい紛争が討議予定なのと並んで、世界経済の現状をめぐるちょっとした危機対策会議として見られるかも知れない。クリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事やジム・ヨン・キム世界銀行総裁を含むテーブルに就く首脳全員が、現在の相対的な平穏が長続きしないことを承知している。それでもなお、医師のように振る舞っているG7首脳は、同一の患者に対して不安定さを増しているとの認識にも係わらず、矛盾する治療法を主張している。







DWのミヒャエラ・ケフナー





安倍晋三・日本首相は、彼の「アベノミクス」が現在のところ持続的な成長をもたらしていないという事実がありながら、通貨緩和・財政出動構造改革という自身の治療法を続けたいと考えている。後はより多くの時間と世界経済への新たな現金注入さえあればいいと、彼は主張する。



先週のG7財務相会合では、ヴォルフガング・ショイブレ独財務相がこの種の解決策について自身の見解を明確に示した。このような借金による景気刺激策を「藁に火を放つ」ものと一蹴したのだ。そのグループが最終声明を発表できなかったという事実は、共通の土台がどれだけ小さいかを示すサインだ。



国ごとの行動が他国が取る措置によって消されないよう、少なくとも協調する方法について各国政府が合意しそうなことが最大の望みだ。もしG7が保護貿易主義回避で合意できるなら、会合は成功だろう。



ブレトンウッズをめぐる第1回会議以来保ってきたバーを、彼らが下げなければならなくなったのは明らかだ。





象たちについてのこと





G7首脳たちはグループ共通の価値について話し合いたいと考えている。彼らは自分たちを結びつける、自由・民主主義・法の支配について論じる。しかしまた、ウクライナ南シナ海で問われているのは正にこうした価値だ。中国は土地を埋め立てたりサンゴ礁を軍事前哨基地に作り替えたりすることにより国際海事法を露骨に侵害しており、これは近頃のリップサービス外交に全くそぐわない。また、中国政府は宥和的な騒音を発しつつも、領土紛争を自国の仕事に干渉する国際法廷に委ねるよりもむしろ2国間交渉により押し切ろうとしている。



G7外相声明−「現状を変えて緊張を高める可能性のある全ての威嚇的・挑発的な一方的行動」を終わらせるよう求めている−は中国政府を怒らせた。G7閣僚たちが声明でその「ち」国を名指ししないよう慎重を期した事実があったにも係わらずだ。中国が力を振り回し始めると何が起こり得るかを改めて垣間見ただけだった。



ロシアは部屋の中のもう一頭の象だ。この国は討議に引っ張り込まれるよりもむしろ討議の対象となることが確実だ。ロシア政府もまた欧州の領土保全を尊重するために長年責務を果たしてきた。それでも、クリミアやウクライナ東部での同国の行動によりそれらが口先だけだったことが判り、ほぼその結果として先進工業国のグループから退くこととなった。



それでもなお、G7の枠組みはともかく、現代における最も重大な危機−歴史的な数多さの世界各地の難民−の中を進もうとするならば、中露両国と話さなければならないことを彼ら陣営の指導者たちは知っている。対ロシア制裁は効果を出し始めている。しかし、その措置はいまなお強い支持を得るものの、あまり長く続くことが当然と考えることはできない。



そのためG7首脳たちは、主要な課題について共通の土台をそれほど主張できないにも係わらず、共通の価値のために立ち上がるという高度な指令を引き受けることになった。彼らは今年、例年より国内問題で苦労しているようだ。アンゲラ・メルケル独連邦首相は移民を歓迎する政策をめぐり圧力を受けている。デヴィッド・キャメロン氏は6月23日にEU離脱の是非を問う投票をめぐりイギリスの未来と自身の政治的生き残りを賭けた正に闘いの最中だ。そして、フランソワ・オランド仏大統領は右翼・国民戦線の台頭を背景に、労働市場改革をめぐる抗議に直面している。



この問題に苦しむ家族には、その共通な価値によりリアルな政治力を行使すると世界に確信させるために、家族写真で微笑むよりも更に多くのものを出さなければならない。







この話題の音声・動画



オバマ氏の広島訪問が倫理論争を引き起こす

[Obama's visit to Hiroshima sparks moral debate]







発表 2016年5月26日

記者 Michaela Küfner

関連テーマ G7, 日本

キーワード G7, 日本, オバマ 広島








Kommentar: G7 in Japan - Eine schrecklich nette Familie in der Zwickmühle(DW Deutsche)[独文元記事]













(Opinion: No stimulus, but G7 talks in Japan bear fruit: DW English)

http://www.dw.com/en/opinion-no-stimulus-but-g7-talks-in-japan-bear-fruit/a-19289128





民主主義





意見:刺激策はないが、日本のG7対話は成果を出す





世界経済にリスクは拡大しているが、G7首脳会議の各国首脳たちは経済刺激策について合意に達することが出来なかった。それでもなお日本の会合は重要だったと、DWのクリストフ・コーバーは述べる。











彼らは高い目標を設定した。この先進工業主要7ヵ国グループ(投稿者による和訳は「地球的な長期の成長拡大のための基礎を据えつつ、現在の経済の難題に共同して取り組む」ことを約束した。これは日本のG7対話を終えての重要な最終声明に盛り込まれている。



曖昧な処方が並べられている。今回の目標は財政政策・金融政策・構造改革の「強力な配合」を実現するはずだった。つまり、支出を拡大し、お金を増刷し、緊縮を強める、ということだ−自分が正しいと思うことは誰でも自分で出来る。共通の政策とは何かと人々が問うのも無理はない。



議長の安倍晋三氏は国内の圧力に直面しているが、「アベノミクスを世界中に展開する」と微笑んで発表した。国債発行による経済の刺激・市場への潤沢な通貨の供給・政治改革の公約という日本首相の処方を指してエコノミストたちが作った言葉だ。







DWのジャーナリスト、クリストフ・コーバー





アンゲラ・メルケル独連邦首相は恐らく見解が異なる。他のG7代表もこれが当てはまる。リーマンブラザーズ以来のメルトダウンを連想させるという、現状に対する安倍氏の評価を他の参加者は誰1人として買わなかった。伊勢志摩サミットは、経済という主要問題についてG7各国の立ち位置が互いにいかにかけ離れているかを単に示す場となった。





信頼は進化しつつある





この先進工業国の会合は30年前にアイディア交換の非公式な場として始まったが、いまなお目的を果たしている。何よりも先ず、これは意思決定者が会うフォーラムだ。危機の時代にはこのような進化した枠組みは非常に高い価値を持つが、それは例えば、今回のジャスティン・トルドー加首相のような新顔が国際政治の舞台に登場した時のように、別の状況でも当てはまる。



今回の首脳会談では、G7諸国が多くの国際問題について共通の立場で結びつくことを示した。コミュニケでは中国が名指しで言及されることはなかったが、どのような問題でも−中国とその海上国境に関わる戦略地政学的な紛争でも、既に不安定な鉄鋼業界において中国国営企業が市場に及ぼす歪んだ影響でも−G7首脳たちが一致した姿勢をとることをはっきりと示した。他の重要な合意点は、ウクライナ内戦へのロシアの干渉と認められる行為や北朝鮮の核実験に対して明確な態度を示したことだ。G7は世界貿易への責務と難民問題への協力拡大を明言した。



多くの立派な言葉や共通の価値には行動や資金を通して命を与えなければならない。例えば、G7は30億ドル(27億ユーロ)のイラク財政支援を約束した。さらに、このグループは初めて世界の全ての人々が誰でも医療にアクセスできるよう声を上げた−このためにはお金が足りないだけだ。恐らくシチリアでの次回のサミットまでに基金が設立されるかも知れない。







発表 2016年5月27日

記者 Christoph Kober

関連テーマ アンゲラ・メルケル, 日本

キーワード G7, 日本, 世界経済, 経済, メルケル








Kommentar: G7, jetzt erst recht!(DW Deutsche)[独文元記事]













(投稿者より)



「中露が既に世界をリードしているのにG7開催に何の意味がある?」という意見もあるくらいで、会議の内容は薄く、御紹介したいと思えるような記事もあまりなかったのですが、今回はドイチェヴェレの論評を集めてみました。ただ、ネタの中身が薄いと記事を書く記者も大変なようで、今回はそれが分かれば十分かも知れません。翻訳には誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



フランス24のディベートでは、「日本の神道靖国のことがあるのに、なぜ伊勢神宮呼ぶんだ?」とプレゼンターが投げた問いに同局の日本人記者が言葉に詰まりながら答えていました。会議自体に目立った成果はなかったようですが、サミットを口実にお伊勢さんで「禊ぎ祓ひ」を済ませた御各人が、心機一転してお国の問題に改めて取り組めば良いのではないでしょうか。



サミット期間中は四日市周辺で夜中の街道を走る機動隊のバスを何台も見かけました。サミット級のイベントとなれば、パトロールにもバスが登場するようです。伊勢志摩には行きませんでしたが、現地の方々は準備の段階から大変だったようです。来訪する外国人記者や国内各地の警察官などのお陰で一部の業界は潤いましたが、それでも、観光客を呼ぶために次の手を考えなければならず、こちらは生活が懸かっており地元も大変です。