緊縮路線は…馬鹿げている(RFI):阿修羅♪
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/591.html
(L’austérité est… stupide: RFI)
http://www.rfi.fr/emission/20130417-austerite-est-stupide
2013年4月17日水曜日
緊縮路線は…馬鹿げている
記者 ドミニク・ベヤール
ウェイン・スワン豪財務相によれば、欧州の緊縮路線は「馬鹿げている」。(写真:緊縮路線に反対するナントのデモ。)
REUTERS/Stephane Mahe
フランスは緊縮路線を堅く守っている。このことは、水曜日に閣僚会議に提示された2013年予算からも透けて見える。フランス政府はEU本部が引いた線の上に乗っているが、この線に対する拒否や無理解が世界の他地域でどんどん現れている。木曜日にワシントンで予定されているG20財務相会議では、動きが出ることが予想される。
オーストラリアの財務相にとって、欧州諸国から聞こえるような緊縮路線は馬鹿げている!ウォールストリート・ジャーナルのインタビューで発せられたこうした言葉は、G20の財務相たちが非公開で行うことになる、今回の討論の基調となる。
この基本方針でやりとりすれば、様々なモノの見方がG20で聞かれたり説明されたりするようになるからと、これを高く買う国々は数多だ。欧州の戦略に異を唱えるのは、オーストラリアだけにいるわけじゃない。既に米国は、欧州が消費を刺激するよう公然と促した。IMFもクギを刺した。
4月15日に公表された春のIMFレポートの中で、チーフエコノミストのオリヴィエ・ブランシャール氏は、世界で景気が後退している地域は欧州だけであるとして、欧州には世界の他地域との間にズレがあることを認めている。同氏の考えに従えば、今は財政健全化よりも景気刺激の方が有効だ。イギリスがヤリ玉に上がっている。
しかし、フランスのように、消費促進のための施策の余地がまだあるにもかかわらず、緊縮政策を続けている国にも、やはりこのご託宣は有効だ。
オーストラリアの怒りに理はあるの?
オーストラリアはまだ、緊縮路線に苦しんでいるわけでない。その理由は何よりも、オーストラリア経済は20年間成長を続けており、力強い健全さがあるからだ。オーストラリアには、鉱産資源や農産物といった一次産品が満ちあふれているが、今日では、欧州景気の減速よりも中国景気の減速に対する怖れの方が大きい。
それでも、中国が鉱産資源など一次産品に対する、伝説的とも言える購買意欲を失い始めるにつれて、オーストラリアは中国に替わる成長の牽引車を他に探す必要が出ている。
また、欧州経済に陽が射すのを望むアジアの国は、オーストラリアだけでない。先週欧州を訪ねたインド首相も、同様のメッセージを残した。さらに、世界が刺激策を戦略とするようピント合わせをしているのに、欧州が強情なので事がややこしくなっていると、オーストラリア政府は強調している。すなわち丁度、世界的な政策を決めるG20の場だ。
欧州はG20を回心させたい
G20財務相会議が、緊縮政策の革命的な転換点にならないだろうことは間違いない。なぜなら、欧州諸国は逆に、赤字との戦いという目標に力を得たいと考えているからだ。G20は、GDPに対する債務の比率は90%が望ましいと定めた。欧州諸国はさらに、EU規準の60%を世界レベルで採用して貰えたらと考えている。
日本のような、この水準が現在200%を超えている国では、この水準は考えられないものだ。政府債務の健全化に数値目標は必ずしも適切なツールでない、とか、それぞれの国が自分の歴史や自分の強みに応じて自分の目標を決めればいいのだ、とかいった考えを小声で耳打ちする者たちもいる。そうなれば、自ら欲する政策を進める欧州は、取り残されることになる。
(投稿者より)
RFIサイトに掲載された記事です。誤訳があるかもしれません。ご容赦下さい。
写真の都市、ナントはフランス西部の大西洋岸にあります。
豪州が主人公の話題なのですが、「緊縮か緩和か」という問題をめぐる最近の空気が伝わるように思えましたので、投稿しました。
この記事に関連したIMFの文書は、大まかなものなら日本語でも読めるようですので、下にリンクを付しておきます。
・『三極化した世界経済の回復』(2013年4月16日 オリビエ・ブランシャール iMFdirect ブログ)
・『国際金融安定性報告書(GFSR), 2013年4月: 要旨』(2013年4月17日)
・『国際金融安定性報告書: 政策当局は残存する金融リスクに取り組み新たな問題に対処すべき』(2013年4月17日 IMF サーベイ)