「日本は驚きの景気刺激策」(RFI・France24の記事):阿修羅♪

「日本は驚きの景気刺激策」(RFI・France24の記事):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/874.html





(Le Japon en quête de croissance: RFI)

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20130108-le-japon-part-quete-croissance-shinzo-abe-nikkei





日本−記事発表:2013年1月8日火曜日−最終更新:2013年1月8日火曜日



成長を模索する日本



記者 RFI





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安倍晋三日本新首相

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安倍晋三日本新首相は、この世界3位の経済大国の景気回復を、自ら率いる保守政権の最重要課題にしている。インフラの改修・M&A支援・技術革新に焦点を当てた、その先駆けとなる1100億ユーロを超える景気刺激策が明らかにされた。財界の日刊紙・日経が伝えた。





報告 RFI東京特約記者、フレデリック・シャルル



価格と名の付くもの全てが下がる、日本経済をこの10年蝕んできた癌である、デフレから日本を脱却させるために、地域の補完的な投資も含めて、2100億ユーロを超える資金を、安倍晋三首相は成長を刺激する目的で投入することにした。



この巨額な資金は、いくつかの鍵となる分野に投資される。耐震構造物の強化(非常に強力な地震がまた来ることを、日本では怖れている)、中小企業の資金繰りのための政府・民間双方の投資ファンドへの資金供与、そして、日本の企業集団による外国企業買収の促進、さらに、幹細胞の研究・開発への投資だ。



安倍晋三首相は、景気刺激策を1度実施したくらいで、欧州諸国平均の2〜3倍となっている政府債務を怖れていない。それでも、この政策のための資金の一部は、日本の膨大な貿易黒字から調達されるだろう。



日本の債務は世界一豊かな貯蓄によってまだ賄われているが、日本がこれ以上債務を深刻化することはできない。










(La relance nippone, le pari du nouveau parti au pouvoir: RFI)

http://www.rfi.fr/asie-pacifique/20130109-relance-nippone-pari-nouveau-parti-pouvoir-aujourd-hui-economie





今日の経済−記事発表:2013年1月9日水曜日−最終更新:2013年1月9日水曜日



日本の景気刺激策:新政権の賭け



記者 ドミニク・べヤール





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安倍晋三・日本首相。

REUTERS/Toru Hanai






日本国内の経済活動を最短の速さで回復させるための緊急対策の資金手当を目的とした、9〜12兆円規模の2012年度の大型補正予算が決定されると、日本メディアが伝えた。欧州にすれば驚きの選択。大部分の欧州諸国はこの種の政策を諦めたのだから。





日本の保守政党−2012年に再び政権を握った−が、国民総参加のカードゲームをしていることは明らかなようだ。なぜなら、企業のトレードマークはわずかだからだ。いまは外国の顧客が日本のクルマや電気製品を買い控えしているので、この選択は意味のあること。日本の国土に再び意識を向けるのは尤もなことだ。



日本の債務−国内総生産の2倍以上−が天文学的なのは事実だ。しかし、他の欧米諸国の債務事情とは異なり、日本国債は国内の預金者がその95%を保有しており、外国ファンドによる保有はない。そのため、日本はいま、海外マーケットの攻撃から守られている。





この景気刺激策の資金調達はどうするの?



財政の教義など気にかけず、認められた上限を超えるのを覚悟で、新政権は国債の発行を続けることにした。敢えてそれをやろうと思ったのは、その方が債務の返済が楽になるという理由もある。



事態は切迫しており、最短の時間で何があっても、デフレを克服する必要がある。日本で10年続いたように、物価が下がると企業は余裕資金のことで苦しみ、投資ができなくなる。これが、経済を下方に引っ張るデフレスパイラルだ。





この景気刺激策で、自動車業界のような輸出産業は恩恵を受けるの?



景気刺激策の予算措置から、輸出産業が直接的な利益を得ることはないが、その代わり、彼らは新政権の金融政策の方で利益を得たいと考えている。なぜなら、日本が抱えるもう一つの問題は、通貨・円だからだ。



円は高すぎるので、輸出産業、特に自動車メーカーは被害を被っている。日銀は、1%でなく2%のインフレを認めるよう、言葉通りの命令を受けた。競争力を取り戻したい産業界は、これで一息入れられる。





この景気刺激策に成功の可能性はあるの?



エヴリン・ドゥリーユ−フェル氏によれば、それは正味で景気を刺激する部分がどれだけあるかによるだろう。この研究者によれば、「週末、地方や参議院との対話が持たれたときに、よりはっきりするだろう。」政府と民間の連携という手段を用いる点や、政府が地方を巻き込む点など、この政策には興味ある目新しい点があると、同氏は考えている。この3者の協力により、より効果的なアクションが可能となるだろう。



これはつまり、この保守政党が本当の意味で変わったわけではない、ということだ。なぜなら、この景気刺激策は、自民党が幅広い公共事業のプログラムを通じて1950年代から行ってきたものものだからだ。これはコンクリート政治と呼ばれる。不平等な結果をもたらしてきた政策だ。



エヴリン・ドゥリーユ−フェル氏の指摘では、1980年代に急いで作られた道路や橋は、あまり有用な投資でなかったことが明らかになっている。それでも、耐震建築物の強化、省エネルギー住宅、そして勿論、これまで遅れていたポスト−フクシマの復興など、実際に必要なものに事業が向けられるなら、多分、興味深い結果が現れるだろうと、論文は述べている。





(以下、元記事ではアリタリア航空AIGBNPの話題ですので、省略します)











(Quand Tokyo opte pour la relance, à l'inverse de l'Europe: France24)

http://www.france24.com/fr/20130111-japon-plan-relance-deficit-dette-abe-boj-rigueur-economie-investissement





最終更新 2013年1月11日 − 財政赤字政府債務日本





欧州と逆に、日本が景気刺激策を選ぶ時





日本は世界で最も債務が大きい国であるにも係わらず、日本政府は1750億ユーロの野心的な景気刺激策の実施を決めた。欧州ではどの国も祈るような気持ちで財政の引き締めに努めており、このアプローチに驚くかも知れない。






安倍晋三首相

© AFP





記者 セバスティアン・セブ





債務?怖れるに値しない。日本の首相は金曜日、日本経済を下支えするために、20兆円(1750億ユーロ)の野心的な景気刺激策を実施すると発表した。半分は国債の発行により資金を調達し、残りは民間部門が支援する予定だ。日本は世界最大の債務国だが、これは強力な後押しとなる。



この日本の計画では、2011年3月11日の津波で最も大きな被害を受けた地域となった東北地方などで、インフラを改善するための巨額投資が計画されている。また、国内での企業活動の継続を奨励するために、中小企業に補助金を出すことも検討されている。新たに選出された右派政権によれば、流動性の投入により、数十万人の雇用が可能となるに違いない。



欧州では、政府債務と財政赤字の削減のために、各国政府が財政の引き締めを強く呼びかけているので、この計画はいくらかの羨望を引き起こすに違いない。そのため、日本は政府債務がGDPの220%に達しているものの、欧州の緊縮政策は日本経済の考え方とかなり相違がある。



欧州と逆に、日本では、「金融市場国債保有リスクを見込んでいない」と、フランス経済研究所(OFCE)の日本経済専門家ブルーノ・デュクードゥレ氏はフランス24に説明する。日本国債の5年物と10年物の金利は、それぞれ0.2%と0.8%となっている。これは、スペイン(4%)やイタリア(5%)の国債に課される金利とは、比べものにならない低さだ。





景気回復が先、赤字削減は後



こうした金融市場の「寛大」さは、2つの日本特有の事情によって説明できる。まず最初に、日本銀行(BOJ)が国債を大量に購入している。ヨーロッパ中央銀行(ECB)よりもずっと大量にだ。「そのため、投資家は確実にお金を返してもらえる」と、ブルーノ・デュクードゥレ氏は強調する。さらに、日銀はECBとは逆に、財政赤字削減という条件を提示することなく、国債を購入している。



次に、国債の91%は日本国民が購入している。そうすれば、何が違うのか?「外国人機関投資家は[日本人投資家よりも:編集者注]短期的な見通しを持つことが良くあるので、金利が上がるよう行動しがちで、特に、より投機的なアプローチを採る傾向がある」と、ブルーノ・デュクードゥレ氏は指摘する。



しかし、この専門家が強調するところでは、だからといって、日本が財政赤字と政府債務の問題を無視しているわけではない。「政府債務がもう10%増えれば、『永遠に安泰』というわけにいかないと、政府は良く理解している。」しかし、同氏の主張では、欧州と異なり、日本政府の論理はいわば、景気回復を財政健全化に優先させるというものだ。



この計画が効果的に成長を生み出すかは、まだ分からない。「短期的には、確実に良い効果をもたらすだろう」と、ブルーノ・デュクードゥレ氏は主張する。しかし長期的には、この予定表の確実性は低下する。「財政支出による景気刺激策を行うと、その分だけ、労働市場構造改革が遅れるリスクが発生する。日本が競争力を取り戻すために、その改革はやらなければならない」と、英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は懸念している



自由主義色の濃いこの新聞からすれば、景気刺激策を決めたことにより、機能障害に陥った国内経済に直面しても、その危険性から目を逸らすという政策を、日本政府が採ったことになる。それは少し早すぎる分析だと、ブルーノ・デュクードゥレ氏。「東北地方が復興すれば、長期的にも、日本の生産能力の向上が可能となり、また、生産拠点の海外流出を食い止めるための中小企業支援がうまくいけば、日本国内でノウハウを維持できる」と、同氏は考えている。











(投稿者より)



RFI・フランス24の両サイトに掲載された記事です。誤訳があるかも知れません。ご容赦下さい。



安倍氏の経済政策を批判する声は多いのですが、海の向こうはどう見ているか、知っておくのも悪くないと思いました。日本の貿易収支は既に赤字傾向となっており、他にも「?」と思える箇所があるかも知れませんが、訳の拙さもありますので、細かいところは脇に置いていただければ有り難いです。



「20兆円の景気刺激策で、10兆円の財政出動」、日本では「財源はないんじゃなかったの?」という辺りでもめていますが、そもそも、欧州にそれだけのお金すら既にないようで、これは驚きと羨望の目で見られているようです。「国債は貯蓄の一種」など、日本では当たり前の感覚が、実は世界標準からすると幸せこの上ないことなんだと、教えてくれる記事でもあります。



日本は今や、米国だけでなく世界のATMですから、どのみちお金は搾り取られるでしょうが、それならそれで、国民の分け前を少しでも取っておくよう、少しでも国内経済を豊かにしておく必要があるわけで、少し自虐的ですが、日本国と日本国民が生き延びるためには、このような生き方も仕方ないのかなとも思います。



労働市場構造改革」"les réformes structurelles du marché du travail"、つまりは、正社員のリストラと勤労者全体の賃下げ、ということでしょう。こうした事態に対応するなら、政府がセーフティネットをきちんと構築する必要があるのですが、安倍氏生活保護の支給水準引き下げを表明するなど、逆の方向性のようです。



先ほど、牧義夫・前代議士のこのようなツイートを見つけました。





牧義夫 ‏@yoshiomaki758



いくら前政権が酷かったからといって、これで日本の国が見違えるように生まれ変わると期待していたら、後でまたがっかりですよ。今回の緊急経済対策、とてもこれで新たな雇用を生み出すとは思われません。成熟した日本社会にふさわしい「新しい公共」分野で、もっと雇用創出を図るべきです。



2013年1月13日 - 10:41





私は安倍氏の狙い通り、雇用は増えると思います。円が凄まじい勢いで下がっていますので、輸出産業が息を吹き返すと思います。非正規雇用よりも正規雇用の方がましですが、失業よりも非正規雇用の方がずっとましです。失業することを考えたとき、仕事があるということは、それだけで有り難いことです。



しかし、「自民党」は基本的に、国民生活を充実させることもより国のカタチを整えることを重視していますので、やはり、「生活の党」に頑張っていただきたいです。「生活の党」の皆様には、経済政策のしっかりとした青写真を示していただき、参議院選挙に備えていただきたいと願っています。「脱原発」は勿論ですが、「消費増税凍結・TPP加入阻止」の旗を降ろさずに、国民生活を第一に、頑張っていただきたいです。