「日本の若者たちは国の内外で職を得るために戦っている」(BBCの報道より):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/189.html







(Japan's young fight for work at home and abroad: BBC NEWS BUSINESS)

http://www.bbc.co.uk/news/business-12429234





2011年2月13日 最終更新 16:35GMT





日本の若者たちは国の内外で職を得るために戦っている





ローランド・バーク

BBCニュース、東京








日本の学生たちは日本経済の未来のための戦いに直面している−しかし、国境の内か外に国力を盛り返すための答えはあるか?





日本のGDPの数値が間もなく発表されると、世界第二位の経済大国の座が中国に明け渡されることが最終的に確認される。(日本のGDPが発表されたのが2月14日で、この記事が発表された翌日でした。:投稿者注)



日本は失われた20年の最中にあり、一方、中国は急速なテンポで成長している。



人口減少のために、置き去りにされないためには、日本は成長を海外に求める必要があるが、逆に、若者たちの視野はだんだんと内向きになりつつあることが懸念されている。



日本では、卒業間近の学生たちが就職活動をする時期であり、彼らは緊張している。



みな同じような黒のスーツを着て、彼らは就職フェアに集まる。そこには企業も集まり、自社の事業を紹介して見せる。



次世代のサラリーマンたちにとって、ここは出発点だ。この時代でさえ、彼らにはきちんとした生涯の職を得る見込みが十分にある。





不安定な労働者たち





しかし、すでに卒業した人たちを検討対象とする企業はわずかだろう。



そのため、学生たちはいま成功しなければならない。さもなくば、数を増やしつつある、不安定な派遣社員の身分に甘んじる危険を背負うことになる。



ハヤシ・セイスケ氏は、評判の高い早稲田大学に通うが、同氏は早く活動を始めている。



同氏は来春卒業予定ではないが、金曜日の夜に、面接試験のための特別指導を有料で受けている。



最初のレッスンは、面接室への入り方だ。書類入れを右手に持ち、畳んだコートを左手に提げ、自信ある足取りで歩き、それから、立ち止まってお辞儀するというのが、確実なやり方だ。



同氏は留学したかったが、そうすれば、入社説明会・就職フェア・面接試験といった、一連の就職活動ができなくなり、そこまでの危険を冒す価値はない。





「イニシアチブの欠如」





外国の大学に留学する日本人の数は、2004年から5分の1に減少した。



「日本人は何か違うことをするのを怖れる」と、ハヤシ・セイスケ氏は語る。「私たちはイニシアチブに欠けている。他の人の足跡を追うのが好きで、大学で4年過ごして卒業し、就職する。これが主流だ。」







日本の労働法制は厳格だ−特に、寿司職人になるために必要な生魚を扱う技能については





銀座は東京で最も派手な商店街だが、中国人観光客を運ぶバスが、経済力の順位が変わったことを思い知らせる。



彼らは今や上得意様であり、商店の多くは、中国のクレジットカードを歓迎する、と窓にしっかり表示している。



財界のリーダーたちは、日本経済が取り残されたのに、日本の若者たちはどんどん内向きになっていくと不平を言う。



そして、それこそが問題なのだ。なぜなら、日本国内では、人口は高齢化し、減少しつつあるからだ。



企業や個人の中には、目を覚まし、外の世界へ飛び出し、チャンスが与えられるのを狙うものもいる。



アパレル・チェーンのユニクロの基幹店の一つが銀座にある。





日本語だけ





日本では成長の望みはわずかなので、ユニクロはすでに海外出店を進めている。



同社は2020年までに世界最大のチェーンになるという抱負を明言しているが、そのためには問題が一つある。



海外での経験が乏しいため、従業員の大部分は日本語しか話せない。



そのため、彼らは全員、来年のこの時期までに英語を習得しなければならないと命じられている。



「私たちは日本国外に店舗を広げたい」と、ユニクロのハセ・ダイスケ氏は語る。「そのためには、私たちは、それぞれの地元の市場で人を雇う必要がある。」



「今は、従業員の90%が日本人だ。将来は、10%が日本人で90%が外国の人々になるかも知れない。外国人の従業員たちとコミュニケーションをとる必要があるので、社内の共通言語が一つ必要となる。私たちは英語を選んだ。」



余所では、変化の兆しがもっと多くある。





厳しかった就職が





東京すしアカデミーでは、数世紀の伝統が覆されようとしている。日本では、新入社員の教育は厳格だが、生の魚を扱う仕事ほど厳しいものはない。



寿司職人になるには、通常、長い修行が必要だ。何年も調理場をモップがけして、はじめて材料に触らせてもらえる。



しかし、このアカデミーでは、数週間で基礎を教わる。



そして、ほとんど全ての受講生は外国でレストランを開きたいと考えている。



「私はもっと多くの日本人に、海外に出てもらいたいんだ」と、生の鮭・ペースト状の緑のわさび・しゃりを握って、寿司の形を整えながら、シマムラ・ヒロシ氏は語る。



「20年前、私が若かった頃には、多くの若者が海外に出たがったが、それも変わったようだ。今では、海外出張にさえ行きたがらない人たちもいるそうだ。想像できないね。」



今や、日本は中国に取って代わられた。相対的な地位は下がり、世界的な順位もさらに落ちていく運命にあると、多くの人が考えている。



若者たちの多くが、日本経済の新たなチャンスを見いだす道を発見しない限りは。











(Japan is no longer the second world's largest economy: BBC NEWS BUSINESS)

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12445929





日本はもはや世界第二位の経済大国ではない





2011年2月14日 最終更新 09:52GMT





中国が正式に日本に取って代わり、世界第二位の経済大国になった。



日本政府による最新の公式な数値が示すところでは、2010年の日本の国内総生産は4%をわずかに下回った。これは中国に比べはるかに低い数値で、経済の前進を続けるには不十分だ。



このことは、40年以上続いた、日本が世界第二位の経済大国だった時代の終わりを示している。



このニュースは、中国の著しい成長にはショックを受けないまでも、日本経済に心理的なダメージをじわりと与えそうだ。



BBCのローランド・バークが、これが、日本が中国と比べて相対的な衰退期に入っていくことを意味するのかどうか、さらに、これが、日本の若い世代の将来観にどのようなインパクトを与えていくのかを検証する。





(下のリンクより、BBCサイトの動画記事をご覧になれます。)

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12445929











(投稿者より)



内向きになりつつある日本の若者たちの就職活動、高齢化・人口減少の中でグローバル化を目指す企業、伝統的な徒弟制度を覆す職人養成学校とそこで学ぶ海外を目指す若者たち。現代日本の職業事情をBBCがレポートしています。誤訳があるかも知れません。ご容赦ください。



日本の若者たちは内向きになりつつあり、しかも、「ゆとり教育」の影響で学力の低下が著しい。その反面、大企業の多くは生き残りをかけてグローバル化を進めており、そのような企業は日本人よりも海外の学生に関心を持っている。そのことが日本人学生の就職口をさらに狭くしている、という事情は伝えていません。



個人的な考えとしては、成長を海外に求める必要が本当にあるのか?というところから疑問を持っています。日本の現在の経済状況は、地方交付税交付金・国庫支出金の削減、定率減税の廃止、勤労者給与の減少など、生活者や地方に対して適切な手当を怠った結果です。少子高齢化・人口減少は事実ですが、そこに原因を求め、「だからどうしようもない」というのは違うと思います。



政府が適切な手当を怠ったのです。逆に言えば、今からでも適切な手当を行えば、地方は蘇り、生活者にも必要なお金が回り、国内で十分な成長が可能なはずです。もっとも、個々の企業がグローバル化するのは個々の企業の考えですから、それは尊重されるべきだと思います。



昔ながらの徒弟制度では今の若者はついていけない、それは分かります。確かに、モップがけと寿司を握ることに、直接の関係はありません。しかし、一人の職人である前に一人の人間であるべきだと考えたとき、その人の人間形成は誰が、どのような形で行えばいいいのでしょうか?これは、難しい問題だと思います。