メルケル氏は新年のスピーチを利用し、ユーロの重要性を強調する(DW-WORLD.DE):阿修羅♪

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(Merkel uses New Year's speech to stress importance of euro: DW-WORLD.DE)

http://www.dw-world.de/dw/article/0,,14744916,00.html





欧州関係 2010年12月31日





メルケル氏は新年のスピーチを利用し、ユーロの重要性を強調する





メルケル首相は新年のスピーチの中で、ユーロの重要性を強調し、単一通貨ユーロはドイツの繁栄の中核だと語った。また、同首相は、ドイツは経済危機を脱してより強くなったとも語った。







連邦首相は毎年大晦日に国民に挨拶を送る





アンゲラ・メルケル首相は、年明けを前にドイツが不確実性に直面していた、1年前のスピーチを振り返ることから、国民に向けた恒例の大晦日スピーチを始めた。



「率直に話をさせてください」と、同氏は演説の最初に語った。「1年前、私が皆さんの前に座り、このスピーチをしたとき、私は未来に自信を持ってはいましたが、入り交じった感情もありました。なぜなら、私たちの国は財政・経済危機の最中にあったからです。」



しかし、2010年が終わろうとする時、メルケルから出る言葉は自信に満ちあふれていた。経済の停滞から国を脱出させようとするドイツ人たちを力づけようと、その背中を叩いたのだ。



「ドイツは、他のほとんどの国ができないような形で、危機を征服しました」と、同氏は語った。「危機は強まりましたが、それでも、私たちは脱出したのです。」



「統一ドイツで、現在ほど人々が懸命に働いたことはありません。失業者数は、ほぼ20年間で最低です。」



「強まりつつある危機から、私たちは脱出したのです。それは何よりも、同胞である市民の皆さんのおかげです。」





ユーロはドイツと「密接に結びつく」





ドイツが欧州諸国の経済をリードする一方で、他国は苦闘を続けており、その結果、失業者が幅広い分野で発生し、ユーロ圏の共通通貨に対する強い不安がおこった。







ユーロはドイツと欧州にとって重要だと、メルケル氏は語った





それでも、メルケル氏はスピーチで、ユーロはドイツの「幸福」と密接に結びついていると語り、ユーロを守る姿勢を示した。



「ヨーロッパはいま大きな試練に直面しています。私たちはユーロを強化しなければなりません。ユーロの強化は、私たちのお金だけのことではないのです。ユーロは通貨というよりもずっと大きなものです。」と、メルケル氏は語った。



「幸運にも、私たちヨーロッパ人は団結しています。統一されたヨーロッパは、私たちの自由と平和を保証するものです。ユーロは私たちの繁栄の基礎を形づくります。」 と、同氏は語った。



「私たちの幸福のために、そして、私たちが世界規模の大きな試練を克服するために、ドイツにはヨーロッパと私たちの共通通貨が必要です。」





よく働いてくれた





メルケル氏は、南アフリカのワールドカップで3位になった、サッカーのナショナルチームを引き合いに出し、ドイツ人が経済危機を脱するために示した勤勉さに言及した。







ドイツ人たちはワールドカップの期間中ナショナルチームの元に集まった





「私たちのナショナルチームは、私たちを強くしてくれた長所について、見事なまでに具体的に示してくれました。努力し、訓練を怠らず、想像力に富み、最高水準の技術を持っている、ということです。」



首相は、ドイツが2011年の女子ワールドカップを主催する、2011年の夏に目を向けている。 主催国であるドイツは優勝の最有力候補を見なされており、メルケル氏もこのことに言及した。



女子ワールドカップが来年ドイツで開かれるとき、私たちのチームは3度目の優勝を得たいと願っています」と、同氏は語った。「私たちが応援すれば、彼女たちはきっとやってくれるでしょう。ベルリンでの開幕ゲームが今から楽しみです。」





兵士たちのことは忘れない





ドイツの軍隊は2010年、国が長年堅持した徴兵制の廃止をめぐる議論と、アフガニスタンに展開するNATOの一員として連邦軍が果たす役割の両面から、多くの注目を浴びた。



首相は、今年アフガニスタンで亡くなった9人のドイツ兵士に敬意を表した。



「私がどのような言葉をかけても、亡くなった方たちのご家族やお友達の心痛を和らげることはできませんが、心の底からこのことを申し上げたいのです。彼らが将来忘れられることはありません」と、メルケル氏は語った。



メルケル氏は、ドイツ人が「人から人へ」と連帯して生きることを呼びかけ、スピーチを締めくくった。ドイツが頑張るのは、「より多くのものを得る」ためでなく、「よりよく生きるため」であり、そうすることで国に連帯感と幸福が育まれると、メルケル氏は語った。



哲学者カール・ポパーの言葉を引用して、メルケル氏は語った。「未来は大きく開かれています。未来は私たち一人一人にかかっているのです。」さらに、メルケル氏は付け加えた。「こういった意味で、私たちは、理想と、好奇心と、新たな試練を解決しようとする情熱とをもって、来るべき年に目を向けようではありませんか。」





執筆:ダレン・マラ、マット・ズヴェラ(AFP, ロイター, dpa)

編集:チャック・ペンフォルド












(投稿者より)



昨年の大晦日に発表された、アンゲラ・メルケル独首相のテレビ・スピーチを伝えた、ドイチェ・ヴェレのサイトに掲載された記事です。ドイツ語はできないので、英語の記事から日本語にしました。誤訳があるかもしれません。ご容赦ください。



ドイツ語がおできになる方は、ドイツ・連邦首相サイトから、スピーチの動画を見ることができます。原稿もあります。





(ドイツ・連邦首相サイトから)

http://www.bundeskanzlerin.de/nn_683702/Content/DE/Artikel/2010/12/2010-12-31-podcast-neujahrsansprache-der_20kanzlerin.html





ギリシャアイルランドなどが財政破綻し、欧州各国が緊縮路線に舵を切る中、ドイツと欧州諸国との関係、ドイツ経済とユーロとの関係が取沙汰されており、そこに関心がありました。



記事を読む限り、ドイツが欧州を牽引するという従来の態勢は継続されるようです。



ところで、イラク戦争に関連して、何十名かの自衛隊員の方が亡くなっています。戦死した人もいたのではないか、という声も挙がりました。その真偽はともかく、行かなければ死ななかった方も中にはいたでしょうが、日本の首相が公の場で、こういった方々の死を悼む発言をしたことはついぞなかった、ということも、これを読みながら思い出しました。



メルケル氏の発言部分は重訳となりますので、細かなニュアンスはかなり損なわれていると思います。しかし、その断片からでも、国を率いる者の器を感じさせてくれるスピーチです。



そういった意味では、菅首相の年頭所感と読み比べるのもいいかも知れません。ドイツも日本と同様に、国家元首は象徴的な存在であり、国の最高権力者は中央政府の首相です。





菅内閣総理大臣 平成二十三年 年頭所感:首相官邸

http://www.kantei.go.jp/jp/kan/statement/201101/01nentou.html