外国人労働者に「日本語試験」を。ロシアの惨状を知る識者から警告(『ロシア政治経済ジャーナル』-MAG2NEWS):阿修羅♪

外国人労働者に「日本語試験」を。ロシアの惨状を知る識者から警告(『ロシア政治経済ジャーナル』-MAG2NEWS):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/637.html







https://www.mag2.com/p/news/363805





外国人労働者に「日本語試験」を。ロシアの惨状を知る識者から警告





ビジネス  2018.07.03  57  by 北野幸伯『ロシア政治経済ジャーナル』











6月27日の党首討論で安倍首相は、外国人労働者受け入れ拡大方針を巡り「受け入れ先職場の平均賃金を保証すべき」と表明しました。これについて無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんは賛意を表しつつ、ロシアの先例から「言語検定」などで一定基準を設けた賃金設定をすれば良いとし、人種に括らずに、努力をしたものの賃金が報われると実感できる法整備が必要との持論を展開しています。





外国人労働者の賃金を上げろ!にまつわるパラドックス





安倍総理は、外国人労働者の賃金を、職場の平均賃金まで引き上げる」方針を示しました。






首相、外国人労働者の賃金確保表明…党首討論





読売新聞 6/27(水)22:15配信





安倍首相は27日の党首討論で、国内の外国人労働者の処遇について、受け入れ先の職場の平均賃金を保証すべきだとの考えを表明した。外国人労働者の不当な処遇を防ぐとともに、外国人受け入れに伴って日本人が職にあぶれたり、賃金水準が低下したりしないようにする狙いがある。





この記事を読んで、「外国人より、もっと日本人を大切にしろ!」と思われた方はいますか? しかし、実をいうとこれ、まさに「日本人にとって」とてもよいことなのです。



ある会社に二人の男性が面接にきました。一人は日本人。もちろん、日本語ネイティブで、ペラペラです。もう一人は、日本語カタコトの外国人です。ところが、この会社は、外国人を採用しました。なぜ? 日本人は、「時給1,000円」を要求した。一方、外国人は、「時給500円でいい」といった。それで採用されたのです。



こういうことがつづくと、そのうち低い賃金水準がスタンダードになってしまいます。最初は、「日本人は1,000円、外国人は500円」だったのが、いつの間にか、「日本人も500円、外国人も500円」になってしまう。それで、日本人の賃金水準が下がっていきます。もう一つ、「労働市場に、毎年何十万人も新しい労働力が供給される」という問題もありますね(安倍総理は、50万人の外国人労働者を受け入れると宣言している)。



この受け入れの件はともかく、「外国人の賃金を、職場の平均にあわせる」という話。これが実行されるとどうなるでしょうか



日本人と、日本語カタコトの外国人が面接にきた。会社は、日本語カタコト外国人を500円で雇うことができません。日本人と同じ給料で雇わなければならない。するとどうなります? 面接している人は、「そりゃあ日本語ペラペラの方がいいよな」となり、日本人を採用するでしょう。



このように、「日本人と外国人の賃金水準を同じにすること」は、日本語ネイティブの日本人を有利になるのです。





日本語を話せない外国人は、仕事につきにくくなる





以前にも書きました。私が使っている洗車場で働いているのは、ほとんどタジキスタン人です。あるタジキスタン人が私にいいました。



「他人の車を一日何十台洗っても、全然金はたまらない。俺の麻薬売ってる友達たちは、皆リッチに暮らしているのに。友達は、いつも『一緒にやろう! リッチに暮らそう!』と誘う。俺は、麻薬の密売は、アラーの意志に反していると思うからやらなかったが、誘惑に負けそうになることがあるんだ…」



ちなみに、ロシアで流通している麻薬は、アフガンから入り、中央アジアの人たちが売っているそうです。



こういうことは、日本でもありえます。普通の人は、法律を守りたいし、犯罪もしたくありません。しかし、いくら働いても、食べることしかできない水準がつづくと、「違法でも儲かる」方に流れやすくなる



「日本人と外国人の賃金水準を同じにする」とどうなるでしょうか? 「厳格に実行されたら」と仮定して考えます。



まず第一に、日本語を話せない外国人は、仕事につきにくくなるでしょう。つまり、「日本語をペラペラ話す」というだけで、日本人が有利になります。第二に、日本語をペラペラ話す外国人の給料は上がるでしょう。そのことは、彼らがシャドウサイドに流れるのを防ぎます。第三に、日本が極端な格差社会になるのを防ぎます



モスクワの状況を見てみましょう。朝起きて家を出る。道路の清掃をしているのは、皆中央アジアの人達です。スーパーに入ると、従業員の多くは、中央アジアの人達です(ロシア人も、たまにいる)。建設現場で働いているのは、ほとんどが中央アジアの人達です。タクシーの運転手をしているのは、ほとんどが中央アジアコーカサスの人たちです(ロシア人もたまにいる)。



モスクワは、ロシア人と3K外国人労働者、移民でくっきりと人生の明暗が分かれてしまいました。そして、ロシア人は、「移民が多すぎる。イスラム教徒だらけだ!」と憤り、3K外国人労働者は、差別を感じるのと長時間低賃金労働に怒りを感じています。



私は、日本人ということで、中央アジアコーカサスの人たちとも気楽に話すことができます。打ち解けてくると、彼らが口にするのは、ロシアやロシア人に対する静かな怒り、憎しみです。ロシア人はロシア人で、「なら、来るな! 俺はおまえたちを呼んでない!」と憤っている。



ちなみほとんどのロシア人も中央アジア人も、話してみると善良な人達です。間違った政策が、善良な人達同士を対立させているのです。





日本語試験の導入を





以前にも書きましたが、ロシア人と3K労働者、3K移民の対立は、居住権の取得に「ロシア語」「ロシア史」「ロシア法」のテストを必須にした後、沈静化しました。それで、日本でも、少なくとも仕事で来る人たちは、「日本語テスト」を必須にすべきだと思います。



※ 結婚してくる人たちに関しては、「日本語が話せないから」という理由で家族を引き離すことはできないでしょう。たとえば男性が日本人、奥さんアメリカ人で日本語ができない。それでも、もちろん受け入れるべきですね。その場合、彼女がきちんと日本語が話せるようになるよう、サポートすることが必要。実際、サポートする仕組みは、すでにあるようですが。



どんどん話がそれていきますが、この件に関するメールをご紹介しましょう。Oさまからのメール。






北野様





こんばんは。いつもモスクワでメルマガを読んでいます。



ロシア語の試験とロシアの歴史の試験が始まったと書いてありましたが、ロシアの法律のテストもあります。私はロシア人との国際結婚ですので、ロシア語の試験、ロシアの歴史、ロシアの法律のテストを受けました。国際結婚でも労働者と同じです。試験は簡単でしたが、移民局のシステムが非常に大変でした。



まず、私の自宅から移民局まで片道100km離れています。書類を提出する前日に翌日の予約を移民局へ行ってとらなければなりません。夫の仕事が休みの日しか行けないため、土曜日に予約へ行き、日曜日に書類を出すということを繰り返し、9回目にして書類が受理されました。2か月かかりました。



その後、半年の審査期間を経て一時居住権を取得できるのですが、移民局の作業が遅くて、結局8か月待って取得できました。その間、90日間でビザが切れるため、日本とモスクワを往復しました。



日本も日本語のテストと日本の法律(ゴミの出し方などの生活の決まりなど)のテストを日本語で出題するべきだと思います。



モスクワに住む前に外国人児童に日本語を教える仕事をしていました。私がその仕事を始めた2012年ごろは、出稼ぎで日本へ来た両親の生活が落ち着き、自国に置いてきた我が子を日本へ呼び寄せる形が多かったです。そのため、両親は日本語がよくでき、子供は日本語が分からないという状態でした。



しかし、2015年になると、両親も子供も日本語が分からないけれども、一か八か日本へ行ってみようという家族が増えてきました。そして、日本語が分かるようになってきた子供たちに訊いてみると、中国では「日本で楽に暮らす方法」というような本がバカ売れしているということでした。それを読んで日本へ来たという子がいました。この話を聞いた時、日本語の試験をした方がいいなあと思いました。



これからもメルマガを楽しみにしています。そして、いつかモスクワ市内でばったり会える日があるかなあと思っています。





いかがでしょうか? 3K労働者、3K移民の問題は、本当に重大です。アメリカでも欧州でも大問題になっている。それで、「アメリカとメキシコの国境に万里の長城をつくる!」と宣言したトランプのような男がアメリカの大統領になる。



日本政府は、善悪吟味せず、何でもかんでも欧米の真似をしますが、もう少し欧米の悲惨な現状を勉強した方がいいと思います。





image by: norazaminayob / Shutterstock.com





北野幸伯 この著者の記事一覧



日本のエリートがこっそり読んでいる秘伝のメルマガ。驚愕の予測的中率に、問合わせが殺到中。わけのわからない世界情勢を、世界一わかりやすく解説しています。まぐまぐ殿堂入り!まぐまぐ大賞2015年・総合大賞一位の実力!





    








「『日台安保対話』呼びかけの顛末」(産経ニュース・フォーカス台湾):阿修羅♪

「『日台安保対話』呼びかけの顛末」(産経ニュース・フォーカス台湾):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/17/china12/msg/783.html









(産経ニュース)

https://www.sankei.com/world/news/180627/wor1806270007-n1.html





2018.6.27 07:20更新





対中安保「日台で対話を」 台湾の外交部長が異例の呼びかけ 単独インタビュー





台北=田中靖人】台湾の呉釗燮外交部長(外相に相当)は26日までに、産経新聞の単独取材に応じ、「日本と台湾はともに中国の軍事的な圧力と脅威に直面している」と述べ、日台当局間の安全保障対話を呼びかけた。日本と外交関係のない台湾の高官が当局間対話を求めるのは異例。台湾周辺で活発化する中国軍の動向を受け、一歩踏み込んだ。



呉氏は中国の海空軍が近年、西太平洋への進出を「常態化」(中国国防省)させていることを念頭に、「軍用機が宮古海峡を南下すれば台湾、バシー海峡を北上すれば日本への脅威となる」として、日台の安全保障は「密接不可分だ」と指摘し、「日本と安全保障分野での意見交換を望む」と述べた。



米国と台湾の間では安全保障協力が「非常に密接だ」とし、「外交関係の有無を安全保障対話の前提条件にすべきではない」とも述べた。また、日本側が公開での対話を望まないのであれば、「非公開でも構わない」とし、まずは窓口機関を通じた対話でも良いとも述べた。



一方、日本政府が求める福島など5県産食品の輸入解禁は「消費者の信頼回復に台日が(安全性のアピールなどで)協力することが必要だ」と述べるにとどめた。





■呉釗燮氏 台湾・彰化県生まれ。政治大卒、米オハイオ州立大で博士号(政治学)。政治大教授から民主進歩党陳水扁政権で駐米代表などを歴任。2014年から蔡英文党主席(党首)の下で秘書長(幹事長)を務め、16年の蔡政権発足と同時に総統の外交・安保政策諮問機関「国家安全会議」秘書長に就任。総統府秘書長(官房長官)を経て今年2月から外交部長。63歳。











(産経ニュース)

https://www.sankei.com/world/news/180627/wor1806270030-n1.html





2018.6.27 20:57更新





本紙台湾報道に中国大使館申し入れ「強く反対」





在日中国大使館(程永華大使)は27日、同日付の本紙記事「対中安保『日台で対話を』 台湾・呉外交部長 異例の呼びかけ」について「台湾は中国の一部であり、報道は台湾独立を主張するもので、強く反対する」との申し入れを産経新聞に対して行った。



同大使館は、産経新聞が中国総局を開設した際の『一つの中国』の原則と日中共同声明などの精神に沿った報道-という合意に反すると指摘。その上で「中日関係が正常化に向かう軌道の中、両国国民の相互理解の増進に資する報道を求める」と述べた。











(フォーカス台湾)

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201806280005.aspx





台湾外相取材の日本メディアに中国大陸が抗議 外交部「受け入れられない」





【政治】 2018/06/28 16:05







外交部の李憲章報道官





台北 28日 中央社)呉ショウ燮外交部長(外相)へのインタビュー記事を掲載した産経新聞に対し中国大陸の在日大使館が抗議を行ったことが27日分かった。外交部(外務省)は28日、中国大陸は日本や台湾の報道、言論の自由に干渉しているとし、このようなやり方は「断じて受け入れられない」と強い不満を示した。(ショウ=金へんにりっとう)



産経新聞は27日付で「対中安保『日台で対話を』台湾の外交部長が異例の呼びかけ」と題したインタビュー記事を掲載。中国大陸の軍事的圧力の高まりを背景に、呉部長が日台当局間の安全保障対話を呼び掛けたと報じた。同日夜、同紙電子版は中国大陸側から「報道は台湾独立を主張するもので、強く反対する」との申し入れが同社にあったと伝えた。



外交部の李憲章報道官は28日、同部の定例報道説明会に出席し、中国大陸のやり方は自由と民主主義の普遍的な価値観を脅かすものだと指摘。このような流れが蔓延するのを阻止するため、理念が近い国々に対して団結を呼び掛けた。





(侯姿瑩/編集:楊千慧)








「日本の秘められた恥」  伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが放送 (BBC NEWS JAPAN):阿修羅♪

「日本の秘められた恥」  伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが放送 (BBC NEWS JAPAN):阿修羅♪

http://www.asyura2.com/18/senkyo247/msg/148.html







http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-44638987

[元記事では動画も御覧になれます。動画は4本あります。-投稿者より]





「日本の秘められた恥」  伊藤詩織氏のドキュメンタリーをBBCが放送





2018年06月29日







True Vision





BBCは28日夜、強姦されたと名乗りを上げて話題になった伊藤詩織氏を取材した「Japan's Secret Shame(日本の秘められた恥)」を放送した。約1時間に及ぶ番組は、伊藤氏本人のほか、支援と批判の双方の意見を取り上げながら、日本の司法や警察、政府の対応などの問題に深く切り込んだ。制作会社「True Vision」が数カ月にわたり密着取材したドキュメンタリーを、BBCの英国向けテレビチャンネルBBC Twoが放送した。



番組では複数の専門家が、日本の男性優位社会では、被害者がなかなか声を上げにくい状況があると指摘した。伊藤氏はその状況で敢えて被害届を出し、さらには顔と名前を出して記者会見した数少ない日本人女性だ。



伊藤氏は2015年4月に著名ジャーナリストの山口敬之氏に強姦されたと、警察に被害届を出した。最初の記者会見を開いたのは、2年後の2017年5月。山口氏の逮捕令状が出たにもかかわらず逮捕が見送られ、証拠不十分で不起訴処分となったことへの不服を検察審査会に申し立てたという発表だった。



番組は、伊藤氏が「すごい飲み方」で泥酔して吐いた、ホテルでのその後の性行為は同意の上でのことだった――という山口氏の主張や反論とあわせて、伊藤氏自身が語る2015年4月の経緯を、現場となった都内のすし店やホテルの映像などを差し挟みながら、詳細に紹介した。当時以来初めて現場のホテルを訪れた伊藤氏が、こわばった表情でホテルを見上げた後にしゃがみこみ、「これ以上ここにはいられない」と足早に立ち去る姿も映している。



ニューヨークでジャーナリズムを学んでいた伊藤氏は2013年秋、当時TBSワシントン支局長だった山口氏とアルバイト先のバーで知り合った。インターンの機会がないか問い合わせると、山口氏からプロデューサーの職を提供できるので就労ビザについて帰国中に相談しようと呼び出しがあったという。



日本酒を少し飲むと「気分が悪くなり、トイレで意識を失った(中略)激しい痛みで目が覚めた。最初に口にしたのは『痛い』だったかもしれない。それでも止めてくれなかった」と語る伊藤氏は、その後、ベッドの上で山口氏に覆いかぶさられ息が出来なくなった際に「これでおしまいだ、ここで死ぬんだと思った」と涙を流して語った。さらには、抵抗する自分に山口氏が「合格だよ」と告げたのだとも話した。





首相に近い人物





番組では山口氏について、事件当時は日本の有名テレビ局のワシントン支局長で、安倍晋三首相を好意的に描いた人物伝の著者だと紹介した。伊藤氏と山口氏を取材した記事を昨年12月に発表した米紙ニューヨーク・タイムズのモトコ・リッチ東京支局長は、山口氏と安倍首相の近い関係から「この事件に政治的介入があったと考えられている」と話した。



山口氏は疑惑を全て否定している。番組は、山口氏が出演したネット座談会を紹介。山口氏はそこで、伊藤氏が泥酔していたため仕方なく宿泊先のホテルへ招いたと話した。また番組は、性行為はあったが合意の上だったという同氏の主張も伝えている。



番組はその上で、日本の刑法では合意の有無は強姦の要件に含まれていないと説明。暴力や脅迫があったと証明しなければ日本では強姦とは認められないことにも言及し、性暴力の被害者の多くが実際には恐怖で身がすくんで抵抗できず、助けを呼ぶこともできないことにも触れた。合意のない性行為はたとえ知人相手でも強姦なのだという、欧米では徐々に常識となりつつある考え方について、日本の大学生が教わったことがないというやりとりも紹介した。



また、日本の強姦罪(現・強制性交等罪)は2017年の法改正まで100年以上変わらず、強姦は窃盗より刑罰が軽かったなど、日本社会で性暴力が軽視されてきたことも法律の専門家などのコメントを通じて語った。





<関連記事>



BBCのラジオ番組、伊藤詩織さんに取材



日本の #MeToo:沈黙を破り始めた女性たち



今年のピュリツァー賞 ハリウッドのセクハラ追及報道が受賞





番組はさらに、日本で性暴力の被害者が事件後にいかに苦しむかも、伊藤氏や、伊藤氏が訪問した別の日本人女性を通じて紹介した。



伊藤氏は番組で、都内唯一の性暴力被害者の支援センターを訪問した。自分の被害直後に電話をしたが、直接来なければ相談を受け付けられないと言われた場所だという。番組によると、この被害者支援センターは東京都の人口1300万人に対して担当者が2人体制と人員不足が目立ち、暴行直後に法医学的証拠を残すための「レイプキット」も提供できていない。



番組はこのほか、警察の問題にも触れている。日本の警察における女性警官の割合はわずか8%で、伊藤氏が事件直後に被害届を出した際も男性警官に被害の詳細を証言しなくてはならなかったこと、複数の男性警官の前で警察署内の道場のマットに横になり、等身大の人形相手に事件を再現させられたことなどが取り上げられた。



「男性警官が人形を私の上に乗せて上下に動かし、こういう様子だったのかなどと確認された」と伊藤氏は話し、番組は、警察のこの捜査手法をセカンドレイプだと非難する声もあると指摘した。





女としての落ち度





2017年5月、伊藤氏は検察審査会に不服を申し立てるとともに、記者会見でこの事実を公表した。それ以降、伊藤氏がソーシャルメディアなどで激しい中傷や非難を受け続けていることや、伊藤氏の家族も中傷にさらされていることなども、番組は紹介した。伊藤氏が簡易版の盗聴探知機を買い求め、自宅内を調べてみる様子も映し出した。



一方で番組は山口氏を擁護する人物として、自民党杉田水脈議員を取材した。杉田議員は、ネット座談会などで伊藤氏を強く批判している。



番組の取材に対し杉田議員は、伊藤氏には「女として落ち度があった」と語った。



「男性の前でそれだけ(お酒を)飲んで、記憶をなくして」、「社会に出てきて女性として働いているのであれば、嫌な人からも声をかけられるし、それをきっちり断るのもスキルの一つ」と杉田議員は話している。議員はさらに、「男性は悪くないと司法判断が下っているのにそれを疑うのは、日本の司法への侮辱だ」と断言。伊藤氏が「嘘の主張をしたがために」、山口氏とその家族に誹謗中傷や脅迫のメールや電話が殺到したのだと強調し、「こういうのは男性のほうがひどい被害をこうむっているのではないかと思う」と述べた。



番組はその一方で、山口氏と安倍首相との関わりから、野党議員の一部が警察捜査を疑問視して超党派で「『準強姦事件逮捕状執行停止問題』を検証する会」を立ち上げたことも触れた。野党議員が国会で安倍首相に、逮捕中止について知っていたかと質問し、首相が個別案件について知る立場にないと反論する映像も紹介した。





「黙っているよりはずっといい」





個別案件ではなく、日本政府の性暴力対策全般について、番組は指摘を重ねた。



政府は昨年、初となる性犯罪・性暴力被害者支援交付金を設置し、今年度は1億8700万円を振り向けると発表した。しかし番組によると、日本の半分の人口しかない英国では、被害者基金の予算はその40倍だという。



日本政府は2020年までに各都道府県に最低1カ所の支援センターを設置する方針だが、20万人当たり1カ所という世界基準に沿うならば、日本には635カ所必要になる。



伊藤氏が内閣府男女共同参画局を訪ね、これについて質問すると、内閣府の職員は「検証が必要だろうと思う」と答えた。



2017年9月に検察審査会が山口氏を不起訴相当としたため、山口氏の刑事責任を問うことは不可能になったことも、番組ははっきりと伝えた。不起訴相当の知らせを受けた伊藤氏や家族の反応、その後さらに民事訴訟で損害賠償を求めていく様子も伝えている。



それでも、昨年秋に米映画プロデューサー、ハービー・ワインスティーン被告(強姦および性的暴行罪で逮捕・起訴)への告発から広がった「#MeToo(私も)」運動を機に、伊藤氏への支持が日本国内でも広がったことを番組は説明。伊藤氏も変化を感じていると番組で話した。



「何か動きを起こせば波が起こる(中略)良い波も悪い波も来るが、黙っているよりはずっといい」












放送後の反響





番組が放送されると、ツイッター上ではハッシュタグ「#japanssecretshame」を使った感想が次々と書き込まれた。



英ウスタシャー在住のローナ・ハントさんは、「女性として、そして引退した警官として、ショックで呆然としている。詩織、あなたは本当の英雄 #JapansSecretShame」とツイートした。



ロンドン在住の「paulusthewoodgnome」さんは、「強姦に対する日本社会の態度は本当に気がかりだ。伊藤詩織のような人がほかにどれだけいるのか。自分と自分を襲った人間にしか知られていない状態で。ほぼ全方面から見下されながら、詩織は実に勇敢で品位にあふれている。素晴らしい」と書いた。



アイルランド・ダブリン在住のルーシー・ホワイトさんは、「私の『ぜったい行きたい』リストから、日本はいきなり外れてしまった。#JapansSecretShameを見ているけど、性的暴行を軽くあしらう態度にぞっとしている。警察に女性は8%しかいなくて、強姦被害者が訴え出ると、等身大の人形で事件を再現しなくてはならない」と書いた。



アイルランド在住のシネイド・スミスさんは、「#JapansSecretShameを見ている。ショックだし、ものすごく心が痛い。何がいやだって、女性が女性を攻撃してること。被害者を支えるんじゃなくて、女性が彼女を責めてる……。犯罪を犯した男を責めなさいよ!」と書いた。



英無料夕刊紙イブニング・スタンダードも番組を取り上げ、「自分たちの居場所から、#MeTooは世界の先進国ならどこでも同じようなインパクトがあったと思い込むのは簡単だ。とんでもない。この番組によると日本では、昨年10月に暴露されたハービー・ワインスティーンの件への反応は『ひっそりとした』ものだった」と書いた。記事はさらに、無実を主張する山口氏が「詩織さんは酔っ払っていたと言う。まるでそれで十分、正当化されるとでもいうように」と書き、「負担も大きいが、声を上げることは沈黙させられるよりも良かったと(番組で伊藤氏は)結論する。彼女に耳を傾けよう」と結んでいる。



英紙ガーディアンも番組のレビューを掲載。「Japan's Secret Shameは、見るのがとても大変なドキュメンタリーだ。痛ましく、不愉快で、動揺させられる。このドキュメンタリーはそれに加えて、勇敢で必要な、極めて重要な作品だ。プロデューサー兼監督のエリカ・ジェンキン氏が、細心の注意と静かな怒りを込めて作ったもので、女性への暴力や構造的な不平等、差別といった大きな話題を、もっと小規模で個人的な物語に焦点を当てて描いている」と紹介した。





(編集部注――日本では「ワインスタイン」と表記されることの多いワインスティーン被告の名前は、本人や複数の関係者の発音に沿って表記しています)












警察庁では性犯罪被害の相談電話窓口として、全国共通番号「#8103」を導入しています。また、内閣府男女共同参画局でも性暴力被害者に必要な情報を提供しています。現在、43都道府県に「ワンストップ支援センター」が設置されています。



「Japan's Secret Shame」は6月28日にBBCTwoで英国内で放送された番組です。6月29日現在、日本での放送は未定です。





関連トピックス 日本 性的暴力 警察 女性の権利 人権 汚職・腐敗 法律