「日本:性暴力容疑の軍人3人に執行猶予付き懲役刑」(RFI・BBC NEWS JAPAN)

「日本:性暴力容疑の軍人3人に執行猶予付き懲役刑」(RFIBBC NEWS JAPAN)









(Japon: prison avec sursis pour trois militaires accusés de violences sexuelles: RFI)

https://www.rfi.fr/fr/asie-pacifique/20231212-japon-prison-avec-sursis-pour-trois-militaires-accus%C3%A9s-de-violences-sexuelles





日本:性暴力容疑の軍人3人に執行猶予付き懲役刑





この判決が待ち望まれていた。元兵士の五ノ井里奈さんは日本軍における性的暴行を初めて公に非難し、元同僚3人による斯かる行為について法廷に告訴した。





発表 2023年12月12日 10:35







2023年12月12日、軍の在職中に性的暴行を受けたとして同僚たちを告発した元自衛隊員の五ノ井里奈さんが、福島地裁でメディアに向けて話している。© Kyodo / Reuters





記者 RFI






報告 RFI東京特約記者、 フレデリック・シャルル





12月12日火曜日、日本・福島の裁判所が、2021年に同僚に対して性暴力を行った罪で元軍人3人にそれぞれ執行猶予付き懲役2年の判決を下した。24歳の元兵士・五ノ井里奈さんは、怠惰な上司たちを前にした不幸と司法への最初の告訴が却下されたことをメディアに公表する決意をした。彼女はソーシャルネット上で非難した。3人の同僚が彼女を無理矢理に横にして脚を広げさせ、性交渉の真似をした。他の兵士たちは笑いながらその様子を見ていたと。



軍に対して自身の事案を再開させるために、五ノ井里奈さんは「公正な捜査と処罰」を求めるオンライン請願を立ち上げる必要があった。彼女の請願は直ぐに100,000筆を超える署名を集めた。防衛省は遂に五ノ井里奈さんが真実を語っていたことを認めた。





日本での認識



今日、福島地裁は元軍人3名にそれぞれ執行猶予付き懲役2年の有罪判決を言い渡した。検察は論告で懲役2年を求刑していた。五ノ井里奈さんは民事でも襲撃者たちと日本国を相手に損害賠償を求める裁判を行っている。



福島地裁の今回の刑事判決は寛大だ。しかし、ソーシャルネット上での元兵士の暴露は、#MeToo運動への反響が殆ど無い日本において認識を促した。彼女は軍内で性的嫌がらせや性暴力を受けた他の千人の被害者たちに、沈黙から立ち上がるよう促した。外国では五ノ井里奈さんの勇気が称賛されている。BBCは2023年の世界で最も影響力のある女性100人のリストに彼女を加えた。





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BBC NEWS JAPAN)

https://www.bbc.com/japanese/67688949





自衛官3人に有罪判決、女性同僚への強制わいせつで





2023年12月12日







Getty Images

自衛官の五丿井里奈さん






日本の福島地方裁判所は12日、女性の同僚を性的に加害したとして、元自衛隊員の渋谷修太郎被告(31)と関根亮斗被告(29)、木目沢佑輔被告(29)の3人に有罪判決を言い渡した。





五丿井里奈さん(24)は2022年、自衛隊時代に受けた被害をユーチューブで公表。国内外で大きな反響を呼んだ。



自衛官3人は昨年1月に書類送検されたものの、当初は不起訴処分(嫌疑不十分)となった。しかし、五ノ井さんが審査を申し立てた郡山検察審査会が昨年9月に「不起訴不当」と議決。福島地方検察所は今年3月、一転して3人を強制わいせつ罪で在宅起訴した。



3人の被告は、それぞれ懲役2年執行猶予4年の判決を受けた。検察側は懲役2年を求刑していた。



一方、3人は起訴内容を否定し、無実を主張していた。



今回の判決は、6月にレイプの再定義や同意年齢の引き上げを含む性犯罪法の改正が行われて以降で初の、性的暴行に関する大きな判決だった。



日本では近年、性犯罪で起訴された被告人に対する裁判所の無罪判決が相次ぎ、世間の怒りを買った。法改正は、こうした風潮に抗議する活動家らの、長年にわたる活動の結果だった。活動家らは、以前の法律はしばしば、被害者が声を上げるのを妨げていたと指摘している。



日本の非常に保守的な社会では、性暴力の被害者が恥ずかしさから沈黙するケースも多い。



(警告:この記事には性暴力の生々しい描写が出てきます)



起訴内容によると、被告らは2021年8月、五丿井さんをベッドに押し付け、両脚を無理やり開き、代わる代わる何度も股間を押し付けた。



BBCの取材に対し五丿井さんは、このとき周りには同僚が十数人いたが、誰も3人を止めなかったと話した。「その人たちの前で、すごい笑いもの扱いにされました」。



五丿井さんはこの出来事を上官に報告したが、目撃証言を得られず、被害の訴えは退けられた。



その後、男性3人は陸上自衛隊の犯罪捜査部門によって、強制わいせつ容疑で書類送検されたが、証拠不十分で不起訴処分になった。五丿井さんはその後、自衛隊を退職した。



五丿井さんがユーチューブに投稿した動画は広く共有され、五丿井さんの事案について防衛省に調査を求める請願書には、10万人以上の署名が集まった。また、この訴えをきっかけに、自衛隊は内部調査を実施。100件を超えるハラスメントの訴えが寄せられた。その後、防衛省は五ノ井さんに謝罪した。



五丿井さんは12日の判決後、記者団に対し、「3人には自分たちの行った行動と向き合って反省してほしいです」と語った。



また、「笑いをとるためであっても犯罪なのだと示すことができたので、この判決が新たな被害の抑止力になり、被害にあった人が我慢することなく声をあげられる社会になってほしいと思ます」と述べた。



一方、被告3人の担当弁護士は、「判決理由を精査したい」と述べ、控訴については「わからない」と話した。







Getty Images

防衛省陸上自衛隊は昨年9月、五丿井さんに謝罪した






五丿井さんの訴えは大きな反響を呼んだ半面、公の場に出たことでインターネット上で誹謗中傷や殺害予告を受けた。



「『ブス』とか、ボーイッシュ系なので『やっぱ男じゃないか』などとも言われました」と、五丿井さんはBBCに語った。「署名を集めていた時も、脅迫メールというか、『これ以上言ったら殺すぞ』といったものが来たりしました」。



五丿井さんによると、この事件の前にも、自衛隊内で「毎日のように」セクハラを受けていたという。同僚らは五丿井さんの身体について話したり、身体を触ったり、自分の身体を押し付けたりした。



五ノ井さんはまた、加害者5人と国を相手に民事訴訟を起こしている。5人には精神的苦痛を引き起こしたとして計550万円、国には虐待を防がなかったとして200万円の賠償を求めている。



日本では、性犯罪の話題はなおタブーとされている。近年になってやっと、五丿井さんの告発に加え、伊藤詩織さんの事件や、ジャニー喜多川氏のスキャンダルなどが大きく取り上げられるようになった。



性犯罪に関する法律も、今年6月の法改正で他国の基準とそろった。この法改正では、レイプの罪名が「強制性交」から「不同意性交」に変わり、被害者が「性行為に同意しない意思を持ったり意思を示したりすることなどが困難な状態」として、8項目の具体的な行為が明記された。これには、「暴行や脅迫」に加え、アルコールや薬物を摂取させること、恐怖・驚愕(きょうがく)させること、地位関係性による不利益を憂慮させることなどが含まれる。



また、性交同意年齢も13歳から16歳に引き上げられ、公訴時効も延長された。



BBCは11月、今年のBBC「100 Women(100人の女性)」に、五ノ井さんを選出。BBCは毎年、社会に大きな影響を与え、人々の心を動かした女性100人を世界各地から選んでいる。



五ノ井さんはソーシャルメディアで、「英BBCインスピレーションと影響力のある女性100人に選ばれました。いつか声をあげなくてもいい社会になってほしいです」と語った。



五丿井さんはまた、米誌タイムの「次世代の100人」にも選ばれている。










この記事の内容に影響を受けた方に、BBCイギリス内での相談先を紹介しています(英語)。



また、日本の内閣府が、性犯罪・性暴力相談の相談先をこちらで紹介しています。





(英語記事 Three Japan ex-soldiers found guilty of sex assault





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(投稿者より)



五ノ井氏は自ら傷つきながらも世間を巻き込んで社会の認識を変えていった、ということだと思います。立派だと思います。



この事件にはもう1つの側面があります。職員に対する組織の暴力です、自衛隊は任務と全く関係のない理由で勇敢な自衛官を1人失いました。彼女は社会の声援を背に、今では組織と裁判で争う立場です。このことも重く考える必要があります。