「NATO事務局長の訪問にも係わらず、韓国と日本が『ウクライナ化』しない理由」(France 24 English・Sputnik International)

NATO事務局長の訪問にも係わらず、韓国と日本が『ウクライナ化』しない理由」(France 24 English・Sputnik International)









(NATO chief Jens Stoltenberg to strengthen partnership with Japan: France 24 English)

https://www.france24.com/en/asia-pacific/20230131-nato-chief-jens-stolenberg-to-strengthen-partnership-with-japan





NATOイェンス・ストルテンベルグ事務局長、日本との連携を強化へ





発表 2023年1月31日 04:43







2022年10月11日、ブリュッセルNATO本部で2日間開催される同機構の国防相会議の前に、イェンス・ストルテンベルグ事務総長が記者会見を行う。 © Kenzo Tribouillard, AFP





ニュースワイヤー






火曜日、ウクライナの戦争が進行している中でNATOは今後も日本との連携を強化していくと、日本を訪問中のイェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は述べた。同氏は現地で岸田文雄首相と会談する予定だ。



ウクライナでの戦争は私たち全員にとって重要だ。そのため、日本が飛行機や貨物能力を使って提供する支援にも非常に感謝している」と、ストルテンベルグ氏航空自衛隊入間基地を視察した後の挨拶で述べた。



韓国への訪問を含む彼の旅行の目的は、ウクライナでの戦争や中国との競争の激化に直面して、アジアにおける西側同盟国との関係を強化することだ。



月曜日、ストルテンベルグ氏はソウルで演説を行い、紛争当事国に武器を提供しないという政策をロシアの侵攻を受けて変更した他の国々を引き合いに出し、韓国ウクライナへの軍事支援を増やすよう促した。



ロシアは2月24日に開始した侵攻について、これを自国の安全保障への脅威を交わすための「特別作戦」と呼んでいる。





(ロイター)





日本 NATO イェンス・ストルテンベルグ 中国 ウクライナ












(Mission Impossible? Why NATO is Failing to 'Ukrainize' South Korea & Japan)

https://sputniknews.com/20230202/mission-impossible-why-nato-is-failing-to-ukrainize-south-korea--japan-1106895673.html





不可能な任務? NATOが韓国と日本の「ウクライナ化」に失敗している理由





2023年2月3日 04:38GMT







© AP Photo / Eugene Hoshiko





戦車・大砲・装甲兵員輸送車、更にはジェット戦闘機や潜水艦まで、全ては韓国で生産され、積極的に輸出されている。また、日本は大きな軍事産業の可能性を秘めている。NATO がこれを利用して、ウクライナで進行中の紛争を長引かせることは可能だ。





しかし、NATO事務総長のソウルと東京への訪問は、キエフブリュッセルで楽観主義を刺激することは殆ど無かった。攻撃武器の供給は韓国も日本も検討していないからだ。



イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は同じメッセージを両国に伝えた。アジアと欧州の安全保障は密接に結び付いており、もしプーチン氏が欧州で勝利することがあれば、これに続いて中国が台湾で軍事行動を起こすことは不可避だ。勿論、これは直接的に言われた訳で無い。それはアフガニスタン―米国とNATOが連携した任務の失敗によりにタリバン*が20年振りに支配を取り返した―に至るまでの全ての「権威主義国」に「悪いシグナル」を送ることに成るだろうからだ。しかし、ウクライナは明らかに別の問題なので、民主主義の砦が崩壊するのを防ぐために全ての進歩的な人類の団結が必要だ。







世界

NATOが韓国に「核の餌」を投げる

1月31日 10:51 GMT






しかし、西側連合に参加したアジア諸国の大衆意識には、「これはロシアが始めた」もので、故にロシアは非難に値するという物語がいまなお広く行き渡っているものの、遠く離れた東欧の国のために自分自身を犠牲にせよとの呼び掛けが同じ熱意を呼び起こすことはもう無い。その結果、米国とNATOが東アジアのパートナー国をウクライナ紛争に引きずり込もうとする試みは、如何なる手段を用いても相当に懐疑的に見られている。





「米国は、ロシアが北朝鮮から武器を購入している疑いがあるという情報のリークを続けている。しかし結局、この全ての意図は韓国とロシアの関係を損ねることだ。それで彼らは、それならあなたもポーランドに弾薬を供給すべきだと言える。しかし[彼らがウクライナに乗り換える可能性―スプートニク注記]はソウルとモスクワの関係に刺激を与えるだろう。したがって, 韓国は自身の立場を守るために, 過度に挑発的な行動を取るべきで無い。しかし、これは私見だが、韓国はこれを行おうとしている」と、軍事戦略研究の博士号を持つ峨山政策研究院外交政策・国家安全保障センターのYang Uk准研究員は述べた。






彼によると、ストルテンベルグ氏の直後にロイド・オースティン米国防長官がソウルを訪問したという事実は、韓国に対する深刻な圧力を掛けた可能性がある。彼らはそれを公にしないよう努めていたが、おそらく舞台裏では、ウクライナ支援の要求を強め続けていただろう。しかし、韓国政府にロシアと衝突する理由は無い。





「私たちに利益があるなら喜んでこれを行うだろう。しかし、ポーランドに武器を売却するのと、ウクライナの紛争に直接介入するのは別のことだ。後者は全く私たちの利益に成らない。確かに私たちは米国の同盟国であり、大統領が言うように共有する価値観が存在するため、何らかの象徴的な措置を取る必要は有る。しかし、当局は直接的な関与を避けるだろう。ワシントンはクリミアの時からずっと、これについて非常に不満を抱いていた。しかし、私たちの論理は単純で、ロシアが何をしようとも、ロシアが北朝鮮に接近するのを防ぐために、私たちはロシアと一定のレベルの関係を維持する必要がある」とYang Uk氏は説明した。




ソウルは、NATOとの協力について非常に現実的なアプローチを取っている。いくつかのNATO加盟国は軍事装備品を総合的に更新する必要性が高く、韓国はこの需要に応える準備が出来ている。更に、ソウルは、ポーランドからの注文をタイムリーに満たすために、元来自国軍のニーズに合わせて製造された装備品を喜んで提供する。そして、ソウルは、自国のために何かが必要になった場合には相互主義を当てにしている。







分析

ストルテンベルグ氏のアジア訪問は、反中・反露グローバル陣営に対するNATOの意欲を強調している:学者

1月30日 18:57 GMT






したがって、NATO事務総長が韓国に対して、戦争当事国に武器を供給しないという原則を放棄したドイツとスウェーデンの例に倣って理想のために戦うよう促した時には、韓国は李鍾燮(Lee Jong-sup)国防相が米国防長官と記者会見に臨んだ時のように反応する。



ウクライナの状況を注意深く見守るとしか、私には言えない。」



韓国・慶南大学極東研究所の趙眞九(Cho Jin-goo)准教授によると、日本はウクライナで起きていることについて、ロシアが「現状を武力で変えようとする」試みだとの評価を韓国と共有しているが、直接的な軍事支援の提供には同様に乗り気で無い。





「私の意見では、日本は参加について更に熟慮している。武器の直接の要請があっても、東京がそれを受け入れる可能性は低い。米国との相互防衛条約の下で、日本にそのような義務は無い。韓国と日本の首脳が昨年のNATOサミットに出席したのは事実だが、それでも大きな変化は無い」と、趙眞九氏は述べた。






彼は、日本は韓国と異なり長年に亘り武器輸出の「三原則」―その1つとして、国際紛争当事国への輸出を禁止している―を採用して来たことに言及した。そのため、日本がNATOの要求に応じる意思があるとしても、何らかの形で調整する必要があり、これには長い時間が掛かるだろう。



日本はウクライナ情勢を懸念している。首相自身がイェンス・ストルテンベルク氏を迎えたという事実は、これを更に深く証明している。 しかし、東京が懸念する本当の理由は中国の力の増大であり、「ロシアの脅威」は自国民に防衛費の増額を説得するための口実に使われているに過ぎない。それにも係わらず、この決定にさえ批判がある。





「日本では4月に重要な地方議会選挙と国会議員の中間選挙があり、この結果によっては岸田内閣に危機的状況をもたらす可能性がある。そのため、外交レベルでのウクライナへの支持は続くだろうが、国内情勢が困難なために東京が軍事支援を積極的に行う可能性は低い」と、趙准教授は述べた。






彼の意見では、NATOは韓国と日本からキエフが必要とする全てのものを得られるとは殆ど期待していない。なぜなら、彼らは両国の立場を知っているからだが、それでも彼らは両国の立場を曲げ続けている。日本はインド太平洋地域における利益が一致すればこの埋め合わせになる。しかし、韓国は、米国の砲兵供給を補充するための支援を、ウクライナ向けのほぼ直接の供給として偽装しようとする試みを非常に警戒している。



NATOの呼び掛けに対しては、韓国は日本よりも少し冷淡な受け止め方をしている。なぜなら、NATOは自身が韓国に提供できるものを余り持っていないからだ。彼らには、私たちが喜んで取引したいものが何も無い。レトリックがいくつかあるだけだ。しかし、 NATOの構造を考えるとこれは驚くべきことでは無い。米国が全体的に監督しており、欧州の役割はそれほど大きく無い。欧州の国が韓国から直接武器を購入したいと思ったとしても、米国の承認無しには不可能だ」と、Yang Uk氏は語った。



したがって、韓国がNATOの加盟諸国に「メッセージ」を送りたいならば、韓国の大統領はソウルでストルテンベルク氏に会うだろう。しかし、韓国側にそのような意思は無かったようだ。





* この組織は、テロ活動に対する国連の制裁を受けている。





アジア NATO イェンス・ストルテンベルグ 日本 韓国









(投稿者より)



スプートニクはソウルの見方を伝えています。日本のことが多少は客観的に見えると思います。