2025年までに「労働力の半分が機械化」、不平等が加速=WEFが警告 (BBC NEWS JAPAN)

2025年までに「労働力の半分が機械化」、不平等が加速=WEFが警告 (BBC NEWS JAPAN)









https://www.bbc.com/japanese/54625759





2025年までに「労働力の半分が機械化」、不平等が加速=WEFが警告





2020年10月21日







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スイスのシンクタンク世界経済フォーラム(WEF)」は20日に発表した最新の報告書で、2025年までに世界の労働力の半分を機械が担い、不平等が加速するとの見通しを示した。



報告書では「ロボット革命」により9700万の仕事が生まれる半面、同じだけの雇用が奪われると予想。特に、事務系やデータ処理系で手作業やルーティンワークになっている職種が、自動化の脅威にさらされるとみている。



その一方で、介護やビッグデータ、グリーン経済などで雇用が増えるという。



WEFが発表した「仕事の未来2020」では、世界のトップ企業300社を対象とした調査を実施した。それらの企業の従業員は合計800万人に上る。



報告書によると、雇用主の50%以上が社内で自動化を加速する予定だと回答。技術の進歩を理由に人員整理をする可能性があると答えたのは43%だった。



WEFは、新型コロナウイルスパンデミックを受けて企業はコスト削減や新しい働き方を模索しており、これが新しい技術の採用を加速させていると説明。一方、従業員について、「自動化の加速と、COVDI-19による景気後退の後遺症」という2つの脅威にさらされていると警告した。



WEFのサーディア・ザヒディ総責任者は、「(こうした事象によって)労働市場に存在する不平等が深刻化し、2007~2008年の世界金融危機以降の雇用拡大を逆戻りさせてしまう」



「これは、この困難な時期に労働者にさらにハードルを設ける、二重に弊害のあるシナリオだ。この変化に前もって対応するチャンスは急速に減っている」





「需要が急増」する職種も



WEFによると、現時点では労働力の約3分の1を機械が、残りを人間が担っているが、2025年までにこのバランスが変わるという。



助言や意思決定、理由付け、コミュニケーション、相互関係といった人間の技能に頼る役割の需要は高まると予想。また、グリーン経済やエンジニアリング、クラウド・コンピューティングといった分野でも需要が「急増」するとみられている。



しかし、ルーティンの仕事や手作業はテクノロジーに取って代わられ、低賃金、低技能の労働者が最も影響を受けるだろうと分析している。



その上で、この変化に対応するために数百万人が技能を覚え直す必要があるほか、政府も失業した労働者のために「より強固なセーフティーネット」を提供する必要があるかもしれないと指摘した。





(英語記事 Machines to 'do half of all work tasks by 2025'