安倍首相、緊急事態宣言の全国的な解除を表明 (BBC NEWS JAPAN)

安倍首相、緊急事態宣言の全国的な解除を表明 (BBC NEWS JAPAN)









https://www.bbc.com/japanese/52795395





安倍首相、緊急事態宣言の全国的な解除を表明





2020年05月25日







EPA

緊急事態宣言を全国で解除すると宣言した安倍晋三首相(25日、首相官邸






安倍晋三首相は25日、首都圏と北海道で続いていた新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言を解除すると表明した。これで先月7日に最初に出された同宣言が、約1カ月半ぶりに全面解除となる。



政府はこの日午前、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県と北海道の緊急事態宣言の解除を専門家でつくる諮問委員会に諮り、「妥当だ」として了承された。それを受け安倍氏は午後6時から、記者会見を開いた。



安倍氏は、新規の新型ウイルス感染者は1日50人を下回り、一時は1万人近くいた入院患者も2000人を切ったと説明。



「世界的にも極めて厳しいレベルで定めた解除基準を、全国的にクリアしたと判断した」と、解除の理由について述べた。



また、「これまでの私たちの取り組みは確実に成果を上げている」とした上で、「次なるステージへ国民と共に力強い一歩を踏み出します。ここから先は発想を変えていきましょう」、「今求められているのは新しいやり方で日常の社会経済活動を取り戻すことだと思う」などと呼びかけた。



首相はさらに、緊急事態宣言を解除するからといって、ウイルスがなくなるわけではないと強調。そうした「新たな日常」の中で、感染拡大の再発を防ぎながら、経済や国民生活を再生するため、第2次補正予算案を27日に閣議決定すると表明。第1次補正と合わせ、「事業規模は200兆円を超える」と説明した。



今後は感染者との接触を追跡するスマートフォンのアプリが有効になると強調し、「個人情報はまったく取得しない、安心して使えるアプリを来月中旬をメドに導入する予定」だと述べた。



「感染を抑えながら、完全なる日常を取り戻していくための道のりは、かなりの時間を要することになります」とも語った。







Reuters

首相会見で互いに距離を開けて座り、質問するため挙手する記者たち






「日本モデルの力を示した」



日本は他の主要国と比べると、新型ウイルスによる感染症COVID-19の症例や死者数が比較的少ない。25日現在で確認された感染者は1万6550人、死者は820人となっている。



日本政府の新型ウイルス対策は当初、不十分だと批判を浴びた。それを受けて東京都など首都圏の都府県は3月下旬から外出自粛を要請。政府は、4月7日に首都圏などで緊急事態宣言を出し4月16日には全国に拡大した



その緊急事態宣言の解除を宣言した安倍氏は、「わが国では緊急事態を宣言しても、罰則を伴う強制的な外出規制などを実施できない。それでも日本ならではのやり方で、わずか1か月半で、今回の流行をほぼ収束させることができた。まさに『日本モデル』の力を示したと思う」と述べ、国民に感謝を表明した。



ロックダウン(都市封鎖)を実施する法的強制力が政府にない中、日本が新型ウイルスの感染拡大を抑制できたことについて、多くの感染症の専門家は不思議がっている。



日本は世界で最も高齢化が進んだ社会だが、その国がなぜ感染者や死者を比較的少なく抑えられたのかも、明らかではない。





(英語記事 Japan lifts coronavirus state of emergency





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